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日常の変化
4.
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「まぶし…」
レースカーテンの向こうから差し込む日差しが強くて目が覚めた。
昨日の夜と同じ天井だ。起きると部長のだろう服を着せられていた。ぶかぶか過ぎて袖が余っている。
「いっ」
よっこらしょと上体を起こすと腰に鈍痛が走った。
「え、夢じゃなかったの…?」
3軒目のカラオケ店に行ってから記憶が曖昧だ。部長に犯された事はよく覚えていて、ただ現実ではあり得ない事だから夢だと思っていたがこの腰の痛みに冷や汗が出る。
「酔ってぶつけたのかな…」
ベッドから這い出ると下に辛うじてはかされていたズボンがスポンと床に落ちた。このまま出るのは流石に恥ずかしいのでズボンを履きウエストを握って部屋を出た。隣はリビングでその向こうのキッチンに部長が立っていた。
「おはようございます」
キッチンで作業していた部長に声を掛けると顔を上げた。
「ああ、やっと起きたのか。気分はどうだ?」
「大丈夫です」
「あんなに酔ってたのに二日酔いじゃないんだな」
昨日、部長に対してダル絡みした事を思い出す。
「昨日はご迷惑をおかけしてすいませんでした…」
「別に構わん。酒の席だしな。それに俺もお前のズボンを濡らしてすまなかったな」
部長の言葉にほっとする。
「飯は食うか?」
今何時だろうとあたりを見回すとお洒落な壁時計がもう直ぐ昼を指そうとしていた。心なしかお腹が空いてきた気がする。
「食べたいです」
「じゃあ、そこの廊下の左のドア開けたら洗面所だから顔洗ってこい」
「はい」
「タオルは洗面所の上の棚だ」
「わかりました」
部長に言われた通りの道のりを行くと御目当ての洗面所があった。ちゃちゃっと顔を洗うと完全に目が覚めた。鏡越しの自分の顔がいつもよりも心なしかスッキリしている。
「よく寝たからだな。うん」
ふわふわの柔軟剤のいい匂いがするお高そうなタオルで顔を拭くと洗濯機に入れた。
「わ~おいしそ~!」
リビングに戻るとテーブルに美味しそうな和風パスタとサラダ、スープが並べられていた。どれも美味しそうだ。
「部長、料理も上手なんですね」
腰に巻いたエプロンも様になっていて格好いい。
「まあ、人並みにはやる」
迎え会う様に席に着くと手を合わせた。
「頂きます」
美味しそうな匂いがぷんぷんするパスタから食べるとやっぱり美味しかった。
「うまっ。人並み以上ですよ、部長!」
「そうか。それなら良かった。それとプライベートでは部長と呼ぶな」
「え?じゃー長谷川さん、ですか?」
何でプライベートは嫌なんだ?休みの日は仕事を忘れたいとか?でも本人が嫌なら従う他ない。
「護」
「まもる…?」
「下の名で呼べ」
「…分かりました!」
よく分からないが取り敢えず目の前の美味しいご飯を食べたいので素直に従う。
美味しいご飯を鱈腹食べた後、食器洗いを手伝い2人で今話題の映画を観た。何故かその日も泊まることになり部長におもてなしされた。こんなにまったりした休日は久々だった。
レースカーテンの向こうから差し込む日差しが強くて目が覚めた。
昨日の夜と同じ天井だ。起きると部長のだろう服を着せられていた。ぶかぶか過ぎて袖が余っている。
「いっ」
よっこらしょと上体を起こすと腰に鈍痛が走った。
「え、夢じゃなかったの…?」
3軒目のカラオケ店に行ってから記憶が曖昧だ。部長に犯された事はよく覚えていて、ただ現実ではあり得ない事だから夢だと思っていたがこの腰の痛みに冷や汗が出る。
「酔ってぶつけたのかな…」
ベッドから這い出ると下に辛うじてはかされていたズボンがスポンと床に落ちた。このまま出るのは流石に恥ずかしいのでズボンを履きウエストを握って部屋を出た。隣はリビングでその向こうのキッチンに部長が立っていた。
「おはようございます」
キッチンで作業していた部長に声を掛けると顔を上げた。
「ああ、やっと起きたのか。気分はどうだ?」
「大丈夫です」
「あんなに酔ってたのに二日酔いじゃないんだな」
昨日、部長に対してダル絡みした事を思い出す。
「昨日はご迷惑をおかけしてすいませんでした…」
「別に構わん。酒の席だしな。それに俺もお前のズボンを濡らしてすまなかったな」
部長の言葉にほっとする。
「飯は食うか?」
今何時だろうとあたりを見回すとお洒落な壁時計がもう直ぐ昼を指そうとしていた。心なしかお腹が空いてきた気がする。
「食べたいです」
「じゃあ、そこの廊下の左のドア開けたら洗面所だから顔洗ってこい」
「はい」
「タオルは洗面所の上の棚だ」
「わかりました」
部長に言われた通りの道のりを行くと御目当ての洗面所があった。ちゃちゃっと顔を洗うと完全に目が覚めた。鏡越しの自分の顔がいつもよりも心なしかスッキリしている。
「よく寝たからだな。うん」
ふわふわの柔軟剤のいい匂いがするお高そうなタオルで顔を拭くと洗濯機に入れた。
「わ~おいしそ~!」
リビングに戻るとテーブルに美味しそうな和風パスタとサラダ、スープが並べられていた。どれも美味しそうだ。
「部長、料理も上手なんですね」
腰に巻いたエプロンも様になっていて格好いい。
「まあ、人並みにはやる」
迎え会う様に席に着くと手を合わせた。
「頂きます」
美味しそうな匂いがぷんぷんするパスタから食べるとやっぱり美味しかった。
「うまっ。人並み以上ですよ、部長!」
「そうか。それなら良かった。それとプライベートでは部長と呼ぶな」
「え?じゃー長谷川さん、ですか?」
何でプライベートは嫌なんだ?休みの日は仕事を忘れたいとか?でも本人が嫌なら従う他ない。
「護」
「まもる…?」
「下の名で呼べ」
「…分かりました!」
よく分からないが取り敢えず目の前の美味しいご飯を食べたいので素直に従う。
美味しいご飯を鱈腹食べた後、食器洗いを手伝い2人で今話題の映画を観た。何故かその日も泊まることになり部長におもてなしされた。こんなにまったりした休日は久々だった。
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