異世界召喚されたマッチョ魔法使い、賢者の元で修行し最強へと至る

第1章：魔法修行開始！生き延びるための地獄の日々

脱出不可能！ダンジョンからの帰還と街への道

「……終わったな。」

魔王獣を撃破し、俺たちはついに第三階層を完全制覇した。
長く続いた戦いの余韻が、まだ身体に残っている。
膝に手をついて深く息をつきながら、アリサと目を合わせる。

「健士郎さん、すごいです！ 本当に倒しちゃいましたね！」

「ああ……何度も死にかけたけどな。」

「ぬぬ、まぁまぁ、これで第三階層攻略じゃ。よくやったのう。」

レメルは呑気に笑いながら杖を振り上げる。

「さて、そろそろ帰るとするか。」

「おう、それで……また"転移魔法"で一瞬で戻るのか？」

「ぬぬ、そうしたいところじゃが……。」

レメルが、珍しく真剣な顔をする。

「……ダンジョン内では"転移魔法"が使えんのじゃ。」

「……は？」

俺は思わず聞き返した。

「ダンジョンには"空間固定結界"が張られておる。つまり、"内部からの転移魔法"は封じられておるのじゃ。」

「……つまり？」

「歩いて帰るしかない。」

「……いやいや、マジかよ。」

俺は天を仰ぐ。

（せっかく苦労してボスを倒したのに、またこの長いダンジョンを歩いて戻るのかよ……）

「まぁ、"帰り道"のほうが楽じゃろうて。ボスは倒しておるからな。」

レメルはどこか他人事のように言う。

「でも、道中にはまだ魔物がいるかもしれません……。」

アリサが警戒しながら周囲を見渡す。

「ぬぬ、まぁ適当に対処しつつ進むのじゃ。」

（適当って……また戦闘かよ……）

俺たちは、戦いの疲れを引きずりながらも、ダンジョンの出口を目指して進み始めた。


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帰り道は"ボス戦前"よりも明らかに静かだった。
だが、俺たちは油断せず、警戒を怠らずに進む。

（……とはいえ、ここまで来たんだ。もう敵もあんまりいねぇだろ。）

そう思った矢先――

「ギャアアアッ！！！」

突然、前方から魔物の悲鳴が聞こえた。

「……ん？」

「ぬぬ、まだ"何か"おるようじゃな。」

俺たちは慎重に進み、声のする方向へ向かった。

すると、そこには――


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「……なんだ、こりゃ。」

俺たちの目の前には、無数の"魔物の死骸"が転がっていた。
まるで"何か"に蹂躙されたかのような光景。

「ぬぬ、妙じゃのう……。」

レメルが眉をひそめる。

「これは……他の冒険者が戦った跡……ではないですね。」

アリサが、倒れた魔物の傷口を見つめる。

（確かに……普通の剣や魔法でつけられた傷じゃねぇ。）

「つまり……何か"別の存在"が、こいつらを倒したってことか？」

「ぬぬ、そういうことじゃろうな。」

（……やべぇのが、まだこのダンジョンのどこかにいるってことか？）

俺たちは警戒しながら、慎重に進むことにした。


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ダンジョンの入り口にたどり着き、ようやく外の空気を吸った。

「……やっと、出たか。」

俺は思わず安堵の息をつく。

「健士郎さん、大丈夫ですか？」

「ああ、疲れたけどな。」

「ぬぬ、では次は"街"へ向かうぞ。」

レメルの言葉に、俺は気を引き締めた。

「そういや、近くに街があるんだったな。」

「ぬぬ、ここから徒歩で一時間ほどの距離に"ガストール"という交易都市がある。」

「交易都市……？」

「ぬぬ、この辺りでは最も栄えている街じゃ。」

（なるほど……ダンジョンに近いってことは、冒険者も多いんだろうな。）

「じゃあ、行ってみるか！」

俺たちは、ダンジョンを後にし、初めての"異世界の街"へと向かった。


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「おおっ……！」

ガストールの街に入った瞬間、俺は目を輝かせた。
石畳の広場に、にぎやかな市場。
異世界らしい衣装を着た人々が行き交い、活気に満ちている。

「ここが、異世界の都市か……！」

「ぬぬ、はしゃぎすぎるでないぞ。」

「いやいや、テンション上がるだろ！！」

俺は市場へ向かい、興味津々で屋台を見て回った。

「肉の串焼き！？ うまそう！！」

「おお、パンも焼きたてか！！」

「魔道具！？ どんな効果があるんだ！？」

「健士郎さん、完全にはしゃいでますね……。」

アリサが苦笑いする。

そんな中、レメルが俺の肩を叩いた。

「さて、そろそろ"換金"をせねばのう。」

「あっ、そうだった！」

ダンジョンで手に入れた戦利品を換金するため、俺たちはギルドの換金所へ向かった。


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換金を終え、大金を手に入れた俺は、ますますテンションが上がっていた。
そんな時――

「おい、そこのお前！！」

怒鳴り声が響いた。
振り向くと、粗暴な男たちが、一人の若い男を取り囲んでいる。

「てめぇ、俺の酒をこぼしたな……？」

「す、すみません！ そんなつもりじゃ……」

「すみませんで済むと思ってんのかぁ！？」

（……これ、どう見ても"因縁つけてる"だろ。）

「関わらないほうが……」

アリサが止めるが、俺は足を踏み出した。

「おい、お前ら。やめとけよ。」

男たちがこちらを睨む。

「……なんだ？ お前は関係ねぇだろ。」

「いやいや、どう見ても"お前らが悪い"だろ？」

「……チッ、余計なことを……！」

男たちは険しい顔をする。

（……初めての街で、最初のトラブルかよ。）

俺は覚悟を決めた。

こうして、俺の異世界初の"街トラブル"が幕を開けた――！