異世界召喚されたマッチョ魔法使い、賢者の元で修行し最強へと至る

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第1章:魔法修行開始!生き延びるための地獄の日々

アリサ、正式紹介

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「……というわけで、次は"範囲魔法"を覚えるのじゃ!」

「いや、そろそろ休憩を……」

「無い!」

「……クソジジイ……!」

俺とレメルがいつものやり取りを繰り広げていると、後ろから聞き慣れた声がした。

「師匠、そろそろお昼の準備ができましたよ。」

「ああ、アリサか。いつも助かるのう。」

「いえ、これも弟子の仕事ですから……。」

俺はそのやり取りを聞きながら、改めてアリサの存在を自然に意識した。

(……そういえば、こいつ、召喚されてからずっと俺の世話をしてくれてるよな。)

俺が異世界に来たばかりで右も左もわからなかったときから、飯を作ってくれたり、寝床を用意してくれたり、雑用を引き受けてくれたりしていた。
最初は「レメルの弟子だから、まあそういう役割なんだろう」と思っていたが――。

「そういえば、お前のこと、ちゃんと紹介されたことなかったな。」

俺は、アリサを見ながら言った。

「……え?」

「いや、ずっと世話になってるけど、そういや"改めて自己紹介"ってされてなかったなって。」

「……あ、そういえば……!」

アリサは少し驚いたように頬を赤らめた。

「では、改めてじゃな。」

レメルがニヤリと笑いながら言う。


---


「改めて紹介するが、この娘はアリサ。わしの弟子じゃ。」

「見習いですけどね……。」

アリサが控えめに訂正する。

「師匠の身の回りの世話をしたり、掃除や食事の準備をしています……。」

「それ、弟子というより家政婦じゃねぇか。」

「そ、そんなことないです……! 私だって、ちゃんと魔法の勉強を……。」

「まぁ、アリサは普通の魔法使いよりは魔力量が多いのじゃが、そこまでの才能はないのじゃな。」

「……うぅ……。」

「とはいえ、こうして日々の生活を支えてくれておる、大事な存在じゃ。」

「ふむ。」

俺は頷いた。

「じゃあ、お前は俺の世話係でもあるってことか?」

「えっ……?」

「いや、今までずっと飯とか寝床とか世話してくれてたし。」

「あ……まぁ、そう……ですね……。」

「……なら、最初から言えよ。」

「そ、それは……えっと……!」

アリサは少し動揺したように、手をもじもじとさせた。

「なんというか……その……自然とやっていただけなので……。」

「ふぉっふぉっふぉ、アリサは優しいのじゃ。」

「そ、そんな……!」

アリサは顔を赤らめながら、少し恥ずかしそうに俯いた。


---



「でも、正直に言うと……」

アリサは、少し困ったように笑いながら続ける。

「最初は、あなたがすごく怖い人だと思ってました。」

「……は?」

「だって、召喚された初日に、すごい勢いで師匠に詰め寄ってましたし……筋肉もすごいし……目つきも鋭くて……。」

「……まぁ、あの状況ならな……。」

「『このままだとレメル様が殴られるかもしれない……!』って思いました。」

「いや、殴らねぇよ。」

「でも、本気で殴るんじゃないかってくらい迫力がありました……。」

「……。」

俺はそっと目を伏せた。
(まぁ、確かにあの時の俺は、取り乱してたな……。)

「で、俺のことをずっと怖いヤツだと思ってたのか?」

「いえ、翌日からは、『あれ? もしかしてこの人、ただの苦労人なのでは……?』って思いました。」

「お前、俺の何を見たんだよ。」

「……師匠に振り回されてる姿を見て。」

「……。」

俺は無言でレメルの方を睨む。

「ふぉっふぉっふぉ、オーガよ、お主はとても扱いやすいからのう!」

「うるせぇよ、クソジジイ!!」


---



「でも、なんだ……。」

俺はアリサを改めて見つめた。

「まさか、俺が初日から世話になってたとはな。」

「ふふ……私は、あなたが"世話のかかる人"だって、最初から思ってました。」

「……は?」

「だって、最初の夜、食事を出したら『肉がねぇ!!』って騒ぎましたし、寝る場所を案内したら『畳がねぇ!!』って落ち込んでましたし……。」

「……。」

「あと、お風呂がないって言ったら、本気で絶望してましたし……。」

「……。」

「正直、師匠よりも手がかかる人だと思いました。」

「……もうやめて!!」

俺は頭を抱えた。

「……ふふっ。」

「……おい。」

アリサは小さく微笑んだ。

「でも、ちゃんと魔法の修行を続けていて……すごいなって思いました。」

「……。」

「だから、これからも、よろしくお願いしますね。」

「……あ、ああ。」

なんだか妙に気恥ずかしくなって、俺は小さく頷いた。
こうして、俺とアリサの意外な縁が、改めてはっきりとしたのだった――。
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