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被保護編 339年
339年6月1
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ともやは触るといつも冷たい。女性は大抵そうだが、ともやはいつもひんやりしている。
抱き締めていると暖まる。
指の先まで包みたい。そして中からも温めたい。
夜中に目が覚めて、腕の中に彼女がいて繋がっていると安心する。
蝋燭は燃え尽きていて顔は見えない。静かに眠っているようだ。
ともやの眠りは浅い。浅いから長く眠らないと辛いようだ。
起こさないように髪を撫でる。髪もひやりと冷たく、滑らかで、昔想像よりも柔らかい。
ずいぶん伸びた。
この世界に連れてきて二年が過ぎた。もう肩を越えて背中にかかる長さになった。
強く抱き締める。少しともやが身動ぎした。
私はどうしてこんなにともやを。
征服欲か。自分より優れているともやを押さえつけ意のままにする事で、自分の方が強いと感じたいのか。
違う。そうではない。
それもあるのかもしれない。だが違う。
押し倒し、縋り、押さえ付け、懇願する。決定権はともやにある。ともやが私を捨てれば終わる。いやそうなったら監禁する。
今のままでもいい。だから余計な女を引き込まないでくれ。
このままだとともやを起こしてしまう。抜いて自分で処理をする。
ともやはもったいないと言う。おかしな人だ。それなら自分で生かしてほしい。あなたが生かしてくれなければ何の意味もない物だ。
夜は冷える。離れて冷えてしまったともやを、もう一度温める。違う。自分の熱を移したい。
明日はともやの誕生日だ。休ませる事にした。私からも開放し、本当の休みを取ってもらう。
プレゼントをいろいろ考えたが、ともやが喜ぶものはそれしか思い浮かばなかった。
私からの開放を最も嬉しがるか。離れたくないと思ってもらえる事は無いのだろうか。
明日が休みだからと、また約束を反故にした。ともやには有難迷惑だろう。
ともやの為を思うなら、今晩から、いやもう昨日から一人にするべきだった。
それができない。
私は自分が一番大切な子供のままだ。だからともやも私の我が儘に付き合ってくれる。子供の頃に我が儘を言えなかった人間が、今駄々をこねているから大目に見ようと。
ともやが私を愛する対象と見ないのは自分のせいだ。私の行いが原因なのはわかっている。
だが私が無理にでも求めなければ、ともやは離れるばかりだろう。
どうすればいいのかわからない。自分の欲望もどう抑えればいいのかわからない。
今のままでいい。今のままでもいい。
ともや、今のまま誰の事も見るな。あなたはせめて国の事を考えていてくれ。それは私の為だと思う事ができる。
抱き締めていると暖まる。
指の先まで包みたい。そして中からも温めたい。
夜中に目が覚めて、腕の中に彼女がいて繋がっていると安心する。
蝋燭は燃え尽きていて顔は見えない。静かに眠っているようだ。
ともやの眠りは浅い。浅いから長く眠らないと辛いようだ。
起こさないように髪を撫でる。髪もひやりと冷たく、滑らかで、昔想像よりも柔らかい。
ずいぶん伸びた。
この世界に連れてきて二年が過ぎた。もう肩を越えて背中にかかる長さになった。
強く抱き締める。少しともやが身動ぎした。
私はどうしてこんなにともやを。
征服欲か。自分より優れているともやを押さえつけ意のままにする事で、自分の方が強いと感じたいのか。
違う。そうではない。
それもあるのかもしれない。だが違う。
押し倒し、縋り、押さえ付け、懇願する。決定権はともやにある。ともやが私を捨てれば終わる。いやそうなったら監禁する。
今のままでもいい。だから余計な女を引き込まないでくれ。
このままだとともやを起こしてしまう。抜いて自分で処理をする。
ともやはもったいないと言う。おかしな人だ。それなら自分で生かしてほしい。あなたが生かしてくれなければ何の意味もない物だ。
夜は冷える。離れて冷えてしまったともやを、もう一度温める。違う。自分の熱を移したい。
明日はともやの誕生日だ。休ませる事にした。私からも開放し、本当の休みを取ってもらう。
プレゼントをいろいろ考えたが、ともやが喜ぶものはそれしか思い浮かばなかった。
私からの開放を最も嬉しがるか。離れたくないと思ってもらえる事は無いのだろうか。
明日が休みだからと、また約束を反故にした。ともやには有難迷惑だろう。
ともやの為を思うなら、今晩から、いやもう昨日から一人にするべきだった。
それができない。
私は自分が一番大切な子供のままだ。だからともやも私の我が儘に付き合ってくれる。子供の頃に我が儘を言えなかった人間が、今駄々をこねているから大目に見ようと。
ともやが私を愛する対象と見ないのは自分のせいだ。私の行いが原因なのはわかっている。
だが私が無理にでも求めなければ、ともやは離れるばかりだろう。
どうすればいいのかわからない。自分の欲望もどう抑えればいいのかわからない。
今のままでいい。今のままでもいい。
ともや、今のまま誰の事も見るな。あなたはせめて国の事を考えていてくれ。それは私の為だと思う事ができる。
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