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被保護編 338年
338年6月1-3
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「これからどうするつもりなんだ?」
「これから? 究極的には銀行」
「銀行? あるだろ」
「ようやく国内で資金を流通しあえるかってところでしょ。領地によっては最初から対象外のところもある。連合が舵をとっても、相手の財務状況に保証がなければ進まない。保証があるってことは相手の懐が見えるってことだから。札を見せてゲームはやれない。丸裸なら戦争はできない。せいぜい素手で単身殴り合うくらいだね」
「弱い所を征服しやすくなるかもしれない」
「だから究極的な夢かな。どの国も体力をつけ、公表された財務状況が確かであると信頼でき、非友好的な関係ではない。少なくとも敵対しないように他の国々が牽制できる。結局人間はけちだから、経済で結びつけば、損をしたくないから戦争を止める人は現れるはずだと思うんだよね」
「・・・それを兄上は知っているのか?」
「話したことはあるよ。レイサスの代で実現は難しいかな。私は早々に隠居するし、ファリオン、がんばって」
「俺かよ。無理だ」
「五十年もかければ道筋はつけれるって」
「お前がやればいい。それが一番早くて確実だ」
「もういやだ。働くの嫌い。私は早く隠居するために、今やれることをやっているんだ」
「・・・それを兄上は知っているのか?」
「それほど長くはここにいないとは言ってる」
兄上、早くどうにかしてくれ。誰かが、俺が、彼女をここに無理に引き止めたらどうするんだ。
「これから? 究極的には銀行」
「銀行? あるだろ」
「ようやく国内で資金を流通しあえるかってところでしょ。領地によっては最初から対象外のところもある。連合が舵をとっても、相手の財務状況に保証がなければ進まない。保証があるってことは相手の懐が見えるってことだから。札を見せてゲームはやれない。丸裸なら戦争はできない。せいぜい素手で単身殴り合うくらいだね」
「弱い所を征服しやすくなるかもしれない」
「だから究極的な夢かな。どの国も体力をつけ、公表された財務状況が確かであると信頼でき、非友好的な関係ではない。少なくとも敵対しないように他の国々が牽制できる。結局人間はけちだから、経済で結びつけば、損をしたくないから戦争を止める人は現れるはずだと思うんだよね」
「・・・それを兄上は知っているのか?」
「話したことはあるよ。レイサスの代で実現は難しいかな。私は早々に隠居するし、ファリオン、がんばって」
「俺かよ。無理だ」
「五十年もかければ道筋はつけれるって」
「お前がやればいい。それが一番早くて確実だ」
「もういやだ。働くの嫌い。私は早く隠居するために、今やれることをやっているんだ」
「・・・それを兄上は知っているのか?」
「それほど長くはここにいないとは言ってる」
兄上、早くどうにかしてくれ。誰かが、俺が、彼女をここに無理に引き止めたらどうするんだ。
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