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双新星編
本編5 ブラック企業は入院して初めて休暇になる その2
しおりを挟む隊長から先日の戦闘で負傷者が多数出たため暫くは作戦が無いとのことだった。
(治療魔法を施しているとはいえ隊長も肩口に怪我してるしな。)
「ま、こっちに来てからゆっくり出来たことなんて無かったし、この際ゆっくりさせてもらうか。」
ドサッと仰向けにベットに寝転がる。
するとドタドタと慌ただしい足音が近づいてきた。
(なんだ?騒々しい。)
『ガシャっ』と勢いよく仕切りのカーテンが開けられる。
誰だ非常識な!ノックしなさい、口ノック!機械でパスなファインダーでもするんだぞ!全く。
訪れたのは意外な人物だった。
「なあ!あんた!せせせせ先輩の好きなもの教えてくれ!!!」
同室のおデブちゃんだった。
びっくりしすぎて「ふぁ!?」と変な声が出る。
「ああ。すまん。一先ず回復おめでとう。」
いや、そう言うことじゃないのよ?君、お部屋から出れたのね?おいちゃんそれが一番のびっくらぽん。
「で!!!先輩の好きなm・・・」
「ちょちょちょちょちょい待ち!先輩って誰よ?」
圧がすごい。君、中身変わった?後ろにチャックついてない?
「すまん・・・君のいる部隊の隊長、ヘッドシューターさんだよ。」
あー・・・こいつ、隊長のこと『先輩』って呼んでるのか。
え?何?もしかしてこいつ、隊長のこと好きなの?
二人に接点あったっけ?・・・いや・・・そういや昨日の朝僕が風呂に言ってる間に何かあの人しでかしたな。一応聞いてみるか。
「えーと・・・さ。二人って接点あったっけ?」
「あの人はぼくの女神様なんだ~」
とても綺麗な眼で明後日の方向を見ながら言う。おーい!帰ってこーい!
「で!あの人の好きなものは!」
ずずずずずい、と身を乗り出してくる。近い近い!息かかってる!鼻息すごい!君が超絶美少女ならありがたいけど。僕にそっちの気無いの!離れて。
おデブちゃんの顔を手で押しのけながら、
「そ、そう言われても僕だって出会って一週間程だよ?そんなに知らないって。」
「でも君なら作戦で一緒だから何かあるでしょ?好きな食べ物とかでもいいから!」
顔面をグイグイ近づけてくるおデブちゃん。力つっよ!顔面でこんなに力出せる奴おる?
「そんなこと言っても作戦中はレーションでしょ!好きなものなんて・・・・あ!」
「な、なにかあるのか!?」
「い、いや・・・」
「なんでもいいんだ!!」
いや、だってあれは・・・好きなものっていうか、なんていうか・・・
「頼む!この通り!!」
「え、えーと・・・乳製品とか大豆製品とか・・・あと海藻類と小魚が好き?・・・みたいよ?」
嘘は言っていない・・・嘘は。
「む、結構渋い好みだな・・・てっきりクレープとか、タピオカティーとかだと思ったが・・・」
君、転移した時代モロばれますよ?それ?
「わかった!恩に着る!ありがとーーーーー!!身体お大事に!!!お前と同室になれて良かったよ!」
と言い残し去っていった。
(嵐のようだった)
それにしてもあいつが・・・隊長を・・・
なんていうか僕のせいで失敗したらごめん。いや、わざとじゃないよ?
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