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Ⅳ
異世界で、乾杯
多めに作ったはずのガーリックトーストは、あっという間に食い尽くされていた。
野菜をスティック状に切って。バーニャカウダでも出しておこうか。前菜だ。
アンチョビと火を通して柔らかくしたニンニク、オリーブオイルを混ぜ合わせたディップソースを鍋で温めて。野菜を浸して食べる料理だ。
ニンニクとアンチョビ大好きですが何か?
「ウィル、これ運んでー」
ウィリアムを呼んだのに、何故か全員で来た。
「これ、何て料理です?」
もう酔っぱらってるのか、オズワルドは顔が真っ赤だ。飲み過ぎるなよ?
「バーニャカウダ。このソースに、野菜とか浸して食べる。熱いから気を付けて」
「はい、了解です!」
良い笑顔だった。
*****
ああ、大皿に山盛りの野菜が、欠食野郎どもの胃袋へ消えていく……。ブラックホールかな?
あいつら、俺の分を残そうとか、欠片も考えてなさそうだ。
味見と称してつまみ食いしてるから、別にいいけど。
この分じゃクリームシチューも、スープみたいに飲み干されそうだ。
17歳と18歳の食べ盛りの騎士たちに、お腹をすかせた25歳の若者と、26歳の餓えた神職の恐るべき食欲を舐めていたようだ……。さすがに園児の胃袋とは容量が違う。
シチューの他に、メインを考えるか。
ガツンと肉料理がいいな。シンプルなステーキは、いい加減食べ飽きてるだろうから。ハンバーグにしよう。
ハンバーグは肉100%よりも、パン粉のつなぎが入った方が口当たりが軟らかくて好きだ。豚と牛の合挽肉にパン粉、刻んて炒めた玉ねぎ、調味料を加えて混ぜ、成形。真ん中をへこませて焼いて、チェダーチーズを載せる。
……いっそ、お子様ランチならぬ大人様ランチにしてやろうか。
”創造”で大きなワンプレートを四枚作成する。俺の分は小さめで。
ハンバーグの下にはナポリタン。パスタの具は、オーソドックスに玉ねぎとピーマンとウインナーソーセージだ。
仕切りはシャキシャキのレタス。オムライスの端にはエビフライを添えて、ケチャップで猫ちゃんとか描いたりして。
デザートはイチゴの中に練乳を注いで凍らせたもの。シンプルだけど、これ美味いんだよな。
……茶碗蒸しとプリンを交互に出して混乱させても面白いかもしれない。
あ、シチューを煮てる間にエビとマッシュルームのアヒージョでも作るか。プチトマトとブロッコリーも入れて。鶏肉で作っても美味いんだよな。
アヒージョは、オリーブオイルとニンニクで食材を煮込んだ料理のことである。食材は何でもアリだ。
大きなホタテの貝柱をベーコンで巻いてバターソテーしたのも美味い。……ちょっとくどすぎるか? いいや美味ければ正義だ。
お客様には、美味しいものを食べさせたい。
今回、酒と食材は”創造”のスキルで作っちゃったが、料理は自分の手で作りたい。
*****
追加で作ったアヒージョも野郎どもの限界を知らない胃袋の中に消え去った頃、全員分の大人様ランチ完成。
「ウィル、メインできたよー」
「待ってました!」
ウィリアムを名指しで呼んだのに、またしても全員で来た。オズワルドが一着だった。走ると酔いが回るぞ……?
ついでだ。カリカリに焼いたトーストを添えたシチューの皿と大人様ランチのプレートを、自分の分は自分で運んでもらおう。
俺も自分の皿を持って、テーブルに向かう。
「お疲れ様。大変だったろう」
ウィリアムは自分の皿を置いて。俺の手から皿を受け取ってテーブルへ置き、俺の椅子を引く。流れるような動きだった。イケメンスキル高すぎる。
「えー、愛らしき御使いリン様のご降臨ならびに新居完成、そして最高に美味しいお料理に」
プレストンは冷えたビールの入った銅製のタンブラーを掲げた。こっちにも乾杯の音頭ってあるんだ。
「この料理の名前は何です?」
「大人様ランチ。冷めないうちにどうぞ」
料理名を訊いてきたオズワルドに食事を勧める。
オムライスの中身はケチャップライスでもいいけど。ケチャップは上からもかけたし、大人向けにはくどすぎると思って出汁で炊いたピラフ風ご飯にした。
うん、上手くできたな。
「ガラスのコップも大変素晴らしいものでしたが、この、タンブラー? これもまた、素晴らしいですね!」
プレストンはキンキンに冷えた銅製のタンブラーを再び掲げた。相当気に入ったようだ。
最後のひと口まで温くならずにビールが飲めるという優れものである。俺が生前愛用していたやつだ。
「中のお酒は、麦酒ですよね? とても美味ですが、どこの酒造で手に入れ……、」
オーソンが言いかけて。
”創造”のスキルで作ったものだと気づいたようだ。
中のビールは、昔行った、横浜赤レンガ倉庫で催されたオクトーバーフェストで飲んだ旨いビールを思い浮かべて作ったものだ。
皆がビールを飲む中、俺だけジュースで乾杯だ。リンゴジュース美味しいけどな!
俺の身体はまだ子供だから、あと最低5年は酒が飲めないのがつらいが。喜んでもらえてよかった。
この世界、15歳で成人扱いだからな……。
早く大人になりたいと思うようになるとは……。中身はおっさんなのに。
野菜をスティック状に切って。バーニャカウダでも出しておこうか。前菜だ。
アンチョビと火を通して柔らかくしたニンニク、オリーブオイルを混ぜ合わせたディップソースを鍋で温めて。野菜を浸して食べる料理だ。
ニンニクとアンチョビ大好きですが何か?
「ウィル、これ運んでー」
ウィリアムを呼んだのに、何故か全員で来た。
「これ、何て料理です?」
もう酔っぱらってるのか、オズワルドは顔が真っ赤だ。飲み過ぎるなよ?
「バーニャカウダ。このソースに、野菜とか浸して食べる。熱いから気を付けて」
「はい、了解です!」
良い笑顔だった。
*****
ああ、大皿に山盛りの野菜が、欠食野郎どもの胃袋へ消えていく……。ブラックホールかな?
あいつら、俺の分を残そうとか、欠片も考えてなさそうだ。
味見と称してつまみ食いしてるから、別にいいけど。
この分じゃクリームシチューも、スープみたいに飲み干されそうだ。
17歳と18歳の食べ盛りの騎士たちに、お腹をすかせた25歳の若者と、26歳の餓えた神職の恐るべき食欲を舐めていたようだ……。さすがに園児の胃袋とは容量が違う。
シチューの他に、メインを考えるか。
ガツンと肉料理がいいな。シンプルなステーキは、いい加減食べ飽きてるだろうから。ハンバーグにしよう。
ハンバーグは肉100%よりも、パン粉のつなぎが入った方が口当たりが軟らかくて好きだ。豚と牛の合挽肉にパン粉、刻んて炒めた玉ねぎ、調味料を加えて混ぜ、成形。真ん中をへこませて焼いて、チェダーチーズを載せる。
……いっそ、お子様ランチならぬ大人様ランチにしてやろうか。
”創造”で大きなワンプレートを四枚作成する。俺の分は小さめで。
ハンバーグの下にはナポリタン。パスタの具は、オーソドックスに玉ねぎとピーマンとウインナーソーセージだ。
仕切りはシャキシャキのレタス。オムライスの端にはエビフライを添えて、ケチャップで猫ちゃんとか描いたりして。
デザートはイチゴの中に練乳を注いで凍らせたもの。シンプルだけど、これ美味いんだよな。
……茶碗蒸しとプリンを交互に出して混乱させても面白いかもしれない。
あ、シチューを煮てる間にエビとマッシュルームのアヒージョでも作るか。プチトマトとブロッコリーも入れて。鶏肉で作っても美味いんだよな。
アヒージョは、オリーブオイルとニンニクで食材を煮込んだ料理のことである。食材は何でもアリだ。
大きなホタテの貝柱をベーコンで巻いてバターソテーしたのも美味い。……ちょっとくどすぎるか? いいや美味ければ正義だ。
お客様には、美味しいものを食べさせたい。
今回、酒と食材は”創造”のスキルで作っちゃったが、料理は自分の手で作りたい。
*****
追加で作ったアヒージョも野郎どもの限界を知らない胃袋の中に消え去った頃、全員分の大人様ランチ完成。
「ウィル、メインできたよー」
「待ってました!」
ウィリアムを名指しで呼んだのに、またしても全員で来た。オズワルドが一着だった。走ると酔いが回るぞ……?
ついでだ。カリカリに焼いたトーストを添えたシチューの皿と大人様ランチのプレートを、自分の分は自分で運んでもらおう。
俺も自分の皿を持って、テーブルに向かう。
「お疲れ様。大変だったろう」
ウィリアムは自分の皿を置いて。俺の手から皿を受け取ってテーブルへ置き、俺の椅子を引く。流れるような動きだった。イケメンスキル高すぎる。
「えー、愛らしき御使いリン様のご降臨ならびに新居完成、そして最高に美味しいお料理に」
プレストンは冷えたビールの入った銅製のタンブラーを掲げた。こっちにも乾杯の音頭ってあるんだ。
「この料理の名前は何です?」
「大人様ランチ。冷めないうちにどうぞ」
料理名を訊いてきたオズワルドに食事を勧める。
オムライスの中身はケチャップライスでもいいけど。ケチャップは上からもかけたし、大人向けにはくどすぎると思って出汁で炊いたピラフ風ご飯にした。
うん、上手くできたな。
「ガラスのコップも大変素晴らしいものでしたが、この、タンブラー? これもまた、素晴らしいですね!」
プレストンはキンキンに冷えた銅製のタンブラーを再び掲げた。相当気に入ったようだ。
最後のひと口まで温くならずにビールが飲めるという優れものである。俺が生前愛用していたやつだ。
「中のお酒は、麦酒ですよね? とても美味ですが、どこの酒造で手に入れ……、」
オーソンが言いかけて。
”創造”のスキルで作ったものだと気づいたようだ。
中のビールは、昔行った、横浜赤レンガ倉庫で催されたオクトーバーフェストで飲んだ旨いビールを思い浮かべて作ったものだ。
皆がビールを飲む中、俺だけジュースで乾杯だ。リンゴジュース美味しいけどな!
俺の身体はまだ子供だから、あと最低5年は酒が飲めないのがつらいが。喜んでもらえてよかった。
この世界、15歳で成人扱いだからな……。
早く大人になりたいと思うようになるとは……。中身はおっさんなのに。
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