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第肆章
「ゼウス」
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「これが、この感覚こそがコマとリンクするということか!?」
最高神が高らかに笑った。
「最高神様・・・」
アマテラスが哀れむように最高神を見た。
ここから始まるのは、アマテラスの知る、最高神の話である。これより皆様を現在より過去のお話へとお連れしましょう。
「最高神様が何故、「最高神」と呼ばれるようになり、このようになってしまったのか・・・。この物語は、彼が最高神と呼ばれるまでのお話です・・・。」
とアマテラスが話を進めた。
「ここは数十年前のエデンガーデン。彼の幼少の頃の話です。彼は、幼き頃より類まれなる才をもち、文武共に優れておりました。」
彼の名は・・・。「ゼウス」
「そう、私とゼウスは幼少の頃より親しき仲でした。下界の言葉で表すのであれば、幼なじみというのでしょうか?私たちは、神となるべくエデンガーデンにて、互いに競い合い、高めあっておりました。そんなある日・・・。」
「おい!アマテラス!アマテラスってば!」
「何?どうしたのよ?」
「いいこと思いついたんだよ!今晩、父上が管理している水晶を見に行かないか?」
「ダメよ!もしバレたらどうするのよ。」
「大丈夫だって!今日は父上も母上も総会でいないからさ!」
ゼウスの言葉にアマテラスは少し興味がありましたが、自身の保険の為一応止める素振りをみせてゼウスを止めることを試みましたが・・・。
「じゃあ、少しだけね?」
下界の様子を見たいという気持ちに負け、アマテラスはゼウスと共に水晶を覗きに行くことにしました。
「これが私の過ちでした。彼があんな風になってしまうなんて・・・。」
エデンガーデンの夜。
「それじゃあ、開けるぞ」
ゼウスが大きな音をたてないようにヒソヒソとアマテラスに言いました。アマテラスは息をのみ、首を小さく縦に振りました。
キキ・・・。
扉の繋ぎが少し錆びついているのか、少し軋むような音と共に子供の力では少しだけ重たい扉が開いた。
扉の先には、青々と幻想的な光をまとったとても神秘的な空間が広がっていました。2人は、あまりの美しさに言葉を失ってしまいました。
すげー・・・。
この言葉以外の言葉しか出ない程、その空間は2人にとってとても魅力的な部屋でした。
「ゼウス!早くしないと総会が終わってしまうわ!」
ふと我に返ったアマテラスがゼウスを急かした。
「あ、そうだった。急ぐぞ、アマテラス!」
そう言うと、ゼウスとアマテラスは青々と光り輝く水晶の元へと走っていきました。
水晶の名は・・・「ゴッドマテリアル」
この水晶は最高神のみが見ることの出来るまさに至高の水晶なのだ。しかしながら、幼くして最高神に最も近しい存在であるゼウスに水晶を見ることはあまりにも容易なことであった。
「エウ、ヴァーデス、ウィー、ムー、ウォー、ヴェー、アル、テミス」
ゼウスが呪文を唱えると、水晶に下界の様子が映し出された。しかし、2人は後悔した。先程まであれ程ワクワクした気持ちに満ち溢れていた2人の顔は、絶望へと変わっていたのだ。
水晶に映し出されたものそれは・・・
第二次世界大戦中の下界の姿でした。人間同士の醜い争い、世界紛争、人間同士の差別、戦争の機会を作る為の工場の発達による環境汚染や、壊れていく自然。
「これが私の侵した過ちだったのです。私がゼウスをきつく止めていれば、ゼウスがその世界を目にすることはありませんでした。だから私は・・・。」
「なんだよこれ・・・。なんなんだよ。これが、人間?これが下界なのか・・・。ウソだ、こんなの嘘に決まってるよ!なぁ?アマテラス?」
「・・・・・・」
「なんだよ、なんで黙るんだよ?なんとか言ってよ!アマテラス!!」
「この時からゼウスの中に別の人格が生まれたのです。生きとし生けるもの全てが選別されなくてはならないという狂気にも似た歪んだ姿が・・・。」
アマテラスは悲しい目をして言いました。
「ここまでがゼウスの、そして私の過去のお話となります。ゼウスがこのようになってしまったことについては、それより先のお話は私には語ることはできません。何故なら、それ以降ゼウスが最高神となるまでお会いすることはありませんでしたから・・・。」
水晶を見たことがゼウスの父に見つかり、その罰としてゼウスは家から出ることを禁じられ、最高神になるための辛く過酷な指導が始まったのです。
この時、ゼウスの2つ目の人格が目を覚まし、自身の父親を殺すことによって最高神の地位へと登り詰め、幼少の頃から親しくしていたアマテラスをNo.3の座へと就かせました。
そして、出来上がったのが現在の神々です。
いかがでしたか?これが彼らの昔話です。楽しんで頂けましたでしょうか?それでは、これから始まる彼らの今をお届けしましょう・・・。
「我、最高神ゼウスの名の元に命ずる!これより我ら全ての神々の命は盤上の明記に沿って賭けられた!何人もこの席を立つことは許さぬ!」
最高神。いや、ゼウスが真にゲーム開始の号令を唱えた。
これから始まるゲーム。
それは・・・
神々と下界の民全ての命をベットにしたデスゲームであり
生きとし生けるもの全てが賭けの材料となる
このことを知る者は
神のみぞ知る・・・
下界の民は盤上の駒であり神々のコマとして
ただ、運命に従い死のカウントダウンを待つことしかできない
これが人生ゲームなのだ・・・。
最高神が高らかに笑った。
「最高神様・・・」
アマテラスが哀れむように最高神を見た。
ここから始まるのは、アマテラスの知る、最高神の話である。これより皆様を現在より過去のお話へとお連れしましょう。
「最高神様が何故、「最高神」と呼ばれるようになり、このようになってしまったのか・・・。この物語は、彼が最高神と呼ばれるまでのお話です・・・。」
とアマテラスが話を進めた。
「ここは数十年前のエデンガーデン。彼の幼少の頃の話です。彼は、幼き頃より類まれなる才をもち、文武共に優れておりました。」
彼の名は・・・。「ゼウス」
「そう、私とゼウスは幼少の頃より親しき仲でした。下界の言葉で表すのであれば、幼なじみというのでしょうか?私たちは、神となるべくエデンガーデンにて、互いに競い合い、高めあっておりました。そんなある日・・・。」
「おい!アマテラス!アマテラスってば!」
「何?どうしたのよ?」
「いいこと思いついたんだよ!今晩、父上が管理している水晶を見に行かないか?」
「ダメよ!もしバレたらどうするのよ。」
「大丈夫だって!今日は父上も母上も総会でいないからさ!」
ゼウスの言葉にアマテラスは少し興味がありましたが、自身の保険の為一応止める素振りをみせてゼウスを止めることを試みましたが・・・。
「じゃあ、少しだけね?」
下界の様子を見たいという気持ちに負け、アマテラスはゼウスと共に水晶を覗きに行くことにしました。
「これが私の過ちでした。彼があんな風になってしまうなんて・・・。」
エデンガーデンの夜。
「それじゃあ、開けるぞ」
ゼウスが大きな音をたてないようにヒソヒソとアマテラスに言いました。アマテラスは息をのみ、首を小さく縦に振りました。
キキ・・・。
扉の繋ぎが少し錆びついているのか、少し軋むような音と共に子供の力では少しだけ重たい扉が開いた。
扉の先には、青々と幻想的な光をまとったとても神秘的な空間が広がっていました。2人は、あまりの美しさに言葉を失ってしまいました。
すげー・・・。
この言葉以外の言葉しか出ない程、その空間は2人にとってとても魅力的な部屋でした。
「ゼウス!早くしないと総会が終わってしまうわ!」
ふと我に返ったアマテラスがゼウスを急かした。
「あ、そうだった。急ぐぞ、アマテラス!」
そう言うと、ゼウスとアマテラスは青々と光り輝く水晶の元へと走っていきました。
水晶の名は・・・「ゴッドマテリアル」
この水晶は最高神のみが見ることの出来るまさに至高の水晶なのだ。しかしながら、幼くして最高神に最も近しい存在であるゼウスに水晶を見ることはあまりにも容易なことであった。
「エウ、ヴァーデス、ウィー、ムー、ウォー、ヴェー、アル、テミス」
ゼウスが呪文を唱えると、水晶に下界の様子が映し出された。しかし、2人は後悔した。先程まであれ程ワクワクした気持ちに満ち溢れていた2人の顔は、絶望へと変わっていたのだ。
水晶に映し出されたものそれは・・・
第二次世界大戦中の下界の姿でした。人間同士の醜い争い、世界紛争、人間同士の差別、戦争の機会を作る為の工場の発達による環境汚染や、壊れていく自然。
「これが私の侵した過ちだったのです。私がゼウスをきつく止めていれば、ゼウスがその世界を目にすることはありませんでした。だから私は・・・。」
「なんだよこれ・・・。なんなんだよ。これが、人間?これが下界なのか・・・。ウソだ、こんなの嘘に決まってるよ!なぁ?アマテラス?」
「・・・・・・」
「なんだよ、なんで黙るんだよ?なんとか言ってよ!アマテラス!!」
「この時からゼウスの中に別の人格が生まれたのです。生きとし生けるもの全てが選別されなくてはならないという狂気にも似た歪んだ姿が・・・。」
アマテラスは悲しい目をして言いました。
「ここまでがゼウスの、そして私の過去のお話となります。ゼウスがこのようになってしまったことについては、それより先のお話は私には語ることはできません。何故なら、それ以降ゼウスが最高神となるまでお会いすることはありませんでしたから・・・。」
水晶を見たことがゼウスの父に見つかり、その罰としてゼウスは家から出ることを禁じられ、最高神になるための辛く過酷な指導が始まったのです。
この時、ゼウスの2つ目の人格が目を覚まし、自身の父親を殺すことによって最高神の地位へと登り詰め、幼少の頃から親しくしていたアマテラスをNo.3の座へと就かせました。
そして、出来上がったのが現在の神々です。
いかがでしたか?これが彼らの昔話です。楽しんで頂けましたでしょうか?それでは、これから始まる彼らの今をお届けしましょう・・・。
「我、最高神ゼウスの名の元に命ずる!これより我ら全ての神々の命は盤上の明記に沿って賭けられた!何人もこの席を立つことは許さぬ!」
最高神。いや、ゼウスが真にゲーム開始の号令を唱えた。
これから始まるゲーム。
それは・・・
神々と下界の民全ての命をベットにしたデスゲームであり
生きとし生けるもの全てが賭けの材料となる
このことを知る者は
神のみぞ知る・・・
下界の民は盤上の駒であり神々のコマとして
ただ、運命に従い死のカウントダウンを待つことしかできない
これが人生ゲームなのだ・・・。
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