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夏の王

伴侶の印

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イチは、頬を染めてわたしを見詰めている。

そのように、口付けを誘う風に、見てはいけない。
……どうなるか、教えてやろう。


「んんっ!?」
後頭部を引き寄せ、口付けた。

「……っ、」
そのまま、寝台へ引き倒す。

「んう、……っ、」
無防備な唇だ。

初めて、他人の唇を知ったようである。あまりに無警戒な唇へ、舌先を差し込む。


甘い。
このように甘い唇は、初めてだ。


◆◇◆


「……イチは、いくつになる?」
あまりに幼ければ、愛撫だけで我慢せねばなるまい。

「じゅ、十七。もうすぐ十八……」
では子供と思い、手加減せずとも良いのか。

「なんと。年上だったか。……ならば何の遠慮もいらないな?」


「こういうの、したことないし! 遠慮してください!」

抗っているつもりなのだろうか。
あまりにか弱い。容易く押さえつけられる。細い腕。小さな身体。

誰も知らぬというか。ならば。

「ほう、未経験か。では、余が手取り足取りこの身体に快楽を教えてやろう」

子供さながらの薄い身体で、色気など皆無だというのに。
何故、こうもわたしの心を掻き立てるのだろう。

その理由は。
イチを手に入れれば、わかるだろうか?


「どうしてくれる。余をこのような気持ちにさせたのはイチが初めてだ。責任を取ってもらおうか」

夜着のローブは、紐を解けばすぐに裸になるように作られている。
元々、寵妃に着せるものである。

「やめ……っ、」

まだ淡い色をしている胸の先に口付け、愛撫する。
吸い付くたびに、ビクビクと身体を震わせて。うぶな反応を見せるのが愛らしい。

まだ誰も知らぬ、無垢な身体。


「……小さい身体だ。まるで子供のようだな」
からかうと。拗ねたような貌をするのもかわいらしい。

「や、」
両脚を開かせ、その間のちいさなイチを検める。

色は、きれいなものだ。女を知らぬ色をしている。これからも知る必要はない。
わたしが、女を抱く以上の快楽を与えてやるのだ。

女では満足できぬ身体にしてやろう。


◆◇◆


寝台に用意させておいた香油を手に取り、蜜袋の下の慎ましい蕾に触れる。

「ここに触れるのは、余が初めてなのだな?」
蕾を撫で。
香油を馴染ませて指を差し入れる。

「うわっ、や、やだ、」
そんなの当たり前だ、と。涙ながらに訴えてくる。

望んだ答えに満足するが。
何もかも初めてならば、このような場所を男に探られるのは、さぞ怖ろしいことだろう。
イチは涙を滲ませていた。

可哀想だが、ここで止めるわけにもいかぬ。
身体が固いと、受け入れるのも楽ではなかろう。まずは充分に解さねばなるまい。


「……泣くな。すぐにも貫きたいが、痛いことはしないと約束しよう」
腰に、わたしのを押し付けてやる。
どれだけわたしが欲望を耐えているか、知るがいい。

怯えたような表情をしたが。怖いのは、知らぬ故だ。
何もかも忘れるような快楽を。愉悦を。

わたしがすべて、その身に教えてやろう。


「ひぁ、や、あ、」
熱い、イチの中を、指で擦る。

わたしを迎え入れるには、まだまだ狭すぎるようだな。
香油を足し、拡げてゆく。

まだ、緊張が取れぬようだ。ならば。


「え、」
見せ付けるように、脚を大きく開かせ。食むように、イチのものを口内に含んでやる。

イチは目を大きく見開いて、それを見ている。

びくりと身体を震わせ。
口の中のものが、反応した。感じているのだ。


「ぅあ、……やぁ、あっ、」

舌を這わせ、吸い付いてやると。
呆気なく、精を吐き出した。


◆◇◆


何故だろう。
精を、甘く感じるのは。

異世界の人間だからであろうか。


「うむ、美味であった」
イチは、ぼんやりと、わたしが上唇を舐める仕草に見惚れているようだ。

この貌は好きか? 好みであるならば、光栄だ。
見詰めると、頬を染めて。愛らしい。


口淫をしている間に、慎ましかった蕾は、わたしの指をもう三本も食んでいる。だいぶ柔らかくなってきた。
もう、受け入れる準備は済んだようだ。

ぐちゅぐちゅと、わざと淫猥な水音を立てながら、抜き差しさせてやる。
そうすると、イチは恥ずかしそうに身を竦ませるので、それがかわいらしく、つい、大きく音を立てて、してしまう。


「ん、……あ、あぅ、」
イチは感じすぎて、涙を滲ませてわたしを見ている。

欲しい。
心から、そう思った。


「……イチ。王の寵愛を受けよ」
額を押し付ける。

額に、熱を感じる。


印を、授けることが出来た。
相手を愛し、相手にも受け入れる気がなければ、印を授けることは不可能である。

故に、伴侶にのみ与えられる印であった。


ああ、愛しきイチよ。
そなたは今、わたしの伴侶になったのだ。


◆◇◆


「……あああっ!」

たまらず、イチの蕾を散らした。

まずは先端。
そして、茎の部分を少しずつ。

未だ狭い肉筒を、慣らすように。
イチによく見えるように、挿入させてゆく。

見えるか、イチ。

そなたの夫が、初めての蕾を犯し、散らすのを。
その目に焼き付けるがいい。


「凄い。……悦いぞ。イチ」

中は熱く、やわらかくわたしを包み込んでいるのに。
入口はきつく。絞り上げるような動きをする。

初めてで、これか。
なんという名器であろう。

わたしに愛されるために産まれてきたのだろう。


「や、……あ、あぁ、」
「ふふ、愛らしいな。余の可愛いイチよ。もっと鳴いてみせよ」

白い脚が、わたしの肩で揺れている。
快楽に鳴き、全身を朱に染める伴侶の、なんと愛らしいことよ。

零れそうな甘い唾液を味わい、深い口付けを与える。


「ふぅん、んぅ、」
イチはわたしの背に、手を回した。


「ふ、……ああっ、や、だめ、そこ、やだって、ああっ、」

口ではいやだと言うが。
そこを突くと、悦い反応をするので、止めてやるわけにはいかぬ。

後ろから犯せば、奥まで貫かれるのをよがり、別の角度から犯せば、それにも感じてみせる。
その姿があまりに愛らしく。何度しても、衝動が治まらぬ。


何なのだ、この身体は。

病み付きになりそうだ。
腕の中に、きつく抱き締め。イチの中に何度目かの精を放った。
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