【完結】女王陛下、クビだけはご勘弁を 〜「できちゃった。責任とって」って、ソイツはヤリチン王子。できるはずがありません!!〜

アムロナオ

文字の大きさ
69 / 102

【46】狂気 ② ー骨の髄まで搾り尽くしてやろうー

しおりを挟む
「マイトナーと彼女はどれほど親密なんだ?」
「ぞっこんなのは彼女のほうで、マイトナー伍長が陸に上がる時は彼女が迎えに行き、ホテルを用意し、献身的に支えていたようです」

 サニーはガシガシ頭をかいた。
 プライベートで、これほど不快な報告は初めてだ。
 だがこれからもっと不快な報告を聞くことになるだろう。

「女関係は?」
「海軍人らしく”港に女あり”です。寄港先で色んな女性と関係をもっています。といっても深い関係ではなく、あくまでもお遊び程度ですが……マッキニー准尉も承知しているのでしょう。だから彼女も適当な男を探して性欲を満たしている」

 例えダニエルが許していても、彼女が性欲を満たすために他の男かと遊んでいても、それは問題ではない。

 問題は、彼女の心の中にその男がいることだ。
 そしてその男が彼女を大切にしていない不実な奴って点だ。
 サニーは拳を握った。


「しかし最近、本命ができたようです。相手はマッキニー准尉の親友で同室のセレーナ・フェリックス。所属階級ともに、マッキニー准尉と同じです」

「おいおい、パトロンの親友に手を出してるのか?いくらクズ男でも、パトロンには最低限の礼儀くらいわきまえるぞ」

「左様でございます。まだ深い仲ではありませんが、マメに手紙を送っているようです。フェリックス准尉も、マッキニー准尉には秘密にしているのではないでしょうか。二人は相変わらず仲が良いようですし……」

「ってことは、なんだ。ダニエルは愛する人に利用されるだけでされて、親友にも裏切られてるってわけだ」

 サニーは初めて愛称ではなく、彼女の名前を呼んだ。
 もう作り笑いを浮かべられなくなっているのも、自覚してる。

 そんなサニーの威圧感に気圧されて、ユージンは言い淀む。
 だが事実は変わらないので、「はい」と短く答えた。


 直後、ガシャーン!!と大きな音がして、窓際の壁に粉々になったカップの破片が散らばる。

 嫉妬とはこのようなものかと、サニーは拳を震わせた。
 身の内から殺意と怒りが湧き上がってくる。

 どうして彼女はそんな倫理観のない男を愛しているんだ。
 もっとマシな男がいるだろう!
 家族にも金をせびられ、休日もバイト三昧。
 何故そんなにも馬鹿なのだと、縛り上げて問い詰めたくなる。


 誰かに彼女の愛や金を搾り取られるくらいならーー。
 誰かが彼女を苦しめるくらいならーー。

 ーー自分が骨の髄まで搾り尽くしてやろう。


 贅沢をさせ、快楽に漬け、甘い苦痛に浸らせてやろう。

 できる限り彼女の希望に沿った形で穏便な関係を望んでいたが……止めだ。
 とうとうサニーは決意した。


 この国の王子として、感情を律するよう厳しく躾けられてきた。
 飄々として、滅多なことでは我を忘れることはない。
 その主人サニーが初めてみせる激昂に、ユージンは顔色をなくした。

 他愛もない報告が、こんな事態を引き起こすなんて。
 ユージンには全く予想もつかなかった。

 まさか主人が彼女にこれほど魅入られているなんて!
 ユージンは寒気がした。

 今後、マッキニー准尉が他の男に抱かれようものなら、きっと死人がでるだろう。
 いや、そうなる前に殿下は彼女を監禁するに違いない。

「恋とはまるで狂気ですね」
 ユージンがボソッと呟く。

 サニーは振り向き、瞳を爛々と狂気で光らせながら、唇の端をニヤッと引き上げた。
じゃない、狂気さ」
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

一夜限りの関係だったはずなのに、責任を取れと迫られてます。

甘寧
恋愛
魔女であるシャルロッテは、偉才と呼ばれる魔導師ルイースとひょんなことから身体の関係を持ってしまう。 だがそれはお互いに同意の上で一夜限りという約束だった。 それなのに、ルイースはシャルロッテの元を訪れ「責任を取ってもらう」と言い出した。 後腐れのない関係を好むシャルロッテは、何とかして逃げようと考える。しかし、逃げれば逃げるだけ愛が重くなっていくルイース… 身体から始まる恋愛模様◎ ※タイトル一部変更しました。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!

白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。 辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。 夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆  異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です) 《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆ 

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました

Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。 そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。 お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。 挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに… 意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。 よろしくお願いしますm(__)m

処理中です...