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水の王国編
え、私天国にきちゃった?
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「ああ、水の王国に来て良かった」
「道中、水晶鱒の塩焼きも食べられませんでしたからね」
「そう! ほんとそれ!」
私がメアリーと話しつつ舌鼓を打っていると、そばで見ていたティードが話しかけてくれた。
「本日のメインでもあるこちらは一級の水晶鱒です。やはり一級品は塩焼きが一番です」
「これが水晶鱒……」
見た目は少し大きめの鮎のよう。
「目が水晶のように透き通っていることから水晶鱒と呼ばれています」
「あ、確かに綺麗」
魚は焼くと目が白くなる。水晶体のタンパク質が熱凝固するからだ。それなのに水晶鱒の目は焼き魚になっても透明なままだった。
「これも食べられる?」
「レジーナ様……」
「え、だって気になるじゃん!」
「ふふふ。残念ながら硬くて食べられた物ではありません。毒があるというわけではありませんが」
それは残念だけど仕方ない。でも綺麗。そう思って水晶鱒の目を見ているとティードが続けて言った。
「後ほど洗った物をお持ちしましょうか? 高価な物というわけではありませんが観光として来られたのなら記念に」
「是非いただきます!」
「喜んでいただけたみたいで嬉しいです」
「はい! 喜んでます!」
元の世界で見たことのない物、触れられない物、食べられない物。私はそういった物が大好きだ。聖王国のゲームだからというだけでなく、私はますますこの世界が好きになっていく。
「食後にはデザートも用意しておりますので、最後まで楽しんでくださいね」
そう言ってティードは自分の席へと戻っていった。魚は美味しい。お米も美味しい。汁物も漬物も酢の物も美味しい。その上デザートまであるとは……。
「ここは天国か……」
「どうされました? 毒でも入っていましたか?」
「生きてる。美味しくて生きてる実感がある」
「それなら良かったです」
メアリーはそう言うと自分の食事に手をつける。自分の感情で手一杯の中、メアリーを見るとメアリーも幸せそうにしていて可愛い。
料理を食べ終わると、私たちの目の前にデザートが置かれた。それは見たこともない綺麗なかき氷だった。雪のように白いわけではなく、透明な輝くかき氷。たくさんのフルーツが盛り付けてあってとても豪華だ。宝の山を目の前にしたみたいに私もメアリーも目を輝かせていた。
「アリスちゃんに食べてもらいたくて作ってもらった魔法を使ったかき氷なんだ」
私の隣でアウラ王子がアリスにそう説明している。なるほど。この輝きも透明度も魔法を使っていたのか。この世界の料理を楽しむには魔法を使った調理も勉強しないといけなさそう。楽しみが増える。そう思いながら私はかき氷をひとくち食べた。
「ああ、美味しい」
それしか言えなかった。かき氷の味はシロップの味。だけどシロップはただ甘いだけでなく風味豊かで美味しく楽しい。かき氷は今まで経験したことのない滑らかさでクリームみたい。しかしそんな中にも歯応えがある氷が入っていたりして良いアクセントになっている。盛り付けられた果物も様々な種類があって、そのどれもがかき氷とよく合う。ずっと楽しいしずっと美味しい。
「ここは天国か……」
「レジーナ様。ここが天国です」
メアリーも認めてくれた。私本当に天国に来ちゃったらしい。初めから終わりまでずっと美味しいし、ずっと楽しい。こんな経験元の世界でもしたことがない。本当に水の王国に来て良かった。
「贅沢を言うならお酒があれば」
「私にしか聞こえないように言うあたり、まだ理性が残っていて良かったです」
「流石にそんな失礼なことは言えない」
私たちのために開いてくれた宴で催促なんて失礼なこと。でも人間の欲望というのは底がないというし。こんな美味しい料理がある国で飲む美味しいお酒はどんな物なのかと考えると楽しみで仕方がない。
「道中、水晶鱒の塩焼きも食べられませんでしたからね」
「そう! ほんとそれ!」
私がメアリーと話しつつ舌鼓を打っていると、そばで見ていたティードが話しかけてくれた。
「本日のメインでもあるこちらは一級の水晶鱒です。やはり一級品は塩焼きが一番です」
「これが水晶鱒……」
見た目は少し大きめの鮎のよう。
「目が水晶のように透き通っていることから水晶鱒と呼ばれています」
「あ、確かに綺麗」
魚は焼くと目が白くなる。水晶体のタンパク質が熱凝固するからだ。それなのに水晶鱒の目は焼き魚になっても透明なままだった。
「これも食べられる?」
「レジーナ様……」
「え、だって気になるじゃん!」
「ふふふ。残念ながら硬くて食べられた物ではありません。毒があるというわけではありませんが」
それは残念だけど仕方ない。でも綺麗。そう思って水晶鱒の目を見ているとティードが続けて言った。
「後ほど洗った物をお持ちしましょうか? 高価な物というわけではありませんが観光として来られたのなら記念に」
「是非いただきます!」
「喜んでいただけたみたいで嬉しいです」
「はい! 喜んでます!」
元の世界で見たことのない物、触れられない物、食べられない物。私はそういった物が大好きだ。聖王国のゲームだからというだけでなく、私はますますこの世界が好きになっていく。
「食後にはデザートも用意しておりますので、最後まで楽しんでくださいね」
そう言ってティードは自分の席へと戻っていった。魚は美味しい。お米も美味しい。汁物も漬物も酢の物も美味しい。その上デザートまであるとは……。
「ここは天国か……」
「どうされました? 毒でも入っていましたか?」
「生きてる。美味しくて生きてる実感がある」
「それなら良かったです」
メアリーはそう言うと自分の食事に手をつける。自分の感情で手一杯の中、メアリーを見るとメアリーも幸せそうにしていて可愛い。
料理を食べ終わると、私たちの目の前にデザートが置かれた。それは見たこともない綺麗なかき氷だった。雪のように白いわけではなく、透明な輝くかき氷。たくさんのフルーツが盛り付けてあってとても豪華だ。宝の山を目の前にしたみたいに私もメアリーも目を輝かせていた。
「アリスちゃんに食べてもらいたくて作ってもらった魔法を使ったかき氷なんだ」
私の隣でアウラ王子がアリスにそう説明している。なるほど。この輝きも透明度も魔法を使っていたのか。この世界の料理を楽しむには魔法を使った調理も勉強しないといけなさそう。楽しみが増える。そう思いながら私はかき氷をひとくち食べた。
「ああ、美味しい」
それしか言えなかった。かき氷の味はシロップの味。だけどシロップはただ甘いだけでなく風味豊かで美味しく楽しい。かき氷は今まで経験したことのない滑らかさでクリームみたい。しかしそんな中にも歯応えがある氷が入っていたりして良いアクセントになっている。盛り付けられた果物も様々な種類があって、そのどれもがかき氷とよく合う。ずっと楽しいしずっと美味しい。
「ここは天国か……」
「レジーナ様。ここが天国です」
メアリーも認めてくれた。私本当に天国に来ちゃったらしい。初めから終わりまでずっと美味しいし、ずっと楽しい。こんな経験元の世界でもしたことがない。本当に水の王国に来て良かった。
「贅沢を言うならお酒があれば」
「私にしか聞こえないように言うあたり、まだ理性が残っていて良かったです」
「流石にそんな失礼なことは言えない」
私たちのために開いてくれた宴で催促なんて失礼なこと。でも人間の欲望というのは底がないというし。こんな美味しい料理がある国で飲む美味しいお酒はどんな物なのかと考えると楽しみで仕方がない。
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