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図書室の地縛霊
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「最後の日、僕らの聖地で」
一
「ん、なんだこれ」
高三の夏、昼休みの図書室。現代文で出された課題に必要な本を探しに、俺――山田悠汰は、普段なら絶対に利用しない図書室に来ていた。課題に適切な本の選び方も分からず、とりあえず棚を物色しそれとなく本を手に取るという作業を繰り返すこと数回。誰も知らない作家の、駄作と名高い文庫本を棚から取り出しパラパラとページをめくっていると、あるページで紙の動きが止まった。ページを開くとそこには小さな紙片が挟まっていた。紙片が栞代わりになっていたようで、そのページが開かれたのだ。
「R8,21R3,29L10,30R4,34L9,31L1,24L15,22R2,12……」
紙片にはこう書いてあった。なにかの暗号だろうか。心当たりのない文字列に異様に興味をそそられた。本の最後のページに付いている貸し出しカードを見ると「立花綴」という名前が、綺麗な文字で書いてあった。
「たちばな……つづり……?」
珍しい名前だ。貸し出しカードには、「立花くん」の名前だけが書かれていた。つまり彼以外に誰もこの本を借りていないということだ。
「3-Cか……」
俺はこの「立花くん」の正体を突き止めるべく、3-Cの教室へ向かった。
「来てない?」
目的の3-Cの教室へ着き、顔の知らない「立花くん」がどこにいるのかとそのクラスの知り合いに聞いたところ、どうやら「立花くん」はしばらく学校に来ていないらしい。
「不登校なんだよ。知らない?『図書室の地縛霊』。あいつそう呼ばれてんの。教室には来ないのに、週に1回図書室に行くためだけに学校に来るんだよ。それも図書室に人が出入りしない早朝に。まるで死んでも図書室が忘れられない地縛霊だって」
そいつは大袈裟に顔を歪めて幽霊のモノマネをしながら言った。
「図書室の地縛霊……」
そういえば、クラスで噂好きの女子が少し前に話していたような気がする。
わざわざ「立花くん」のクラスに足を運んだにもかかわらず大した収穫を得られなかったことに多少落胆しながら、ひとまず俺は図書室に戻ることにした。
「その本借りるの?」
図書室に戻ると、司書さんに話しかけられた。しまった、貸し出しの手続きをしていないのに本を持ち出してしまった。
「あ……すみませんまだ借りてないのに……」
俺が申し訳なさそうにしていると、司書さんはクスリと笑って
「いいよ、それ借りる子居ないから」
と、俺の持っている本を指さして言った。つられて本の表紙に視線を落とす。
「……あの、立花くんについて何か知りませんか」
本から司書さんに目線を戻し、俺は少しでも「立花くん」の情報を得ようと尋ねた。普段なら別のクラスの知らない奴になんて興味を持たなかった。高三の夏にもなってやりたいこともなく、入学してから今までずっと何となく高校生活を過ごしていた。今思えば、何かを変えたかったのだろう。代わり映えのない高校生活に刺激を求めていたのだ。でもその時は単なる好奇心だった。不登校という、自分とは全く違う高校生活を送っている「立花くん」がどんな奴なのか、純粋に気になった。
「どうして?悪いけど生徒の個人情報は簡単には教えられないな」
まあ、そうだよな。
「ですよね……ありがとうございます」
俺は苦笑して本を棚に返そうと歩き出した。
「じゃなくて、どうして知りたいのかって」
司書さんの問いかけに足を止める。予想外の質問に俺は一瞬戸惑った。どうしてって?個人情報は教えられないんじゃないのか。掴めない人だ。
「不登校の子なんて君には関係ないでしょ。本にはさまってたそれだって、無視したっていいはずだ」
と、再び本を指さし言った。司書さんはこの本に紙が挟まっていたことを知っているようだった。
「知ってるんですか、紙のこと」
紙片のことが話題に出るとは思わず、俺はつい前のめりになった。
「まあ、棚に戻す時、点検するしね」
「あぁ……」
なるほど。わざわざ捨てずに挟まれたままにしていたのか。
「それで?どうして知りたいの。立花くんについて。」
「あ、えっと……」
なんて言おうか。特に理由はない。ただなんとなく、気になったからだ。こんな変わったことをするのが一体どんな奴なのか。
「暇つぶし……ですかね……」
俺はそう絞り出した。まずったか?不登校の生徒について知りたい理由が暇つぶしなんて、ただのデリカシーのない奴じゃないか。とそう思ったが、そんな不安をよそに司書さんは、
「暇つぶし……あっはは、そうか暇つぶしか。あはは」
と笑っていた。何がおかしいのか全くわからず、俺は困り果てた。
「いいよ、教えてあげるよ。何が知りたいの?」
司書さんは言った。
「あ……えと……」
教えてもらえることに少しの喜びと安堵を覚えつつ、俺はまたしても困ってしまった。「立花くん」について何も知らないからだ。知っていることといえば名前とクラスくらい。知らなすぎて、何を尋ねるべきかわからない。
「じ、じゃあ、立花くんは何曜日に来るんですか」
不登校の理由でも、立花くんの人物像でもなく、俺は「立花くん」が一体何曜日に学校に来ているのかを尋ねた。
「君は立花くんに会いたいの?」
俺の質問には答えず、司書さんはそう聞いた。
「立花くん」に会いたいのか?そういうわけじゃない。
「いや、会いたいというわけでは……。彼だって、誰にも会いたくないから図書室にしか来ないんでしょう」
彼が不登校になった原因はもちろん知らないが、わざわざ週に一度だけ、それも早朝に来るのは学校で人に会いたくないからのはずだ。ただ知りたい。顔も声もわからないままでいいから、彼が何を考えて紙片を本に挟んだのか知りたかった。自分でも不思議なほど、俺は「立花くん」に好奇心をそそられていた。
「……そうだね。確かにそうだ。」
司書さんはニコニコしている。何がそんなに嬉しいのか、面白いのか知らないがどうやら気に障ることを言ってしまったわけではないようなので安心した。
「それで、立花くんは何曜日に来てるんですか」
「彼は月曜日に来てるよ。月曜日の早朝だ。だから僕も月曜日は早く来てる」
「一週間に一回で足りるんですかね。本が好きなんでしょう?多分」
純粋な疑問を投げかける。図書室で借りられる本の数には限度があるというのに、本を借りるためだけに週に一度わざわざ学校に来るのだ。不登校という道を選んだというのに。
「確かに彼は本が好きだよ。毎回すごい量借りていく。でも彼が図書室に来る理由は単に本が好きだからじゃない」
扉にはめ殺しの窓の外を眺めながら司書さんは言う。廊下では昼休みの学生たちが騒がしく思い思いの休み時間を過ごしていた。
「……?じゃあなんで来るんですか」
不登校になるほどの理由があるのになぜわざわざ学校に来るのだろうか。確かに、本が読みたいだけなら店で買うなり市営の図書館に行くなりできるはずだ。本が好きという以外に理由があるならなんなのだろうか。皆目見当もつかなかった。
「さあね。それは知らない。別に彼から直接聞いたわけじゃない」
「え、そうなんですか」
「立花くん」が言った訳ではないのか。どうにも掴めない。
「ただ僕がそうなんじゃないかな~って思うだけ。知りたいなら彼に直接聞いてみることだね」
「直接ったってどうやって……」
「立花くん」はそもそも不登校で、唯一学校に来る月曜日も人に会わないように早朝の図書室にしか来ない。そんな彼に、俺が月曜日に突然押しかけていけば迷惑以外の何物でもないはずだ。
「その紙。なにか書いてあったんじゃないの」
紙。本に挟んであった紙片のことだ。
「これに立花くんの住所でも書いてあるんですか。俺には意味のわからない文字列にしか見えませんでしたが」
少しの苛立ちを覚えながら司書さんを問い詰める。
「何が書いてあるかは知らないよ。でも僕の予想が正しければ、その紙は立花くんと君とを繋げる鍵になるはずだ」
やはり意味がわからない。分からないが俺ができることが一つだけ分かった。
「……じゃあこれ借ります。貸出期限は1週間でしたよね」
「いや、4日だよ」
「え?」
図書室の蔵書の貸出期限は1週間。入学してすぐのオリエンテーションでそう説明があった。司書さんが間違えるはずもない。やっぱり掴めない。
「本を返しに来るまでに貸し出しカードにクラスと名前を書いてね。」
「え、いやちょ」
司書さんは慣れた手つきで貸出の手続きを進める。
「あ、あの!」
再び質問を投げかける前にチャイムが鳴った。昼休み終了のチャイムだ。
「おっと、、もう終わりか。昼休みにこんなに人と話したのは初めてだな。ささ、授業に遅刻するよ。あとは君が、頑張りなさい」
そう言いながら司書さんは俺を図書室の外まで追いやり、扉を閉めてしまった。
「えー……。マジか……」
俺は図書室の前に立ち尽くしていた。
一
「ん、なんだこれ」
高三の夏、昼休みの図書室。現代文で出された課題に必要な本を探しに、俺――山田悠汰は、普段なら絶対に利用しない図書室に来ていた。課題に適切な本の選び方も分からず、とりあえず棚を物色しそれとなく本を手に取るという作業を繰り返すこと数回。誰も知らない作家の、駄作と名高い文庫本を棚から取り出しパラパラとページをめくっていると、あるページで紙の動きが止まった。ページを開くとそこには小さな紙片が挟まっていた。紙片が栞代わりになっていたようで、そのページが開かれたのだ。
「R8,21R3,29L10,30R4,34L9,31L1,24L15,22R2,12……」
紙片にはこう書いてあった。なにかの暗号だろうか。心当たりのない文字列に異様に興味をそそられた。本の最後のページに付いている貸し出しカードを見ると「立花綴」という名前が、綺麗な文字で書いてあった。
「たちばな……つづり……?」
珍しい名前だ。貸し出しカードには、「立花くん」の名前だけが書かれていた。つまり彼以外に誰もこの本を借りていないということだ。
「3-Cか……」
俺はこの「立花くん」の正体を突き止めるべく、3-Cの教室へ向かった。
「来てない?」
目的の3-Cの教室へ着き、顔の知らない「立花くん」がどこにいるのかとそのクラスの知り合いに聞いたところ、どうやら「立花くん」はしばらく学校に来ていないらしい。
「不登校なんだよ。知らない?『図書室の地縛霊』。あいつそう呼ばれてんの。教室には来ないのに、週に1回図書室に行くためだけに学校に来るんだよ。それも図書室に人が出入りしない早朝に。まるで死んでも図書室が忘れられない地縛霊だって」
そいつは大袈裟に顔を歪めて幽霊のモノマネをしながら言った。
「図書室の地縛霊……」
そういえば、クラスで噂好きの女子が少し前に話していたような気がする。
わざわざ「立花くん」のクラスに足を運んだにもかかわらず大した収穫を得られなかったことに多少落胆しながら、ひとまず俺は図書室に戻ることにした。
「その本借りるの?」
図書室に戻ると、司書さんに話しかけられた。しまった、貸し出しの手続きをしていないのに本を持ち出してしまった。
「あ……すみませんまだ借りてないのに……」
俺が申し訳なさそうにしていると、司書さんはクスリと笑って
「いいよ、それ借りる子居ないから」
と、俺の持っている本を指さして言った。つられて本の表紙に視線を落とす。
「……あの、立花くんについて何か知りませんか」
本から司書さんに目線を戻し、俺は少しでも「立花くん」の情報を得ようと尋ねた。普段なら別のクラスの知らない奴になんて興味を持たなかった。高三の夏にもなってやりたいこともなく、入学してから今までずっと何となく高校生活を過ごしていた。今思えば、何かを変えたかったのだろう。代わり映えのない高校生活に刺激を求めていたのだ。でもその時は単なる好奇心だった。不登校という、自分とは全く違う高校生活を送っている「立花くん」がどんな奴なのか、純粋に気になった。
「どうして?悪いけど生徒の個人情報は簡単には教えられないな」
まあ、そうだよな。
「ですよね……ありがとうございます」
俺は苦笑して本を棚に返そうと歩き出した。
「じゃなくて、どうして知りたいのかって」
司書さんの問いかけに足を止める。予想外の質問に俺は一瞬戸惑った。どうしてって?個人情報は教えられないんじゃないのか。掴めない人だ。
「不登校の子なんて君には関係ないでしょ。本にはさまってたそれだって、無視したっていいはずだ」
と、再び本を指さし言った。司書さんはこの本に紙が挟まっていたことを知っているようだった。
「知ってるんですか、紙のこと」
紙片のことが話題に出るとは思わず、俺はつい前のめりになった。
「まあ、棚に戻す時、点検するしね」
「あぁ……」
なるほど。わざわざ捨てずに挟まれたままにしていたのか。
「それで?どうして知りたいの。立花くんについて。」
「あ、えっと……」
なんて言おうか。特に理由はない。ただなんとなく、気になったからだ。こんな変わったことをするのが一体どんな奴なのか。
「暇つぶし……ですかね……」
俺はそう絞り出した。まずったか?不登校の生徒について知りたい理由が暇つぶしなんて、ただのデリカシーのない奴じゃないか。とそう思ったが、そんな不安をよそに司書さんは、
「暇つぶし……あっはは、そうか暇つぶしか。あはは」
と笑っていた。何がおかしいのか全くわからず、俺は困り果てた。
「いいよ、教えてあげるよ。何が知りたいの?」
司書さんは言った。
「あ……えと……」
教えてもらえることに少しの喜びと安堵を覚えつつ、俺はまたしても困ってしまった。「立花くん」について何も知らないからだ。知っていることといえば名前とクラスくらい。知らなすぎて、何を尋ねるべきかわからない。
「じ、じゃあ、立花くんは何曜日に来るんですか」
不登校の理由でも、立花くんの人物像でもなく、俺は「立花くん」が一体何曜日に学校に来ているのかを尋ねた。
「君は立花くんに会いたいの?」
俺の質問には答えず、司書さんはそう聞いた。
「立花くん」に会いたいのか?そういうわけじゃない。
「いや、会いたいというわけでは……。彼だって、誰にも会いたくないから図書室にしか来ないんでしょう」
彼が不登校になった原因はもちろん知らないが、わざわざ週に一度だけ、それも早朝に来るのは学校で人に会いたくないからのはずだ。ただ知りたい。顔も声もわからないままでいいから、彼が何を考えて紙片を本に挟んだのか知りたかった。自分でも不思議なほど、俺は「立花くん」に好奇心をそそられていた。
「……そうだね。確かにそうだ。」
司書さんはニコニコしている。何がそんなに嬉しいのか、面白いのか知らないがどうやら気に障ることを言ってしまったわけではないようなので安心した。
「それで、立花くんは何曜日に来てるんですか」
「彼は月曜日に来てるよ。月曜日の早朝だ。だから僕も月曜日は早く来てる」
「一週間に一回で足りるんですかね。本が好きなんでしょう?多分」
純粋な疑問を投げかける。図書室で借りられる本の数には限度があるというのに、本を借りるためだけに週に一度わざわざ学校に来るのだ。不登校という道を選んだというのに。
「確かに彼は本が好きだよ。毎回すごい量借りていく。でも彼が図書室に来る理由は単に本が好きだからじゃない」
扉にはめ殺しの窓の外を眺めながら司書さんは言う。廊下では昼休みの学生たちが騒がしく思い思いの休み時間を過ごしていた。
「……?じゃあなんで来るんですか」
不登校になるほどの理由があるのになぜわざわざ学校に来るのだろうか。確かに、本が読みたいだけなら店で買うなり市営の図書館に行くなりできるはずだ。本が好きという以外に理由があるならなんなのだろうか。皆目見当もつかなかった。
「さあね。それは知らない。別に彼から直接聞いたわけじゃない」
「え、そうなんですか」
「立花くん」が言った訳ではないのか。どうにも掴めない。
「ただ僕がそうなんじゃないかな~って思うだけ。知りたいなら彼に直接聞いてみることだね」
「直接ったってどうやって……」
「立花くん」はそもそも不登校で、唯一学校に来る月曜日も人に会わないように早朝の図書室にしか来ない。そんな彼に、俺が月曜日に突然押しかけていけば迷惑以外の何物でもないはずだ。
「その紙。なにか書いてあったんじゃないの」
紙。本に挟んであった紙片のことだ。
「これに立花くんの住所でも書いてあるんですか。俺には意味のわからない文字列にしか見えませんでしたが」
少しの苛立ちを覚えながら司書さんを問い詰める。
「何が書いてあるかは知らないよ。でも僕の予想が正しければ、その紙は立花くんと君とを繋げる鍵になるはずだ」
やはり意味がわからない。分からないが俺ができることが一つだけ分かった。
「……じゃあこれ借ります。貸出期限は1週間でしたよね」
「いや、4日だよ」
「え?」
図書室の蔵書の貸出期限は1週間。入学してすぐのオリエンテーションでそう説明があった。司書さんが間違えるはずもない。やっぱり掴めない。
「本を返しに来るまでに貸し出しカードにクラスと名前を書いてね。」
「え、いやちょ」
司書さんは慣れた手つきで貸出の手続きを進める。
「あ、あの!」
再び質問を投げかける前にチャイムが鳴った。昼休み終了のチャイムだ。
「おっと、、もう終わりか。昼休みにこんなに人と話したのは初めてだな。ささ、授業に遅刻するよ。あとは君が、頑張りなさい」
そう言いながら司書さんは俺を図書室の外まで追いやり、扉を閉めてしまった。
「えー……。マジか……」
俺は図書室の前に立ち尽くしていた。
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