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天才剣士、異世界へ
回復アイテムはとんでもないモノだったわけで
どうやら、俺の体液の全てが竜人にとって万能薬みたいなものになるらしい。
呪い解除だけじゃなく。
病気や怪我、疲労回復など、全てに効果あり、と。
そんなの。
救国の神子、なんていうのは名前だけで。
ただの回復アイテムじゃないか!!
本当は、血や肉のほうが強い回復効果があるようだ。
しかしそれは獣の本性が出てしまい、食い殺してしまう危険があるので自粛する、って口では言ってるけど。
それは、すぐに食い殺しちゃったらもったいない、ってだけの話で。
必要とあらば、血とか抜くつもりじゃないのか?
生かさず殺さずで飼い殺しにされて、薬を作る道具にされるのは御免だぞ!?
*****
『唾液、汗、涙……。やはり一番効率がいいのは、生命力の源たる精、でしょうね……』
美貌のクリストファーの唇から出た、とんでもない発言に、俺は失神寸前だった。
が、辛うじてとどまった。
それは、こんな状況で意識を失ったりしたら俺の貞操とか命とか、色々ピンチだからである。
今はまだ、敵意を感じないといっても。本性はドラゴン……獣のようなものだ。
いつ、気が変わるかわからない。信用ならない。
今、言った中には入ってなかったものの。
鼻水とか尿も、薬になるとか言わないよな?
そういえばそれもあった、もちろん可、とか頷かれたら嫌だから、絶対訊かないけどな!
「せ、精って……精液!? そんなの採取される俺も嫌だけど、そんなもん口にするの、あんたらも嫌だろ!? 特にそこで嫌そうな顔をしているユージン! 嫌だよな!?」
名指しで助けを求めたが。
『ジーンは嫌がってるんじゃなくて、照れてるだけだぞ! 人見知りだからな! さっそく名前を覚えてもらって嬉しいって顔してるし!』
ユージンはあっちを向いてしまったので、オリオンが代弁している。
ええ、嫌じゃないのかよ……。
照れてそっぽ向くとか。思春期小僧か。
『そういやさ、唾液、汗、涙、精以外にも体液ってあるよな? ほら、まだ鼻水とかオシッコとかあるじゃん!』
あえて言わなかったのに。
空気の読めていないオリオンに、少し殺意を覚えた俺だった。
「……それは、さすがに躊躇するだろ?」
汚いし。
いや、唾液や、それ以外の体液も綺麗かと問われたら、絶対にノーだし。
他人のを舐めたいとは思えないので断固、却下だ。
『いえ、別に……?』
『俺も、平気だけどなあ』
みんなお互い見合わせて、首を傾げている。何がおかしいのかすら、わからない様子だ。
問題ない……だと……?
いや、絶対汚いだろ? 出すもんだぞ!?
*****
『獲物を捕まえて食べるときも、だいたい腸から食べるので……いちいち気にしませんね』
クリストファーは、天使のごとく輝く美貌で、優雅に微笑みながら言った。
肉食動物こわい。
『僕は生の内臓、苦手だけどな。苦くない?』
『そこがオツなんじゃないか。お前も竜化してみればわかるさ』
ユージンとゲオルギオスが内臓の味について議論している。
そういえば、肉食動物は食物繊維を草食動物を丸ごと食べることで補っている、と聞いたことがある。
腸の中の未消化の草も一緒に食べるんだっけ。
犬は首を狙うけど、熊とかは人を襲うとき、腹……内臓から食うっていうよな。
しかもあえて殺さず、生きたまま食うとか。怖すぎる。
みんな、美しい人間のような姿をしているので、うっかり忘れそうになるが。
ドラゴンって、いわば恐竜……今でいうワニやコモドオオトカゲみたいなもの、という認識で合ってるのか? 瞳孔も細長くて爬虫類っぽいもんな。
ワニは昼寝や日向ぼっこをしてる時などは、動きものんびりして大人しいが、ひとたび獲物を狙うときは俊敏で。
噛む力はおよそ一トン。デスロールといわれる回転噛みつきで、テリトリーである川へ引きずり込み獲物を喰らう、水中最強の恐ろしいハンターになる。
肉食系には見えないクリストファーやユージンですら、普通に肉食なんだもんな……。
しかも、生で内臓も食べてるっぽいし。
こいつら、危険な猛獣なのか……。しかも空を飛ぶとか。
もはや逃げ場がねえな!
熊は背中を見せて逃げると、獣の習性で襲ってくるんだっけ?
執念深いから、荷物を荒らされた場合は回収しないで捨てて、騒がずゆっくり警戒しながら逃げろ、が鉄則だ。
……いやいや、一応話は出来るし、理性もあるようだ。
熊と一緒にしたらいけないだろ。
実際、今はまだ、襲われてないもんな。その理性が、どのくらいもつかは不明だけど。
本能を刺激しないように、気をつけよう……。
背を向けないようにして。
少々彼らと距離を取ってしまう俺だった。
*****
みんな別に、俺が男だってことも、いろんな場所の体液を摂取することにも抵抗感はないようだ。
信じられない。
竜人とか獣人とか、人種が色々あるからか?
それらの違いに比べたら、性別の違いなんてものは些細なことなんだろうか?
懐広すぎるだろ、異世界。
なんて遠い世界まで来てしまったのだろう、俺よ……。
来てしまったというか、召喚されたんだけど。恨むぞ召喚士。
「ただでさえファーストキスの相手が男でショッキングなのに。いきなり5Pとか、物理的に不可能だし、そんなの嫌だー!」
取り乱して泣き言をいってたら、オリオンが跳んできた。
『ああ、もったいない』
滲んだ涙を、トカゲが顔に張り付いて舐めているという。
何だこの状況。
フェイスハガーかよ。
それを羨ましそうに見ている、救国の英雄たる竜騎士の方々。
シュールすぎる光景である。
半分は爬虫類だけあって、やはり人間とは精神面で隔たりがあるようだ。
四面楚歌とはこういうことか。
俺としては、今すぐにでも家に帰って、一心不乱に床磨きをしたい気持ちでいっぱいだ。
呪い解除だけじゃなく。
病気や怪我、疲労回復など、全てに効果あり、と。
そんなの。
救国の神子、なんていうのは名前だけで。
ただの回復アイテムじゃないか!!
本当は、血や肉のほうが強い回復効果があるようだ。
しかしそれは獣の本性が出てしまい、食い殺してしまう危険があるので自粛する、って口では言ってるけど。
それは、すぐに食い殺しちゃったらもったいない、ってだけの話で。
必要とあらば、血とか抜くつもりじゃないのか?
生かさず殺さずで飼い殺しにされて、薬を作る道具にされるのは御免だぞ!?
*****
『唾液、汗、涙……。やはり一番効率がいいのは、生命力の源たる精、でしょうね……』
美貌のクリストファーの唇から出た、とんでもない発言に、俺は失神寸前だった。
が、辛うじてとどまった。
それは、こんな状況で意識を失ったりしたら俺の貞操とか命とか、色々ピンチだからである。
今はまだ、敵意を感じないといっても。本性はドラゴン……獣のようなものだ。
いつ、気が変わるかわからない。信用ならない。
今、言った中には入ってなかったものの。
鼻水とか尿も、薬になるとか言わないよな?
そういえばそれもあった、もちろん可、とか頷かれたら嫌だから、絶対訊かないけどな!
「せ、精って……精液!? そんなの採取される俺も嫌だけど、そんなもん口にするの、あんたらも嫌だろ!? 特にそこで嫌そうな顔をしているユージン! 嫌だよな!?」
名指しで助けを求めたが。
『ジーンは嫌がってるんじゃなくて、照れてるだけだぞ! 人見知りだからな! さっそく名前を覚えてもらって嬉しいって顔してるし!』
ユージンはあっちを向いてしまったので、オリオンが代弁している。
ええ、嫌じゃないのかよ……。
照れてそっぽ向くとか。思春期小僧か。
『そういやさ、唾液、汗、涙、精以外にも体液ってあるよな? ほら、まだ鼻水とかオシッコとかあるじゃん!』
あえて言わなかったのに。
空気の読めていないオリオンに、少し殺意を覚えた俺だった。
「……それは、さすがに躊躇するだろ?」
汚いし。
いや、唾液や、それ以外の体液も綺麗かと問われたら、絶対にノーだし。
他人のを舐めたいとは思えないので断固、却下だ。
『いえ、別に……?』
『俺も、平気だけどなあ』
みんなお互い見合わせて、首を傾げている。何がおかしいのかすら、わからない様子だ。
問題ない……だと……?
いや、絶対汚いだろ? 出すもんだぞ!?
*****
『獲物を捕まえて食べるときも、だいたい腸から食べるので……いちいち気にしませんね』
クリストファーは、天使のごとく輝く美貌で、優雅に微笑みながら言った。
肉食動物こわい。
『僕は生の内臓、苦手だけどな。苦くない?』
『そこがオツなんじゃないか。お前も竜化してみればわかるさ』
ユージンとゲオルギオスが内臓の味について議論している。
そういえば、肉食動物は食物繊維を草食動物を丸ごと食べることで補っている、と聞いたことがある。
腸の中の未消化の草も一緒に食べるんだっけ。
犬は首を狙うけど、熊とかは人を襲うとき、腹……内臓から食うっていうよな。
しかもあえて殺さず、生きたまま食うとか。怖すぎる。
みんな、美しい人間のような姿をしているので、うっかり忘れそうになるが。
ドラゴンって、いわば恐竜……今でいうワニやコモドオオトカゲみたいなもの、という認識で合ってるのか? 瞳孔も細長くて爬虫類っぽいもんな。
ワニは昼寝や日向ぼっこをしてる時などは、動きものんびりして大人しいが、ひとたび獲物を狙うときは俊敏で。
噛む力はおよそ一トン。デスロールといわれる回転噛みつきで、テリトリーである川へ引きずり込み獲物を喰らう、水中最強の恐ろしいハンターになる。
肉食系には見えないクリストファーやユージンですら、普通に肉食なんだもんな……。
しかも、生で内臓も食べてるっぽいし。
こいつら、危険な猛獣なのか……。しかも空を飛ぶとか。
もはや逃げ場がねえな!
熊は背中を見せて逃げると、獣の習性で襲ってくるんだっけ?
執念深いから、荷物を荒らされた場合は回収しないで捨てて、騒がずゆっくり警戒しながら逃げろ、が鉄則だ。
……いやいや、一応話は出来るし、理性もあるようだ。
熊と一緒にしたらいけないだろ。
実際、今はまだ、襲われてないもんな。その理性が、どのくらいもつかは不明だけど。
本能を刺激しないように、気をつけよう……。
背を向けないようにして。
少々彼らと距離を取ってしまう俺だった。
*****
みんな別に、俺が男だってことも、いろんな場所の体液を摂取することにも抵抗感はないようだ。
信じられない。
竜人とか獣人とか、人種が色々あるからか?
それらの違いに比べたら、性別の違いなんてものは些細なことなんだろうか?
懐広すぎるだろ、異世界。
なんて遠い世界まで来てしまったのだろう、俺よ……。
来てしまったというか、召喚されたんだけど。恨むぞ召喚士。
「ただでさえファーストキスの相手が男でショッキングなのに。いきなり5Pとか、物理的に不可能だし、そんなの嫌だー!」
取り乱して泣き言をいってたら、オリオンが跳んできた。
『ああ、もったいない』
滲んだ涙を、トカゲが顔に張り付いて舐めているという。
何だこの状況。
フェイスハガーかよ。
それを羨ましそうに見ている、救国の英雄たる竜騎士の方々。
シュールすぎる光景である。
半分は爬虫類だけあって、やはり人間とは精神面で隔たりがあるようだ。
四面楚歌とはこういうことか。
俺としては、今すぐにでも家に帰って、一心不乱に床磨きをしたい気持ちでいっぱいだ。
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俺は拒否した。だってどう見てもライナス王子も嫌そうな顔をしているし、毎日違う女を閨に呼ぶような奴と結婚どころか仲良くなれるはずがない。そもそも俺は一夫多妻制断固反対派だ。
どうやら異世界召喚した本当の理由、陰謀に巻き込まれていることに気付かない俺は異世界に来てしまったなら学ばねばとこの世界のことを知っていく。
この世界はピラミッド型をしていて上から神界、天界、魔界、妖精界、妖界、獣人界、そして俺が召喚された元・人間界であり現・底辺界と呼ばれる7つの層に分かれた世界らしい。
召喚される理由があるから召喚されたはずなのに、なぜか俺はあらゆるところから命を狙われ始める。しまいには、召喚したはずの当人にまで。………え?なんで?
異世界召喚されたミトは護衛で常にそばにいる騎士、アルウィン・シーボルトに一目惚れのような思いを寄せるようになる。しかし彼には幼い頃からの婚約者がおり、ミトはアルウィンに命を守られながらも叶わない恋心に苦しんでいく。どうやら彼にも何か秘密があるようで……。さらに最初は嫌われていたはずのライナス第一王子から強い執着心を持たれるようになり……。
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