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第二章
8 借家暮らしの終わりの日 その4
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勇者は今すぐにでも頭を抱えてうずくまりたかった。
丸めた寝袋をぎゅっと抱きしめながら、最後に会ってからまだ一月も経っていない母親と愛犬の姿を思い浮かべて帰りたいよと叫びたかった。
が、勇者はこれでも二十代そこそこの男である。
人目があろうがなかろうが、公共の道路でそんな無様をさらすわけにはいかない。
ただでさえ装備頼りの威厳がさらになくなってしまうのは非常に困る。
「勇者様。どこか具合が悪いのです?」
勇者パーティの最年少でどことなくカユシィーちゃんに通じる愛らしさのある少女の声に、勇者は気持ちを持ち直そうとして、挫折した。
この子だって、ただいま勇者を悩ませる元凶の一人なのだ。
「カユシィーちゃんの邪霊対策のためだろうとお泊まりなんてと非難の嵐だったからでしょう。気にしない方がいいですわよ、トリラ」
「はぁい、ディジアお姉さま」
麗しい美女と愛らしい少女。
他にも姫と防壁魔術師と治癒魔術師がいる。
全員女性。
さすがにあの借家にパーティメンバー全員は無理だし、女性だけに絞っても十人はいるから、光と神聖両方持ってる奴だけと言ったら、五人同行させる羽目になった。
見込みの甘さが招いた事態である。
カユシィーちゃんの兄に家の広さ分かってないのかと罵倒されたとしても甘んじて受け入れよう。
しかし、カユシィーちゃんに、お馬鹿なんですかと見下されるのだけは嫌だ。
さすがに、年頃のちょっと手前だろうと女の子のいる家に大人の男が泊まりにいくのは、相手が兄と同居していようと厳しい目を向けられるのは分かる。
彼女らが牽制と監視のために同行を申し出たことくらい理解できる。
だが、五人は多すぎだろう、五人は。
「私たちの魔力でカユシィーちゃんの安眠を守れるといいわね」
強く言えなかったのは、勇者と彼女らの立場の違いだけではない。
邪霊対策は何が有効かよく分からないから、手探りで解決策を探るためにも人は多い方がいい――そんな提案を否定できなかったのだ。
当然のように人数に関しては苦言を呈されたが、罵倒はなかった。
邪霊対策には本当に頭を悩ませているようで、可能性があるならなんでも試してくれと言われてしまった。
たった数時間でドレ氏の目の下にクマが浮かんでいる気がするのは、光源のせいだろうか。
とりあえず、全員一緒では個々の邪霊除け能力が分からないため、カユシィーちゃんの指示でいったん全員を影響範囲外に遠ざけた後、一人ずつ近づいてきてもらって確かめることになった。
結果は、シシャル超えゼロ、勇者超えゼロ。
いないよりはマシだが効果は魔力結晶とどっこいどっこいか少し劣っていた。
それでも、カユシィーちゃんを中心として全方向に人を配置すれば寝室内で邪霊を見なくて済む程度の効果は得られたので、費用対効果とか人員確保の問題とか度外視すれば、シシャルなしでも安眠を得る方法はありそうだ。
「同様に魔力結晶を六方向に配置するのでも効果は得られそうだが、さすがの勇者でも費用が六倍になるのはきついか?」
「めちゃくちゃきついよっ。たしかに勇者は毎月神殿からかなりの額もらうけど、家賃とか光熱費とか給料とか全部そこから出すんだからさ」
勇者パーティは人数が多く、手柄の取り合いでもめるのも面倒なので、全員共通の基本給を勇者支給金から払っている。
広い拠点の管理のために使用人も三人雇っている。
討伐報酬や換金で得た金は、装備の調整や修理や買い換えや、拠点共用物品の購入費用などを差し引いた全額をその日同行した仲間全員で山分け方式だ。
「でも、カユシィーちゃんのためならみんなちょっとずつでも協力してくれるよな」
勇者が女性たちに顔を向けると、頼もしいくらい良くうなずいてくれた、が。
「もちろん。……ところで、カユシィーちゃん拝むと彼氏できるってほんと?」
「カユシィーちゃんに祈るとそばかす消えるって本当でしょうかっ」
「聖王家の復権なんて大仰な願いは……さすがに無理かしら」
「神殿の腐れ権力者どもを一掃しなきゃ無理よ無理。ところで宝くじ当てるのはどう?」
「父を失脚させた超肥満神官が報いを受けるよう願ったら叶うかしら?」
王族一人、貴族四人。
全員が神殿との因縁持ち。
見た目がいろいろ性格もいろいろ金銭状況もいろいろなのに、現状の神殿への反発は全員一致している。
なのでわりと女性同士の仲は和やかなのだが、会話は時々不穏だ。
神殿認定の勇者の仲間になんでなってんの君たち、と、問いつめたくなることもしばしば。
みんな見目麗しいのに、時々拠点に居づらくなってカユシィーちゃんに癒されたくなるのも仕方ないことなのだ。
「あの……みなさん。わたしはただの人間ですので、祈られましても叶えることはできませんよ? 決して教養もありませんし、人脈もありませんし」
その言葉に、勇者と女性たち全員が「え?」と固まった。
「にゃっ? 何かおかしなことを言ってしまったでしょうか……っ」
おどおどきょどきょどするカユシィーちゃんが可愛い。
……ではなく。
「ただの人間ってことはないだろ。半分神霊なんだし」
「え? わ、わたしはただの人間ですよ。たしかに兄は自称半神霊ですけど、わたしたち異父兄妹でして、ええっと……」
「俺の父親が神霊で、母親は人間なんだ」
「ですです。わたしは両親どっちも人間なのです」
こんなに可愛いカユシィーちゃんがただの人間なはずない、と、六人は思った。
「でもさ、とてもかわいらしい妖精さんが町の人たちの悩みを解決して回っていると噂になっているのだけど。てっきりカユシィーちゃんかと」
「わたしにそんな余裕はありませんよ。朝から晩まで魔物討伐してるのですよ」
「そっかー……勘違いかぁー……。でもカユシィーちゃん可愛いからよし」
「純度の高い神聖属性持ちというのも得点高いわ。治療魔術に興味はあるかしら?」
こいつら、最近話題の妖精さんの正体がカユシィーちゃんの同居人……いや元同居人のシシャルだと知ったらどんな反応するんだろう。
見た目だけはあんなに可愛いんだから闇属性さえなければ、という言葉を聞いた気もするので、闇属性さえなければを連呼しつつも、強い混乱や反発は起こらなそうだが。
「せっかくのお泊まりなんだし楽しくお話しながら寝ましょうよ」
「カユシィーちゃん、お姉さんたちが役立ちそうなことを教えてあげましょうか」
「あ、あの、みなさん。それでは……冒険の話や故郷の話をお聞きしても?」
カユシィーちゃんは徐々に緊張がほぐれてきたようで、好奇心を見せ始めた。
女性たちで寝室を貸し切ることになったところまでは、文句はない。
男女の壁はわりと大きい。
無防備になる状況だったらなおさらだ。
あってないようなカギの代わりに防御壁を張り巡らせて防犯性能を強化したのも、男たちを閉め出したのも、充分納得できる。
しかし、三人雑魚寝でも快適な広さじゃなかったというのに女性六人雑魚寝で休めるんだろうか。
カユシィーちゃんの安眠第一だからと行動すると、横になって眠れるのかさえ心配になってしまう。
勇者は倉庫部屋で寝袋にくるまり、ドレ氏は台所で寝袋にくるまることになった。
男同士で話したいこともないわけじゃないが、微力でもカユシィーちゃんの役に立ちたい気持ちの方が強かった。
(カユシィーちゃんはまだ話しているのかなぁ? もう眠たかなぁ?)
カユシィーちゃんと女性たちの楽しい会話を想像しつつも、あの人数をあの狭さでどう寝るんだろうと不安が消えることはない。
(あいつら、カユシィーちゃんがちゃんと休めるように配慮はしてくれるだろうな?)
しかし、勇者の心配は的外れだったのだ。
日付が変わるまであと十数分、寝室で惨劇が起こるまであと二時間……。
丸めた寝袋をぎゅっと抱きしめながら、最後に会ってからまだ一月も経っていない母親と愛犬の姿を思い浮かべて帰りたいよと叫びたかった。
が、勇者はこれでも二十代そこそこの男である。
人目があろうがなかろうが、公共の道路でそんな無様をさらすわけにはいかない。
ただでさえ装備頼りの威厳がさらになくなってしまうのは非常に困る。
「勇者様。どこか具合が悪いのです?」
勇者パーティの最年少でどことなくカユシィーちゃんに通じる愛らしさのある少女の声に、勇者は気持ちを持ち直そうとして、挫折した。
この子だって、ただいま勇者を悩ませる元凶の一人なのだ。
「カユシィーちゃんの邪霊対策のためだろうとお泊まりなんてと非難の嵐だったからでしょう。気にしない方がいいですわよ、トリラ」
「はぁい、ディジアお姉さま」
麗しい美女と愛らしい少女。
他にも姫と防壁魔術師と治癒魔術師がいる。
全員女性。
さすがにあの借家にパーティメンバー全員は無理だし、女性だけに絞っても十人はいるから、光と神聖両方持ってる奴だけと言ったら、五人同行させる羽目になった。
見込みの甘さが招いた事態である。
カユシィーちゃんの兄に家の広さ分かってないのかと罵倒されたとしても甘んじて受け入れよう。
しかし、カユシィーちゃんに、お馬鹿なんですかと見下されるのだけは嫌だ。
さすがに、年頃のちょっと手前だろうと女の子のいる家に大人の男が泊まりにいくのは、相手が兄と同居していようと厳しい目を向けられるのは分かる。
彼女らが牽制と監視のために同行を申し出たことくらい理解できる。
だが、五人は多すぎだろう、五人は。
「私たちの魔力でカユシィーちゃんの安眠を守れるといいわね」
強く言えなかったのは、勇者と彼女らの立場の違いだけではない。
邪霊対策は何が有効かよく分からないから、手探りで解決策を探るためにも人は多い方がいい――そんな提案を否定できなかったのだ。
当然のように人数に関しては苦言を呈されたが、罵倒はなかった。
邪霊対策には本当に頭を悩ませているようで、可能性があるならなんでも試してくれと言われてしまった。
たった数時間でドレ氏の目の下にクマが浮かんでいる気がするのは、光源のせいだろうか。
とりあえず、全員一緒では個々の邪霊除け能力が分からないため、カユシィーちゃんの指示でいったん全員を影響範囲外に遠ざけた後、一人ずつ近づいてきてもらって確かめることになった。
結果は、シシャル超えゼロ、勇者超えゼロ。
いないよりはマシだが効果は魔力結晶とどっこいどっこいか少し劣っていた。
それでも、カユシィーちゃんを中心として全方向に人を配置すれば寝室内で邪霊を見なくて済む程度の効果は得られたので、費用対効果とか人員確保の問題とか度外視すれば、シシャルなしでも安眠を得る方法はありそうだ。
「同様に魔力結晶を六方向に配置するのでも効果は得られそうだが、さすがの勇者でも費用が六倍になるのはきついか?」
「めちゃくちゃきついよっ。たしかに勇者は毎月神殿からかなりの額もらうけど、家賃とか光熱費とか給料とか全部そこから出すんだからさ」
勇者パーティは人数が多く、手柄の取り合いでもめるのも面倒なので、全員共通の基本給を勇者支給金から払っている。
広い拠点の管理のために使用人も三人雇っている。
討伐報酬や換金で得た金は、装備の調整や修理や買い換えや、拠点共用物品の購入費用などを差し引いた全額をその日同行した仲間全員で山分け方式だ。
「でも、カユシィーちゃんのためならみんなちょっとずつでも協力してくれるよな」
勇者が女性たちに顔を向けると、頼もしいくらい良くうなずいてくれた、が。
「もちろん。……ところで、カユシィーちゃん拝むと彼氏できるってほんと?」
「カユシィーちゃんに祈るとそばかす消えるって本当でしょうかっ」
「聖王家の復権なんて大仰な願いは……さすがに無理かしら」
「神殿の腐れ権力者どもを一掃しなきゃ無理よ無理。ところで宝くじ当てるのはどう?」
「父を失脚させた超肥満神官が報いを受けるよう願ったら叶うかしら?」
王族一人、貴族四人。
全員が神殿との因縁持ち。
見た目がいろいろ性格もいろいろ金銭状況もいろいろなのに、現状の神殿への反発は全員一致している。
なのでわりと女性同士の仲は和やかなのだが、会話は時々不穏だ。
神殿認定の勇者の仲間になんでなってんの君たち、と、問いつめたくなることもしばしば。
みんな見目麗しいのに、時々拠点に居づらくなってカユシィーちゃんに癒されたくなるのも仕方ないことなのだ。
「あの……みなさん。わたしはただの人間ですので、祈られましても叶えることはできませんよ? 決して教養もありませんし、人脈もありませんし」
その言葉に、勇者と女性たち全員が「え?」と固まった。
「にゃっ? 何かおかしなことを言ってしまったでしょうか……っ」
おどおどきょどきょどするカユシィーちゃんが可愛い。
……ではなく。
「ただの人間ってことはないだろ。半分神霊なんだし」
「え? わ、わたしはただの人間ですよ。たしかに兄は自称半神霊ですけど、わたしたち異父兄妹でして、ええっと……」
「俺の父親が神霊で、母親は人間なんだ」
「ですです。わたしは両親どっちも人間なのです」
こんなに可愛いカユシィーちゃんがただの人間なはずない、と、六人は思った。
「でもさ、とてもかわいらしい妖精さんが町の人たちの悩みを解決して回っていると噂になっているのだけど。てっきりカユシィーちゃんかと」
「わたしにそんな余裕はありませんよ。朝から晩まで魔物討伐してるのですよ」
「そっかー……勘違いかぁー……。でもカユシィーちゃん可愛いからよし」
「純度の高い神聖属性持ちというのも得点高いわ。治療魔術に興味はあるかしら?」
こいつら、最近話題の妖精さんの正体がカユシィーちゃんの同居人……いや元同居人のシシャルだと知ったらどんな反応するんだろう。
見た目だけはあんなに可愛いんだから闇属性さえなければ、という言葉を聞いた気もするので、闇属性さえなければを連呼しつつも、強い混乱や反発は起こらなそうだが。
「せっかくのお泊まりなんだし楽しくお話しながら寝ましょうよ」
「カユシィーちゃん、お姉さんたちが役立ちそうなことを教えてあげましょうか」
「あ、あの、みなさん。それでは……冒険の話や故郷の話をお聞きしても?」
カユシィーちゃんは徐々に緊張がほぐれてきたようで、好奇心を見せ始めた。
女性たちで寝室を貸し切ることになったところまでは、文句はない。
男女の壁はわりと大きい。
無防備になる状況だったらなおさらだ。
あってないようなカギの代わりに防御壁を張り巡らせて防犯性能を強化したのも、男たちを閉め出したのも、充分納得できる。
しかし、三人雑魚寝でも快適な広さじゃなかったというのに女性六人雑魚寝で休めるんだろうか。
カユシィーちゃんの安眠第一だからと行動すると、横になって眠れるのかさえ心配になってしまう。
勇者は倉庫部屋で寝袋にくるまり、ドレ氏は台所で寝袋にくるまることになった。
男同士で話したいこともないわけじゃないが、微力でもカユシィーちゃんの役に立ちたい気持ちの方が強かった。
(カユシィーちゃんはまだ話しているのかなぁ? もう眠たかなぁ?)
カユシィーちゃんと女性たちの楽しい会話を想像しつつも、あの人数をあの狭さでどう寝るんだろうと不安が消えることはない。
(あいつら、カユシィーちゃんがちゃんと休めるように配慮はしてくれるだろうな?)
しかし、勇者の心配は的外れだったのだ。
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