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貿易都市グリゴレオ編
10 感情の飢えと渇き
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「あなたは本当に魔王なの?」
鋭く光る目には怒りの炎が淡々と燃え盛っていた。その目で見られるのがルシファーにはたまらなく愛おしく感じた。
「そう、僕は魔王だ。ところで、君の名前は」
「言わない。前にもその質問をされて縛られたことがあるから。特にあなた達魔王には…!」
ここでルシファーは気付く。どこかで嗅いだことのあるマナの匂い。ルシファーが最も苦手とする魔王。
「君は、嫉妬の魔王を魅了させてしまったのか」
嫉妬の魔王はその名の通り嫉妬深く、自分より美しかったり可愛かったりするとその人間に限らずモンスターや妖精でさえ殺してしまう。
「ならこうしよう。僕は追われている君を匿う。その代わり君は僕の眷属になる。どうかな?君はまだあの女の眷属ではないのだろう?」
どうしても欲しかった。彼女が、狂おしく愛おしいくらい手中に収めたかった。この感情を彼女に教えてもらいたい、そんな気持ちで沢山だった。
「………分かったわ。いいけど、私は貴方を殺せると思ったら貴方を容赦なく殺す。そしてもう一つ、もし魔王を倒すと言う転生者がいたら、私はその人について行く。そしたら貴方との生活も思い出も何もかも捨てて忘れる。それでもいいのなら、私は貴方の眷属になってあげる」
絶望を知って尚、希望を持つ彼女を見てルシファーは思う。
(僕にもこの感情があればいいのに)
○ ○ ○
「あれ?誰だい?そこの転生者は」
俺を見ただけで傲慢の魔王ルシファーは転生者と見破った。恐らく今の俺じゃ殺すは愚か、その美しい肌に傷一つ付けることは出来ないだろう。
'当たり前です。勇者が魔王を倒すなんてゲームでは当然で簡単です。でも、現実ではこれが常識であり、定石、セオリーなんでしょう'
「ああ、君があの金髪イケメン君を倒したっていう新人転生者か。ふぅん、君まだまだ魔法を使えてないねぇ。もう少し簡単に考えてもいいんじゃないのかい」
この上から目線な話し方。間違いなく傲慢の魔王。でも何でまた唐突に登場なんだ?
'恐らくそこの少女を迎えに来た感じですね。なんせ彼女はルシファーの眷属ですから'
前々回から気になっていたんだが
'前々回とはまたメタ発言を'
…はっ。しまった!マグがいつもメタイ発言ばっかりだからつい。じゃなくて!
「眷属って具体的にどうするんだ?」
思い切ってルシファーに聞いてみる。無視されるかと思いきや、以外や以外。サラリと教えてくれた。
「そんなことも知らないのかい?まぁ魔王としては教えない訳にはいかないかな?眷属とは自分よりマナの強い相手に自分の名前を差し出すんだ。それで眷属にすることが出来るし眷属になれる」
なるほど、名前を差し出す。その行為は確かに並な精神じゃ考えられない。であるなら、リヴィアン=クロイツと呼ばれた少女には壮絶な過去があるのだろう。
「ところで、君は魔王を倒したいなぁんてこと思ってたりするかい?」
妙に圧力をかけてくる言い方が少々イラッとするがそこは仕方ない。だけどなぜ、そんなことを聞くのか。
「まぁそんな感じだ。平凡な日常が欲しいわけだし」
「魔王達も案外平和な奴らだったり」
「いや、そんならここも人々が元気に行き交ってたはずだけどなぁ。ま、今は夜だから仕方ないかな?」
軽く挑発され軽く流す。
「そうか、君がその娘の救世主か。…は」
「?」
「はは、ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!」
ゾクッ。
背筋に冷水をかけられたかのような恐ろしい殺気。それは傲慢の魔王ルシファーのものだと気付くのに数分も要することはなかった。
「嗚呼、虚しい。僕は君が欲しいんだ、リヴィアン=クロイツ。君の全てが」
そして怒涛の勢いでまくしあげる言葉は、呪いか、はたまた祝福か。
「君の名前が」「君の柔らかそうな体が」「君の温かそうな臓器が」「君の美しく綺麗な瞳が」「君の綺麗な声が」「君の賢明で明確的な頭が」「君の甘そうな唇が」「そして何より」
ここで一旦止まるルシファー。後ろでは少女リヴィアンが震えている。これは精神的に来るな。
'ヤンデレもここまでくると怪物、いえ。化物、ですね'
話を終えた直後、
「君が持っている感情が」
大きく息を吸い、凄惨に豪快に笑った。
「欲しいっ!!」
ここでようやく俺は理解した。こいつは、
感情に『飢えている』のだと。
鋭く光る目には怒りの炎が淡々と燃え盛っていた。その目で見られるのがルシファーにはたまらなく愛おしく感じた。
「そう、僕は魔王だ。ところで、君の名前は」
「言わない。前にもその質問をされて縛られたことがあるから。特にあなた達魔王には…!」
ここでルシファーは気付く。どこかで嗅いだことのあるマナの匂い。ルシファーが最も苦手とする魔王。
「君は、嫉妬の魔王を魅了させてしまったのか」
嫉妬の魔王はその名の通り嫉妬深く、自分より美しかったり可愛かったりするとその人間に限らずモンスターや妖精でさえ殺してしまう。
「ならこうしよう。僕は追われている君を匿う。その代わり君は僕の眷属になる。どうかな?君はまだあの女の眷属ではないのだろう?」
どうしても欲しかった。彼女が、狂おしく愛おしいくらい手中に収めたかった。この感情を彼女に教えてもらいたい、そんな気持ちで沢山だった。
「………分かったわ。いいけど、私は貴方を殺せると思ったら貴方を容赦なく殺す。そしてもう一つ、もし魔王を倒すと言う転生者がいたら、私はその人について行く。そしたら貴方との生活も思い出も何もかも捨てて忘れる。それでもいいのなら、私は貴方の眷属になってあげる」
絶望を知って尚、希望を持つ彼女を見てルシファーは思う。
(僕にもこの感情があればいいのに)
○ ○ ○
「あれ?誰だい?そこの転生者は」
俺を見ただけで傲慢の魔王ルシファーは転生者と見破った。恐らく今の俺じゃ殺すは愚か、その美しい肌に傷一つ付けることは出来ないだろう。
'当たり前です。勇者が魔王を倒すなんてゲームでは当然で簡単です。でも、現実ではこれが常識であり、定石、セオリーなんでしょう'
「ああ、君があの金髪イケメン君を倒したっていう新人転生者か。ふぅん、君まだまだ魔法を使えてないねぇ。もう少し簡単に考えてもいいんじゃないのかい」
この上から目線な話し方。間違いなく傲慢の魔王。でも何でまた唐突に登場なんだ?
'恐らくそこの少女を迎えに来た感じですね。なんせ彼女はルシファーの眷属ですから'
前々回から気になっていたんだが
'前々回とはまたメタ発言を'
…はっ。しまった!マグがいつもメタイ発言ばっかりだからつい。じゃなくて!
「眷属って具体的にどうするんだ?」
思い切ってルシファーに聞いてみる。無視されるかと思いきや、以外や以外。サラリと教えてくれた。
「そんなことも知らないのかい?まぁ魔王としては教えない訳にはいかないかな?眷属とは自分よりマナの強い相手に自分の名前を差し出すんだ。それで眷属にすることが出来るし眷属になれる」
なるほど、名前を差し出す。その行為は確かに並な精神じゃ考えられない。であるなら、リヴィアン=クロイツと呼ばれた少女には壮絶な過去があるのだろう。
「ところで、君は魔王を倒したいなぁんてこと思ってたりするかい?」
妙に圧力をかけてくる言い方が少々イラッとするがそこは仕方ない。だけどなぜ、そんなことを聞くのか。
「まぁそんな感じだ。平凡な日常が欲しいわけだし」
「魔王達も案外平和な奴らだったり」
「いや、そんならここも人々が元気に行き交ってたはずだけどなぁ。ま、今は夜だから仕方ないかな?」
軽く挑発され軽く流す。
「そうか、君がその娘の救世主か。…は」
「?」
「はは、ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!」
ゾクッ。
背筋に冷水をかけられたかのような恐ろしい殺気。それは傲慢の魔王ルシファーのものだと気付くのに数分も要することはなかった。
「嗚呼、虚しい。僕は君が欲しいんだ、リヴィアン=クロイツ。君の全てが」
そして怒涛の勢いでまくしあげる言葉は、呪いか、はたまた祝福か。
「君の名前が」「君の柔らかそうな体が」「君の温かそうな臓器が」「君の美しく綺麗な瞳が」「君の綺麗な声が」「君の賢明で明確的な頭が」「君の甘そうな唇が」「そして何より」
ここで一旦止まるルシファー。後ろでは少女リヴィアンが震えている。これは精神的に来るな。
'ヤンデレもここまでくると怪物、いえ。化物、ですね'
話を終えた直後、
「君が持っている感情が」
大きく息を吸い、凄惨に豪快に笑った。
「欲しいっ!!」
ここでようやく俺は理解した。こいつは、
感情に『飢えている』のだと。
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