サイコミステリー

色部耀

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10.秘密

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「それは秘密です」

「は? 何を探すか分からないのに見つかるわけないじゃないか。俺にどうしろって言うんだ?」

 意味が分からない。美波さんはまっとうな俺の疑問を受けても態度を変えずにニコニコと笑いながらスキップして少し俺の前まで出ると人差し指を立てて簡単に説明をした。そう、とても簡単に。

「私が探しものをする場所に一緒に付いて来てくれればいいです。そこで何か見つけたら私に教えてください」

 全く状況が理解できないながらにも、別段難しいことを言われているわけでもなさそうなので美波さんの指示に従ってみようか。それでもし何かおかしいと感じたり俺の普通の高校生活に大きな支障をきたしたりしそうなら、そこで待ったをかければいい。

「じゃあ、まあ、とりあえず付いて行くよ。探すのは学校の中とか?」

 もしくは今日登校するまでに通った道とかだろうか。

「今日は……そうですね……。放課後に病院へ付き合ってください」

 午前中に行っていたという病院。そこで何か失くしたかもしれないのか。早く見つかると助かるんだけどな。そんなことを思いながら俺はぼんやりと窓から青空を眺めていた。
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