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被保護編 337年
337年12月4-1
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ともやに恋人がいなかったということが、本当に嬉しい。抱き締めたい。私が初めての男になりたい。
皆がいる部屋でよかったかもしれない。二人きりなら抑えられない。
そして何という迂闊。誕生日を忘れていたとは。プレゼントの大義名分になったのに。
しかも結局教えないとは彼女らしい。
いつか何として聞きだす。
プレゼントはする。何がいいだろうか。
一人で老いるつもりらしいが、そんな事はさせない。離すつもりはない。
だが彼女の言う施策は必要だ。
彼女が決して利用しない制度を作る。
それにしても、彼女は何でも知っているし何でも出来る。
「あなたはいつ戦術を学んだんだ?」
「戦術?」
ひとりで笑った。
「ゲームで。レイサスはわかるでしょ。遊びでやっていた」
「それがそんなに勉強になるのなら、参考にできないだろうか」
「役には立たない」
真顔になった。
「私がやっていたゲーム的なことなら今も軍でやってる。だけど敵が何人味方が何人、地形がこうで天気の予報はこう、敵を率いているのは誰で性格はどう、そういう条件が全て揃っている中での戦術だから、実戦ではまったく役に立たない。まず敵が何人いるか探る方法を私は知らないし、味方を無事に連れてくる方法、補給方法、練度による損傷率の見積もり方とか、まったくわからない。使えない」
それはそうだが、ともやが知らない事を担当する人間は他にいる。
「私の知識は全部そうだね。知ってはいても、その基礎、その手前が抜けているから役に立たないんだよね」
疲れたように言った。
役には立っている。彼女の知識は役に立つし、彼女自身が私達を変えている。
皆がいる部屋でよかったかもしれない。二人きりなら抑えられない。
そして何という迂闊。誕生日を忘れていたとは。プレゼントの大義名分になったのに。
しかも結局教えないとは彼女らしい。
いつか何として聞きだす。
プレゼントはする。何がいいだろうか。
一人で老いるつもりらしいが、そんな事はさせない。離すつもりはない。
だが彼女の言う施策は必要だ。
彼女が決して利用しない制度を作る。
それにしても、彼女は何でも知っているし何でも出来る。
「あなたはいつ戦術を学んだんだ?」
「戦術?」
ひとりで笑った。
「ゲームで。レイサスはわかるでしょ。遊びでやっていた」
「それがそんなに勉強になるのなら、参考にできないだろうか」
「役には立たない」
真顔になった。
「私がやっていたゲーム的なことなら今も軍でやってる。だけど敵が何人味方が何人、地形がこうで天気の予報はこう、敵を率いているのは誰で性格はどう、そういう条件が全て揃っている中での戦術だから、実戦ではまったく役に立たない。まず敵が何人いるか探る方法を私は知らないし、味方を無事に連れてくる方法、補給方法、練度による損傷率の見積もり方とか、まったくわからない。使えない」
それはそうだが、ともやが知らない事を担当する人間は他にいる。
「私の知識は全部そうだね。知ってはいても、その基礎、その手前が抜けているから役に立たないんだよね」
疲れたように言った。
役には立っている。彼女の知識は役に立つし、彼女自身が私達を変えている。
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