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被保護編 337年
337年10月5-3
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言われました。行っちゃだめだと。わけがわからない。
「街なら私が案内する」
できるわけない。レイサスが行ったら誰もが気づく。そんな中で普通の買い物ができるわけがない。
「誰かに気付かれたことはないが」
「それは、皆さんの優しさ。王子様がお忍びで来ている。黙っていてあげようという優しさ」
だよねとエランを見る。どうせエランも一緒だったんでしょ。
「・・・レイサス様、オーサーの言う通りです」
聞いたかこの重い言葉を。レイサスはちょっとショックを受けていた。
「そうなのか・・・だが変装すれば」
「レイサスは変装できないタイプだからだめだね」
「出来ないタイプとは何なのだ?」
「変装って、単に服を着替えればいいもんじゃなくて、それに相応しい態度にならないといけない。一般庶民、ちょっと遊んでますってタイプになれる?」
「・・・出来なくはないと思う」
「無理。やれるんなら今やってみて」
レイサスは戸惑っていた。
やっぱりね。
イスをレイサスに向けて、脚を開いて膝に肘を置き、微笑む。
「僕と一緒に遊びに行かない?」
低めの声でね。宝塚をイメージ。
「これくらいもできないでしょ」
イスの背もたれに寄りかかる。
「そもそもレイサスが上手く変装できても目立つしね。だからレイサスが一緒だと危険なので行けない。ならファリオン王子は最適」
「なぜファリオンになるんだ。エランやシルヴィオでもいいだろう」
「シルヴィオは、レイサスと同じ理由で却下。エランは、一緒に行ってもつまらなそう」
エランもちょっとショックを受けている。ごめん。
「だって流行の店とかそういうところは一切目もくれずに武器店に行きそう」
観念した顔をしている。図星だな。
責めはしていないよ。私も日本だと古本屋にしか行かないから。この世界だからいろいろ行ってみたいだけでね。
「残っている人はファリオン王子だけなんだって」
日本だとレイサスはいつも微笑んでいた気がするけれど、ここだと不機嫌というか無表情がほとんどだな。美しい人の無表情は迫力がある。
「イーディも一緒だから安全だし、ファリオン王子は信用してもいいと思う。考えがわかりやすいから、何かあれば気づけると思う」
レイサスはため息をついた。
「護衛は付ける。四時までに帰ってくると約束してほしい」
四時? ずいぶん早い門限だ。まあ午後一時に待ち合わせだから、いい時間か。
私だって本当は行きたくない。行くならひとりで行きたい。だけどこれも付き合いだ。イーディにはお世話になった。
「街なら私が案内する」
できるわけない。レイサスが行ったら誰もが気づく。そんな中で普通の買い物ができるわけがない。
「誰かに気付かれたことはないが」
「それは、皆さんの優しさ。王子様がお忍びで来ている。黙っていてあげようという優しさ」
だよねとエランを見る。どうせエランも一緒だったんでしょ。
「・・・レイサス様、オーサーの言う通りです」
聞いたかこの重い言葉を。レイサスはちょっとショックを受けていた。
「そうなのか・・・だが変装すれば」
「レイサスは変装できないタイプだからだめだね」
「出来ないタイプとは何なのだ?」
「変装って、単に服を着替えればいいもんじゃなくて、それに相応しい態度にならないといけない。一般庶民、ちょっと遊んでますってタイプになれる?」
「・・・出来なくはないと思う」
「無理。やれるんなら今やってみて」
レイサスは戸惑っていた。
やっぱりね。
イスをレイサスに向けて、脚を開いて膝に肘を置き、微笑む。
「僕と一緒に遊びに行かない?」
低めの声でね。宝塚をイメージ。
「これくらいもできないでしょ」
イスの背もたれに寄りかかる。
「そもそもレイサスが上手く変装できても目立つしね。だからレイサスが一緒だと危険なので行けない。ならファリオン王子は最適」
「なぜファリオンになるんだ。エランやシルヴィオでもいいだろう」
「シルヴィオは、レイサスと同じ理由で却下。エランは、一緒に行ってもつまらなそう」
エランもちょっとショックを受けている。ごめん。
「だって流行の店とかそういうところは一切目もくれずに武器店に行きそう」
観念した顔をしている。図星だな。
責めはしていないよ。私も日本だと古本屋にしか行かないから。この世界だからいろいろ行ってみたいだけでね。
「残っている人はファリオン王子だけなんだって」
日本だとレイサスはいつも微笑んでいた気がするけれど、ここだと不機嫌というか無表情がほとんどだな。美しい人の無表情は迫力がある。
「イーディも一緒だから安全だし、ファリオン王子は信用してもいいと思う。考えがわかりやすいから、何かあれば気づけると思う」
レイサスはため息をついた。
「護衛は付ける。四時までに帰ってくると約束してほしい」
四時? ずいぶん早い門限だ。まあ午後一時に待ち合わせだから、いい時間か。
私だって本当は行きたくない。行くならひとりで行きたい。だけどこれも付き合いだ。イーディにはお世話になった。
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