小さなベイビー、大きな野望

春子

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ロッシュヴォーク家

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ロッシュヴォークの始まりは、一人の少年と三頭のドラゴンから始まったとされる家柄。
本家には、アニマと言うドラゴンが、本家とロッシュヴォークを守護しており、普段は、本家の特別な部屋にいる。
三頭の中では、比較的、穏やかであり、ロッシュヴォークの敵になるものに、容赦がない。
ときに、よくわかってない、アルミンとリーサが、部屋から出しては、遊ぶが、わきまえてるため、理不尽に力を使用しない分、コルルに叱られる二人をしょうがない子だと慈愛に満ちた目で見ている。
三頭の内、唯一の雌にあたるドラゴン。ゴルトアは眠り姫であり、ロッシュヴォーク家の前当主が住む隠居先のところにいる。ゴルトアが起きる頃、とてつもないことが起きると言われている。
だからこそ、これまた、アルミンとリーサが起こそうとする仕草をサラトガにやめなさいと捕まれ、悪戯ピンキーみたいだよと叱られる。
ゴルトアは滅多なことでは起きない。
故に子供が何をしようとも起きたりしない。
最後のドラゴンにして、世界最古のドラゴン。
ガルガンズ。三頭の中でも、一番、気難しい性格しているが、ロッシュヴォーク家には手を出さない。
攻撃型のドラゴンでもあり、敵に容赦がないのは、アニマと同じではあるが、決定的に違うことがある。アニマほど、穏やかでないガルガンズは、気に入らなければ、容赦なく、跡形もなく、消滅させることが出来る魔力を持つ。
故にガルガンズの扱いは、ロッシュヴォーク家にとって、最優先事項で、どの時代も、扱ってきた。
が、ガルガンズと魔力の相性が、最適だったのが、リーサだった。サラトガは、リーサの体に、ガルガンズを封印した。時になれば、力を解放出来るように。ロッシュヴォーク家、全員の意見だったが、魔法省が口を挟んできた。サラトガは、魔法省に呼び出され、詰問を受けた。
「リーサが一番、適任だからだよ。内包する魔力が誰よりも、ガルガンズと相性がいい。余計なことをしないようにね。二百年前、契約した娘から無理に引き剥がそうとした愚かな連中は、魂共々、焼き尽くされたよ。ガルガンズが暴れれば、国はたちまち、滅びるから。ガルガンズがリーサを選んだ。異議は認めない。」
サラトガは、魔法省に告げた。一歩たりとも、譲歩しない。
「サラトガ。気が狂ったかね?君の娘はまだ幼い。」
「年齢で推し量るものではありません。それから、リーサを執拗に監視するのをお止めください。アルミンにもです。お言葉を返すようですが、幼い二人に、監視を向けるとは、些か、やりすぎです。」
「あの世界最古のドラゴンに始祖の血を濃く、受け継いでる子だ。注意深く見て、問題なかろう。」
「かつてのフランツのように、縛り付けるおつもりですか?ツェリは、警戒心を露にしてます。最愛の兄を奪われ、娘まで奪うような真似は、お控えください。」
お忘れですか?ツェリは、稲妻のツェツリーエ。
かつて、最愛の兄を奪った魔法省に、抗議の嵐を食らわした。魔法省に嵐を呼び、稲妻を轟かせ、攻撃したのだ。やめるように、使者が送られたが、マルクスが妹は兄を奪われ、酷く、ショックを受けている。見過ごすべきだと擁護。一週間に渡る大嵐に稲妻を落としたツェリは、 魔法省では苦い思いを抱いてる。
「ハルベルだけでなく、ロッシュヴォークとも敵対をするような真似は、そちらもよくないでしょう。お互いのために。」
立ち上がる。
「そろそろ、帰ります。ツェリが拗ねてしまって、機嫌を直さなきゃいけないんだ。ほら、外を見て。」
魔法省の外には、凄まじい雷が落ちてる。ツェリによる落雷。サラトガを返せと猛攻。


「ただいま。」
「おかえりなさい。あのバカたちに何かされた?」
「大丈夫。ありがとう。精神誠意、話してきたよ。」
「忌々しいわ!アレックス叔父様が隠居なさってから、デカイ顔をして!サラトガを無理に連れて行くなんて!何様なの!」
「大丈夫だよ。ツェリ。監視についても釘を刺したから。リーサには可哀想なことをしちゃった。知らない人間に見られて。怖かったろうに。」
リーサはある日、監視に気づいた。
それから、リーサを見てくるうと嫌だとマルクスに泣きついた。可愛い姪に何をするんだ!と抗議。
いつか、呼び出されるとわかっていたため、サラトガが魔法省に、向かった。
「フランツお兄様だけでなく、リーサまで、取るようなら、私は、魔法省を潰すわ!」
「そうだね。」
よしよしと撫で、抱き締める。
そうならないことを心から祈ってる。
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