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恋人編

※本筋を忘れた方・サブストーリーを読み飛ばした方向けに これまでのあらすじ

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本筋の更新からかなり間が空いたので、シナリオを忘れてしまった方用にこれまでのあらすじです。

サブストーリーのザックリとした内容も併せて記しますので、サブストーリーを読み飛ばした方はサクッと理解していただければ、と。

※総じて、サブストーリー1、2の内容は、作中でトラブルを起こした面々(詩子に絡んでいたキモオタの吉田航平、由希をバカにするために絡んできたモブ女の松田真紀)が更生する、と言う位の認識で大丈夫です。


不要な方は読み飛ばしてください。








◇第一部「友情編」
 自身が通う大学でオタサーの姫をしている姫川詩子。ある日、コンビニで酒とつまみを買っている最中に、大学内の変人オタクである河野真白と出会う。
 真白はオタサーに属していない根っからの孤高なオタクだった。詩子はそんな真白に、このようなだらしない自分の姿をサークルにバラされたくないと思い、彼に口止めを願う。元より言う気の無い真白は特に何も要求等もせず別れる事となる。

 しかし、詩子はそれ以降真白を気にするようになり、そのためか、2人はその日を境にやたらと絡みが増えるようになる。真白が存外優しい人間であることを察した詩子は、彼と友人と言う関係性を築き、よく遊びに行くようになる。

 しかし、男女が関わり始めると周りで噂されるのが世の常。詩子は真白との関係を周囲で囁かれるようになり、それをオタサーである漫研内の絵に描いたデブのオタク、吉田航平に追求される。
 詩子はオタサー内での自分のキャラを守るために真白との交友関係を断ち、彼の連絡先を一方的にブロックする。

 しかしそれを真白に悟られ、2人の友情関係は瓦解してしまう。詩子は真白の前でだけ自分らしく居られたことを改めて実感し、彼との関係を修復したいと考えるようになる。
 気まずさに思い悩む中、詩子の高校時代からの親友である天音由希が彼女に発破を掛け、詩子は真白と対面し、それまでの無礼を詫び、改めて友人として再出発をする。

 その後、詩子はオタク受けの良い可愛らしいぶりっ子姿を辞め、漫研内で本当の自分を見せようと決意する。しかし実際の所、漫研内で彼女の姫ムーブを快く思っていたのは例の吉田だけであり、他のメンバーである部長と、たまにしか来ない陰キャの田中はむしろそれを気味悪がっていた。

 恥ずかしい黒歴史を晒しながら、詩子はようやくサークル内でも自分らしさを得ることが出来た。しかしそんな折、詩子への追求を問題視され漫研を追い出された吉田が怒りに暴走し、その場にいた真白にケガをさせてしまう。

 吉田を退けた漫研だったが、あまりに異様な暴走振りから、彼が詩子のストーカーになるかもしれないと言う恐怖心を抱く。
 最悪の事態を見越して、詩子は謎に戦闘力が高い由希にお願いをして、しばらく自分の部屋で共に過ごすことになる。

 そんな中、詩子と由希が一緒に暮らし始めた事を茶化す人間が現れる。そしてその際に、由希がガチの同性愛者であり、詩子に恋心を抱いていた事が発覚してしまう。

 親友から『異性』として見られていた事に本能的に引いてしまう詩子。詩子と由希はそれをきっかけに顔を合わせなくなってしまい、代わりに唯一の友人であり、一番信頼の置ける真白が詩子の部屋に住み始める。

 詩子は由希への感情に強い罪悪感を抱き、また彼女と親友としてやり直したいと願う。一方で由希は、詩子の事を信じながらも、過去に自身の趣向が原因でいじめを受けた事を理由に彼女と顔を合わせられなくなる。

 そんな2人の間を真白が取り持ち、詩子は絶対に由希を裏切らないと説得をし、由希は詩子と再び相見える。そして2人は互いの気持ちを確認し合い、改めて『親友』として再出発をする。

 そんな中、真白は偶然鉢合わせた吉田と会話をして、別段彼が詩子のストーカー化などはしていなかった事を確かめ、ようやく一行に平穏な日々が戻る事となる。

 しかし、詩子は真白と言う『異性』との同棲期間中に、彼女自身自覚の無いままに、別の想いを募らせていた。




◇第二部「恋愛編」
 ある日、河野真白は自身の幼馴染であり、初恋の相手でもある清水心春と再会する。

 過去に心春に告白をし、振られた挙句にそれをネタにクラス中の笑いものにまでされた真白であったが、しかし、心春はそんな過去を覚えていないかのように真白と親睦を深めようとする。

 複雑な思いでいる真白だったが、なぜ彼女がそうまで真白に絡むのかが明らかとなる。

 心春は2年程前に、彼氏に子種を仕込まれ妊娠していた。しかし件の彼氏はそれを認知せず、心春は将来と胎児を天秤に掛けた結果、授かった命を堕ろす決断をした。
 しかし、心春はその時に心を病んでしまい、大学を休学し、一時は自殺まで考える程になっていた。

 真白はそんな中、心春がLI○Eのタイムライン(※補足→更新当時にはLINEにタイムラインと言う機能があって、どうでもいい呟きとかを発信出来た)に放った『死にたい』と言う言葉に目ざとく反応してしまい、彼女の愚痴を聞いていたのだ。

 心春は過去に真白へ行った仕打ちを覚えていた。その上で、それでも自分を慰めようとした真白に心を打たれ、「いつか過去の仕打ちを謝りたい」と思うようになっていたのだ。

 そうして、心春は真白に関わって行く中で、彼の優しさや誠実さに魅力を感じ、真白と言う男を好きになって行く。

 一方、姫川詩子は、真白が最近知らない誰かと会っていると言う事を聞き付ける。

 何となく気になり、真白に尋ねる詩子。そして詩子は、真白が女と会っている事を知る。

 陰キャでパッとしないオタクの真白に女の友達がいるとは、と、詩子は件の女性に会いたいと真白に迫る。困惑する真白だったが、詩子の圧に負け、幼馴染の心春と詩子を引き合わせることに。

 顔を合わせる2人。心春は詩子と会話をし、「自分は真白と付き合いたいと思っている」と伝える。詩子はその言葉に動揺し、暴走して心春を強く罵ってしまう。

 心春と鉢合わせ、「実は真白の事が好きなのではないか」と言及されてしまった詩子。『そんなことは無い』『私たちはあくまで親友なんだ』と何度もその心を否定し、詩子は真白と距離を置くようになってしまう。

 そんな折、天音由希は詩子の本心を察し、彼女に真白への想いを理解させる為、一世一代の告白をし、そして詩子と距離を置くことにする。

 親友である由希との会話の中で、恋心に蓋をさせ続けた自分がどれだけ残酷であるかを理解した詩子は、由希と別れるその提案を受け入れることにする。強いショックが詩子に襲い来る中、彼女はそれを晴らすため、誰よりも頼りにしている男子である真白へと電話をかけ、彼に愚痴を聞いてもらう。

 そんな中で、詩子はとうとう自分の中の想いを自覚し、明確に真白の事を『好きだ』と理解してしまう。

 ハッキリと好意を自覚したままに、詩子は大学で真白と鉢合わせる。詩子はこれまで通りに真白と接しようとするも、どうしても意識してしまい、色々としどろもどろになる。

 そんな中、詩子は、真白が心春とデートに行く事を知る。焦りが昂る中、それでも『真白とは友達でいたい』と願っている詩子は、彼が他の女とデートに行く事を了承してしまう。

 心春とデートへと行く真白。真白はこのデートで、ハッキリと「心春とは付き合えない」と言おうと考えていたが、真白のそうした想いを察していた心春は、真白と一線を越え、既成事実を作り付き合うためにデートプランを練り込んでいた。

 心春に振り回されるがままにデートをする真白。酒もかなり入り、いつもより理性が溶けている中、真白は知らず知らずの内に心春とラブホテルへ入ってしまう。

 真白と体を重ねようと迫る心春。真白は酷く高揚しながらも、寸での所で理性を働かせ、彼女の頬を叩き、肉体関係は持てない事を心春に訴えかける。

 真白はそこでようやく自らの本心を心春へと告げる。

 自分には、詩子と言う好きな人がいると言うこと。これまで返事を渋っていたことを申し訳なく思い、しかし、真白はそこでようやく、心春と付き合えない事をハッキリと断言する。

 その後2人はホテルを出て、心春は真白に、「自分の想いを伝えなよ」「でないと、フラれた私がバカみたいじゃん」と伝える。真白は心春からの応援を受け、改めて詩子に告白をする決意を固める。

 後日、真白は詩子と会い、一緒に遊びに出掛けた際に自分の想いを伝えようとする。しかし、真白と『恋人』と言う関係に進むことを恐れている詩子は、彼に対する好意を持ちながらも、「無理」と彼の想いを拒否してしまう。

 玉砕してしまった真白と、告白を断ってしまった詩子。2人はその後、「今まで通り」の関係性でいようとなり、モヤモヤとした日常を過ごすことになる。

 しかし、その後真白の親友である陽キャの男子、青山四郎が詩子に声を掛け、真白のその後の反応を伝え、彼女の本意を問い質す。

 詩子は四郎や、途中で2人の話し合いに乱入して来た四郎の恋人、優花里、そして優花里の友人である玲菜と話し合い、ようやく自分の気持ちを整理し、真白に告白する意志を固める。

 その後、詩子は真白に告白をする前に、由希としっかり話し合う等、やり残した事を精算し、ようやく彼と向き合い、想いを伝える。真白は詩子の想いを受け止め、2人はそして、晴れて『友人のような恋人関係』になる。





◆サブストーリー1(吉田編)
 真白と話し、自分の弱さを自覚し改善しようと考えた吉田航平。しかし、現実の人間の意思は強くなく、程なくして元通りの愚鈍な生活を送るようになる。

 漫研を追放され独りになった吉田だったが、ある日、真白と詩子が付き合っている事を知り、昔好きだった女と付き合った真白と言う人間に嫉妬心を抱く。

 他方で、吉田にとって真白は、自分と向き合ってくれた、それなりに好ましい人物でもあった。何とも言えない鬱屈した感情を持ちながら、密かに真白を尾ける吉田だが、そんな折、真白が青山四郎と仲良く話している様を目撃する。

 吉田は衝撃を受ける。真白が親友として付き合っている男は、小学生の頃、自分をいじめていた男だったからだ。

 真白への嫉妬心が四郎への憎悪にシフトした吉田は、その後彼にどうにか仕返しをしようと、後を追い回したり、彼の様子を撮影する等の暴走をする。しかしそんな姿を、ある日真白に発見され、彼は厳しく追求を受けることになる。

 吉田は真白や、その場に居合わせた四郎の恋人である優花里にその性格の醜さを言及され、完全に意気消沈してしまう。しかし、そんな中で、四郎は吉田の蛮行を庇い始める。

 四郎は吉田への過去の仕打ちを覚えていて、それに罪悪感を抱いていたのだ。

 吉田は頭を下げた四郎に自分との格の差を思い知らされ、自分の醜さをますます嫌いになる。その後、吉田は今度こそ自分を変えようと、四郎に自分の行いを詫び、そしてまずコンプレックスである醜悪な肉体を改善するため、四郎に協力をお願いする。

 吉田はそして、少しでも今よりマシになるため、ようやく自分の人生を進み始める。



◆サブストーリー2(松田編)
 天音由希の趣向を詩子や周囲に明かした張本人である女、松田真紀は、それまで仲良くしていた友人たちからも見限られ、独りの生活を送っていた。

 松田は孤独をごまかすために、マッチングアプリで出会った男と恋愛をしていた。

 ある日、同窓会に参加した松田は、そこでかつてのクラスメイトから、「漫研の田中は社長の息子でお金持ち」という情報を仕入れてしまう。

 そんなある日、松田は偶然にも田中と鉢合わせ、彼を都合の良いATMのように扱おうと考える。

 松田は恋人のいる田中を無理矢理食事に連れて行き、『別の女と共に居た』と言う事実を基に恋人との関係性を人質に取る。田中は脅しに屈して松田の財布となる日々を送る。

 しかし、ある日ふとした拍子に、松田は彼の事を異性として意識し始めるようになる。恋人との関係性が悪化していた事もあり、松田は少しずつ彼に恋愛感情のようなものを抱き始め、やがて田中を彼の恋人から奪い取ろうと考えるようになる。

 しかし、松田の傍若無人振りや意味の分からなさに辟易としていた田中は、恋人や友人に現在の状況を相談して、松田をハメようと画策する。
 そんなことをつゆとも知らない松田はまんまと罠に掛かり、脅迫等の証拠を抑えられてしまう。松田は田中に酷く振られた事でプライドを穢され、精神的に追い詰められてしまう。

 追い打ちを掛けるように、松田は恋人の浮気現場を目撃してしまう。恋人を責め立てる松田だが、逆ギレをした恋人に暴行を受けてしまう。しかしそこを通りかかった由希に助けられる。

 かつてバカにしていた人間に助けられた松田は、そこで自らの醜さを実感し、ますますプライドを傷付けられてしまう。その後、友人の助言もあり、自分の行いにケジメを付けなければと考えた松田は、田中に自身が集(たか)った金銭を返済し、一連の事件を終わらせる。

 自分の未熟さや、自分と向き合えていない事を実感した松田は、自分探しのため、孤独から孤高の人生を歩むようになる。





◇第三部|(ラストエピソード)「恋人編」

 真白と付き合い始めてからおよそ半年が経過した詩子。しかし彼女は、恋人との関係である悩みを抱えていた。

『エッチがしたい』

 女性と言えど人はヒト。男にある感情は当然存在し、然るべく性欲もある。
 一線を越えたより深い関係に進みたい詩子は、悶々としながらも日々を送る。
 そんなある日、詩子は真白の家族と鉢合わせ、両親や兄と思わぬ対面を果たしてしまう。

 しかし、それは二人の関係を大きく揺るがす更なる波乱の予兆であり……。
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