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第三話 旅立ち(前編)
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朝の薄光が窓辺を優しく照らし、ルーベルトはまどろみの中、かすかに音のする方向へと目を向けた。
(ん……? 何か動いてる?)
視界の片隅で動く影――目を開けると、そこには給仕服に着替えたクリスが、床にこぼれた埃を丁寧に拭いている姿があった。
ぱしゃり、と布を床に滑らせた。音に気づいたクリスがぴたりと動きを止め、一瞬固まってから顔を上げた。
「おはようございます、ルーベルト様」
その声に、ルーベルトは慌てて体を起こす。すぐに、ぼんやりしていた意識がはっきりとしてくる。
「あ、おはよう……って、その服は?」
ルーベルトが尋ねると、顔を上げたクリスは少し照れたように視線を落とし、まっすぐ告げた。
「昨晩、ネスト様にこれを着るよう言われました。朝早く起きて、掃除と朝食の準備をするように、と――」
その声音には、どこか固さと寂しさが混ざっていた。
(あの男……僕のクリスをまたこき使いやがって……)
ルーベルトはぐっと胸中で拳を握った。
「お召し物を変えさせていただきますね」
ベットの側まで服を運んでくれたクリスだが、このままいくと少女に着替えさせてもらうことになってしまうだろう。
「と、とりあえず……着替えは僕、自分でできるから。だから……向こう向いててくれる?」
絞り出すように言うと、クリスは一瞬うつむいて、ゆっくりと頷いた。
「……そうですか……。着替えが済みましたら、食堂へお越しください。朝食の準備が整っております」
そう言って、クリスは控えめに部屋を出ていく。音を立てぬよう、そっと扉を閉めた。
(――僕はまだ何もしてないのに……)
ルーベルトは無言で頭を抱える。胸の内で湧き上がる怒りは、まだ言葉にならなかった。
⸻
着替えを済ませ、廊下を抜けて食堂に入ると、すでに父・ネスト卿が席についていた。彼の前には、既に食事が運ばれている。
「起きたか、ルーベルト。昨晩はどうだった?」
ネストは軽く問い、その声は淡々としている。
「はい、父上。クリスのことをより深く知ることができました。これからも、多くの奴隷と触れ合い、知見を深めていきたいと思います」
ルーベルトは少し緊張しながらも礼儀正しく答える。すると、ネストは不満げな表情も見せず、ぺたりと皿に果物ナイフを置いた。
「……そうか。では、私はこれから隣町で商談だ。二、三日留守にする。お前達は出発の準備を済ませておけ。私が帰宅した翌日には、旅立てるように」
ルーベルトは軽く頭を下げた。
「承知しました、父上」
ネストはさらりと食事を再開し、早足で部屋を後にした。
⸻
食事を終え、ルーベルトが片づけを始めると、クリスが入ってきた。
「清掃、完了しました。次は何をすればよろしいですか?」
その言葉の間に――彼女のお腹が「ぐーっ」と可愛らしい音を立てた。
「(小さく笑って)……クリス、お腹減ってる? 朝ごはん、ちゃんと食べた?」
「……いいえ。私は、私のやるべきことがありますし……許可なく食事をとることは奴隷に認められていませんから……」
クリスの声は小さく、肩が落ちている。
(この国の奴隷って、本当にこんな扱いなんだ……)
ルーベルトはその思いをはっきり自覚した。
「こっちに来て。一緒にご飯を食べよう。君が食べ終わるまで、僕がそばにいるよ。それに君は、いつでも好きな時に食事していい。そんなこと、当たり前なんだよ」
クリスは はっ、と息を吐いて唇を動かす。
「ですが私は……」
その言いかけをルーベルトは指一本で制した。
「んーん。それが少なくとも――僕の前では当たり前でいてほしい。奴隷としてじゃなく、一人の女の子として、暮らしてほしい」
顔を赤らめながら、クリスは小さく頷いた。
「……かしこまりました」
ルーベルトは続ける。
「それと、僕に敬語はいらないよ。クリスと僕、年もそんな変わらないし、気遣わないで。無理はしないでいいけどね」
クリスは少し間を置いて、頬をほんのり染めながら呟いた。
「うん……わかった、ルーベルト」
(……その言葉だけで十分だよ)
⸻
朝食を終え、ルーベルトはネストからの課題に取り組む。まずは学術書を開き、歴史や地理、魔法理論を読み込む。
昼には、クリスが手作りしたサンドイッチを広げ、広い庭で二人で昼食をとる。
「……おいしいよ、本当にありがとう」
「ううん……そう言ってくださると、嬉しいです」
そのまま木漏れ日の下でうたた寝をする二人――それはまるで家族のような、穏やかな時間だった。
⸻
昼寝後、クリスがうつらうつらしている間に、ルーベルトはスキルの練習に取りかかる。
「疾走――」
彼が構えると、周囲の景色が一瞬流れるように移り、足音を立てずに駆け抜けていく。大人の全力疾走を超える速度で、彼は庭と屋敷の周辺を往復した。
(まだ15歳だけど、このスキルがあれば……)
次に、嗅覚強化スキルをオンにする。
微かに漂う薬草や土の匂い。それに混じるのは、遠くで輝く魔力のような匂い。範囲は狭いものの、可能性を感じさせる。
(これももっと鍛えれば……)
「ん……ふぁ……」
集中していると、クリスがゆっくりと目を覚ました。
木漏れ日がやさしく差し込む中、クリスは背伸びをしながら上体を起こす。その髪に、光が反射してきらきらと輝いている。
「おはよう、クリス。そろそろ日が傾いてきたし、今日はここまでにして……夕食と、お風呂にしようか」
ルーベルトの言葉に、クリスはぴくんと反応した。
「……っ! は、はい……っ!」
なぜか顔を真っ赤にして俯き、もじもじと視線を彷徨わせながら、クリスは答えた。
(あれ……? どうしたんだろう。顔、すごく赤い。まさか、熱でも……?)
不安になったルーベルトは、そっと彼女の顔を覗き込んだ。
「大丈夫? 具合悪いとか……?」
その問いに、クリスはびくっと肩を震わせ、ぶんぶんと首を振る。
「い、いえっ! そ、そんなことありません! 大丈夫ですっ!!」
語尾が跳ね上がり、焦ったような声でそう答えると、クリスはぺこりと一礼して、ぱたぱたと小走りで屋敷へ戻っていく。
「あっ……ちょ、クリス? そんなに急がなくても――」
呼び止めようとしたが、彼女は振り返ることなく、あっという間に廊下の角を曲がって消えてしまった。
(……え、何か変なこと言っちゃったかな?)
ルーベルトは頭を掻きながら、彼女の後ろ姿を見つめ続けた。
(夕食とお風呂って……普通の流れだよね? まさか、昨日のことを気にして……?)
頬に手を当てながら、思わずため息をついた。
(……ごめん、クリス。たぶん、無意識にプレッシャーかけちゃったのかも)
それでも――
(でも、大丈夫。無理はさせないって、ちゃんと伝える)
ルーベルトはそっと空を仰ぎ見た。夕暮れの色に染まり始めた空は、どこか優しく、胸の奥を少しだけ軽くしてくれる気がした。
⸻
夕暮れの光が窓から差し込み、食卓に柔らかな陰影を落としていた。
テーブルの上には、クリスが丁寧に準備した夕食が並んでいる。温かなスープに、ふんわりと焼かれたパン、彩り豊かな野菜の炒め物。それらはどれも手間のかかった家庭料理で、素材の優しさがそのまま皿の上に現れていた。
ルーベルトは椅子に腰を下ろし、笑みを浮かべて料理を見つめた。
「今日も美味しそうだね、クリス」
「ありがとうございます……っ」
クリスは小さく会釈したものの、その動きはどこかぎこちなく、手元に置いたフォークを指でいじる仕草が目についた。
(あれ……?)
ルーベルトは首を傾げる。目の前の彼女は、何度も目線をあげたり下げたりして、まるで落ち着かない。料理に手をつけようとしてはすぐに止め、スプーンを手に取ったまま、それをまた丁寧に置き直す。
「……クリス、どうかした?」
「えっ!? い、いえっ……! な、なんでもありません!」
顔を上げたクリスの頬は赤く染まり、目が泳いでいた。
「……うん。なんでもないならいいけど……無理はしないでね。せっかくのご飯なんだから、ちゃんと食べて?」
「は、はい……」
ようやくスプーンを持ったクリスは、そっとスープをひと口すする。しかし、その手はほんのわずかに震えていて、どこか緊張の糸が張りつめたような空気を纏っていた。
(……やっぱり、昨日のことが気になってるのかな)
ルーベルトは心の中で呟いた。昨日、彼女がした行動。それはきっと、「奴隷」として覚えた習慣の延長だった。けれど、今日の彼女はそれとは違う。「どう振る舞えばいいのか分からない」――そんな迷いと不安が、静かに滲み出ていた。
沈黙が少しだけ続いた。カトラリーの音が控えめに響き、時間がゆっくりと流れていく。
ルーベルトはそっと笑みを浮かべ、口を開いた。
「そういえば、明日はクリスの服を買いに行こうか。給仕服とネグリジュだけじゃ、さすがに不便だしね」
その言葉に、クリスははっと顔を上げた。目を見開き、驚きと――どこか安堵の入り混じったような表情を見せる。
「……いいんですか?」
「もちろん。むしろ、なんで今まで誰も用意してなかったのか不思議なくらいだよ」
ルーベルトの軽やかな口調に、ようやくクリスの頬がふわりと緩んだ。
「……ありがとう、ルーベルト」
「うん。そうそう、それでいいんだ。敬語じゃなくてさ、もっと気楽にして」
「……わ、わかってる。でも……ちょっと、まだ……慣れてなくて……」
恥ずかしそうに視線を逸らす彼女の姿に、ルーベルトはそっと笑って頷いた。
温かい料理の香りと、ささやかな会話。ふたりの間に流れるぎこちなくも優しい空気が、次第に夕闇に溶け込んでいった。
⸻
夕食を終え、ルーベルトは風呂場の準備をしながら、クリスに言う。
「今日は、クリスが先に入って。朝からずっと動いて、疲れたでしょ? ゆっくり湯に浸かって、疲れを癒して」
ルーベルトは、にこりと優しい笑みを浮かべながら言った。その声色には、心からの思いやりがにじんでいた。
だが、クリスは少しだけ目を伏せて、唇を噛んだまま黙っている。
それを見て、ルーベルトは昨日のことを思い出した。あの夜、彼女は自分の身体を差し出そうとしてきた。あれはきっと、誰かに命じられて覚えた「ご奉仕」であり、「役割」だったのだろう。
(そんなの、違う……)
ルーベルトはそっと声のトーンを落とし、言葉を付け加える。
「……あ、あと……昨日みたいなことは、しなくていいからね。むしろ、ダメだから」
ふわりと、あたたかい気持ちで包むように続けた。
「もっと、自分を大切にして。僕は、君に無理なんてしてほしくない。……奴隷とかじゃなくて、一人の女の子として、ちゃんと幸せになってほしいんだ」
その言葉に、クリスは一瞬、きょとんとした顔をした。目をぱちぱちと瞬かせ、小さく震えた指先を胸元でぎゅっと握る。
やがて、ほんの少しだけ首を傾けるようにして、ぽつりと呟いた。
「……それは、命令ですか?」
その声は震えていた。まるで、心の奥底から零れたような、儚い声だった。
彼女の問いには、ルーベルトがどんな返事をするのか――それによって、自分の居場所が決まってしまう。そんな不安と恐れがにじんでいた。
「命令じゃないよ。これは僕からのお願い、かな」
その言葉に、クリスの瞳が揺れる。肩が震える。
「でも……でも、怖いんです。私が“価値のない奴隷”だって思われたら……捨てられたら……」
「大丈夫。僕は君を捨てたりしない。一生、大切にするって、約束するよ」
クリスは涙を浮かべて、ルーベルトにしがみついた。
⸻
湯気が立ちこめる浴室で、クリスはゆっくりと湯船に身を沈めた。
ぽちゃん……と静かに水音が広がる。暖かな湯が全身を包み、朝から動きっぱなしだった身体の疲れがじわじわとほどけていく。
「ふぅ……」
肩まで湯に浸かり、クリスは小さく息をついた。
閉じた目の奥に浮かぶのは、あの人――ルーベルトの笑顔だった。朝、優しく語りかけてくれた声。昼、庭で一緒に食べたサンドイッチ。勉強や鍛錬の合間にくれた言葉や仕草……どれもこれも、今も胸の奥でぽかぽかと灯っている。
(ルーベルト様……いえ、ルーベルト……)
そっと頬に手を当てる。まだ残る湯の熱ではなく、思い出すだけで顔が熱くなる。
彼が言ってくれた「奴隷としてじゃなく、一人の女の子として接したい」という言葉。それは、クリスの心の奥底に、誰にも触れられたことのなかった柔らかい場所を、そっと撫でてくれたような気がした。
(こんな私を、あんなふうに……大切にしてくれる人がいるなんて……)
気づけば、ぽろりと涙がひと粒湯に落ちていた。
それに気づいた瞬間、クリスは慌てて手で目元を拭う。
「だ、だめ……何泣いてるの、私……」
弱くなりすぎちゃだめだ、と自分に言い聞かせる。でも、嬉しい気持ちは止まらなかった。
ほんの少しでも、彼の傍にいたい。必要とされたい。そう思う気持ちは、今や抑えきれないほどに膨らんでいた。
(……少しだけ、勇気を出しても……いいのかな)
ゆっくりと湯から上がり、髪の水気を拭き取ってからバスタオルを手に取る。
鏡の中の自分を見つめたクリスは、心を決めるように小さく頷いた。
――そして、寝室の扉をそっと開ける。
湯上がりの湿り気を残す肌にバスタオルを纏った姿で、クリスが部屋に戻ると、そこには少しだけ寝転がっていたルーベルトの姿があった。
「そっ、それじゃ僕も入るからっ! クリスは先に休んでていいからね!」
ベッドから跳ね起きたルーベルトは、彼女の姿を見た瞬間に顔を真っ赤にしながら叫び、タオルを纏った彼女から視線を逸らすように慌てて浴室へと向かっていった。
(お、お風呂上がりの彼女……だいぶ刺激強すぎるって……)
心の中で頭を抱えながら、浴室の前で深呼吸。
さっきの湯船での彼女の優しい表情や、濡れた髪先から滴る水の艶めき、そして何より――
(……やばい、普通に、ドキドキしてる……)
そんな風に自分の動揺を持て余しながら、ようやくドアに手をかけたそのとき。
「……あれ?」
小さく扉が開く音がした。
反射的に身体を引き、警戒の気配を滲ませたルーベルトが振り向くと――そこに立っていたのは、タオル一枚のまま浴室へ入ってくるクリスだった。
「ク、クリスっ!? な、なにしてるの!? 昨日みたいなことは無理にしなくていいんだよ!?」
あまりに突然の出来事に、ルーベルトは再び真っ赤になりながら後ろを向き、慌てふためく。
クリスは少しうつむきながらも、ゆっくりと口を開いた。
「……無理には、してません。むしろ……私が、ルーベルト様にご奉仕したくて……」
静かで、でも確かに震えのないその声が、湯気の中に柔らかく響いた。
(心臓が止まりそう……!)
ルーベルトは顔を真っ赤にし、声をしどろもどろにする。
「いや、だめとかじゃないけど……その……目のやり場に困るというか……」
クリスは小さく震えながら、それでも尋ねる。
「私のこと、嫌いですか……?」
「あ、いや! 嫌いなんて絶対にない! むしろ……好き! 大好きだから! もっと大人になってからだよ!」
クリスは首をかしげる。
「私は15歳ですし、もう大人ですよ?」
(いや、15歳はまだ子供ですから! せめて……いや、20歳くらいに……)
「えーっと……ある書物に書いてあったんだ。15歳はまだ大人の身体じゃないって、18歳から成人なんだって!」
(もちろん大嘘だ!)
「だから、ゆっくりいこう?ね?」
クリスはうん、と小さく頷き、寝室に戻るのだった。
⸻
部屋に戻ると、ネグリジュ姿のクリスがベッドの上に正座して待っていた。
「それは必要なかったのに……普通の寝巻きは?」
クリスは小さな声で答える。
「これと給仕服しかありませんし……それに、ルーベルト様になら……見られても構いません」
(それはそれで困るんですが……!)
ルーベルトは自分の柔らかい生地の服を手渡し、着替えを促す。
「これに着替えておいで」
クリスは少し驚きながらも、背を向けて着替えを始めた。その音にドキドキしつつ、ルーベルトは逆向きで待っている。
「終わりました」
振り返ると、ぬくもりあるもこもこ服に包まれたクリスが立っていた。
「よし、今日はもう遅いし……一緒に寝よう。嫌じゃなければ、ベッドで」
クリスは迷うように目を伏せたが――
「それなら……私がソファで……」
「ダメだよ。君が風邪ひかないようにしないと」
クリスは恥ずかしそうに頷いた。
「じゃあ……一緒に寝ます」
ベッドに横たわる二人。クリスはもじもじとしながら、優しく囁いた。
「眠れないので……抱きしめてくれませんか……?」
ルーベルトは少し驚くも、ゆっくりと彼女を抱き寄せる。
「落ち着く……ルーベルト様の匂いとぬくもり、すごく、安心します……」
「そんなに改まらなくていいんだよ。呼びやすいよう好きに呼んでいいからね」
クリスは頬を赤らめ、小さな声で言う。
「うん……わかった、ルーくん」
その表情に、ルーベルトは不思議と心が安らいだ。
二人で眠りに落ちていく。ルーベルトはそっと彼女の髪を撫でながら、静かに言葉を紡ぐ。
「……おやすみ、クリス」
「……うん、おやすみ、ルーくん……」
そう呟いた彼女の声は、まるで夢の中から届いた囁きのように優しく、かすかだった。
ルーベルトはそのまま、ぬくもりを胸に抱いたまま、目を閉じる。
隣で安らかに眠る彼女の呼吸と、自分の鼓動が、同じリズムで重なっている気がした。
――きっと、これから先の旅路も、彼女となら歩いていける。
そんな予感を抱きながら、静かに夜は更けていった。
(ん……? 何か動いてる?)
視界の片隅で動く影――目を開けると、そこには給仕服に着替えたクリスが、床にこぼれた埃を丁寧に拭いている姿があった。
ぱしゃり、と布を床に滑らせた。音に気づいたクリスがぴたりと動きを止め、一瞬固まってから顔を上げた。
「おはようございます、ルーベルト様」
その声に、ルーベルトは慌てて体を起こす。すぐに、ぼんやりしていた意識がはっきりとしてくる。
「あ、おはよう……って、その服は?」
ルーベルトが尋ねると、顔を上げたクリスは少し照れたように視線を落とし、まっすぐ告げた。
「昨晩、ネスト様にこれを着るよう言われました。朝早く起きて、掃除と朝食の準備をするように、と――」
その声音には、どこか固さと寂しさが混ざっていた。
(あの男……僕のクリスをまたこき使いやがって……)
ルーベルトはぐっと胸中で拳を握った。
「お召し物を変えさせていただきますね」
ベットの側まで服を運んでくれたクリスだが、このままいくと少女に着替えさせてもらうことになってしまうだろう。
「と、とりあえず……着替えは僕、自分でできるから。だから……向こう向いててくれる?」
絞り出すように言うと、クリスは一瞬うつむいて、ゆっくりと頷いた。
「……そうですか……。着替えが済みましたら、食堂へお越しください。朝食の準備が整っております」
そう言って、クリスは控えめに部屋を出ていく。音を立てぬよう、そっと扉を閉めた。
(――僕はまだ何もしてないのに……)
ルーベルトは無言で頭を抱える。胸の内で湧き上がる怒りは、まだ言葉にならなかった。
⸻
着替えを済ませ、廊下を抜けて食堂に入ると、すでに父・ネスト卿が席についていた。彼の前には、既に食事が運ばれている。
「起きたか、ルーベルト。昨晩はどうだった?」
ネストは軽く問い、その声は淡々としている。
「はい、父上。クリスのことをより深く知ることができました。これからも、多くの奴隷と触れ合い、知見を深めていきたいと思います」
ルーベルトは少し緊張しながらも礼儀正しく答える。すると、ネストは不満げな表情も見せず、ぺたりと皿に果物ナイフを置いた。
「……そうか。では、私はこれから隣町で商談だ。二、三日留守にする。お前達は出発の準備を済ませておけ。私が帰宅した翌日には、旅立てるように」
ルーベルトは軽く頭を下げた。
「承知しました、父上」
ネストはさらりと食事を再開し、早足で部屋を後にした。
⸻
食事を終え、ルーベルトが片づけを始めると、クリスが入ってきた。
「清掃、完了しました。次は何をすればよろしいですか?」
その言葉の間に――彼女のお腹が「ぐーっ」と可愛らしい音を立てた。
「(小さく笑って)……クリス、お腹減ってる? 朝ごはん、ちゃんと食べた?」
「……いいえ。私は、私のやるべきことがありますし……許可なく食事をとることは奴隷に認められていませんから……」
クリスの声は小さく、肩が落ちている。
(この国の奴隷って、本当にこんな扱いなんだ……)
ルーベルトはその思いをはっきり自覚した。
「こっちに来て。一緒にご飯を食べよう。君が食べ終わるまで、僕がそばにいるよ。それに君は、いつでも好きな時に食事していい。そんなこと、当たり前なんだよ」
クリスは はっ、と息を吐いて唇を動かす。
「ですが私は……」
その言いかけをルーベルトは指一本で制した。
「んーん。それが少なくとも――僕の前では当たり前でいてほしい。奴隷としてじゃなく、一人の女の子として、暮らしてほしい」
顔を赤らめながら、クリスは小さく頷いた。
「……かしこまりました」
ルーベルトは続ける。
「それと、僕に敬語はいらないよ。クリスと僕、年もそんな変わらないし、気遣わないで。無理はしないでいいけどね」
クリスは少し間を置いて、頬をほんのり染めながら呟いた。
「うん……わかった、ルーベルト」
(……その言葉だけで十分だよ)
⸻
朝食を終え、ルーベルトはネストからの課題に取り組む。まずは学術書を開き、歴史や地理、魔法理論を読み込む。
昼には、クリスが手作りしたサンドイッチを広げ、広い庭で二人で昼食をとる。
「……おいしいよ、本当にありがとう」
「ううん……そう言ってくださると、嬉しいです」
そのまま木漏れ日の下でうたた寝をする二人――それはまるで家族のような、穏やかな時間だった。
⸻
昼寝後、クリスがうつらうつらしている間に、ルーベルトはスキルの練習に取りかかる。
「疾走――」
彼が構えると、周囲の景色が一瞬流れるように移り、足音を立てずに駆け抜けていく。大人の全力疾走を超える速度で、彼は庭と屋敷の周辺を往復した。
(まだ15歳だけど、このスキルがあれば……)
次に、嗅覚強化スキルをオンにする。
微かに漂う薬草や土の匂い。それに混じるのは、遠くで輝く魔力のような匂い。範囲は狭いものの、可能性を感じさせる。
(これももっと鍛えれば……)
「ん……ふぁ……」
集中していると、クリスがゆっくりと目を覚ました。
木漏れ日がやさしく差し込む中、クリスは背伸びをしながら上体を起こす。その髪に、光が反射してきらきらと輝いている。
「おはよう、クリス。そろそろ日が傾いてきたし、今日はここまでにして……夕食と、お風呂にしようか」
ルーベルトの言葉に、クリスはぴくんと反応した。
「……っ! は、はい……っ!」
なぜか顔を真っ赤にして俯き、もじもじと視線を彷徨わせながら、クリスは答えた。
(あれ……? どうしたんだろう。顔、すごく赤い。まさか、熱でも……?)
不安になったルーベルトは、そっと彼女の顔を覗き込んだ。
「大丈夫? 具合悪いとか……?」
その問いに、クリスはびくっと肩を震わせ、ぶんぶんと首を振る。
「い、いえっ! そ、そんなことありません! 大丈夫ですっ!!」
語尾が跳ね上がり、焦ったような声でそう答えると、クリスはぺこりと一礼して、ぱたぱたと小走りで屋敷へ戻っていく。
「あっ……ちょ、クリス? そんなに急がなくても――」
呼び止めようとしたが、彼女は振り返ることなく、あっという間に廊下の角を曲がって消えてしまった。
(……え、何か変なこと言っちゃったかな?)
ルーベルトは頭を掻きながら、彼女の後ろ姿を見つめ続けた。
(夕食とお風呂って……普通の流れだよね? まさか、昨日のことを気にして……?)
頬に手を当てながら、思わずため息をついた。
(……ごめん、クリス。たぶん、無意識にプレッシャーかけちゃったのかも)
それでも――
(でも、大丈夫。無理はさせないって、ちゃんと伝える)
ルーベルトはそっと空を仰ぎ見た。夕暮れの色に染まり始めた空は、どこか優しく、胸の奥を少しだけ軽くしてくれる気がした。
⸻
夕暮れの光が窓から差し込み、食卓に柔らかな陰影を落としていた。
テーブルの上には、クリスが丁寧に準備した夕食が並んでいる。温かなスープに、ふんわりと焼かれたパン、彩り豊かな野菜の炒め物。それらはどれも手間のかかった家庭料理で、素材の優しさがそのまま皿の上に現れていた。
ルーベルトは椅子に腰を下ろし、笑みを浮かべて料理を見つめた。
「今日も美味しそうだね、クリス」
「ありがとうございます……っ」
クリスは小さく会釈したものの、その動きはどこかぎこちなく、手元に置いたフォークを指でいじる仕草が目についた。
(あれ……?)
ルーベルトは首を傾げる。目の前の彼女は、何度も目線をあげたり下げたりして、まるで落ち着かない。料理に手をつけようとしてはすぐに止め、スプーンを手に取ったまま、それをまた丁寧に置き直す。
「……クリス、どうかした?」
「えっ!? い、いえっ……! な、なんでもありません!」
顔を上げたクリスの頬は赤く染まり、目が泳いでいた。
「……うん。なんでもないならいいけど……無理はしないでね。せっかくのご飯なんだから、ちゃんと食べて?」
「は、はい……」
ようやくスプーンを持ったクリスは、そっとスープをひと口すする。しかし、その手はほんのわずかに震えていて、どこか緊張の糸が張りつめたような空気を纏っていた。
(……やっぱり、昨日のことが気になってるのかな)
ルーベルトは心の中で呟いた。昨日、彼女がした行動。それはきっと、「奴隷」として覚えた習慣の延長だった。けれど、今日の彼女はそれとは違う。「どう振る舞えばいいのか分からない」――そんな迷いと不安が、静かに滲み出ていた。
沈黙が少しだけ続いた。カトラリーの音が控えめに響き、時間がゆっくりと流れていく。
ルーベルトはそっと笑みを浮かべ、口を開いた。
「そういえば、明日はクリスの服を買いに行こうか。給仕服とネグリジュだけじゃ、さすがに不便だしね」
その言葉に、クリスははっと顔を上げた。目を見開き、驚きと――どこか安堵の入り混じったような表情を見せる。
「……いいんですか?」
「もちろん。むしろ、なんで今まで誰も用意してなかったのか不思議なくらいだよ」
ルーベルトの軽やかな口調に、ようやくクリスの頬がふわりと緩んだ。
「……ありがとう、ルーベルト」
「うん。そうそう、それでいいんだ。敬語じゃなくてさ、もっと気楽にして」
「……わ、わかってる。でも……ちょっと、まだ……慣れてなくて……」
恥ずかしそうに視線を逸らす彼女の姿に、ルーベルトはそっと笑って頷いた。
温かい料理の香りと、ささやかな会話。ふたりの間に流れるぎこちなくも優しい空気が、次第に夕闇に溶け込んでいった。
⸻
夕食を終え、ルーベルトは風呂場の準備をしながら、クリスに言う。
「今日は、クリスが先に入って。朝からずっと動いて、疲れたでしょ? ゆっくり湯に浸かって、疲れを癒して」
ルーベルトは、にこりと優しい笑みを浮かべながら言った。その声色には、心からの思いやりがにじんでいた。
だが、クリスは少しだけ目を伏せて、唇を噛んだまま黙っている。
それを見て、ルーベルトは昨日のことを思い出した。あの夜、彼女は自分の身体を差し出そうとしてきた。あれはきっと、誰かに命じられて覚えた「ご奉仕」であり、「役割」だったのだろう。
(そんなの、違う……)
ルーベルトはそっと声のトーンを落とし、言葉を付け加える。
「……あ、あと……昨日みたいなことは、しなくていいからね。むしろ、ダメだから」
ふわりと、あたたかい気持ちで包むように続けた。
「もっと、自分を大切にして。僕は、君に無理なんてしてほしくない。……奴隷とかじゃなくて、一人の女の子として、ちゃんと幸せになってほしいんだ」
その言葉に、クリスは一瞬、きょとんとした顔をした。目をぱちぱちと瞬かせ、小さく震えた指先を胸元でぎゅっと握る。
やがて、ほんの少しだけ首を傾けるようにして、ぽつりと呟いた。
「……それは、命令ですか?」
その声は震えていた。まるで、心の奥底から零れたような、儚い声だった。
彼女の問いには、ルーベルトがどんな返事をするのか――それによって、自分の居場所が決まってしまう。そんな不安と恐れがにじんでいた。
「命令じゃないよ。これは僕からのお願い、かな」
その言葉に、クリスの瞳が揺れる。肩が震える。
「でも……でも、怖いんです。私が“価値のない奴隷”だって思われたら……捨てられたら……」
「大丈夫。僕は君を捨てたりしない。一生、大切にするって、約束するよ」
クリスは涙を浮かべて、ルーベルトにしがみついた。
⸻
湯気が立ちこめる浴室で、クリスはゆっくりと湯船に身を沈めた。
ぽちゃん……と静かに水音が広がる。暖かな湯が全身を包み、朝から動きっぱなしだった身体の疲れがじわじわとほどけていく。
「ふぅ……」
肩まで湯に浸かり、クリスは小さく息をついた。
閉じた目の奥に浮かぶのは、あの人――ルーベルトの笑顔だった。朝、優しく語りかけてくれた声。昼、庭で一緒に食べたサンドイッチ。勉強や鍛錬の合間にくれた言葉や仕草……どれもこれも、今も胸の奥でぽかぽかと灯っている。
(ルーベルト様……いえ、ルーベルト……)
そっと頬に手を当てる。まだ残る湯の熱ではなく、思い出すだけで顔が熱くなる。
彼が言ってくれた「奴隷としてじゃなく、一人の女の子として接したい」という言葉。それは、クリスの心の奥底に、誰にも触れられたことのなかった柔らかい場所を、そっと撫でてくれたような気がした。
(こんな私を、あんなふうに……大切にしてくれる人がいるなんて……)
気づけば、ぽろりと涙がひと粒湯に落ちていた。
それに気づいた瞬間、クリスは慌てて手で目元を拭う。
「だ、だめ……何泣いてるの、私……」
弱くなりすぎちゃだめだ、と自分に言い聞かせる。でも、嬉しい気持ちは止まらなかった。
ほんの少しでも、彼の傍にいたい。必要とされたい。そう思う気持ちは、今や抑えきれないほどに膨らんでいた。
(……少しだけ、勇気を出しても……いいのかな)
ゆっくりと湯から上がり、髪の水気を拭き取ってからバスタオルを手に取る。
鏡の中の自分を見つめたクリスは、心を決めるように小さく頷いた。
――そして、寝室の扉をそっと開ける。
湯上がりの湿り気を残す肌にバスタオルを纏った姿で、クリスが部屋に戻ると、そこには少しだけ寝転がっていたルーベルトの姿があった。
「そっ、それじゃ僕も入るからっ! クリスは先に休んでていいからね!」
ベッドから跳ね起きたルーベルトは、彼女の姿を見た瞬間に顔を真っ赤にしながら叫び、タオルを纏った彼女から視線を逸らすように慌てて浴室へと向かっていった。
(お、お風呂上がりの彼女……だいぶ刺激強すぎるって……)
心の中で頭を抱えながら、浴室の前で深呼吸。
さっきの湯船での彼女の優しい表情や、濡れた髪先から滴る水の艶めき、そして何より――
(……やばい、普通に、ドキドキしてる……)
そんな風に自分の動揺を持て余しながら、ようやくドアに手をかけたそのとき。
「……あれ?」
小さく扉が開く音がした。
反射的に身体を引き、警戒の気配を滲ませたルーベルトが振り向くと――そこに立っていたのは、タオル一枚のまま浴室へ入ってくるクリスだった。
「ク、クリスっ!? な、なにしてるの!? 昨日みたいなことは無理にしなくていいんだよ!?」
あまりに突然の出来事に、ルーベルトは再び真っ赤になりながら後ろを向き、慌てふためく。
クリスは少しうつむきながらも、ゆっくりと口を開いた。
「……無理には、してません。むしろ……私が、ルーベルト様にご奉仕したくて……」
静かで、でも確かに震えのないその声が、湯気の中に柔らかく響いた。
(心臓が止まりそう……!)
ルーベルトは顔を真っ赤にし、声をしどろもどろにする。
「いや、だめとかじゃないけど……その……目のやり場に困るというか……」
クリスは小さく震えながら、それでも尋ねる。
「私のこと、嫌いですか……?」
「あ、いや! 嫌いなんて絶対にない! むしろ……好き! 大好きだから! もっと大人になってからだよ!」
クリスは首をかしげる。
「私は15歳ですし、もう大人ですよ?」
(いや、15歳はまだ子供ですから! せめて……いや、20歳くらいに……)
「えーっと……ある書物に書いてあったんだ。15歳はまだ大人の身体じゃないって、18歳から成人なんだって!」
(もちろん大嘘だ!)
「だから、ゆっくりいこう?ね?」
クリスはうん、と小さく頷き、寝室に戻るのだった。
⸻
部屋に戻ると、ネグリジュ姿のクリスがベッドの上に正座して待っていた。
「それは必要なかったのに……普通の寝巻きは?」
クリスは小さな声で答える。
「これと給仕服しかありませんし……それに、ルーベルト様になら……見られても構いません」
(それはそれで困るんですが……!)
ルーベルトは自分の柔らかい生地の服を手渡し、着替えを促す。
「これに着替えておいで」
クリスは少し驚きながらも、背を向けて着替えを始めた。その音にドキドキしつつ、ルーベルトは逆向きで待っている。
「終わりました」
振り返ると、ぬくもりあるもこもこ服に包まれたクリスが立っていた。
「よし、今日はもう遅いし……一緒に寝よう。嫌じゃなければ、ベッドで」
クリスは迷うように目を伏せたが――
「それなら……私がソファで……」
「ダメだよ。君が風邪ひかないようにしないと」
クリスは恥ずかしそうに頷いた。
「じゃあ……一緒に寝ます」
ベッドに横たわる二人。クリスはもじもじとしながら、優しく囁いた。
「眠れないので……抱きしめてくれませんか……?」
ルーベルトは少し驚くも、ゆっくりと彼女を抱き寄せる。
「落ち着く……ルーベルト様の匂いとぬくもり、すごく、安心します……」
「そんなに改まらなくていいんだよ。呼びやすいよう好きに呼んでいいからね」
クリスは頬を赤らめ、小さな声で言う。
「うん……わかった、ルーくん」
その表情に、ルーベルトは不思議と心が安らいだ。
二人で眠りに落ちていく。ルーベルトはそっと彼女の髪を撫でながら、静かに言葉を紡ぐ。
「……おやすみ、クリス」
「……うん、おやすみ、ルーくん……」
そう呟いた彼女の声は、まるで夢の中から届いた囁きのように優しく、かすかだった。
ルーベルトはそのまま、ぬくもりを胸に抱いたまま、目を閉じる。
隣で安らかに眠る彼女の呼吸と、自分の鼓動が、同じリズムで重なっている気がした。
――きっと、これから先の旅路も、彼女となら歩いていける。
そんな予感を抱きながら、静かに夜は更けていった。
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