19 / 46
19 首から飲ませてよ
しおりを挟む
その日の放課後、ロウの帰宅より少し早く屋敷に到着した俺は部屋で彼を待っていた。
するとつかれた様子で家主が帰ってきた。
「おかえり」
「ただいま…」
彼はふらふらとした足取りで鞄を机に置くと制服のままソファに寝そべった。
「大丈夫?具合悪いの?」
なんとなく顔色も悪い気がする。
「寝不足」
「昨日俺が泊まったから?」
寝相悪かったりしたのかもしれない。
「関係ない」
「そっか…ならいいんだけど…」
俺もソファーに腰を下ろすと彼が膝に頭を乗せてきた。
「おぉ…」
「なかなか良い枕だな」
そしてそう微笑んだ。
すりすりと膝にすり寄る様はまるで猫のようだ。いつもと様子が違うから熱でもあるんじゃないかと手を伸ばした。
しかし、おでこに指先が軽く触れた瞬間、彼は顔を真っ赤にさせ弾かれたように起き上がった。
「…っい、いきなりさわるなっ」
そっちはべたべたしてくるのに。触られるのは嫌らしい。
「熱あるのかと思って」
「ただの寝不足だってば」
そう言ってネクタイを緩め始めた。
「あ、そういえばこれ見てくれよ」
彼は少し興奮気味にニッと歯を見せた。
「んー?」
なにかあるのかと思って覗き込むが特に変わった様子はない。
「歯がどうかしたの…?」
「牙だよ!牙が生えてきたんだ」
「えっそうなの?!」
確かによく見ると尖った立派なそれは付け歯ではなさそうだ。
「一ヶ月前は生えてなかったのに!」
「少しずつ伸びてきたっぽい。吸血し始めた効果かもな」
鮮度の高い血は美味しいだけでなく活力にもなると聞いたことがある。
「試してもいい?今日は生の牙で」
「そうだね、昨日あげられなかったし」
しかし俺が腕まくりを始めるとロウはそれを拒んだ。
「今日は…首から飲みたい」
「え」
「噛むなら首がいい」
「いや、でも…」
正直首はまだ苦手だ。どうしても気持ちよくなってしまう。
彼は食い気味に続けた。
「首からのほうが鮮度がいい気がする」
「吸血の練習にもなる」
そこまで言われたら非常に断りにくい。俺は渋々ボタンを緩め始めた。
バサリ。シャツを脱ぐと彼は硬直した。
「?飲まないの…?」
「飲む」
ごくり。喉を鳴らすと俺の肩を掴む。そして首に顔を埋めた。
「…っ…」
ガッと鋭い歯が刺さると首が熱くなった。
「ぅっ…っ」
どうにか声を抑えようと目を閉じ必死に歯を食いしばる。
「ん…っんん」
「ノイス」
「…?」
ゆっくりとまぶたを上げるとロウがこちらを覗き込んでいた。
「顔真っ赤だけど大丈夫か?」
「…っへ、いき!」
首筋から垂れた血は鎖骨から胸まで流れている。
「垂れてきちゃったから早く飲んでっ」
「ん…わかった」
「ぁんっっちょっと…っ」
次の瞬間、ロウはなんと俺の乳首に舌を這わせた。
「舐めろって言ったじゃん」
「ちがっ…血っ…ちを」
「ここまで…垂れてるから」
じゅるっ。ぬるぬるとした舌が胸を掠めるたびに体がビクッと揺れてしまう。
「はっ…ぅぅ」
下から上目遣いでロウが見つめる。
そして目をそらすと、
「えっち」
そう呟いた。
「…っ」
そのまま舌は鎖骨から首へとのぼっていき、傷口をゆっくりと舐めた。
「止血完了」
「あ、ありがと…」
「ごちそうさまでした」
シャツを広げると、彼はそれを丁寧に着させてくれる。
きっちり第一ボタンまでしめると、紅茶もってくるからと言って部屋を出た。
危なかった。この癖どうにかして治さないとな…。はぁ。ノイスは大きくため息をついた。
一方ドアの外にも同じ理由で心臓を抑え、ため息をつく男がいた。
するとつかれた様子で家主が帰ってきた。
「おかえり」
「ただいま…」
彼はふらふらとした足取りで鞄を机に置くと制服のままソファに寝そべった。
「大丈夫?具合悪いの?」
なんとなく顔色も悪い気がする。
「寝不足」
「昨日俺が泊まったから?」
寝相悪かったりしたのかもしれない。
「関係ない」
「そっか…ならいいんだけど…」
俺もソファーに腰を下ろすと彼が膝に頭を乗せてきた。
「おぉ…」
「なかなか良い枕だな」
そしてそう微笑んだ。
すりすりと膝にすり寄る様はまるで猫のようだ。いつもと様子が違うから熱でもあるんじゃないかと手を伸ばした。
しかし、おでこに指先が軽く触れた瞬間、彼は顔を真っ赤にさせ弾かれたように起き上がった。
「…っい、いきなりさわるなっ」
そっちはべたべたしてくるのに。触られるのは嫌らしい。
「熱あるのかと思って」
「ただの寝不足だってば」
そう言ってネクタイを緩め始めた。
「あ、そういえばこれ見てくれよ」
彼は少し興奮気味にニッと歯を見せた。
「んー?」
なにかあるのかと思って覗き込むが特に変わった様子はない。
「歯がどうかしたの…?」
「牙だよ!牙が生えてきたんだ」
「えっそうなの?!」
確かによく見ると尖った立派なそれは付け歯ではなさそうだ。
「一ヶ月前は生えてなかったのに!」
「少しずつ伸びてきたっぽい。吸血し始めた効果かもな」
鮮度の高い血は美味しいだけでなく活力にもなると聞いたことがある。
「試してもいい?今日は生の牙で」
「そうだね、昨日あげられなかったし」
しかし俺が腕まくりを始めるとロウはそれを拒んだ。
「今日は…首から飲みたい」
「え」
「噛むなら首がいい」
「いや、でも…」
正直首はまだ苦手だ。どうしても気持ちよくなってしまう。
彼は食い気味に続けた。
「首からのほうが鮮度がいい気がする」
「吸血の練習にもなる」
そこまで言われたら非常に断りにくい。俺は渋々ボタンを緩め始めた。
バサリ。シャツを脱ぐと彼は硬直した。
「?飲まないの…?」
「飲む」
ごくり。喉を鳴らすと俺の肩を掴む。そして首に顔を埋めた。
「…っ…」
ガッと鋭い歯が刺さると首が熱くなった。
「ぅっ…っ」
どうにか声を抑えようと目を閉じ必死に歯を食いしばる。
「ん…っんん」
「ノイス」
「…?」
ゆっくりとまぶたを上げるとロウがこちらを覗き込んでいた。
「顔真っ赤だけど大丈夫か?」
「…っへ、いき!」
首筋から垂れた血は鎖骨から胸まで流れている。
「垂れてきちゃったから早く飲んでっ」
「ん…わかった」
「ぁんっっちょっと…っ」
次の瞬間、ロウはなんと俺の乳首に舌を這わせた。
「舐めろって言ったじゃん」
「ちがっ…血っ…ちを」
「ここまで…垂れてるから」
じゅるっ。ぬるぬるとした舌が胸を掠めるたびに体がビクッと揺れてしまう。
「はっ…ぅぅ」
下から上目遣いでロウが見つめる。
そして目をそらすと、
「えっち」
そう呟いた。
「…っ」
そのまま舌は鎖骨から首へとのぼっていき、傷口をゆっくりと舐めた。
「止血完了」
「あ、ありがと…」
「ごちそうさまでした」
シャツを広げると、彼はそれを丁寧に着させてくれる。
きっちり第一ボタンまでしめると、紅茶もってくるからと言って部屋を出た。
危なかった。この癖どうにかして治さないとな…。はぁ。ノイスは大きくため息をついた。
一方ドアの外にも同じ理由で心臓を抑え、ため息をつく男がいた。
143
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目
カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる