終生飼育は原則ですから

被保護編 340年

340年2月1-3

　ファリオンとクリスティアナが結婚した。クリスはレイサスと結婚しないのか。クリスならと思っていた。
　ファリオンの選択は正しかったと思うけど、クリスはレイサスと結婚してほしかった。
　もちろん式には行けない。お祝いだけ贈った。ソファリスの手仕事の最高傑作と言える布にした。

　クリスはとても美しかっただろう。ファリオンも。
　新聞などで様子はわかる。いろいろ出版物が増えていてよかったよ。
　年末年始のパーティが盛り上がらず、という記事はあまり読みたくはなかった。

　新聞はグレスさんが持って来てくれた。他の商会の人たちも会いに来てくれる。
　イユリスについて教えてくれるけど、毎回レイサスのことも付け加えるのはやめてほしい。
　聞いてもどうしようもない。

　ニコラさんが作った味噌と醤油も持って来てくれた。
　味噌はまだ熟成させた方がいいし、醤油はずいぶんしょっぱかったけど、私が作ったのよりずっと醤油だった。
　大豆は作付けが伸びていて、ロユデでは豆乳と豆腐を売る店ができたそうだ。豆腐はおかずじゃなくてスイーツに使われているらしい。やっぱり醤油がないからね。

　ジャガイモを去年収穫はしたけど、今年はあの家庭菜園は放置だろうな。誰も手が回らない。
　イモも、今年種イモとして使うつもりだったからそのままだ。
　誰か使ってくれればいいけど。芽が出ちゃう。