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水の王国編
え、私封印の賢者に会えた?
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そうして魔物からの襲撃を退けつつ私たちはどうにか珊瑚の森の奥にまで進んだ。
「なん……ですか。これは」
そう驚きの声をあげたのはアリスだった。砕けた珊瑚が白化して山のように積み上がっている。視界は広く感じるけど酷く寂しい風景だった。
「ここにレヴィアタンが封印されてたんだ。巨大な珊瑚に拘束されてね」
「これが全てレヴィアタンの砕いた珊瑚なのですか?」
「ああ。これを見ただけでレヴィアタンがどれほど巨大か分かるだろ。でも僕はそれを倒さないといけない。両親の仇を、国民の脅威を」
アウラ王子はそう言って拳を握る。
「行こう。封印の賢者がいるのはすぐそこだ」
見れば白化した珊瑚の山の先に小さな祠がある。木造の祠はベンネスと同じように空気のドームになっていた。規模はかなり小さいけど。ゲームでは説明されていなかったけど、あのドームが結界みたいになっていてレヴィアタンの攻撃を受けずに無傷だったりするのかもしれない。
「封印の賢者は自ら長い眠りにつくことでレヴィアタン封印のための魔力源となっていると伝えられている。僕も実際に顔を合わせるのは初めてだ」
アウラ王子はそう言って祠の扉を開ける。触れた瞬間に何か魔力の光みたいなものが扉を走った。多分それが認証キーみたいなものになっているのだろう。
「失礼します」
アウラ王子が珍しく丁寧な言葉を使って祠に足を踏み入れる。すると中には珊瑚に磔にされた少女がいた。聖王国のゲームで闇が深いと言われた少女が。
「彼女が封印の賢者様……?」
アリスがそう言って一歩近づく。すると少女を磔にしていた珊瑚が砕けて光に溶けた。
「ん……。誰……?」
地面に膝をついて倒れた少女はそう言いながら目を擦ると私たちの方を見た。
「私は水の王国ベンネスの王子アウラ・ベンネス。この度は復活したレヴィアタン討伐のため、封印の賢者様のお力を借りに参りました」
アウラ王子はアリスの隣まで進み、片膝をついて頭を下げた。普段の飄々としたイメージとは違ってとても礼儀正しい。そこにアウラ王子の本気度が見える。外で待機している近衛兵たちにも見せてあげたい。
「レヴィアタン復活……? ああ、それで」
寝起きの目眩でもあるのか、封印の賢者は頭をおさえながら立ち上がる。立ち上がっても身長は130cmほどしかなくて小さく可愛い。それなのに威厳というかオーラのようなものを感じる。
「あれから何年経った? 私が眠りについてから」
「およそ300年ほど」
「じゃあ、お父様もお母様もこの世にはいないのね」
封印の賢者はそう言って目をつむる。悲しそうな寂しそうな……そんな様子に見える。
「ねえ。教えてくれない? お父様とお母様が幸せになれたかどうか」
「ご両親の名前が分かれば国に帰って調べさせてもらいます」
「今あなたが知ってる限りでいいわ。私の両親……水の王と花の王がどうなったか」
封印の賢者。彼女が闇が深いと言われる理由。それは彼女が初代水の王と初代花の王の隠し子だったからだ。
「なん……ですか。これは」
そう驚きの声をあげたのはアリスだった。砕けた珊瑚が白化して山のように積み上がっている。視界は広く感じるけど酷く寂しい風景だった。
「ここにレヴィアタンが封印されてたんだ。巨大な珊瑚に拘束されてね」
「これが全てレヴィアタンの砕いた珊瑚なのですか?」
「ああ。これを見ただけでレヴィアタンがどれほど巨大か分かるだろ。でも僕はそれを倒さないといけない。両親の仇を、国民の脅威を」
アウラ王子はそう言って拳を握る。
「行こう。封印の賢者がいるのはすぐそこだ」
見れば白化した珊瑚の山の先に小さな祠がある。木造の祠はベンネスと同じように空気のドームになっていた。規模はかなり小さいけど。ゲームでは説明されていなかったけど、あのドームが結界みたいになっていてレヴィアタンの攻撃を受けずに無傷だったりするのかもしれない。
「封印の賢者は自ら長い眠りにつくことでレヴィアタン封印のための魔力源となっていると伝えられている。僕も実際に顔を合わせるのは初めてだ」
アウラ王子はそう言って祠の扉を開ける。触れた瞬間に何か魔力の光みたいなものが扉を走った。多分それが認証キーみたいなものになっているのだろう。
「失礼します」
アウラ王子が珍しく丁寧な言葉を使って祠に足を踏み入れる。すると中には珊瑚に磔にされた少女がいた。聖王国のゲームで闇が深いと言われた少女が。
「彼女が封印の賢者様……?」
アリスがそう言って一歩近づく。すると少女を磔にしていた珊瑚が砕けて光に溶けた。
「ん……。誰……?」
地面に膝をついて倒れた少女はそう言いながら目を擦ると私たちの方を見た。
「私は水の王国ベンネスの王子アウラ・ベンネス。この度は復活したレヴィアタン討伐のため、封印の賢者様のお力を借りに参りました」
アウラ王子はアリスの隣まで進み、片膝をついて頭を下げた。普段の飄々としたイメージとは違ってとても礼儀正しい。そこにアウラ王子の本気度が見える。外で待機している近衛兵たちにも見せてあげたい。
「レヴィアタン復活……? ああ、それで」
寝起きの目眩でもあるのか、封印の賢者は頭をおさえながら立ち上がる。立ち上がっても身長は130cmほどしかなくて小さく可愛い。それなのに威厳というかオーラのようなものを感じる。
「あれから何年経った? 私が眠りについてから」
「およそ300年ほど」
「じゃあ、お父様もお母様もこの世にはいないのね」
封印の賢者はそう言って目をつむる。悲しそうな寂しそうな……そんな様子に見える。
「ねえ。教えてくれない? お父様とお母様が幸せになれたかどうか」
「ご両親の名前が分かれば国に帰って調べさせてもらいます」
「今あなたが知ってる限りでいいわ。私の両親……水の王と花の王がどうなったか」
封印の賢者。彼女が闇が深いと言われる理由。それは彼女が初代水の王と初代花の王の隠し子だったからだ。
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