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被保護編 338年
338年8月2-3
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「ねえオーサー、こんなことを聞いて申し訳ないけれど、子供ができないわけではないのね?」
「おそらくは。昔から嫌いだったので、作ろうとしたこともないからわかりませんが」
「わたくしが言うのも何なんだけど、子供ってかわいいものよ」
俺と兄上が微妙な顔になる中、オーサーは微笑んだ。
「私はもう三十一歳なので、産まない方がいいと思います」
「そんな年なの!」
王妃も驚いたようだ。そこから化粧品や美容法の話になるのは、ミラでも王妃でも同じか。
「まだ大丈夫。けれど早く産んだ方がよろしいわ。どうしてそんなに子供が嫌いなのかしら?」
「なぜでしょうね。自分が子供の頃から子供が嫌いでした。おそらく、従兄妹や年の離れた弟の面倒を見させられたせいでしょう。本を読むのを邪魔されるのが何よりも嫌でした。子供はうるさくて邪魔をするものでしかなかった。ああ、私は本が好きすぎて、しかも自分の時間を分け与えられない小さい人間なんですね」
幼児は本にとっての天敵だ、本を壊すし時間を奪うなどと言っている。
何か方向が違う。好きな男が出来れば、その男の子供が欲しいとか思わないのか? いないんだったな。そして今も、兄上の子が欲しいとは思わない。
「乳母をつける事もできるわ。高位貴族ではそれが一般的なのよ」
「そうですか。乳母は平民なんですか?」
違う。違う方向に興味が向いた。
乳母になる社会階層だとか背景だとか、給与・待遇、子が何歳くらいまで関わるのか、オーサーは乳母を雇う側ではなくて、乳母という職業に興味を持った。
「おそらくは。昔から嫌いだったので、作ろうとしたこともないからわかりませんが」
「わたくしが言うのも何なんだけど、子供ってかわいいものよ」
俺と兄上が微妙な顔になる中、オーサーは微笑んだ。
「私はもう三十一歳なので、産まない方がいいと思います」
「そんな年なの!」
王妃も驚いたようだ。そこから化粧品や美容法の話になるのは、ミラでも王妃でも同じか。
「まだ大丈夫。けれど早く産んだ方がよろしいわ。どうしてそんなに子供が嫌いなのかしら?」
「なぜでしょうね。自分が子供の頃から子供が嫌いでした。おそらく、従兄妹や年の離れた弟の面倒を見させられたせいでしょう。本を読むのを邪魔されるのが何よりも嫌でした。子供はうるさくて邪魔をするものでしかなかった。ああ、私は本が好きすぎて、しかも自分の時間を分け与えられない小さい人間なんですね」
幼児は本にとっての天敵だ、本を壊すし時間を奪うなどと言っている。
何か方向が違う。好きな男が出来れば、その男の子供が欲しいとか思わないのか? いないんだったな。そして今も、兄上の子が欲しいとは思わない。
「乳母をつける事もできるわ。高位貴族ではそれが一般的なのよ」
「そうですか。乳母は平民なんですか?」
違う。違う方向に興味が向いた。
乳母になる社会階層だとか背景だとか、給与・待遇、子が何歳くらいまで関わるのか、オーサーは乳母を雇う側ではなくて、乳母という職業に興味を持った。
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