終生飼育は原則ですから

被保護編 337年

337年5月9-3

　顔を洗って着替えて朝食を取って出発。午後に到着した。
「お帰りなさい」
　シルヴィオが待っていてくれた。
「もう乗って帰ってこられるんですね。上達が早い」
　シルヴィオが端綱を取ってくれたので下りようとすると、レイサスが脇腹を支えてくれた。けどね、下りるのは自分でできるから。そんなに不安を与える乗り方かな。

　フィゾを引いて場房に入れて手入れをする。馬丁はいるけど、自分の馬(支払い後は)だから、できる限り自分でやりたい。獣医っているんだろうか。

　邸に入って会計原則を出して二人に説明する。マクシミリアンさんも呼ぶからもう一度してほしいと言われた。問題は資産の評価なんだよね。既提出の古いのを使うしかないか。

　マクシミリアンさんも含めて話しました。
　財政はマクシミリアン・ヌゼラス侯爵とレイサス王太子が管轄していることが多いから、会計原則の改定も通せるだろう。
　罰則は今もあるからそれを使える。
　けれど罰則を適用できるか見つける監査が問題。

　監査は私が数人を教育して担当することになりました。権限は今はない。レイサスに報告することで、王太子権限でやってもらう。敵作るだろうな。
　うえ～やりたくない。けれどやりたくないのが仕事だ。

　監査担当者は女性を重点的に選んでもらえるようにお願いした。
　職員には女性もいるけど助手的な仕事を任されることが多いそう。というかほとんど助手。
　もっと仕事をしたいという人はいるはず。したくないという私みたいな人も多いだろうけど。
　変なプライドのある男をなだめすかして教えるより、やる気があるなら女性にお願いしたい。
　レイサスは即座に承諾した。他にも私が望む人間を雇ってくれるそうだ。

　人選、教育の間、私は見習いということでいろんな部署に送り込んでほしい。現場を知らないと判断できない。特に数字を見る仕事は、現場を知らないと恨まれる。

　これについては渋っていた。まあね。護衛つきの見習いはかなり難しい。だから護衛はいらないと思うんだよね。人目は常にあるだろうし。なんだったら遠方監視でお願いしたい。
　教育？　シルヴィオがすればいいんじゃない？　私がシルヴィオに教えて、そうすればシルヴィオは私が教えるよりわかりやすく教えてくれるよ。

　給料についてはまだ未定です。これから職員の給与についても聞くだろうから、それから決めて、遡って支給してもらえますか？