両性具有の亡国王子は両方の性を満喫する

モモん

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第一章

空を飛ぶ魔法

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「ある程度、魔力のコントロールができれば可能だと思います。
精霊の力を借りる。精霊は一つしか呼べない。
そういう呪縛から離れればいいんです」

「よし、手を貸せわしの番じゃ。
『シャドウ!』」

「これは……影の中ですか!」

「ああ、明るく見えるところが影になっているところじゃ。影になっているところから潜り、別の影から飛び出す。
やってみろ」

「ああ、できます。なるほど。
じゃあ、そろそろ一度帰りますけどいいですよね。また遊びがてら情報をいただきに来ますけど」

「週に一度は顔を見せてくれ。年寄りの相手はつまらんかも知れんけどな」

「はい。では、うーん、バルコニーか屋上って出られますか?」

「屋上ならこの上の階じゃが、どうするんじゃ?」

「本日の最終講座です。
風魔法の応用で、空を飛びます」

「なに!」

階段を上って屋上に出ます。

「イメージは手のひらと足の裏から風を噴出させて、それを強くしていきます。
こんな感じです」

「こ、こうか。
おお、浮いたぞ」

「コントロールが難しいので、練習は低いところでやってくださいね」

「お、おう」

「じゃあ、私はこれで」

「ああ、土曜の夕方を待ってるぞ」



「失礼します……
いかがなされましたか?」

「ん、どうかしたか」

「いえ、とても楽しそうなお顔なので」

「ああ、わしの魔法人生を覆す、とんでもない出会いがあった。
お前の属性は風じゃったか」

「はい」

「空を飛んだことは?」

「なにバカなことを言ってるんですか」

「そうだ、それが普通だよな。クックックッ
この年になって、これほどワクワクするとは思わなんだ」

「?」

「まあ、楽しみに待っていろ。
マリアの許可をもらったら、お前たちにも見せてやるから」

「はあ……」

「おっと、そういえば返すのを忘れておったわい」

「な、どこから出したんですかその剣は」

「ん、これか、尻の穴からじゃよ」




ギルドに寄ってみましたが、ライラは来ていないそうです。
掲示板を見ると、オーク3頭の討伐依頼がありました。
カウンターに持っていき、確認します。

「オークって美味しいんですか?」

「ええ、癖がなくって焼いても煮ても食べられますよ」

「買取は?」

「状態にもよりますが一頭丸々なら金貨2枚ですね」

「じゃあ、これ受けます」

森の中に入り、陰に潜ります。
影の中で飛ぼうと考えたんです。
息ができるってことは空気があるということで、思った通り風魔法が使えました。
ただ、見える景色が違うので、どこを飛んでいるのか分かりません。
例えば街道沿いに飛んでいると、見えるのは空だけです。

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