41 / 62
第三章 涅槃編
0040 クイーンズギャンビット
しおりを挟む
チェックメイト、か。確かに八方ふさがりなのは事実だ。どうやらアカシックレコードのメッセージ機能なども封じられている上に、ワープ系の魔法も使うことができないらしい。ソフィアに尋ねてみても詳細は不明なようだし、ツクヨミあたりなら仕組みを知っているかもしれないが……。そんなことを今さら考えたところで無駄だ。確認しておくべきだった。そんな後悔じみた考えを振り払い、この状況の打開手段を考える。大統領の自信満々な態度から察するにおそらく先ほどのように死神の魔法一発で大逆転、というわけにはいかないだろう。
「大統領!取引をしないか?」
「取引……?そんなものは必要ありません。我々は自由になる。涅槃などという組織は壊滅せねばならないのですよ。これは合衆国だけでなく、人類の総意です。薄汚い化け物どもが。時は来たれり。おとなしくその最初の礎となりたまえ」
どうにもずいぶんとヘイトをためてきていたらしい。まったく俺にとってはいい迷惑だ。そう、俺だって、人類の側に立って反旗を翻せばいい。アイツらと一緒に涅槃を駆逐する。ある組織ひとつが世界をコントロールしようなどという奴らの思想にはもともと共感できなかったのだ。
「待て!俺がお前らの側につくと言ったら?」
攻撃の指示をしようとしていた大統領の手が止まる。死神も恐ろしい形相(表情などないが)?で俺を見ている。
「フフフ、そんなもの信用できるとでも思いますか?ばからしい」
「俺はこの組織に無理矢理に入れられて、まだ半月も経っていない。涅槃の奴らには家族を殺されている。やりたくないこともやらされた。それはすべて奴らに勝てる見込みがなく、力によって脅されていたからだ」
疑わし気な表情は変わらないが、どうやら話は聞いてくれているらしい。まだ攻撃を実行には移してこない。俺は話し続ける。
「俺は人類の側に立ちたい。こんな不自然な状態はやめたいんだ。知っている範囲でなら情報も提供できる。それに奴らのアジトへも直接案内できる。悪い話じゃないはずだ」
都合のいい話なのはわかっている。さっきまで全力で殺そうとしていた相手だ。最初から信用するなんてのは不可能だろう。ふと思う。俺はなぜこんなにも生き残りたいんだろう。もはや俺に残されているものなんて……カンナだけか。情けない自分の姿と行動の奥にある感情……俺はそんなにも、彼女に会いたいのだ。みっともなく裏切って、格好悪く生き残ってでも、彼女に会いたい。自分で自分がつくづく馬鹿らしくも感じる。彼女に会って何になる?次に会ったなら俺のことを殺すと言っていた。この戦いも彼女がおそらく後ろで手を引いている。なのに、ただ、直接話がしたい。声が聞きたい。そんな想いだけが俺を未練たらしく生に執着させる。
「まあ、確かに悪い話ではない。それが本当なら、ですがね。しかしながら、さっきまで私を殺そうと散々にもがいてきたくせに、状況が悪くなり自分が生き残るためなら仲間をも裏切る。そんな者を信用できるとでも?」
「ごもっとも、だな。だがあれはどう見ても正当防衛だ。お前らが仕掛けてきたんだからな。少しは考慮してもいいと思うが?」
これがもし断られたとしても、今は少しでも多く時間を稼ぐことだ。心の中でソフィアと会話をする。実際これはかなり難しくゆっくりでしか進められない。とはいえ今まで幾度もこんなことは裏でやっていたお陰もあって、なんとか両方とうまく会話できている。いままで温存していたが、俺もオリジナルの魔法を作る時が来たのかもしれない。この状況を打開できる一手。そんな魔法だ。
「それは許されないよ?シヴァ……だっけ?だって君はここで死ぬんだから。君の裏切りなんて価値はこれっぽっちもない。私にはもうすでに十分な情報があるからね」
俺は心の会話も自然に止まり、その声の主にくぎ付けになっていた。ゲートをくぐって大統領のそばに現れたのは甲冑を着た騎士。兜をかぶり顔は見えない上に、声も俺たちと同じように加工されているらしい。だが、あれは間違いなく……。
「カンナ!」
気づけば声を荒らげていた。確証なんてない。でも、なぜだろう、自分の中でだけそう確信していた。
「聖女さま、御意のままに致しましょう。この者たちはここで殺す。それで構いませんね?」
「2人とも私が殺す。大統領《ミスタープレジデント》はもう魔力なくなりそうでしょう?黙って見ていて。あなたの実力は十分に知れた。これなら涅槃ともやり合える」
「ありがたきお言葉。しかし、もう部隊がこの地を取り囲んでいます。貴方の手を汚す必要などないのでは?」
「殺すのは私でなくちゃいけないの。この世界、いや宇宙から消し去るためにはね」
俺はその会話をただ茫然と眺めることしかできなかった。脳は少しショートしかかっている。俺は殺されるのか?カンナに?なぜ?思考が錯綜してまとまらない。彼女は言葉をつづけようとする大統領の話を遮って言い放った。
「黙れって言っているんだけど。それとも、殺されたいの?」
言葉とともに放たれた膨大な魔力に、大統領は顔を真っ青にして、黙ったまま苦笑いを浮かべた。そして、騎士は俺たちに向き直る。戦うしかないのか?
「なぜ……なんで戦わなくちゃならない!?」
「世の中には知らない方がずっと幸せなこともあるんだよ」
一瞬だった。俺が言葉をつづけようとした刹那。騎士は目で追えないほどの速さで距離を詰め、神々しき槍を突き刺してきた。俺はとっさに身をかわしたものの、間に合いそうもない。死んだのか?そう思った矢先、前方で火花が舞った。
「これを止めるなんてやるね。サリエルさん」
「殺意がない」
鋭い一撃を受け止めていたのは死神だった。さっきまで裏切る宣言をしていた俺を庇うとは、正直に言えば驚いた。純粋にあの一撃を受け止めるその技量にもだ。俺は奴を過小評価していたのかもしれない。まともに動けずにいる俺をよそに2人は戦闘を始めた。
「正義《アテナ》。大きくなったな」
「別れは悲しいけど、死んでもらうしかないの」
槍と鎌の激しい打ち合いは、一種の舞のような美しささえ感じる。その中で会話までするなど、考えられない。死神がしゃべっているのも珍しすぎる。それはさておき、本来なら触れれば消えるはずの槍は、魔法無効の大鎌に当たっても砕けなかった。やはり特別な魔法なのだろう。ロンギヌス……。アーティファクトとか言ったか。あれは見紛うことなくカンナだ。しかも、昔に見たときより数段強くなっている。俺はなんて弱いのか。そう突きつけられる。ここまで努力もしてきたし、涅槃などという組織にまで入った。願ったわけではないが、力も授かった。それでも届かない高み。それを見せつけられている。いつもそうだ。俺はこうやって肝心な時に手が届かない。
「脅威の亡霊」
カンナの背後に現れた分身体はその命を刈り取ろうと鎌を振り下ろす。
「終末の神狼」
カンナはそのさらに背後から巨大な輝きを放つ狼を生み出した。その動きはまるで生きているかのようで神々しい貫録を放っている。それにしても規格外だ。魔法は意識して操らなければならない。2人ともなぜあんな簡単に操作できるのか。激しく切り結びながらそんな芸当は不可能だ。普通なら。
「死神!加勢する!」
死神の分身体はフェンリルによって無残にも食いちぎられ、俺は死神を庇ってその狼と対峙した。4メートル近くはあるだろうか、巨大で素早い。厄介な相手だ。こうして戦いは新たな局面を迎えた。
「大統領!取引をしないか?」
「取引……?そんなものは必要ありません。我々は自由になる。涅槃などという組織は壊滅せねばならないのですよ。これは合衆国だけでなく、人類の総意です。薄汚い化け物どもが。時は来たれり。おとなしくその最初の礎となりたまえ」
どうにもずいぶんとヘイトをためてきていたらしい。まったく俺にとってはいい迷惑だ。そう、俺だって、人類の側に立って反旗を翻せばいい。アイツらと一緒に涅槃を駆逐する。ある組織ひとつが世界をコントロールしようなどという奴らの思想にはもともと共感できなかったのだ。
「待て!俺がお前らの側につくと言ったら?」
攻撃の指示をしようとしていた大統領の手が止まる。死神も恐ろしい形相(表情などないが)?で俺を見ている。
「フフフ、そんなもの信用できるとでも思いますか?ばからしい」
「俺はこの組織に無理矢理に入れられて、まだ半月も経っていない。涅槃の奴らには家族を殺されている。やりたくないこともやらされた。それはすべて奴らに勝てる見込みがなく、力によって脅されていたからだ」
疑わし気な表情は変わらないが、どうやら話は聞いてくれているらしい。まだ攻撃を実行には移してこない。俺は話し続ける。
「俺は人類の側に立ちたい。こんな不自然な状態はやめたいんだ。知っている範囲でなら情報も提供できる。それに奴らのアジトへも直接案内できる。悪い話じゃないはずだ」
都合のいい話なのはわかっている。さっきまで全力で殺そうとしていた相手だ。最初から信用するなんてのは不可能だろう。ふと思う。俺はなぜこんなにも生き残りたいんだろう。もはや俺に残されているものなんて……カンナだけか。情けない自分の姿と行動の奥にある感情……俺はそんなにも、彼女に会いたいのだ。みっともなく裏切って、格好悪く生き残ってでも、彼女に会いたい。自分で自分がつくづく馬鹿らしくも感じる。彼女に会って何になる?次に会ったなら俺のことを殺すと言っていた。この戦いも彼女がおそらく後ろで手を引いている。なのに、ただ、直接話がしたい。声が聞きたい。そんな想いだけが俺を未練たらしく生に執着させる。
「まあ、確かに悪い話ではない。それが本当なら、ですがね。しかしながら、さっきまで私を殺そうと散々にもがいてきたくせに、状況が悪くなり自分が生き残るためなら仲間をも裏切る。そんな者を信用できるとでも?」
「ごもっとも、だな。だがあれはどう見ても正当防衛だ。お前らが仕掛けてきたんだからな。少しは考慮してもいいと思うが?」
これがもし断られたとしても、今は少しでも多く時間を稼ぐことだ。心の中でソフィアと会話をする。実際これはかなり難しくゆっくりでしか進められない。とはいえ今まで幾度もこんなことは裏でやっていたお陰もあって、なんとか両方とうまく会話できている。いままで温存していたが、俺もオリジナルの魔法を作る時が来たのかもしれない。この状況を打開できる一手。そんな魔法だ。
「それは許されないよ?シヴァ……だっけ?だって君はここで死ぬんだから。君の裏切りなんて価値はこれっぽっちもない。私にはもうすでに十分な情報があるからね」
俺は心の会話も自然に止まり、その声の主にくぎ付けになっていた。ゲートをくぐって大統領のそばに現れたのは甲冑を着た騎士。兜をかぶり顔は見えない上に、声も俺たちと同じように加工されているらしい。だが、あれは間違いなく……。
「カンナ!」
気づけば声を荒らげていた。確証なんてない。でも、なぜだろう、自分の中でだけそう確信していた。
「聖女さま、御意のままに致しましょう。この者たちはここで殺す。それで構いませんね?」
「2人とも私が殺す。大統領《ミスタープレジデント》はもう魔力なくなりそうでしょう?黙って見ていて。あなたの実力は十分に知れた。これなら涅槃ともやり合える」
「ありがたきお言葉。しかし、もう部隊がこの地を取り囲んでいます。貴方の手を汚す必要などないのでは?」
「殺すのは私でなくちゃいけないの。この世界、いや宇宙から消し去るためにはね」
俺はその会話をただ茫然と眺めることしかできなかった。脳は少しショートしかかっている。俺は殺されるのか?カンナに?なぜ?思考が錯綜してまとまらない。彼女は言葉をつづけようとする大統領の話を遮って言い放った。
「黙れって言っているんだけど。それとも、殺されたいの?」
言葉とともに放たれた膨大な魔力に、大統領は顔を真っ青にして、黙ったまま苦笑いを浮かべた。そして、騎士は俺たちに向き直る。戦うしかないのか?
「なぜ……なんで戦わなくちゃならない!?」
「世の中には知らない方がずっと幸せなこともあるんだよ」
一瞬だった。俺が言葉をつづけようとした刹那。騎士は目で追えないほどの速さで距離を詰め、神々しき槍を突き刺してきた。俺はとっさに身をかわしたものの、間に合いそうもない。死んだのか?そう思った矢先、前方で火花が舞った。
「これを止めるなんてやるね。サリエルさん」
「殺意がない」
鋭い一撃を受け止めていたのは死神だった。さっきまで裏切る宣言をしていた俺を庇うとは、正直に言えば驚いた。純粋にあの一撃を受け止めるその技量にもだ。俺は奴を過小評価していたのかもしれない。まともに動けずにいる俺をよそに2人は戦闘を始めた。
「正義《アテナ》。大きくなったな」
「別れは悲しいけど、死んでもらうしかないの」
槍と鎌の激しい打ち合いは、一種の舞のような美しささえ感じる。その中で会話までするなど、考えられない。死神がしゃべっているのも珍しすぎる。それはさておき、本来なら触れれば消えるはずの槍は、魔法無効の大鎌に当たっても砕けなかった。やはり特別な魔法なのだろう。ロンギヌス……。アーティファクトとか言ったか。あれは見紛うことなくカンナだ。しかも、昔に見たときより数段強くなっている。俺はなんて弱いのか。そう突きつけられる。ここまで努力もしてきたし、涅槃などという組織にまで入った。願ったわけではないが、力も授かった。それでも届かない高み。それを見せつけられている。いつもそうだ。俺はこうやって肝心な時に手が届かない。
「脅威の亡霊」
カンナの背後に現れた分身体はその命を刈り取ろうと鎌を振り下ろす。
「終末の神狼」
カンナはそのさらに背後から巨大な輝きを放つ狼を生み出した。その動きはまるで生きているかのようで神々しい貫録を放っている。それにしても規格外だ。魔法は意識して操らなければならない。2人ともなぜあんな簡単に操作できるのか。激しく切り結びながらそんな芸当は不可能だ。普通なら。
「死神!加勢する!」
死神の分身体はフェンリルによって無残にも食いちぎられ、俺は死神を庇ってその狼と対峙した。4メートル近くはあるだろうか、巨大で素早い。厄介な相手だ。こうして戦いは新たな局面を迎えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる