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超合金ロボ
再戦
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「いいか、単独では行動するな!
必ず二人から三人で行動するんだ!
ヒドラらしい奴を見つけても、自分たちだけで倒そうと思うな。大声で叫んで応援を呼ぶんだぞ」
ギルマスが大声で全員に伝える。
「エイジ、お前は俺と一緒に来い。
その体ではまともにうごけまい。比較的足場のいいところをまわるぞ」
ギルマスの後ろについて湿地の周辺部を回るが、一歩踏み出すたびに数十センチ足が沈む。
体重は一トンを超えるのだから当然ともいえるが、足手まといなことこの上ない。
仕方なく重力制御を使おうと考えた矢先に、何かに足をひかれ泥の中に引きずり込まれた。
続いて体中を軟体質の何かが這いずる感じ……
ビーッ! ビーッ! ビーッ!
【強アルカリ溶液により外装が腐食!】
【外装損傷部より異物侵入!】
【警告!ジェット推進装置脱落!】
【警告!装飾用アンテナ脱落!】
【警告!ビームソード脱落……】
【バッテリー1短絡!回路遮断します!】
【緊急脱出モードに移行します。非常用バッテリーに切り替え完了!】
【重力制御起動!離脱します!】
ガチャガチャと音を立てて装備品が剥がれ落ちていく。
そのまま泥を飛び出し、近くの川に突入して僕は行動不能に陥った。
【エイジ、君は特殊装備の全てを失った……】
唐突にメッセージが表示された。
要約すると、外装にはスキルで覚える筈の機能が装備されており、外装を失った事で用意されていたスキルが使えなくなったようだ。
これまで覚えたビームソードやジェットパンチはもちろん、これから覚える筈だったビームや飛行系も覚えることが出来なくなったわけだ。
重力系はボディーに内蔵されているから使えるが、外装バッテリーを失った事で規模は小さくなる。
逆に、この世界で普通に覚える筈のスキルを覚えられるようになった。
体重も1トンから300kgに減った事で、動きが早くなり常駐型の重力制御が使えるようになった。
本体は元々イリジウム系の特殊合金で、アルカリや酸にも強く、魔法障壁と物理障壁の付与に加えて自動修復機能もある事から、ほぼ無敵と言える。
行動不能さえ気を付けていれば、まぁ問題はないだろう。
翌朝、エネルギーチャージを追えてギルドに出向くと、大勢の怪我人がフロアに溢れていた。
「えっと……」受付のお姉さんが戸惑っている。
ムリもない。外装が無くなった事で身長も15cmほど縮み、体格はフタ周りほど小さくなっている。
「エイジです。ギルマスはご無事ですか?」
ギルドカードを提示すると彼女も納得したようだ。
「はぁ、残念ながら……かすり傷で戻ってきています……」
「そうですか……それは残念な……」
「おい!何が残念なんだ!
まあいい、エイジ……なんだよな。
随分と貧弱になっちまったな……まあ、死んじまったヤツもいるんだ、許せ」
「ええ、僕の事はいいんですが、ヒドラは?」
「ああ、触手の何本かは切り落としたが、ほぼ無傷だ……くそっ!」
「僕の鑑定には、ヒドラとオオイトミミズの合成モンスター・ヒュドラと表示されました。
金属を腐らせるアルカリ粘液とモノを溶かす強酸液が武器で、弱点は火みたいです」
「ああ、うちの鑑定士も同じ事を言ってるが、本体は湿地の下だ。近づけば武器や防具をボロボロにされて、酸で焼かれる。
手の打ちようがねえんだ」
「もし、引きずり出せたら倒せますか?」
「ああ、魔法系のメンバーは全部残っている。
本体さえ見えリャあ絶対に逃がさねえ……本体さえ引きずり出せればな」
「試してみないと何とも言えませんが、うまくやれば引きずり出せると思うんですよね」
「そりゃあ……ありがたいことなんだが、お前にそこまでさせる理由が……次は命を落とすことになるかもしれんのに……
ギルド長としてお前にそれをやらせる理由がない……」
必ず二人から三人で行動するんだ!
ヒドラらしい奴を見つけても、自分たちだけで倒そうと思うな。大声で叫んで応援を呼ぶんだぞ」
ギルマスが大声で全員に伝える。
「エイジ、お前は俺と一緒に来い。
その体ではまともにうごけまい。比較的足場のいいところをまわるぞ」
ギルマスの後ろについて湿地の周辺部を回るが、一歩踏み出すたびに数十センチ足が沈む。
体重は一トンを超えるのだから当然ともいえるが、足手まといなことこの上ない。
仕方なく重力制御を使おうと考えた矢先に、何かに足をひかれ泥の中に引きずり込まれた。
続いて体中を軟体質の何かが這いずる感じ……
ビーッ! ビーッ! ビーッ!
【強アルカリ溶液により外装が腐食!】
【外装損傷部より異物侵入!】
【警告!ジェット推進装置脱落!】
【警告!装飾用アンテナ脱落!】
【警告!ビームソード脱落……】
【バッテリー1短絡!回路遮断します!】
【緊急脱出モードに移行します。非常用バッテリーに切り替え完了!】
【重力制御起動!離脱します!】
ガチャガチャと音を立てて装備品が剥がれ落ちていく。
そのまま泥を飛び出し、近くの川に突入して僕は行動不能に陥った。
【エイジ、君は特殊装備の全てを失った……】
唐突にメッセージが表示された。
要約すると、外装にはスキルで覚える筈の機能が装備されており、外装を失った事で用意されていたスキルが使えなくなったようだ。
これまで覚えたビームソードやジェットパンチはもちろん、これから覚える筈だったビームや飛行系も覚えることが出来なくなったわけだ。
重力系はボディーに内蔵されているから使えるが、外装バッテリーを失った事で規模は小さくなる。
逆に、この世界で普通に覚える筈のスキルを覚えられるようになった。
体重も1トンから300kgに減った事で、動きが早くなり常駐型の重力制御が使えるようになった。
本体は元々イリジウム系の特殊合金で、アルカリや酸にも強く、魔法障壁と物理障壁の付与に加えて自動修復機能もある事から、ほぼ無敵と言える。
行動不能さえ気を付けていれば、まぁ問題はないだろう。
翌朝、エネルギーチャージを追えてギルドに出向くと、大勢の怪我人がフロアに溢れていた。
「えっと……」受付のお姉さんが戸惑っている。
ムリもない。外装が無くなった事で身長も15cmほど縮み、体格はフタ周りほど小さくなっている。
「エイジです。ギルマスはご無事ですか?」
ギルドカードを提示すると彼女も納得したようだ。
「はぁ、残念ながら……かすり傷で戻ってきています……」
「そうですか……それは残念な……」
「おい!何が残念なんだ!
まあいい、エイジ……なんだよな。
随分と貧弱になっちまったな……まあ、死んじまったヤツもいるんだ、許せ」
「ええ、僕の事はいいんですが、ヒドラは?」
「ああ、触手の何本かは切り落としたが、ほぼ無傷だ……くそっ!」
「僕の鑑定には、ヒドラとオオイトミミズの合成モンスター・ヒュドラと表示されました。
金属を腐らせるアルカリ粘液とモノを溶かす強酸液が武器で、弱点は火みたいです」
「ああ、うちの鑑定士も同じ事を言ってるが、本体は湿地の下だ。近づけば武器や防具をボロボロにされて、酸で焼かれる。
手の打ちようがねえんだ」
「もし、引きずり出せたら倒せますか?」
「ああ、魔法系のメンバーは全部残っている。
本体さえ見えリャあ絶対に逃がさねえ……本体さえ引きずり出せればな」
「試してみないと何とも言えませんが、うまくやれば引きずり出せると思うんですよね」
「そりゃあ……ありがたいことなんだが、お前にそこまでさせる理由が……次は命を落とすことになるかもしれんのに……
ギルド長としてお前にそれをやらせる理由がない……」
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