1 / 4
プロローグ
この世界、カネで買えるなら――
しおりを挟む
白く、果てしない空間。
視界のどこにも壁も天井もなく、ただ“光”だけがそこにあった。
「――ようこそ、勇者よ」
声は穏やかだった。けれど、なぜか威圧感がある。
俺――桐生 仁(きりゅう じん)、29歳、元営業マン。ブラック企業で社畜してたら、過労死で異世界転移ってワケか。
「君は不運だった。しかしその魂には強い執念があった。だから私は君を選んだ。
この世界の危機を救うために、魔王を倒してほしい」
まるでファンタジーラノベの序章みたいなセリフ。だが、死んでしまった以上、もう引き返せない。
「……で? よくあるパターンだと、“好きな力を与える”ってやつか?」
「そのとおり。チート、スキル、魔法、種族、装備、知識。
何を望む? 君の願いを聞こう」
しばらく沈黙した。
でも俺は、過労死するほど働いて、借金まみれで、何も残らなかった人生を、嫌というほど知っている。
だからこそ、答えはひとつだった。
「カネさえあれば、何でも出来る。」
神の気配が――ピクリと動いた。
「……カネ?」
「ああ。力も魔法もスキルも、人も国も、世界すらも。
全部、金があれば手に入るんだよ。
物も情報も命も、価値ってのは“対価”で回ってる。
結局のところ、力も手段のひとつにすぎない。
だったら最初から万能な“対価”を持っておけばいい」
数秒の沈黙。
そして――神は、笑った。
「――なるほど、なるほど! 実に面白い。
君は“金そのものを力と定義する”のだな。これは初めての発想だ!」
(……いや、ちょっと待て。その解釈はおかしい)
「よかろう! ならば君の信念に従い、“この世界をカネで救う力”を与えよう!」
(待て、それ絶対なんかズレて――)
光が走った。
声を上げる間もなく、俺の意識は闇に溶けた。
---
《転移完了──ユニークスキル【ゴールドリンク】を付与》
《アイテムボックス内の所持金に応じて、スキル購入が可能となります》
《現在の所持金:1,000,000G》
---
目が覚めた時、俺は森の中に倒れていた。
体に違和感はなく、むしろ異様に健康的だ。
だが、目の前に浮かぶウィンドウがすべてをぶっ飛ばした。
《現在所持金:1,000,000G》
《スキル購入メニューを開きますか?》
「……は? 何これ、金でスキル買えるの?」
メニューを開くと、整然と並ぶスキル一覧が表示された。
> 火魔法 Lv1…………50,000G
水魔法 Lv1…………50,000G
鑑定 Lv1……………150,000G
身体強化 Lv1………100,000G
剣術 Lv1……………100,000G
料理 Lv1……………30,000G
…ほか多数
「いや、マジで買えるのかよ……」
神は俺の言葉を“金でスキルを買う世界が理想”だと勘違いしたらしい。
でも――
「……ハハ、悪くない。金で強くなれる世界。最高じゃねえか」
この世界の価値は、カネが決める。
それなら俺は、この世界で“最強の成金”になってやる。
---
視界のどこにも壁も天井もなく、ただ“光”だけがそこにあった。
「――ようこそ、勇者よ」
声は穏やかだった。けれど、なぜか威圧感がある。
俺――桐生 仁(きりゅう じん)、29歳、元営業マン。ブラック企業で社畜してたら、過労死で異世界転移ってワケか。
「君は不運だった。しかしその魂には強い執念があった。だから私は君を選んだ。
この世界の危機を救うために、魔王を倒してほしい」
まるでファンタジーラノベの序章みたいなセリフ。だが、死んでしまった以上、もう引き返せない。
「……で? よくあるパターンだと、“好きな力を与える”ってやつか?」
「そのとおり。チート、スキル、魔法、種族、装備、知識。
何を望む? 君の願いを聞こう」
しばらく沈黙した。
でも俺は、過労死するほど働いて、借金まみれで、何も残らなかった人生を、嫌というほど知っている。
だからこそ、答えはひとつだった。
「カネさえあれば、何でも出来る。」
神の気配が――ピクリと動いた。
「……カネ?」
「ああ。力も魔法もスキルも、人も国も、世界すらも。
全部、金があれば手に入るんだよ。
物も情報も命も、価値ってのは“対価”で回ってる。
結局のところ、力も手段のひとつにすぎない。
だったら最初から万能な“対価”を持っておけばいい」
数秒の沈黙。
そして――神は、笑った。
「――なるほど、なるほど! 実に面白い。
君は“金そのものを力と定義する”のだな。これは初めての発想だ!」
(……いや、ちょっと待て。その解釈はおかしい)
「よかろう! ならば君の信念に従い、“この世界をカネで救う力”を与えよう!」
(待て、それ絶対なんかズレて――)
光が走った。
声を上げる間もなく、俺の意識は闇に溶けた。
---
《転移完了──ユニークスキル【ゴールドリンク】を付与》
《アイテムボックス内の所持金に応じて、スキル購入が可能となります》
《現在の所持金:1,000,000G》
---
目が覚めた時、俺は森の中に倒れていた。
体に違和感はなく、むしろ異様に健康的だ。
だが、目の前に浮かぶウィンドウがすべてをぶっ飛ばした。
《現在所持金:1,000,000G》
《スキル購入メニューを開きますか?》
「……は? 何これ、金でスキル買えるの?」
メニューを開くと、整然と並ぶスキル一覧が表示された。
> 火魔法 Lv1…………50,000G
水魔法 Lv1…………50,000G
鑑定 Lv1……………150,000G
身体強化 Lv1………100,000G
剣術 Lv1……………100,000G
料理 Lv1……………30,000G
…ほか多数
「いや、マジで買えるのかよ……」
神は俺の言葉を“金でスキルを買う世界が理想”だと勘違いしたらしい。
でも――
「……ハハ、悪くない。金で強くなれる世界。最高じゃねえか」
この世界の価値は、カネが決める。
それなら俺は、この世界で“最強の成金”になってやる。
---
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる