ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第二十五話 「恋の対決!真莉亜VSクリス!」

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ホー、ホー、ホー。
ふくろうさん、うるさいです。私がねているのを、じゃましないでください。
それより、寒いなぁ~。
私の足に、風がただよってきます。
夏の夜は、逆に寒いです。
ゔう。こりゃ、こらえなきゃ。
ん?なんか、もじもじしてくっぞ。
もしかして、まさか、おしっこ?
けれど、夜中のトイレ、こわいから・・・・・・。

「あのう、リリアさーん。トイレ、ついてきてくださいな。」

小声で言うと、リリアさんは、ふとんの中から。

「自分で行きなさい。」

もう、冷たいなぁ。

「だって、花子さんとか、いるそうじゃないですか、この家。」

「バッカねぇ。花子さんは、ドアの前で「花子さーん。」と言ったら、「はーい。」と、返事するの。そ、れ、が、花子さんって言うの。」

そうでした・・・・・・。ま、えんりょせず、ついてきてください。

「もー。幼児じゃないから、今日は特別よ。」

そう言いながら、リリアさんがふとんの中から、出てきた。
そうして、私達はドアを閉めた。

「まってくださいね、ここで。」

「はいはい、わかったわ。」

リリアさんが、あきれそうに、言って、私はトイレのドアを閉めた。

「ふぁ~、ねむい・・・・・・。」

リリアさんの声が、ろうかに響く。
そして、トイレの中に響く。
ジャー。
ガチャ。

「すみません。わざわざついてきてもらって。」

「いいのよ。さ、部屋に戻りましょ。」

と、リリアさんが笑顔になった時。

「ニャー、ニャー、ニャー!」

ん?今の声、ジュンブライトの声だ!

「向こうから聞こえるわ。行きましょう!」

はいっ。
私達は、ろうかの向こうへと向かって走った。

「ニャー、ニャー、ニャー!」

「ジュンブライト、何があったの!?」

リリアさんがさけんだ。
あれ?リリアさん、ジュンブライトじゃ、ありませんよ。

「ほ、本当だわ。」

リリアさんが、ほっとした。
けれど、二つの黒い影があって、左の方は、おじいさんで、右の方は、女の子。
ま・・・・・・まさかっ。

「ニャー。」

二つの影が、私達の方を向いた。
あー!

「ルクト、マドレーヌ!」

二人の頭の上には、ねこの耳があって、二人の目は猫目になっていて、しっぽもはえている・・・・・・ってことは。
二人とも、まさか、『猫薬』を、かけられたの!?

「そ。そうゆうこと。」

ろうかから、声が聞こえて、足音がだんだん、近づいてくる。
そうして、女の子が、私の前に現れた。

「クリスさんっ。」 「クリス!」

まさか、またあやつろうとしてるの?

「そう。あたしとジュンブライト様の、家来にね。ねー、ジュンブライト様♡」

「ニャー!」

家来?

「あたしとジュンブライト様、猫族の姫と王子になるのよっ!」

と、クリスさんはどなった。

「クリス!ジュンブライトは、ヴァンパイア界の王子よっ。」

リリアさんがどなると、クリスさんは、口をとんがらせた。

「残念ね。もう、ジュンブライト様は、あたしのものなんだよーだ!」

クリスさんが、私達の方に向かって、あっかんべーをした。
そんなぁ~。

「ねぇ、ジュンブライト。私とは、別れないよね?」

私が聞くと、ジュンブライトは首をふった。
そうだよね。ジュンブライトは、他人の言うことは、聞かないもん。
すると、クリスさんは、手をパンとたたいた。

「そうだわ!しつじも、必要だったわ~!んっと、誰にしよっかなぁ~?あっ、春間真莉亜にしよう!」

私が、しつじぃ~?

「だってぇ、ジュンブライト様のおそばに、おりたいんでしょ?」

そりゃ、そうだけど。

「ルクトじじい、マドレーヌちゃん。こいつの体、おさえて!」

クリスさんの言う通りに、二人は私の体をがしっとおさえた。
ちょ、ちょ!なにするの!?
そうして、ジュンブライトは、小さいビンを、私の上で、ふたを開けた。
ま、まさか!

「ジュンブライト様。早くこの人間に、『猫薬』をかけてくださいな♪」

「かしこまりましたニャー!」

わわわわ!ジュンブライト、やめて!

「真莉亜!」

リリアさん、危ない!
ポチャ。
むらさき色の液体が、リリアさんの頭の上に降った。
・・・・・・全然、効果なし。それを見たクリスさんは、目が点。

「どっ、どっ、どうして、あんた、猫にならないのよ!」

「この『猫薬』は、人間とヴァンパイアだけ、効果あり。しかし、ヴァンパイアキャットの私には、効かないのよっ。」

「あー!そうだったぁ~!」

クリスさんはたちまち、黒い猫になった。
それよりリリアさん、なぜそのことが、わかったんですか?

「今から50年前のことよ。あるヴァンパイア界の科学者が、『猫薬』を開発して、普通のヴァンパイアとヴァンパイアキャットに、薬をかけたら、どうなるかっていう実験を行ったのよ。結果、ヴァンパイアはねこになって、ヴァンパイアキャットは変わらないと、なったのよ。」

へぇー。

「ええい!そんなことはいいから!ジュンブライト様、早くかけてくださいニャー!」

ところが、ジュンブライトはかたまって、立ちどまったまま。

「ジュンブライト様!」

クリスさんがさけんだその時。
ジュンブライトの耳がなくなって、目も変わって、たちまち、猫じゃなくなっていく。

「う・・・・・・う~ん。・・・・・・って、なんじゃこりゃ!」

「ジュンブライト!」

私は、ジュンブライトに、だきついた。
よかったぁ~、もどって!

「わたくし達、何をしてたんでしょう?」

「さぁ。」

ルクトさんも、マドレーヌちゃんも、戻ってる~!

「ど、どうなっているニャー!?」

クリスさんは、猫娘にボンっと変身した。
その姿を見て、ジュンブライトは。

「てめぇ、誰だ?」

その発言で、クリスさん、ア然。

「覚えてないの!?ほら、18歳の時、出会った・・・・・・。」

「あぁ。あの、黒猫かぁ~。猫娘だったのか、お前が。」

そう言って、ジュンブライトは、私の手をぎゅっとにぎって、走った。
それにつられて、マドレーヌちゃん達も走る。

「ちょっと~、どこ行くんですかぁ~!」

「帰る!」

ちょ、ちょ、速いよぉ~!





うわぁ。東京の夜明け、初めて見る~!
こんなにきれいな空だったなんて、真莉亜、感激~!

「で、真莉亜。」

ん?どうしたの?

「俺とお前が会ってから、お前、人見知り、なくなったな!」

その後、ジュンブライトは私の方に向かって、にかっと笑った。

「確かに。そうかも。」

「だろ?」

私、ジュンブライトに会えて、一年経って、こんなに変わってたんだ。
ありがとう、ジュンブライト。
私がジュンブライトのほっぺにキスすると、ジュンブライトの顔はまるで、やかんのようにまっかっか。

「ちょちょちょちょー!お前がキスしたら、下に落ちるぞー!アホ!」

アホじゃありませーん!
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