女子に追いかけられて死んで転生した:ヌルゲーで異世界生活:

涼雪 涼

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貿易都市グリゴレオ編

14 自分のやるべき事

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 博士?何で血塗れなの?何で寝ながら血を吐いてるの?ねぇ、博士何で?

「にげ、ろ。ルシ…ファー…。こ、こに…ハァハァ…いた、ら、お前、までも…」

 博士?何で逃げる必要があるの?みんな、殺せばいいのに。邪魔なら殺そ?

「逃げて、くれ…僕の、最後の……頼みだ…」

 俺は逃げたくないよ。博士がここにいるんだから。俺は逃げない。だって、俺は魔王だよ?最強なんだ。だからみんな殺して支配すればいい。

「他の…六人は、先に行った…。お前も早く…」 

 俺には分かんないよ。博士が望むものが、俺には何一つ。



   ○   ○   ○


 「うぐっ!ぁ、あああああああああああああああ!!」

 頭を抱え叫び痙攣するルシファーを見て、リヴィアンは俺の胸ぐらを掴む。

「彼に何をしたの!?」

 その声は、先程までの悲痛で臆病なものではなく怒りの声になっていた。やっぱりか。あのびびった感じの表情も芝居。そんであの魔王バカも芝居。あぁ。すれ違いってやつだな。どっちも馬鹿。

「別に?あいつは今、自分自身と対話してんだよ。リヴィアン、だっけ?あんたがあの魔王バカの気持ちに気づかずに放置してたんだ。そりゃな、誰しもが他人様の気持ちがわかるわけじゃない。でも、あんたはあいつの苦悩に気づいていただろ。なのにここまで放置とは笑えるな。俺は見ただけでもわかったよ。魔王バカの気持ちがな」

 俺の説明を聞いていてリヴィアンはずっと口を堅く閉じていた。きっと図星で、なにかしようとしても空回りに終わりそうだから、何も出来なかった自分に報復を待っていたのだろう。

 と、思うのですがここんとこどうすかね?マグさん。

'え?あぁ、まぁあってると思いますよ'

 なにか考え事でもしてんの?

'いえ、貴方がまともな事を言えるとは思ってなかったので'

「何でや!?」

 それそれはもう俺は前世で悟ってきたからな。

 ゆとり世代改めさとり世代ってな。

'貴方はやはり生まれ変わるべきではありませんね。女泣かし'

 ぐっほぉ!!!

'ほら、リヴィアン様も泣いてますよ'

 ひょいと振り向くと、涙をポロポロと流してルシファーが悶絶しているのを見ていた。

 た、確かに意地悪言ったがここまで刺さる!?普通刺さる!?

 あわあわと慌てふためく俺を見ていたリヴィアンは首を横に振る。

「君が悪いんじゃないわ。私のせいだから。何も出来ない私の…」

 語尾が震えていた。何も出来ない、ねぇ。……いやそんなことねぇか。

「お一つ提案がある。あんたが役に立つ方法」

 キョトンと俺を見るリヴィアン。そして段々と胡散臭そうな目で俺を見始める。やめて。そんな目で見ないで!や、やめっ、やめてー!

「一体どんな方法なのかしら?」

「は、はい。ええとですね。まずあの魔王バカの意識の中にリヴィアンさんの意識を入れてですね。それから、リヴィアンさんがあの魔王バカに語りかけたらなにかあるんじゃないのかなぁ、何て」

 取り敢えず怖いので敬語。疑わしいは死刑みたいな目してたし。

'女の尻に敷かれるタイプ。読者も「何でも言いなりになりそうww」「お金を悪女に貢ぐタイプm9(^Д^)プギャー」とか思われてますよ'

 えっ、まぢで!?それ本気マジでいってる!?

「ふうん」

 ふぅ、なんとか信じて

 メリッ!

「ぐべぁっ!?」

 殴られた。しかも木の棒で。スライムにでさえあまり効かない木の棒で。

「そ、それがあるなら早く言いなさいよっ!全く」

 理不尽極まりねぇ…。

 心密かに泣いてしまった。
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