幼馴染のリスナーに媚びて人気者になりたい

久羽しん

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第4章

166 いつのまにか

 
 [ウェーブ:Blauさん、いたのかよ!!!]

 {Blau:いて何が悪い^^ はよ話せい。わしの時間は有限なのだ}

 {オクラ沼:王様かよ}

 {しゅがー:Blauちゃんだけじゃなく、他の人の時間も有限だよ!!(๑>◡<๑)}

「そーだそーだ!!」

 俺はリアルで声を出し、腕を上げて二人のツッコミに同意した。
 そんな中、手の中のスマホにBlauさんの拗ねたチャットが表示された。

 {Blau:なんだと?^^ せっかくうぇーぶの話を聞いてやろうと思ったが^^ ; もう帰るか……]

 [ウェーブ:わーーー!! 待って待って、Blauさん! 聞いてくれ!!]

 俺は慌てて返信を打って止めた。

 Blauさんが俺の話を聞いてくれようとしたのはすごく助かる。相談は、乗ってくれる人の数が多いだけ人それぞれの色んな意見が聞けるから。

 {Blau:聞いて欲しいのならば、その男同士でお試し何ちゃらをしている状況について詳しく説明せよ。わしが飽きないうちにだ。さあさあ^^*}

 {床:ふふ。Blauさんも気になっていたんですね……!}

 [ウェーブ:う、うん! 分かった……!]

 俺はアオということがバレないよう細心の注意を払って、濁すとこは濁しつつ、みんなに今までの出来事を説明することにした。

 [ウェーブ:実はな──]


 *


 [ウェーブ:──て、ことなんだ……!]

 {床:そ、そんなことが…………}

 {オクラ沼:はえーーー}

 {しゅがー:やばいやばいやばい!!!!๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐}

 {Blau:~うぇーぶ、目立ちたくて盛った説浮上中~}

 [ウェーブ:いやいやいや別に盛ってないほんとに!! そりゃ、ネットリテラシー……? 考えて、ちょっとは濁したんだけどさ。作り話ではないぞ}

 {Blau:ふむ……、、^^}

 グループチャットはしばらく騒然としていたが、やがて落ち着きを取り戻したみんなが俺の話の内容をまとめてくれた。

 {オクラ沼:えーっと、つまり、盛ってないんでなければ、ウェーブくんがその男友達さんから片想いをされてて……}

 {床:ウェーブさんはノンケですけど、自分の気持ちを確かめるためにひとまずお試しでお付き合いをされることにしたんですね……!?}

 {しゅがー:しかも、お相手が学生の頃からの親友さんだなんて……!! 漫画みたいっ!! ときめく~~っっ!๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐ ……んん? でも、あれ? Wくんっておぢだよね!? Wくんの学生の頃ってことは、もう何十年ものお付き合いってこと!!?}

 [ウェーブ:いやだから俺、多分おじさんじゃないって! まだ二十代半ばだって!!!]

 そういえば、前に相談に乗ってもらった時オクラ沼さんには流れで年齢を明かしたけど、他の人にはまだ言ってなかったんだった。

 {しゅがー:えっっ!?! そ、そうなのっ!?!(๑°⌓︎°๑)まじかぁーー!! Wくん、意外とわたしと近かった~~!!(๑>◡<๑) }

 {床:あ、そうだったんですね!? それは知りませんでした。……しかし、二十代半ばかぁ。なんだか、若いって良いですねぇ……! キラキラしてて…………}

「床さん……!?」

 (そ、そんな、夕陽さんみたいなことを……。床さん、いったい何歳なんだよ……)

 {しゅがー:あーーっ!! ちょっとー! Wくんのせいで床ちゃんが遠い目になっちゃったじゃんっっ!!๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐}

 [ウェーブ:俺のせいなの!?!]

 なにその、『ちょっと~! 男子~~~ふざけるなよー!』って、小学校の掃除の時間に怒っている女子みたいな感じ。
 まあ俺は、クラスメイトみんなから嫌われていたから話しかけられることすらなくて、注意だとしても女子たちから絡まれる陽キャ軍団いいなぁと悔しく思っていたが……。……うん、これ以上思い出すのはやめよう。

 {しゅがー:絶対Wくんのせいっ!! Wくんが意外とおぢじゃなかったからだよう!!๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐}

「ええぇ……」

 (意外とおぢじゃないってなんだそりゃ……)

 おじさんであることを期待されていたのだろうか。お父さんみたいで無害的な……?

 (うーんでも、かなり年上に見られてたってのは、普通に嬉しいよな。……俺、そんな精神年齢高かったか!?)

 俺はハッとひらめき、にまにましながらチャットを打った。

 [ウェーブ:まあ、ありがとな! 俺の言動がどことなく大人っぽいから、実年齢より上に見えてた……ってことだろ!!? うんうんうん!! 光栄に思うっっ……!]

 俺、今まで自分のことを精神年齢低いと思っていたけど、客観的に見たら高かったのかもしれない。良かった。

 {オクラ沼:いや、ウェーブくん言動幼いから言動だけで見たらむしろ十代っぽかったよ}

「……!」

 [ウェーブ:あ、はい……]

 (違ったわ……)

 ひどい。喜びが一瞬でぬか喜びに変わってしまった。

 {Blau:うぇーぶ、キミはこの世のことわりを知ってるかい?^^}

 [ウェーブ:ん……?]

 急になんだ、Blauさん。

 {Blau:この世はな、年功序列なのだ}

 [ウェーブ:そうなの?]

 {Blau:だからうぇーぶ、明日からお主はわしに敬語を使うように。分かったな? 小童^^^^^^}

 [ウェーブ:えーなんかやだ! てかBlauさん年上かよ。こんな感じで?]

 {Blau:こんな感じとはなんだね。そのようにイキっておるが、実際リアルのわしと相対したら、どうせキミのようなネット弁慶のパンピー小僧は息もできぬであろうな^^;  残念だが、うぇーぶとわしでは元より生きる世界が違うのだ……。。。わしが人間だとすれば、うぇーぶはありんこ、カナ…………^^*}

 {オクラ沼:うっわぁ……えげつない自信じゃん。どんだけ自認爆美女なんだよ}

 {しゅがー:いや~~これは、わかったよ! わたし的に、ネット弁慶はBlauちゃんの方と見たっ!!笑(๑>◡<๑)}

 {床:確かにそれはあり得ますね。Blauさんはオフ会を頑なに嫌がっていますし……}

 {オクラ沼:それなー。絶対リアルこんなキャラじゃないよねBlau。マジで会いたい。一番会いたい。いつもどんな顔して変態文打ってるのか真面目に気になる}

 {Blau:だが断る^^ アオきゅんを連れてくるならば考えてやるぞい}

 {オクラ沼:無理難題言うな}

「……」

 (ほう。アオを連れて行く……か……)

 自分だから俺にはできなくもないけど……いややっぱできない。無理無理。
 変人Blauさんのリアルを知りたいが為に自分が身バレはさすがにハイリスクすぎて意味がわからない。何を一瞬血迷った、俺。

 [ウェーブ:そういや、Blauさんと床さんではどっちが年上なん?]

 苦笑いしながら話を変えてみたら、なぜかグループチャットがしーんと静まってしまった。

「……?」

 {床:……ふふふふ……。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのですよ……()}

「床さん……!?!」

 [ウェーブ:ど、どうした……!?]

 {しゅがー:あーーーっ!! もーーー!(๐•̆ ·̭ •̆๐) 前も言ったでしょ!? Wくん!๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐ 女の子に年齢を聞くだなんて、非常識だよっ!? セクハラ!! ノンデリ!!! アオってる!!!}

 [ウェーブ:!? ご、ごめんなさい……っっっ]

 確かに、前にも同じことを言って怒られた気がする。そんなにダメだったんだ。

 (てか罵倒のレパートリーにアオってるが入ってくるのまじかよ……)

 そんな……。

 {床:いいんですよウェーブさん、しゅがーさん! 今のは冗談ですし、私は全然気にしていませんから。大丈夫です! それでは、パンドラの箱は置いておきまして、話を戻しますね~~~っ!(o^^o)ウェーブさんが先ほど友達と恋人の違いについて聞いてくださったのは、そういうことだったんですねっ!!}

 (ぱ、パンドラの箱……!?)

 床さんがいつになくハキハキと、全力で話を変えている。
 助かるけど、そんなに触れちゃいけないことだったんだなと申し訳なくなってきた。

 [ウェーブ:まじでごめんな、床さん。俺気をつける……]

 {床:いえいえいえ! お気になさらず! 本当に冗談なので!!笑}

 {オクラ沼:おーい。せっかく床さんが気を遣ってくれたのに、ガチトーンで謝ったら変な感じになるでしょ。ウェーブくんって、本当空気が読めないんだから}

 [ウェーブ:え……?]

 {Blau:うぇーぶ、お主もなかなか悪よのう……^^ ; }

 [ウェーブ:えっ……!? なっ何が!?!]

 {床:あははは……。でも、ウェーブさんのそういう実直なところ、私は好きですよ}

 [ウェーブ:?? う、うん。ありがとう]

 なんか良くわからないが床さんから好きと言ってもらえた。良かった。

 {オクラ沼:まあ、珍しくはあるよね。ウェーブくんみたいな人。オタクの世界は京言葉が飛び交ってるから}

 {床:そうですよね。気を遣いすぎたり、気を遣われすぎたり、言葉の裏を探ったり、探られたり……そういう攻防や守らなければいけないマナーの多さに疲れている心には、ウェーブさんのようなはっきりした方はとても癒しです}

 {しゅがー:分かるーー! Wくんと話してる時、何も考えなくていいしっ(๑>◡<๑)♪}

 [ウェーブ:うーん。褒められてんのか貶されてるのか微妙に分かんないぞ……]

 {オクラ沼:wwwww}

 [ウェーブ:なんだよ!]

 {オクラ沼:ごめんごめん。ウェーブくん、ごめんね。脱線しちゃったよね。こっから真面目にやるわ、マジで}

 {しゅがー:わたしも!! Wくんのお悩み解決し隊!! 任せて~~~っっ!(๑>◡<๑)}

 [ウェーブ:お、おう……! 頼んだ。お願いします]

 {床:では、議会を始めます。議題は、友情と恋愛感情についてです。まずはBlauさん、ご意見をどうぞ}

 {Blau:アオきゅんすこ~^^* すこてぃっしゅふぉーるど!^^*}

 {床:以上となります。ありがとうございました}

 (いやふざけてる!! 真面目さどこ!?!)

 {床:続きまして、オクラ沼さん。どうでしょうか?}

 {オクラ沼:はい。床さん議長。やはり、嫉妬するか否かだと私は考えます。ちなみに、これは私が今までに吸収してきたBL漫画とBL小説で得たデータです}

 (ソースBL……!!?)

 {床:なるほど。とても素晴らしいデータですね。ありがとうございました}

 (高評価なの!?)

「……まさかこの感じでずっといくのか…………?」

 いや、相談に乗ってもらえるだけありがたいけど……。
 でももうちょっとだけ、ツッコまなくていい真剣なノリになるかと期待していた。

 {オクラ沼:じゃあ、自論を補強する為に聞きます。ウェーブくんはさ、その人が他の人と付き合ったり結婚したりするところを想像すると、どんな気持ち?}

「……!!」

 俺が絶望している最中、急に真面目になったオクラ沼さんが質問してくれた。

「え……」

 俺は視線を巡らせ、秋風に彼女ができたところを想像してみた。

 あの熱のこもった瞳で、他の人を見つめる。

 好きだよって、微笑みかける。

 他の人とはしゃいで、楽しそうに笑って、一緒にいられて幸せだと呟く。

「…………」

 (…………なんか……嫌だ……)

 心の中で思ってから、俺はハッとし、「いやいやいや……」と首を横に振った。

 ──秋風が幸せになるのは、良いことだ。

 良いことだと思うし、その相手は別に俺である必要がない。

 それに、中学の時の俺は秋風に彼女ができたのを聞いて、羨ましいな、悔しいな……と思うだけだった。

 だから俺は別に気にしないはずだ。

 (……うーん。でも……)

 なんだろう。

 今は、なんだか──……。

「…………」

 モヤモヤする。胸の奥がずしりと重くなる。

 (……なんだ? この気持ち……)

 そういえば、かりんちゃんがアキに想いを寄せていると知った時も、似たような感覚に苛まれた気がする。

 あの時俺は、秋風じゃなくてかりんちゃんの方にモヤモヤしてしまった。かりんちゃんに秋風が取られるのは嫌だって、思ってしまった。

 (……あれは、嫉妬だったのか?)

 もしかしたら……、そうだったのかもしれない。

 {オクラ沼:ウェーブくん? おーい。生きてる??}

「……!!」

 俺はぼーっと画面を眺めていた目を瞬かせ、慌ててチャットを打った。

 [ウェーブ:ごめん!! 質問について、ちょっと考え込んじゃってた。俺……あいつが他の人と付き合ったり結婚したりするところを想像したら、なんか嫌だ]

 {オクラ沼:ほーーーん。なるほどなるほど。じゃあ、例えばその相手が自分だったら? そしたら、どう思う?}

「……!」

 (俺……、だったら……)

 秋風が俺を、熱のこもった瞳で見つめる。

 俺に好きだよって、微笑みかける。

 俺とはしゃいで、楽しそうに笑って、一緒にいられて幸せだと呟いてくれる。

「……嫌じゃない…………」

 [ウェーブ:俺だったら、嬉しい。嫌じゃないって思う。全然モヤモヤしなかった]

 {オクラ沼:むふふ。そっか~~~。もうこんなの、決まってんじゃん! ねっ。床さんはどう思う?}

 {床:そうですね……。私も正直、お話をお聞きしていて、確定演出キターーーー! とは思いましたが……。こちらが勝手に答えを出すのはウェーブさんの為にならないかもしれませんから! 私からも質問だけさせていただきますね}

 [ウェーブ:質問……! はい! お願いします]

 {床:ウェーブさんは、その人の色々な姿や表情を独占したいと思いますか?}

 (独占……?)

「…………」

 ──思う。

 思う、かもしれない……。

 だって俺、秋風が珀斗や黒さんにだけ冷たく雑に言葉を吐くのを、ずるいって思った。俺は秋風に『お前』呼ばわりされたことがない。

 でも俺も、一度でも良いからあんなふうに秋風に扱われてみたい。俺の知らない秋風を、他の人が知ってるのは嫌だ。

 [ウェーブ:思い……ます。全部俺のもんにしたい]

 {オクラ沼:グハッッッ}

 {しゅがー:きゃーーーー!!!!泣泣}

 {床:ああああありがとうございます!!!!}

「……!?!」

 [ウェーブ:えっ……こちらこそありがとうございます! 俺の気持ちの整理に協力してくれて]

 {床:いえいえ。とんでもなく美味しいので大丈夫です!!}

 (そ、そうか……?)

 リアルは気持ち悪いと思われるかもと思ったけど、案外喜んでもらえている? みたいで安心した。

 {しゅがー:いいねいいねー超アオハルだねっ!?๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐わたしからも質問したーいっ!!♡♡}

 [ウェーブ:お……!! しゅがー、ありがとう。なんだ?]

 {しゅがー:あのね、友情と恋愛感情の違いは、結論その子とイチャイチャしたいって感じるかどうかだと思うよ!?(๑>◡<๑)恋してない相手とイチャイチャは無理みすぎるもん……(๑°⌓︎°๑)萎えー蛙化ーーー๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐}

「!! なるほど……!」

 {しゅがー:てことでー、Wくんは、その子とキスしたい~って思いますか~~~!!?(๑>◡<๑)}

「!! き、きす………………!?」

 {床:しゅがーさん、確かに! 生理的に無理な人とはキスなんてできないとよく言いますよね。とても分かりやすい視点ですね}

 {オクラ沼:うんうん。それだわー。てか、それで言うとアキアオはバッチリだよね。今までアキアオはキス数え切れないくらいしてるもん。なんたって相思相愛だしさ}

 {しゅがー:!?!?(๑°⌓︎°๑) }

 {床:あああオクラ沼さん! 現実と妄想が混同しちゃってます……! アキくんとアオくんがキスしてたのは、アキアオ推しの創作の中でだけです!!!}

 {オクラ沼:……あっっっ}

 {Blau:しょーもない二次創作ばかりやってる弊害だな。脳を毒されている。わしのアオきゅんはお前らの妄想の中のようにアキ野郎に媚びることはないというのに^^;}

 {オクラ沼:はあ。Blauだけには言われたくない。いつも小説の中でアオをだれおまな『ふえぇ……;;はわわ……;;ぐすん……;;』に改悪してるのはBlauじゃん!}

 {Blau:アオきゅんかわよ^^*}

 {オクラ沼:ダメだこいつ会話が成り立たない}

 {しゅがー:ある意味強い……}

「……」

 (キス……)

 みんなが何やら会話を続けている最中、俺はスマホの画面を見る余裕もなく、一人口を押さえて動けないでいた。

 (秋風と、キスしたいか否か…………)

「…………っ」

 ……──実は。

 最近、想像することは……、正直、ある。

 手を繋いだりハグをすると、秋風が耳を真っ赤にして照れるものだから。

 そのすごくかわいい表情を見ていたら……こいつキスなんかしちゃったらどうなるんだろう?

 もっと照れるかな? 秋風の恥ずかしそうな顔、もっと見てみたいなとか。想像することは、しばしばある。

 だから、その行為を実際したいというよりは、反応を見てみたいのほう。別に俺は、キス自体はしたくない。

「…………」

 (…………いや、それは言い訳か……?)

 本当は──違う。

 最近、自分がおかしいのは、自分で気づいている。

 こいつ、綺麗な形の唇をしてるなって思って、無意識にじーっと見てしまったりして……。

 (……あいつを、意識してる……)

 俺は、お試し交際の最初の頃、秋風のことを恋愛的な目で見られるよう努力しようと思っていた。

 だけど今は、努力しなくても、自然と恋愛的な目で見てしまっている。

 キスだって、きっと──。

「…………──ッ!!!!」

 思わず秋風と自分がキスをしている姿を想像してしまい、びくっと腰が持ち上がった。

 その拍子に、体重を支えていた椅子が傾き、下にずり落ちてしまった。

「!!! ッいっっ……」

 俺は自分の部屋の床に尻もちをつき、呆然と口を開けた。

「…………」

 やばい。

 (あれ……?)

  俺は熱くなる顔を自分の手で押さえ、ゆっくりと瞬きした。

 (俺……)

 やっと、気づいた。

 やっぱり、そうだったんだ。

 いつのまにか、俺──。

 (お前のこと……好きになってたんだ)
感想 33

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