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26.鋭い勘
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案内された家は三人で暮らすには部屋が余るのではないかと思われるほど大きかった。豪邸とまでは表現しないが、都心部にしては十分すぎるサイズだった。正面から見ただけだと部屋数は分からないが、立ち並ぶ他の住宅と比べても一回り大きい。玄関先にはプランターではなく直植えの花壇があり、花が咲いていないので確信を持てないがツツジが植えられていた。よく街路樹として植えられているツツジは小学生の頃に学校で教えてもらって以来覚えている。他にもいくつか学校に植えられている植物を教えてもらった気がするけれど、すぐには頭に浮かばない。何か教えてもらった記憶が思い出せなくて少しだけモヤモヤした。
「五月ごろになったら花が咲くそうですよ」
俺がツツジに視線を向けて考え込んでいたので美波さんは気を遣ってそう教えてくれた
。
「そうなんだ。いつの間にか咲いてるイメージだったから、いつ咲いてるのかなんて覚えてなかったよ。……ん? 美波さん、咲くそうですよって毎年見てるんじゃないの?」
実家ならばいつ咲くのかを知っていても普通かもしれない。けれど、それをまるで誰かに聞いて知ったかのように話すのは少しおかしかった。しかし俺の質問を受けた美波さんは、答えるではなく一歩玄関へと足を踏み出しただけだった。
「真壁君は鋭いです。やっぱりずっと隠し通せそうにはないですね。中で……全てお話します」
美波さんはポケットから鍵を取り出して玄関を開けると、どうぞと言って中に招いてくれた。大きな玄関扉が美波さんの小ささを際立たせる。
「お邪魔します」
鋭い。隠し通せない。今日一日で受けた違和感。それらが全て探し物とは何かという答えに繋がっていたということだろう。その受け答えから俺は自分が立てた推測が真実味を増していく気がした。そんなことを考えつつ美波さんについてリビングへと向かい、新品のように綺麗なダイニングチェアに座った。
「何か飲まれますか?」
そう言って冷蔵庫を開けた美波さんだったが、俺はそれを制止した。
「なら、コップだけ貰えるかな? 病院でもらったオレンジジュースがあるから」
もう冷えてはいないけれど、夏場でもないのでぬるいこともない。そんなオレンジジュースをカバンから出してテーブルの上に置いた。美波さんはそれを見て何も言わず冷蔵庫を閉め、食器棚からコップを二つ持ってきた。
「五月ごろになったら花が咲くそうですよ」
俺がツツジに視線を向けて考え込んでいたので美波さんは気を遣ってそう教えてくれた
。
「そうなんだ。いつの間にか咲いてるイメージだったから、いつ咲いてるのかなんて覚えてなかったよ。……ん? 美波さん、咲くそうですよって毎年見てるんじゃないの?」
実家ならばいつ咲くのかを知っていても普通かもしれない。けれど、それをまるで誰かに聞いて知ったかのように話すのは少しおかしかった。しかし俺の質問を受けた美波さんは、答えるではなく一歩玄関へと足を踏み出しただけだった。
「真壁君は鋭いです。やっぱりずっと隠し通せそうにはないですね。中で……全てお話します」
美波さんはポケットから鍵を取り出して玄関を開けると、どうぞと言って中に招いてくれた。大きな玄関扉が美波さんの小ささを際立たせる。
「お邪魔します」
鋭い。隠し通せない。今日一日で受けた違和感。それらが全て探し物とは何かという答えに繋がっていたということだろう。その受け答えから俺は自分が立てた推測が真実味を増していく気がした。そんなことを考えつつ美波さんについてリビングへと向かい、新品のように綺麗なダイニングチェアに座った。
「何か飲まれますか?」
そう言って冷蔵庫を開けた美波さんだったが、俺はそれを制止した。
「なら、コップだけ貰えるかな? 病院でもらったオレンジジュースがあるから」
もう冷えてはいないけれど、夏場でもないのでぬるいこともない。そんなオレンジジュースをカバンから出してテーブルの上に置いた。美波さんはそれを見て何も言わず冷蔵庫を閉め、食器棚からコップを二つ持ってきた。
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