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【46】狂気 ② ー骨の髄まで搾り尽くしてやろうー
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「マイトナーと彼女はどれほど親密なんだ?」
「ぞっこんなのは彼女のほうで、マイトナー伍長が陸に上がる時は彼女が迎えに行き、ホテルを用意し、献身的に支えていたようです」
サニーはガシガシ頭をかいた。
プライベートで、これほど不快な報告は初めてだ。
だがこれからもっと不快な報告を聞くことになるだろう。
「女関係は?」
「海軍人らしく”港に女あり”です。寄港先で色んな女性と関係をもっています。といっても深い関係ではなく、あくまでもお遊び程度ですが……マッキニー准尉も承知しているのでしょう。だから彼女も適当な男を探して性欲を満たしている」
例えダニエルが許していても、彼女が性欲を満たすために他の男かと遊んでいても、それは問題ではない。
問題は、彼女の心の中にその男がいることだ。
そしてその男が彼女を大切にしていない不実な奴って点だ。
サニーは拳を握った。
「しかし最近、本命ができたようです。相手はマッキニー准尉の親友で同室のセレーナ・フェリックス。所属階級ともに、マッキニー准尉と同じです」
「おいおい、パトロンの親友に手を出してるのか?いくらクズ男でも、パトロンには最低限の礼儀くらい弁えるぞ」
「左様でございます。まだ深い仲ではありませんが、マメに手紙を送っているようです。フェリックス准尉も、マッキニー准尉には秘密にしているのではないでしょうか。二人は相変わらず仲が良いようですし……」
「ってことは、なんだ。ダニエルは愛する人に利用されるだけでされて、親友にも裏切られてるってわけだ」
サニーは初めて愛称ではなく、彼女の名前を呼んだ。
もう作り笑いを浮かべられなくなっているのも、自覚してる。
そんなサニーの威圧感に気圧されて、ユージンは言い淀む。
だが事実は変わらないので、「はい」と短く答えた。
直後、ガシャーン!!と大きな音がして、窓際の壁に粉々になったカップの破片が散らばる。
嫉妬とはこのようなものかと、サニーは拳を震わせた。
身の内から殺意と怒りが湧き上がってくる。
どうして彼女はそんな倫理観のない男を愛しているんだ。
もっとマシな男がいるだろう!
家族にも金をせびられ、休日もバイト三昧。
何故そんなにも馬鹿なのだと、縛り上げて問い詰めたくなる。
誰かに彼女の愛や金を搾り取られるくらいならーー。
誰かが彼女を苦しめるくらいならーー。
ーー自分が骨の髄まで搾り尽くしてやろう。
贅沢をさせ、快楽に漬け、甘い苦痛に浸らせてやろう。
できる限り彼女の希望に沿った形で穏便な関係を望んでいたが……止めだ。
とうとうサニーは決意した。
この国の王子として、感情を律するよう厳しく躾けられてきた。
飄々として、滅多なことでは我を忘れることはない。
その主人が初めてみせる激昂に、ユージンは顔色をなくした。
他愛もない報告が、こんな事態を引き起こすなんて。
ユージンには全く予想もつかなかった。
まさか主人が彼女にこれほど魅入られているなんて!
ユージンは寒気がした。
今後、マッキニー准尉が他の男に抱かれようものなら、きっと死人がでるだろう。
いや、そうなる前に殿下は彼女を監禁するに違いない。
「恋とはまるで狂気ですね」
ユージンがボソッと呟く。
サニーは振り向き、瞳を爛々と狂気で光らせながら、唇の端をニヤッと引き上げた。
「まるでじゃない、狂気さ」
「ぞっこんなのは彼女のほうで、マイトナー伍長が陸に上がる時は彼女が迎えに行き、ホテルを用意し、献身的に支えていたようです」
サニーはガシガシ頭をかいた。
プライベートで、これほど不快な報告は初めてだ。
だがこれからもっと不快な報告を聞くことになるだろう。
「女関係は?」
「海軍人らしく”港に女あり”です。寄港先で色んな女性と関係をもっています。といっても深い関係ではなく、あくまでもお遊び程度ですが……マッキニー准尉も承知しているのでしょう。だから彼女も適当な男を探して性欲を満たしている」
例えダニエルが許していても、彼女が性欲を満たすために他の男かと遊んでいても、それは問題ではない。
問題は、彼女の心の中にその男がいることだ。
そしてその男が彼女を大切にしていない不実な奴って点だ。
サニーは拳を握った。
「しかし最近、本命ができたようです。相手はマッキニー准尉の親友で同室のセレーナ・フェリックス。所属階級ともに、マッキニー准尉と同じです」
「おいおい、パトロンの親友に手を出してるのか?いくらクズ男でも、パトロンには最低限の礼儀くらい弁えるぞ」
「左様でございます。まだ深い仲ではありませんが、マメに手紙を送っているようです。フェリックス准尉も、マッキニー准尉には秘密にしているのではないでしょうか。二人は相変わらず仲が良いようですし……」
「ってことは、なんだ。ダニエルは愛する人に利用されるだけでされて、親友にも裏切られてるってわけだ」
サニーは初めて愛称ではなく、彼女の名前を呼んだ。
もう作り笑いを浮かべられなくなっているのも、自覚してる。
そんなサニーの威圧感に気圧されて、ユージンは言い淀む。
だが事実は変わらないので、「はい」と短く答えた。
直後、ガシャーン!!と大きな音がして、窓際の壁に粉々になったカップの破片が散らばる。
嫉妬とはこのようなものかと、サニーは拳を震わせた。
身の内から殺意と怒りが湧き上がってくる。
どうして彼女はそんな倫理観のない男を愛しているんだ。
もっとマシな男がいるだろう!
家族にも金をせびられ、休日もバイト三昧。
何故そんなにも馬鹿なのだと、縛り上げて問い詰めたくなる。
誰かに彼女の愛や金を搾り取られるくらいならーー。
誰かが彼女を苦しめるくらいならーー。
ーー自分が骨の髄まで搾り尽くしてやろう。
贅沢をさせ、快楽に漬け、甘い苦痛に浸らせてやろう。
できる限り彼女の希望に沿った形で穏便な関係を望んでいたが……止めだ。
とうとうサニーは決意した。
この国の王子として、感情を律するよう厳しく躾けられてきた。
飄々として、滅多なことでは我を忘れることはない。
その主人が初めてみせる激昂に、ユージンは顔色をなくした。
他愛もない報告が、こんな事態を引き起こすなんて。
ユージンには全く予想もつかなかった。
まさか主人が彼女にこれほど魅入られているなんて!
ユージンは寒気がした。
今後、マッキニー准尉が他の男に抱かれようものなら、きっと死人がでるだろう。
いや、そうなる前に殿下は彼女を監禁するに違いない。
「恋とはまるで狂気ですね」
ユージンがボソッと呟く。
サニーは振り向き、瞳を爛々と狂気で光らせながら、唇の端をニヤッと引き上げた。
「まるでじゃない、狂気さ」
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