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幕間/セルジオス
ディティコにて
ディティコ王国の首都、ディティコ王領。
新王セルジオスの王位継承祝いである宴も終わり。
招待客はそれぞれ、城下町の宿屋に向かった。
その中でも特別な賓客であるアナトリコの国王レオニダスは、この城の主であるセルジオスの案内で、一番豪華な客間へと通された。
レオニダスは先程から微妙な顔でセルジオスを見ていた。
「……何か?」
「いや失礼。年齢は聞いていたが、本当に若かったのだな、と」
レオニダスは、あからさまに笑うのを堪えていた。
髭面ではないセルジオスの素顔を見たのはこれが初めてだったのと。
「ええ、若いですよ。好みの相手を前につい張り切って身形を整えてしまうくらいにはね」
「あの方は男性だぞ?」
「わかってますよ。しかしあんなに愛らしければ性別など関係ないと思いますが?」
「ああ、全くだ」
心から頷くレオニダスだった。
*****
セルジオスは本来、好色と称されるほどの異性愛者であった。
寝首を掻きに部屋へ忍んだのをゼノンに察知され。
夜這いだと誤魔化して以来、ずっと美少年愛好家と呼ばれることになったのだ。
その噂すらも利用し、口説く素振りで近づいたが。
ゼノンには全く隙が無かった。
今日の蹴りなど、まだ優しい方である。
養成学校の二大美少年と評判だったアドニスにも手を出さないと信憑性が薄まると思い、アドニスまで狙うふりをしてしまったため、未だに警戒されている。
自業自得である。
「で、どうだった。噂の花嫁は?」
「そうですね。……ヒュース・アグリオス、」
「は、ここに」
名を呼ばれ、彼の近衛騎士が現れた。
「ゼノンの花嫁を視たな?」
「はい。猫族、男性。背は3ペーキュス、重さはおよそ2アンフォラ。状態は健康。肉体は間違いなくこちらの人間と同じ組成です。筋肉量は一般女性より下ですが、魔術量は……莫大すぎて測定不能でした」
申し訳なさそうに頭を下げた。
ヒュース・アグリオスの”魔眼”は、その目で見た者の能力を数値として測れるのだ。
今まで、魔眼で数値の測れない人など存在しなかった。
ゼノンですら、人間離れした凄まじい数値ではあるが、数値が測れたというのに。
その魔眼を用いても、魔術量が測れないとは。信じられないことだった。
「2アンフォラだと? その辺の女よりも軽いではないか」
「測定不能!? お前の目でもか!?」
反応する場所が違い。
レオニダスは誤魔化すために咳払いをした。
「んん、……当然だな。あの方は天上人であるのだぞ。下界に身を落とされても、そのくらいの能力は残っておられるだろう」
*****
「貴方ほどのかたが、そこまで褒められるほどの能力なのですか? いえ、確かにあの呪術は類を見ない、凄まじい威力でしたが……」
すっかりゼノンの花嫁に心酔している様子のレオニダスを、セルジオスは信じられないものを見る目で見た。
確かに、あの容姿の愛らしさに加え、底の知れぬ凄まじい呪術。
測定不能なほどの魔力。
喉から手が出るほど欲しい人材ではあるが。
使えるモノとして見ている訳ではないようだ。
冷血であったレオニダスが、ここまで夢中になるとは。何があったのだ、とセルジオスは不思議に思った。
「たった一言で。疲れだけでなく、長年苦しんでいた持病の偏頭痛まで治してくださったのだ。天使殿の優しい力に包まれ、天にも昇る心地だった。その上、付け加えた一言で私を疲れさせた犯人に報復を与えたのだぞ?」
反芻しているレオニダスは、今まで見たことのないような至福の笑みを浮かべていた。
「ええ、確たる証拠を残さないため、捕らえあぐねていたペトロスを処刑できる口実が出来て、助かりました」
たった一言で。
名も知らぬ複数の人間に呪いを掛けるような凄まじい呪術魔法の使い手など、この場の誰も見たことがなかった。
本人は全くそのつもりはなさそうなのが救いだが。
あの呪術だけでも。
使いようによっては、今まで、何とか表面上は保たれていた世界の均衡がひっくり返るだろう。
*****
「誤解せぬよう言っておくが。私はゼノン王子を廃し、天使をこの手にしようとは思っておらんぞ?」
「何故です?」
欲しいものならば力づくで奪う。セルジオスの知っているレオニダスはそのような男だったはずである。
「天使殿は、ゼノンを心底好いている。せっかく抱いていただいた信頼を損なうのは失策だろう」
易々と殺されてはくれないだろうゼノンの強さもあり、簡単にはいかないだろうが。
それ以上に。
レオニダスは、蘇芳を傷つけたくないと思っていた。
「はあ、まずは彼等の信頼を得、仲良くなることですか……私には難しそうですね」
セルジオスはがっくりと俯いた。
美少年愛好家、という烙印を背負ったセルジオスは、警戒され、花嫁の性別すら誤魔化されたのだ。
これでは信頼を得るどころの話ではない。
「それは私が引き受けよう。セルジオス王には、別に探っていただきたいことがあるのだが……」
レオニダスは、ディティコでも”耳無”を探すよう要請した。
しかし、神に愛された蘇芳とは違い、何かしらの罪により落とされた天上人であるかもしれない、と言って。
蘇芳には他にも、全ての言語を識る、という能力があるのだが。
レオニダスは、あえてそれをセルジオスには話さなかった。
情報の全てを共有してやる必要はないからだ。
*****
レオニダスとの密談を終えて、自室に戻る途中。
セルジオスは己の近衛騎士に訊いた。
「……勝てると思うか?」
言外に、レオニダスを討てるか、と問うていた。
名を口に出すほど愚かではない。
敵はまだ、城内に存在するはずである。
「否。刃が届く前にかの騎士により私と陛下の首胴が永遠に物別れとなりましょう」
ヒュース・アグリオスは努めて静かに報告したが。
知らず、己の未熟さと悔しさで歯軋りをし。
犬歯により唇を傷つけていた。
それほどの強さだというのに。
レオニダスの近衛騎士デメトリは頑なに黒を纏おうとしないのだ。
自分はまだ修業中であるので黒に相応しくない、と。
そのデメトリの腕ですら、ゼノンには到底届かないのだ。
ゼノンは剣の腕だけでなく、魔術までも一流であった。
ただし野心はないので、彼の国に手を出さなければ問題は無かった。
今までは。
これから先は、わからない。
天上人を手に入れたことにより、ヴォーレィオでの生活が豊かになれば。
国を捨てる者が多く現れ、辛うじて均衡を保っていた各国の力関係が変わるかもしれない。
そんな大いなる力を、手に入れたくない国などあろうか。
そして。
誰にも心を動かされないと思われていたゼノンの心を。冷酷非情であったレオニダスをあれほどまで変えた、天上人だという、あの猫族の少年。
大切に思う者は、最大の弱点にもなり得る。
人質としての価値だけでなく、手元に置いて愛でても愉しめそうな容姿。途方もない魔力。
何としても手に入れたいが。
勝手な真似をすれば、レオニダスを敵に回すことになる。
表面的だろうが、アナトリコとディティコは平和条約を結んでいるのだ。
勝てると確実にわかった上でなくては、争いは避けたい相手である。
「名をスオウ、と言ったか。……恐らく、話して頂いただけの能力ではあるまい。疾く調べよ」
「は、」
”耳無”のことも。
レオニダスには探すと言ったが。探し出して差し出すとまでは言っていない。
天上人はこちらに無い、様々な知識を持っているのだろう。
情報を全て聞き出してからなら、引き渡してもいい。耳と喉を潰して。
ゼノンは真実、神に愛された王子なのだろうとセルジオスは羨んだ。
あのような、天上人を娶ることを許されるとは。
*****
蘇芳の呪いが掛かった者は、全員地下室へ集められた。
中にはそれなりの立場のある者もいたが。
「その苦痛は、天から遣わされた天使様により下された神罰である。……皆、心当たりがあるだろう?」
信仰心の篤い者は、王の言葉で己の罪を認めた。
誰も自分がシメオン派であることを知らず、手を貸したとわかるはずがないのに。
過たず、罰が当たったのだ。
それはもはや神の御業である、と認めざるを得なかった。
「私も鬼ではない。他の仲間の名を言えば、罪を軽くしてやろう」
「命ばかりはお助けを……!」
自分の命惜しさに仲間を売った者は縄を解いてやり、部屋の外へ出した。
しかし、部屋を出た彼等は全員、落とし穴に落とされた。
その下は、人食い鰐や毒蛇などが多く棲む地下水路であった。
王は、残った者を見下ろして。
「……無理矢理脅された者など居なかった」
王の意を得て、近衛騎士は剣を抜いた。
罪人たちは、数分も経たないうちに、物言わぬ塊になった。
その血肉は、地下室で飼われているケモノの餌になった。
後は、シメオン派の残党を殲滅するのみである。
新王セルジオスの王位継承祝いである宴も終わり。
招待客はそれぞれ、城下町の宿屋に向かった。
その中でも特別な賓客であるアナトリコの国王レオニダスは、この城の主であるセルジオスの案内で、一番豪華な客間へと通された。
レオニダスは先程から微妙な顔でセルジオスを見ていた。
「……何か?」
「いや失礼。年齢は聞いていたが、本当に若かったのだな、と」
レオニダスは、あからさまに笑うのを堪えていた。
髭面ではないセルジオスの素顔を見たのはこれが初めてだったのと。
「ええ、若いですよ。好みの相手を前につい張り切って身形を整えてしまうくらいにはね」
「あの方は男性だぞ?」
「わかってますよ。しかしあんなに愛らしければ性別など関係ないと思いますが?」
「ああ、全くだ」
心から頷くレオニダスだった。
*****
セルジオスは本来、好色と称されるほどの異性愛者であった。
寝首を掻きに部屋へ忍んだのをゼノンに察知され。
夜這いだと誤魔化して以来、ずっと美少年愛好家と呼ばれることになったのだ。
その噂すらも利用し、口説く素振りで近づいたが。
ゼノンには全く隙が無かった。
今日の蹴りなど、まだ優しい方である。
養成学校の二大美少年と評判だったアドニスにも手を出さないと信憑性が薄まると思い、アドニスまで狙うふりをしてしまったため、未だに警戒されている。
自業自得である。
「で、どうだった。噂の花嫁は?」
「そうですね。……ヒュース・アグリオス、」
「は、ここに」
名を呼ばれ、彼の近衛騎士が現れた。
「ゼノンの花嫁を視たな?」
「はい。猫族、男性。背は3ペーキュス、重さはおよそ2アンフォラ。状態は健康。肉体は間違いなくこちらの人間と同じ組成です。筋肉量は一般女性より下ですが、魔術量は……莫大すぎて測定不能でした」
申し訳なさそうに頭を下げた。
ヒュース・アグリオスの”魔眼”は、その目で見た者の能力を数値として測れるのだ。
今まで、魔眼で数値の測れない人など存在しなかった。
ゼノンですら、人間離れした凄まじい数値ではあるが、数値が測れたというのに。
その魔眼を用いても、魔術量が測れないとは。信じられないことだった。
「2アンフォラだと? その辺の女よりも軽いではないか」
「測定不能!? お前の目でもか!?」
反応する場所が違い。
レオニダスは誤魔化すために咳払いをした。
「んん、……当然だな。あの方は天上人であるのだぞ。下界に身を落とされても、そのくらいの能力は残っておられるだろう」
*****
「貴方ほどのかたが、そこまで褒められるほどの能力なのですか? いえ、確かにあの呪術は類を見ない、凄まじい威力でしたが……」
すっかりゼノンの花嫁に心酔している様子のレオニダスを、セルジオスは信じられないものを見る目で見た。
確かに、あの容姿の愛らしさに加え、底の知れぬ凄まじい呪術。
測定不能なほどの魔力。
喉から手が出るほど欲しい人材ではあるが。
使えるモノとして見ている訳ではないようだ。
冷血であったレオニダスが、ここまで夢中になるとは。何があったのだ、とセルジオスは不思議に思った。
「たった一言で。疲れだけでなく、長年苦しんでいた持病の偏頭痛まで治してくださったのだ。天使殿の優しい力に包まれ、天にも昇る心地だった。その上、付け加えた一言で私を疲れさせた犯人に報復を与えたのだぞ?」
反芻しているレオニダスは、今まで見たことのないような至福の笑みを浮かべていた。
「ええ、確たる証拠を残さないため、捕らえあぐねていたペトロスを処刑できる口実が出来て、助かりました」
たった一言で。
名も知らぬ複数の人間に呪いを掛けるような凄まじい呪術魔法の使い手など、この場の誰も見たことがなかった。
本人は全くそのつもりはなさそうなのが救いだが。
あの呪術だけでも。
使いようによっては、今まで、何とか表面上は保たれていた世界の均衡がひっくり返るだろう。
*****
「誤解せぬよう言っておくが。私はゼノン王子を廃し、天使をこの手にしようとは思っておらんぞ?」
「何故です?」
欲しいものならば力づくで奪う。セルジオスの知っているレオニダスはそのような男だったはずである。
「天使殿は、ゼノンを心底好いている。せっかく抱いていただいた信頼を損なうのは失策だろう」
易々と殺されてはくれないだろうゼノンの強さもあり、簡単にはいかないだろうが。
それ以上に。
レオニダスは、蘇芳を傷つけたくないと思っていた。
「はあ、まずは彼等の信頼を得、仲良くなることですか……私には難しそうですね」
セルジオスはがっくりと俯いた。
美少年愛好家、という烙印を背負ったセルジオスは、警戒され、花嫁の性別すら誤魔化されたのだ。
これでは信頼を得るどころの話ではない。
「それは私が引き受けよう。セルジオス王には、別に探っていただきたいことがあるのだが……」
レオニダスは、ディティコでも”耳無”を探すよう要請した。
しかし、神に愛された蘇芳とは違い、何かしらの罪により落とされた天上人であるかもしれない、と言って。
蘇芳には他にも、全ての言語を識る、という能力があるのだが。
レオニダスは、あえてそれをセルジオスには話さなかった。
情報の全てを共有してやる必要はないからだ。
*****
レオニダスとの密談を終えて、自室に戻る途中。
セルジオスは己の近衛騎士に訊いた。
「……勝てると思うか?」
言外に、レオニダスを討てるか、と問うていた。
名を口に出すほど愚かではない。
敵はまだ、城内に存在するはずである。
「否。刃が届く前にかの騎士により私と陛下の首胴が永遠に物別れとなりましょう」
ヒュース・アグリオスは努めて静かに報告したが。
知らず、己の未熟さと悔しさで歯軋りをし。
犬歯により唇を傷つけていた。
それほどの強さだというのに。
レオニダスの近衛騎士デメトリは頑なに黒を纏おうとしないのだ。
自分はまだ修業中であるので黒に相応しくない、と。
そのデメトリの腕ですら、ゼノンには到底届かないのだ。
ゼノンは剣の腕だけでなく、魔術までも一流であった。
ただし野心はないので、彼の国に手を出さなければ問題は無かった。
今までは。
これから先は、わからない。
天上人を手に入れたことにより、ヴォーレィオでの生活が豊かになれば。
国を捨てる者が多く現れ、辛うじて均衡を保っていた各国の力関係が変わるかもしれない。
そんな大いなる力を、手に入れたくない国などあろうか。
そして。
誰にも心を動かされないと思われていたゼノンの心を。冷酷非情であったレオニダスをあれほどまで変えた、天上人だという、あの猫族の少年。
大切に思う者は、最大の弱点にもなり得る。
人質としての価値だけでなく、手元に置いて愛でても愉しめそうな容姿。途方もない魔力。
何としても手に入れたいが。
勝手な真似をすれば、レオニダスを敵に回すことになる。
表面的だろうが、アナトリコとディティコは平和条約を結んでいるのだ。
勝てると確実にわかった上でなくては、争いは避けたい相手である。
「名をスオウ、と言ったか。……恐らく、話して頂いただけの能力ではあるまい。疾く調べよ」
「は、」
”耳無”のことも。
レオニダスには探すと言ったが。探し出して差し出すとまでは言っていない。
天上人はこちらに無い、様々な知識を持っているのだろう。
情報を全て聞き出してからなら、引き渡してもいい。耳と喉を潰して。
ゼノンは真実、神に愛された王子なのだろうとセルジオスは羨んだ。
あのような、天上人を娶ることを許されるとは。
*****
蘇芳の呪いが掛かった者は、全員地下室へ集められた。
中にはそれなりの立場のある者もいたが。
「その苦痛は、天から遣わされた天使様により下された神罰である。……皆、心当たりがあるだろう?」
信仰心の篤い者は、王の言葉で己の罪を認めた。
誰も自分がシメオン派であることを知らず、手を貸したとわかるはずがないのに。
過たず、罰が当たったのだ。
それはもはや神の御業である、と認めざるを得なかった。
「私も鬼ではない。他の仲間の名を言えば、罪を軽くしてやろう」
「命ばかりはお助けを……!」
自分の命惜しさに仲間を売った者は縄を解いてやり、部屋の外へ出した。
しかし、部屋を出た彼等は全員、落とし穴に落とされた。
その下は、人食い鰐や毒蛇などが多く棲む地下水路であった。
王は、残った者を見下ろして。
「……無理矢理脅された者など居なかった」
王の意を得て、近衛騎士は剣を抜いた。
罪人たちは、数分も経たないうちに、物言わぬ塊になった。
その血肉は、地下室で飼われているケモノの餌になった。
後は、シメオン派の残党を殲滅するのみである。
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