異世界転移したおっさんが、凡庸スキルで現実的に成り上がる

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第一章

封印されし者との激闘

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ズズズ……!!

巨大なクリスタルが砕け、黒い影が舞い上がる。

「……こいつは一体?」

俺は剣を構えながら影の動きを観察する。

影は宙に浮かび、徐々に形を成していく。

やがて、人型に変わり、鎧を纏った漆黒の騎士が姿を現した。

『……久シブリノ覚醒ダ。貴様ラ、我ヲ解キ放ツ者カ?』

「言葉を話せるのか……?」

俺が問いかけると、騎士の瞳が赤く光る。

『我ハ"黒騎士ヴェルガス"。フェルドン王国ノ守護者ナリ。然レド、貴様ラノ目的ハ何ダ?』

「俺たちは、この遺跡の調査に来た。」

ヴェルガスはしばし沈黙した後、低く呟く。

『……ソウカ。我ガ封印ヲ解イタ以上、試練ヲ受ケルガヨイ。』

「試練?」

『此処ニ眠ル者ハ、力アル者ノミガ至ル場所。貴様ラノ力、見セテミヨ。』

「……来るぞ!」

俺は剣を構え、仲間たちも戦闘態勢を取る。

黒騎士ヴェルガスとの試練が始まった。


---



ギィィィン!!!

ヴェルガスが巨大な黒剣を振り下ろす。

俺は咄嗟に横へ回避したが、剣が床に触れた瞬間――

ドォォォォン!!!

衝撃波が発生し、周囲の壁がひび割れる。

「なんだ、この威力……!?」

「まともに喰らったら一撃で終わるな。」

エドガーが盾を構えながら慎重に間合いを詰める。

「なら、俺が防ぐ! その間に攻撃しろ!」

エドガーが盾を前に出し、突進する。

ガァン!!!

ヴェルガスの剣が振り下ろされ、エドガーの盾に直撃する。

次の瞬間――

ゴシャァアアアッ!!!!

「ぐっ……!?」

エドガーが吹き飛ばされ、壁に激突した。

ドゴォォォン!!

「エドガー!!」

エドガーは崩れた壁の瓦礫の中に倒れ込み、動かない。

「くそっ……!」

俺が駆け寄ろうとしたが、ヴェルガスの視線がこちらに向いた。

「……エドガーがやられた!?」

リディアの目が怒りに染まる。

「……ふざけるな!!」

彼女は怒りのままに魔力を解放し、手を前に掲げる。

ゴォォォォォ!!

「ファイアランス!!」

シュババババババッ!!!!

次々と炎の槍が生成され、ヴェルガスへと飛ぶ。

しかし――

ギィン! ギィン! ギィン!

ヴェルガスはすべての槍を避けるか、剣で叩き落としていった。

「これでも喰らえ!!」

リディアは更に魔力を練り上げ、特大のファイアボールを生成する。

ゴォォォォォォッ!!

巨大な炎の球がヴェルガスに直撃――

ドォォォォン!!!!

爆風が広がり、周囲の壁が崩れるほどの衝撃が走る。

しかし、炎が収まったあと――

ヴェルガスは無傷だった。

「そんな……!?」

リディアの顔が絶望に染まる。

「……魔力切れか。」

リディアがその場に崩れ落ちた。

「ダメだ、全員撤退しろ!」

俺は即座に判断を下す。

「トリアス、エドガーを担げ! リディア、お前も下がれ!」

「でも……!」

「俺が食い止める!」

俺は剣を構え、ヴェルガスの前に立ち塞がった。

「ジン……!」

トリアスは頷き、エドガーを担ぐ。

リディアもふらふらしながら撤退を始めた。


---



俺はヴェルガスと対峙する。

剣を握る手に汗が滲む。

(エドガーの盾が通用しない。リディアの炎も効かない……どうすれば……)

ヴェルガスはゆっくりと剣を構えた。

ズバァッ!!!

「っ!!」

俺はギリギリで回避する。

ヴェルガスの剣は紙一重で俺の頬をかすめ、石床に大きな亀裂を刻んだ。

(速い……!)

俺は全身の感覚を研ぎ澄まし、ヴェルガスの動きを読む。

シュンッ!

次の一撃を横へ転がって回避し、剣を振るう。

キィィン!!

しかし、俺の剣は鎧に弾かれる。

「ちっ……!!」

雷魔法を纏わせ、もう一度剣を振るう。

バチバチッ!!

雷の衝撃がヴェルガスを包み込む――

が、それでも傷一つつかない。

(これでもダメか……!)

ボロボロになりながらも、俺は必死に戦い続けた。


---



俺の息が荒くなり、視界が揺れる。

「……まだだ。」

俺は、最後の力を振り絞る。

(もしかして、合成魔法なら……)

俺は風と雷を組み合わせた魔法を発動させる。

「雷風槍(サンダーストームランス)!!」

バチバチバチッ……ゴォォォッ!!

俺の全魔力を込めた槍がヴェルガスへと放たれる。

ヴェルガスは静かにそれを見つめ、剣を収めた。

『……見事ダ。』

「……え?」

『試練ヲ乗リ越エシ者ヨ。貴様ヲ認メヨウ。』

ヴェルガスは跪いた。

俺は力を使い果たし、その場に膝をついた。

(……勝ったのか?)

「ジン!!」

仲間たちが駆け寄る。

「……お前、よくやったな。」

エドガーが苦笑しながら言う。

「こっちもギリギリだったよ。」

俺は安堵し、力を抜いた。


---


ヴェルガスは跪いたまま、俺たちを見上げた。

「……貴様らの力、認メヨウ。」

その言葉を聞き、俺は肩の力を抜く。

「……試練、だったのか?」

俺の問いにヴェルガスはゆっくりと頷く。

「此処ニ至リシ者ニハ、力ヲ試スコトガ定メラレテイル。貴様ラハ、ソレニ耐エ、乗リ越エタ。」

「俺たちは……合格ってことか?」

「なら、俺たちが求めていた装置はどこにある?」

リディアが疲れた声で問いかける。

ヴェルガスはゆっくりと立ち上がると、後方の壁へと向かった。

「扉ノ向コウニ、望ムモノガアル。」

俺たちは慎重に彼の後をついていく。


---


ヴェルガスが手をかざすと、巨大な扉がゆっくりと開いた。

扉の奥には広大なホールが広がり、その中心に浮かぶように青白く輝く装置が鎮座していた。

「……これが、俺たちが探していたものか?」

装置は半透明な球体で、内部には精密な魔法陣のような光のラインが巡っている。

「魔法……じゃないよな?」

「これは……何の装置なの?」

リディアが疑問を口にする。

「……わからない。」

俺は慎重に装置へと近づいた。

装置には何の文字も記されておらず、ボタンやスイッチのようなものも見当たらない。

ただ、見た目からして何かのエネルギーを制御する装置のように見える。

「これは……一度、レイナに見てもらった方がいいな。」

「確かに。リバティに持ち帰れば、何かわかるかもしれない。」

俺は装置を慎重に亜空間ストレージへと収納し、仲間たちに向き直る。

「よし、撤収するぞ。リバティへ戻る。」


---



遺跡の入り口に戻ると、俺はスマホ端末を取り出し、ハロウに連絡を入れた。

「ハロウ、応答できるか?」

数秒の間を置いて、端末から可愛らしい声が返ってきた。

「ジン! おかえり~! どうだった?」

「装置らしきものは手に入れた。だが、何の装置なのかはまだわからない。」

「そっかぁ……でも、持ち帰って調べてみればわかるかも!」

「リバティの方は大丈夫か?」

「うん! ちゃんと王都近くの山あいにステルスモードで着陸してるよ!」

「了解。すぐに戻る。」

通話を終え、俺たちはリバティへと向かった。


---



王都近郊の山あいにあるリバティへと戻る。

森の中に足を踏み入れると、そこには何もないはずなのに、一歩進むと突然巨大な未来的な構造物が目の前に現れた。

「ステルスモード解除。ようこそ、リバティへ。」

ハロウの声が響き、リバティの外装がその姿を現す。

「やっぱり何度見てもすごいな……。」

俺たちはリバティの中へと入り、格納庫へ向かう。

そこにはレイナが待っていた。

「帰ってきたのね。」

「手に入れたぞ、これだ。」

俺は亜空間ストレージから装置を取り出し、レイナに見せる。

レイナは装置を見つめ、慎重に分析を始めた。

「……確かに、何かのエネルギーを制御する装置のようだけど、詳細な機能まではわからないわね。」

「動かせるのか?」

「試してみるしかないわ。」

レイナは装置を慎重に船のメインシステムへと接続した。


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