逍遙の殺人鬼

こあら

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手を引かれて私の部屋らしき所に案内する
そこはジャンさんが組み立ててくれたベッドがある部屋で、今日からここが私の部屋になるらしい
木の良い香りが私の心を落ち着かせてくれる

「わーベッドだー」と子供の様にはしゃぐ臼田うすたさん
自分の部屋にもベッドはあるのにそんなに嬉しそうにするもんだから、思わずクスッと笑ってしまった

「ちさちゃんにぴったりのベッドだね。ふかふかーー」

臼田うすたさんのベッドの方が柔らかいですよ」

ベッドの上を跳ねる様に柔らかさをチェックする彼は20歳とは思えないほど楽しそうだ
「さあ、おいでー」といつぞやと同じ様に両手を広げてくる
恥ずかしさが残るものの、失礼します…と彼の前に浅く座った









距離を取って座るがほとんど無意味だ
ちゃんと座れてないばかりか、追い討ちをかける様に後ろから引き寄せられ簡単に距離を埋めてくる
「はぁ~」とため息なんかついて、私の肩に顔を埋めてくる
どうすればいいかなんてわからなくて、彼の茶色く染まった髪を撫でてみる

それはベッドよりふわふわでシャンプーの香りがほんのりしている
クセになる柔らかさは私なんかの髪の毛とは違って、くどく無い髪質だ

撫で続ける私に弱々しく、「ねぇ……」と恐る恐る口を開く

「キス……してもいい?」

「っえ!?んな、何を…」

軽くパニックだ
そんなねだる様な声色で言われても困る
ダメですよと言っても「お願いーー」と、全く引くつもりが無い
何故そうも駄々をこねるのか……

「ジャンとはしたのに……」

「あれはっ!ジャンさんが勝手に、」

お店でのことを言ってるんだ、きっと
そんなこと言われても、あれは合意のキスじゃ無い
いきなり向こうから強制的にして来ただけだ…
なのに……そんなこと言われても困る……

「私から、したわけじゃ……」

どうして私は臼田うすたさんに弁解しているんだろうか?
別に悪いことしたわけじゃ無いのに……
なんでこんなに焦ったりしてんだろう

それでも懇願してくる臼田うすたさんに負け、1回だけなら……と私が折れた
それで気が済むならいいか…と思ってると「こっち向いて」と身体の向きを変えようとしてくる
彼の顔が見え向き合う体勢になり、座っている臼田うすたさんを見下ろす様に下を見る

今まで見上げて見ていた顔を上から見るのはなんだか慣れなかった
少し湿った前髪の間からチラチラ見える瞳が私の鼓動を早くさせてくる
一瞬…すぐ終わる、ちょっとつけて離れるだけ

「ちさちゃん…」そう言って下を向く私の口めがけて、顔を少し傾けながら近づいてくる
思わず目を瞑り終わるのを待つ

だけど少し触れてすぐ離れるということはなく、唇の感触を確かめるみたいに角度を変えて何度も口付けをしてくる
彼の熱を移すみたいな感覚に瞑ったまぶたを開け、彼から離れようとした
だけどそれを阻むように手を引っ張られ、首裏を掴むと下からではなく真っ直ぐにキスをしなおしてくる

彼との距離が縮まり首裏を掴む手をそのまま滑らせ、両手で頬を包み込んでくる
獲物を逃さないように捕らえた手は優しく、けどしっかりと捕まえている

離れない彼の唇に呼吸ができなくなり「っんは」と拙い吐息を漏らす
それに反応したのか、頬にあった手はその場を離れ背中と腰に触れ、そのままベッドへと促される
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