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被保護編 338年
338年7月1-2
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そしてともやにはあの服を着てもらう事に成功した。
リーラント夫人からもらった服は、こういう時に着る為にある。
「表情、表情が大事。私は二十代。気合だ。二十代」
髪を高い位置で結んでいる。そんな決意を繰り返さなくても、充分見える。
「二十代に見える。かわいい」
「ありがとう」
相変わらず流された。
エランの護衛を断った。ともやは私が守れる。必要無いがレンツォーリもついて来ているだろう。
夕方から街に出た。
ともやの予想通り、皆気付き、混んでいるのに道ができた。
ともやの手を取ってそこを歩く。楽しい。日本にいた時のようだ。あの時は楽しかった。
ともやは握られている手を引き抜こうとし、無理だと諦めると、今度は屋台に寄った隙を見て抜こうとする。無駄だ。
屋台で売られている食べ物を気にしているので、色々買ってみる。
どれも私が食べる前に毒見をするのは止めてくれ。どうしてそんなに職務を全うしようとするんだ。
ともやが一口食べて注意深く味わった後、肉の串を私に差し出す。その差し出した手をつかんだまま食べると、ともやが固まっていた。面白い。本当に慣れていない。
そのまま串の横から全て食べ、串を持っているともやの指に口が触れると、ともやの手が震えた。ただただ困っているようだ。面白い。ともやの手から串を抜いて捨てた。
その後は何も欲しがらないので、ガレットを買った。生クリームとブルーベリーが入った甘いものだ。もう毒見をする気はないかと思ったが、律儀にも要求し、一口食べて返した。
私も食べる。二口食べた後、ともやに渡した。
不思議そうだったが、もういらないと言うと少し怒った。食べきれないものを買った子供を叱っているようだ。その後は自分で食べている。甘いものは好きなはずだ。
街頭や松明の光が照らしている。
軽く化粧をした彼女にも当たり、唇が光っている。
リーラント夫人からもらった服は、こういう時に着る為にある。
「表情、表情が大事。私は二十代。気合だ。二十代」
髪を高い位置で結んでいる。そんな決意を繰り返さなくても、充分見える。
「二十代に見える。かわいい」
「ありがとう」
相変わらず流された。
エランの護衛を断った。ともやは私が守れる。必要無いがレンツォーリもついて来ているだろう。
夕方から街に出た。
ともやの予想通り、皆気付き、混んでいるのに道ができた。
ともやの手を取ってそこを歩く。楽しい。日本にいた時のようだ。あの時は楽しかった。
ともやは握られている手を引き抜こうとし、無理だと諦めると、今度は屋台に寄った隙を見て抜こうとする。無駄だ。
屋台で売られている食べ物を気にしているので、色々買ってみる。
どれも私が食べる前に毒見をするのは止めてくれ。どうしてそんなに職務を全うしようとするんだ。
ともやが一口食べて注意深く味わった後、肉の串を私に差し出す。その差し出した手をつかんだまま食べると、ともやが固まっていた。面白い。本当に慣れていない。
そのまま串の横から全て食べ、串を持っているともやの指に口が触れると、ともやの手が震えた。ただただ困っているようだ。面白い。ともやの手から串を抜いて捨てた。
その後は何も欲しがらないので、ガレットを買った。生クリームとブルーベリーが入った甘いものだ。もう毒見をする気はないかと思ったが、律儀にも要求し、一口食べて返した。
私も食べる。二口食べた後、ともやに渡した。
不思議そうだったが、もういらないと言うと少し怒った。食べきれないものを買った子供を叱っているようだ。その後は自分で食べている。甘いものは好きなはずだ。
街頭や松明の光が照らしている。
軽く化粧をした彼女にも当たり、唇が光っている。
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