天涯孤独になって路頭に迷いそうなところを大企業の跡取りが許嫁として現れて花嫁にされてしまいました。

篠崎笙

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エピローグ・近衛顕正の幸福

幼妻の媚態に酔いしれる

とうとう、最後まで抱いてしまった。

花嫁心得に書かれていた通り、口淫を教え。
徐々に後ろを慣らしてやるだけのつもりだったのだが。

小さな口で懸命に”ご奉仕”し、息苦しさに涙を滲ませながらも、拙い仕草で私の陰茎を擦ろうと頑張る姿を見て。
我慢できなくなって、衝動的に。

自分がこんなに堪え性のない人間だとは思わなかった。


*****


仰向けに押し倒し、ほっそりした脚を抱え上げて。

「やあ、痛い、」
はじめての性交に怯え、痛がっていた周の腕をベッドに押さえつけ、狭い肛道に割り入った。

「力を抜いて、を受け入れなさい」

慣らしても、まだ固い。小さな蕾。
しかし、ローションのぬめりで、少しずつ、腰を進めていく。


酷いことをしている自覚はある。
初夜までは、最後まではしないと思って。周は安堵して身を委ねていたのだろうから。

私も、我慢できると思っていた。

なのに。
まだ抱かれる覚悟の出来ていない周を、犯してしまった。

その上。
愚行を反省するどころか、私の陰茎は興奮で膨張するばかりだ。

本当に、どうしようもない。


「……君の無垢な腹を、私のたねで、いっぱいに満たしたい」
そう告げると。

周は、自分は男なのに、という目で私を見た。
そんなことは百も承知だ。

周は今まで誰かに欲情し、相手の腹の中に思う存分、子種をぶちまけたいと思ったことは無かったのだろうか。
全てを自分のものにしたくなる独占欲、征服欲を抱いたことは。


「君が男で、本当に良かったと思う。この腹を、私以外のもので、満たしたくないからね……、」
ローションのぬめりを借り、腰を突き上げる。

まだ、半分も入っていないというのに。

「は……っ、くるし、お腹、顕正さんでいっぱい。もう、入らないから、」
頬をばら色に染め、潤んだ瞳で私を見て。

そのように、可愛らしいことを言われたら。滾ってしまうではないか。


「また、そんな可愛いことを……!」

周の手を押さえつけていた手を腰に回し、しっかりと固定し。
周の身体に乗り上げるように、腰を押し付ける。

「ひ、ああっ!」

ぐぶっ、と。
肉をかき分ける音。

強引に、奥まで突き入れた。


*****


「……まだ、結婚前なのに。どうして、こんなこと……、」
はふはふと、浅い呼吸の間に。責めるように言われた。

「すまなかった。君があまりに健気で可愛くて。欲しくて、我慢できなかった」
言い訳にもならないことはわかっているが。それが真実だ。

「だって。初めての夜に、検められるんでしょう?」


周は、私が結婚前に強引に抱いたことを責めるのではなく。
婚前交渉をしては、私の隣に並べるような立派な花嫁だと認められなくなってしまう、と長い睫毛を濡らした。

何と可愛らしいことを言うのか。

「そもそも君は男で、直腸に処女膜なんて無いんだから、性器を挿入しても血は出ないぞ? それに、君の可愛いお尻を傷つけたりなどするものか」
小さな尻を撫でてやる。

それに。
「どうせ形式的な儀式なんだ。鶏の血でも用意させて、床にこぼしておくさ」

肩を竦めたら。
その動きだけで、感じたようだ。

「あんっ、」
愛らしい声で鳴いて。

ぴゅっ、と飛び出たもので腹を濡らした。
射精したのだ。

「ん? もしかして、私のを挿れられただけで、感じてる?」

「わ、わかんな……いっ、」
幼子のように頑是なく首を横に振って。可愛らしい。


周の薄い腹を、指で辿り。
腹に自分の精液が掛かっているのを教えてやる。

「敬語で話すのも可愛いけど。そうやって、もっと甘えてくれていいんだよ? 私は君の旦那様なのだからね」

「そんなの、無理、です」
頬を染めて目を伏せ。

周は、自分がどれほど欲情をそそる表情をしているのか、理解していない。


*****


どうやら、セックスすること自体を嫌がってはいないようだ。

では。
私の欲望を解放しても許されるだろうか?


「ま、その辺は追々、ということで」
周の細腰を掴み直し。

「……動くよ?」

夫婦の営みの続きをすることを告げた。

「ひああっ、」

陰茎を、亀頭だけを残すくらいまで引き抜いて。

「ああん、」

根元まで、突き入れる。
周がこれを、とても気持ち良いと感じているのはその表情と声で丸わかりだ。


ゆっくりと抜き差しをする度に。
その快楽に耐え切れない、というように甘い声で鳴く。

もっと、快楽に鳴かせたい。可愛らしい、私だけの小鳥。


「凄い。……中、うねって。きゅうきゅう締め付けて。私を放したくない、と言ってるよ?」
動かさなくとも、周の中は、子種を搾り取るような動きをしている。

「顕正さんも、気持ち良い、ですか?」
「ああ、とても悦い。お口での”ご奉仕”も悦かった。さっき、危うく君の口の中に暴発してしまうところだった」


「え、気持ち、良かったの?」
首を傾げた。

射精しなかったので。
自分は駄目だと思って、落ち込んでいたらしい。何と健気で可愛らしいのか。

「うまく飲み込まないと、気管に入ってむせってしまうからね。愛しい君に、苦しい思いはさせたくなくて我慢したんだが。……しかしどうにも我慢が効かなくて、襲ってしまった。最初は痛かっただろう? 本当に悪かった」
頬にキスを落とす。

「愛している、周。君は私の初恋だ」
唇にも、触れるだけのキスを。

「思えば、最初に君を見た時から、惹かれていた。写真で見た時は可愛いな、くらいだったが。実際に目にした君は花のように美しく、儚かった。誰でもない、私の手で。守ってやりたいと思った。今では心から、君を幸せににしたいと思っている」
「顕正さん……」

周は、嬉しそうに微笑んで。
綺麗な涙をこぼした。


幸せだと、言ってくれた。
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