27 / 97
光の勇者エリーの華麗なる戦闘術
しおりを挟む
周囲の地面に現れた無数の入り口から、数え切れないほどのモンスターたちが登ってくる。
ミノタウロスにドラゴン、巨大なスライムにレイスまで、様々な種類のモンスターたちだ。
その中の1匹、牙を生やした豚頭のモンスターが前に出てきた。
「見つけたぜえこの腐れ勇者め」
「光の勇者よ。豚はその程度も覚えられないの?」
「うるせえ! さんざん俺たちを殺して回りやがって!」
「てめえのせいで俺たちはダンジョン内に隠れているしかなかったんだ!」
「貴様を殺して、俺たちはやっと自由になれる!」
他のモンスターたちも同調して騒ぎはじめた。
どうやらよっぽど恨まれてるらしい。
「そんなの知らないわよ。出たいなら好きに出ればいいじゃない」
「お前のせいだろうが……!」
「貴様が俺たちの間でなんて呼ばれていたか知ってるか?」
「冷酷非道の悪魔。和解の可能性ゼロ。モンスターよりもモンスターらしい殺戮の勇者。歴史上最もモンスターを殺した大量殺人鬼。それが貴様だ!」
「殺人じゃないわよ。アンタたち人間じゃないんだから。せめて大量屠殺者とでも呼んでちょうだい」
「ふざけるな! そんなことはどうでもいい!」
モンスターたちがヒートアップする。
というか普通に話しているが、人語を解するモンスターはかなり知能が高い証だ。その分だけレベルも高い。
さっきの牙を生やした豚頭だっておそらくはハイオーク、あるいはより上位のオークキングだろう。
もしそうなら推定レベルは120。
そんなのが数え切れないほどの量で俺たちを取り囲んでいる。
しかも、地面に作られたダンジョンの入り口からは、今もモンスターたちが現れていた。
この様子ならまだまだ増えそうだ。
怜悧な顔のダンジョンマスターが静かに声を放つ。
「勇ましいのは結構だが、光の勇者の資格を失ったのだろう。これだけの数を相手にどうするつもりだ」
「雑魚は何匹集まったって雑魚のままでしょ」
「レベルも1になったそうだな」
「ちょうどいいハンデじゃない。アンタら倒してレベルアップの足しにしてあげるわ」
フフンと不敵な笑みを浮かべてエリーが言い返す。
その表情には僅かな怯えすらも見られなかった。
マジですごいな。
光の勇者の資格を剥奪されたのも、レベルが1になってしまったのも全部本当なのに、まったく臆する様子がない。
その余裕がどこからくるのかわからないが、俺も見習わないといけないな。
「あのエリーを八つ裂きにできる日が来るなんてなあ」
「弱体化したんだろ。嬲り殺しにしてやるぜ」
「おいおい、まじでレベルが1だぜ!」
どこかでそんな声が聞こえた。
どうやら「ステータス」を使えるモンスターがいたみたいだな。
「よっしゃあ! これまでの恨みを晴らしてやる! 行くぞ!!」
俺たちを囲むモンスターの一部が、集団となって襲いかかってきた。
その数はざっと見ても数十体。
それだけの数が同時に走り出したんだ。足音で大地が揺れ、土煙がもうもうと巻き上がる。まさに圧巻だった。
集団の暴力はそれだけで力となる。
まともに戦っても勝ち目はない。
なのに、その様子をエリーは笑みを浮かべたまま見ていた。
手を空へと掲げ、女神様から授かった神聖魔法を唱える。
「<神器装換>」
光が手のひらに集まっていく。
それを強く握りしめた。
「出でよ、聖剣エクスカリバー」
手の中の光が、光り輝く聖なる剣に変わった。
本来の<神器装換>は聖剣と聖盾、聖鎧を生み出す神聖魔法だが、今のエリーの魔力では聖剣しか生み出せないみたいだった。
もっとも、それだけで十分だ。
現れた聖剣を振り上げると、モンスターたちの群れに向けて構え──
「死ねやゴミどもおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!」
そのまま聖剣を投げつけた!
「「ギャアアアアアアアアアアッッッ!!!!」」
聖剣が群れをなぎ倒し、突き刺さった地面を中心に聖なる光の爆発を巻き起こした。
モンスターたちが紙切れのように吹き飛んでいく。
光の剣は悪しき者たちにとっては猛毒だ。
光に当たるだけでダメージを受けるし、かすり傷でもレベルが低ければ即死する。
そうでなくても対モンスター特攻の加護を受けているため、ダメージが数倍にもなるんだ。
さっきまでの勢いが消え、モンスターたちがうろたえはじめる。
「お、おい、勇者の資格を失ったんじゃなかったのかよ!」
「思いっきり聖剣召喚してるじゃねえか!」
「しかも投げてくるぞあいつ! 正気か!?」
「だが投げちまったらもう使えねえ。今がチャンスだ!」
はじめは混乱していたモンスターたちだが、逆にチャンスだと気が付いて立ち直りはじめる。
エリーは口元に笑みを浮かべたままだった。
「装換解除」
投げつけた聖剣が消滅する。
そして空に向けて手を掲げた。
「<神器装換>聖剣エクスカリバー」
その手に光り輝く聖剣が再び現れた。
「……は?」
「死ねやおらあああああああああっっっ!!!!」
「「ギャアアアアアアアアアア!?」」
襲い掛かろうとしていたモンスターたちのど真ん中に再び聖剣を投擲した。
ゴミのように吹き散らされるモンスターたち。
なんだか哀れみすら感じるな。
「……ちっ。二本が限界みたいね」
エリーが舌打ちをすると、荷物の中から赤いポーションを取り出した。
魔法の使用には魔力を消費する。その魔力を回復させるポーションだ。
それを一気飲みすると、空になった容器を投げ捨てる。
「さて、いくわよ」
ニィッと口の端を吊り上げる。
「装換解除。<神器装換>聖剣エクスカリバー!!」
「ま、まて、やめろ! 俺たちはまだなにも……」
「言い訳ならあの世でしやがれえええええええええ!!!!!」
「「ギャアアアアアアアアアアッッッ!!!!」」
三度聖剣が投擲され、モンスターたちが風に舞う木の葉のように吹き飛んでいく。
「なんなんだあいつ、めちゃくちゃだ! 本当に勇者なのか!?」
「だが勇者の資格は剥奪されたって……」
「そりゃそうだ、あんなの人間じゃねえ。化け物だ!」
モンスターにまで化け物扱いされているエリーさん。
ついさっきまで数え切れないほどいたモンスターたちも、今では半分ほどに減っていた。
その残った半分も戦意を喪失している。実質的には壊滅だった。
「ヤッパリあいつ脳筋じゃなイカ」
パンドラの呆れる声が聞こえた。
「くそっ、せめてこっちの人間だけでも……!」
オークキングと思われるモンスターが、巨大な斧を俺に向けて振り下ろしてくる。
しかし。
──ギィン!
俺の届く前に空中で火花が散り、オークキングの斧が弾き返された。
「な、なんだ!?」
「あー悪いな。俺の周囲には魔剣グラムの力を展開してるんだ。その程度の攻撃なら届かないよ」
「豚ごときが我に勝てるわけないダロウ!」
パンドラが勝ち誇る。
なんか口調がエリーに毒されてないか?
「もういい。下がれ」
怜悧な声が響き、モンスターたちの動きが止まる。
声の中心にいたのはあのダンジョンマスターだった。
いよいよボスのお出ましってわけだな。
ミノタウロスにドラゴン、巨大なスライムにレイスまで、様々な種類のモンスターたちだ。
その中の1匹、牙を生やした豚頭のモンスターが前に出てきた。
「見つけたぜえこの腐れ勇者め」
「光の勇者よ。豚はその程度も覚えられないの?」
「うるせえ! さんざん俺たちを殺して回りやがって!」
「てめえのせいで俺たちはダンジョン内に隠れているしかなかったんだ!」
「貴様を殺して、俺たちはやっと自由になれる!」
他のモンスターたちも同調して騒ぎはじめた。
どうやらよっぽど恨まれてるらしい。
「そんなの知らないわよ。出たいなら好きに出ればいいじゃない」
「お前のせいだろうが……!」
「貴様が俺たちの間でなんて呼ばれていたか知ってるか?」
「冷酷非道の悪魔。和解の可能性ゼロ。モンスターよりもモンスターらしい殺戮の勇者。歴史上最もモンスターを殺した大量殺人鬼。それが貴様だ!」
「殺人じゃないわよ。アンタたち人間じゃないんだから。せめて大量屠殺者とでも呼んでちょうだい」
「ふざけるな! そんなことはどうでもいい!」
モンスターたちがヒートアップする。
というか普通に話しているが、人語を解するモンスターはかなり知能が高い証だ。その分だけレベルも高い。
さっきの牙を生やした豚頭だっておそらくはハイオーク、あるいはより上位のオークキングだろう。
もしそうなら推定レベルは120。
そんなのが数え切れないほどの量で俺たちを取り囲んでいる。
しかも、地面に作られたダンジョンの入り口からは、今もモンスターたちが現れていた。
この様子ならまだまだ増えそうだ。
怜悧な顔のダンジョンマスターが静かに声を放つ。
「勇ましいのは結構だが、光の勇者の資格を失ったのだろう。これだけの数を相手にどうするつもりだ」
「雑魚は何匹集まったって雑魚のままでしょ」
「レベルも1になったそうだな」
「ちょうどいいハンデじゃない。アンタら倒してレベルアップの足しにしてあげるわ」
フフンと不敵な笑みを浮かべてエリーが言い返す。
その表情には僅かな怯えすらも見られなかった。
マジですごいな。
光の勇者の資格を剥奪されたのも、レベルが1になってしまったのも全部本当なのに、まったく臆する様子がない。
その余裕がどこからくるのかわからないが、俺も見習わないといけないな。
「あのエリーを八つ裂きにできる日が来るなんてなあ」
「弱体化したんだろ。嬲り殺しにしてやるぜ」
「おいおい、まじでレベルが1だぜ!」
どこかでそんな声が聞こえた。
どうやら「ステータス」を使えるモンスターがいたみたいだな。
「よっしゃあ! これまでの恨みを晴らしてやる! 行くぞ!!」
俺たちを囲むモンスターの一部が、集団となって襲いかかってきた。
その数はざっと見ても数十体。
それだけの数が同時に走り出したんだ。足音で大地が揺れ、土煙がもうもうと巻き上がる。まさに圧巻だった。
集団の暴力はそれだけで力となる。
まともに戦っても勝ち目はない。
なのに、その様子をエリーは笑みを浮かべたまま見ていた。
手を空へと掲げ、女神様から授かった神聖魔法を唱える。
「<神器装換>」
光が手のひらに集まっていく。
それを強く握りしめた。
「出でよ、聖剣エクスカリバー」
手の中の光が、光り輝く聖なる剣に変わった。
本来の<神器装換>は聖剣と聖盾、聖鎧を生み出す神聖魔法だが、今のエリーの魔力では聖剣しか生み出せないみたいだった。
もっとも、それだけで十分だ。
現れた聖剣を振り上げると、モンスターたちの群れに向けて構え──
「死ねやゴミどもおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!」
そのまま聖剣を投げつけた!
「「ギャアアアアアアアアアアッッッ!!!!」」
聖剣が群れをなぎ倒し、突き刺さった地面を中心に聖なる光の爆発を巻き起こした。
モンスターたちが紙切れのように吹き飛んでいく。
光の剣は悪しき者たちにとっては猛毒だ。
光に当たるだけでダメージを受けるし、かすり傷でもレベルが低ければ即死する。
そうでなくても対モンスター特攻の加護を受けているため、ダメージが数倍にもなるんだ。
さっきまでの勢いが消え、モンスターたちがうろたえはじめる。
「お、おい、勇者の資格を失ったんじゃなかったのかよ!」
「思いっきり聖剣召喚してるじゃねえか!」
「しかも投げてくるぞあいつ! 正気か!?」
「だが投げちまったらもう使えねえ。今がチャンスだ!」
はじめは混乱していたモンスターたちだが、逆にチャンスだと気が付いて立ち直りはじめる。
エリーは口元に笑みを浮かべたままだった。
「装換解除」
投げつけた聖剣が消滅する。
そして空に向けて手を掲げた。
「<神器装換>聖剣エクスカリバー」
その手に光り輝く聖剣が再び現れた。
「……は?」
「死ねやおらあああああああああっっっ!!!!」
「「ギャアアアアアアアアアア!?」」
襲い掛かろうとしていたモンスターたちのど真ん中に再び聖剣を投擲した。
ゴミのように吹き散らされるモンスターたち。
なんだか哀れみすら感じるな。
「……ちっ。二本が限界みたいね」
エリーが舌打ちをすると、荷物の中から赤いポーションを取り出した。
魔法の使用には魔力を消費する。その魔力を回復させるポーションだ。
それを一気飲みすると、空になった容器を投げ捨てる。
「さて、いくわよ」
ニィッと口の端を吊り上げる。
「装換解除。<神器装換>聖剣エクスカリバー!!」
「ま、まて、やめろ! 俺たちはまだなにも……」
「言い訳ならあの世でしやがれえええええええええ!!!!!」
「「ギャアアアアアアアアアアッッッ!!!!」」
三度聖剣が投擲され、モンスターたちが風に舞う木の葉のように吹き飛んでいく。
「なんなんだあいつ、めちゃくちゃだ! 本当に勇者なのか!?」
「だが勇者の資格は剥奪されたって……」
「そりゃそうだ、あんなの人間じゃねえ。化け物だ!」
モンスターにまで化け物扱いされているエリーさん。
ついさっきまで数え切れないほどいたモンスターたちも、今では半分ほどに減っていた。
その残った半分も戦意を喪失している。実質的には壊滅だった。
「ヤッパリあいつ脳筋じゃなイカ」
パンドラの呆れる声が聞こえた。
「くそっ、せめてこっちの人間だけでも……!」
オークキングと思われるモンスターが、巨大な斧を俺に向けて振り下ろしてくる。
しかし。
──ギィン!
俺の届く前に空中で火花が散り、オークキングの斧が弾き返された。
「な、なんだ!?」
「あー悪いな。俺の周囲には魔剣グラムの力を展開してるんだ。その程度の攻撃なら届かないよ」
「豚ごときが我に勝てるわけないダロウ!」
パンドラが勝ち誇る。
なんか口調がエリーに毒されてないか?
「もういい。下がれ」
怜悧な声が響き、モンスターたちの動きが止まる。
声の中心にいたのはあのダンジョンマスターだった。
いよいよボスのお出ましってわけだな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる