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第1章

第二話 「真莉亜、子作り宣言?」

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結婚して、2日が経ちました。
ヴァンパイア界での生活は、もう慣れました。
お城の人は優しいし、それに、ジュンブライトとすごす時間が、前よりずっと、長くなってるし。
もう、しあわせな毎日です♡
ところで、私は最近、欲しいものがあります。
それは、私とジュンブライトの子供。
早くつくりたいなぁ~。
もし、子供ができたら・・・・・・。
 
〈真莉亜の妄想〉
 
「『う、う~!』」
 
「『は~い、ミルクでちゅねぇ~。』」
 
「『んく、んく・・・・・・。』」
 
「『ふっ、おいしそうに飲んでらぁ。』。」
 
「『よーし、お父ちゃまが、体を洗いまちゅよぉ~。』」
 
「『う、う~!』」
 
〈真莉亜の妄想 終わり〉
 
ウヒヒヒヒ♡
 
「お妃様、なにを考えているのでしょう。」
 
「さあ~。」
 
ん?あの、ロンゲは・・・・・・。
 
「ジュンブライト!」
 
私はジュンブライトのところにやって来た。
 
「お、真莉亜。どうしたんだ?」
 
あ、あのね・・・・・・。
私は体をもじもじさせた。
 
「ん?なんだ、トイレに行きたいのか?」
 
ちがうちがう!
 
「じゃあ、なんなんだよぉ。」
 
「実はね、欲しいものがあってぇ。」
 
「欲しいもの?」
 
うん。
 
「・・・・・・あなたと私の子供。」
 
「え・・・・・・。」
 
うふふふふ。驚いてる。
 
「私ね、国民の子供を見るたび、子供が欲しくなったんだ。ねぇ、一緒に子供、つくろっ。」
 
「・・・・・・。」
 
ねぇ、ねぇ、ねぇ!
ジュンブライトは、くるりと後ろを振り向いた。
 
「・・・・・・ごめん。今はそれどころじゃないんだ。」
 
えぇっ!?そ、そんなぁ~。なんでよぉ!
 
「だってお前、16だろ?子供をつくるのはまだ早い!」
 
そ、そんなこと言わないでさ、つくろっ。
 
「やだっつってんだよ!」
 
えっ・・・・・・そんなぁ~。
 
「いいか!子供をつくるってことはなぁ、そんなに簡単にいいよって言うもんじゃねぇぞ!わかったか!」
 
あーあ。怒ってどっか行っちゃった。
私、ジュンブライトを怒らせてしまった・・・・・・。
 
 

 
「へえー。真莉亜ちゃん、子供が欲しくなったのね。」
 
リナンさんは、紅茶を飲んだ。
はい。
 
「しかも16歳でよ、16歳で!すごすぎない!?」
 
まぁ、そこまですごいって言うほどじゃないですけど。
リナンさん、ルルアちゃんが生まれたころの話を教えてください。
 
「わかったわ。ルルアができた時、とてもうれしかったわ。ソアンくんは驚きすぎて、階段から落っこちて、2週間、入院したのよ。そして、何カ月か経って、ルルアが産まれた。産む時、すっごく痛かったのよ!まるで、鼻からすいかが出たみたいに!」
 
よく聞きますね、それ!
 
「でしょ?だから・・・・・・。」
 
リナンさんは、私の両手をぎゅっとにぎった。
 
「子供が産まれたら、私にだかせてねっ。」
 
リナンさん・・・・・・。
はいっ!約束しますっ!
 
「うふふふふ。」
 
リナンさんは、優しくほほえんだ。
 
 

 
夕食の時間。
ご飯はどんな料理かって?
それはもちろん、人間界の料理♪
理由はもちろん、私がヴァンパイア界の料理を食べられないので、ヒアン様が提案したんですっ。
ヒアン様、やっさし~い♡
 
「このからあげ、おいしいですぅ~!」
 
「ピーマンも食べるのよ。」
 
「・・・・・・はーい。」
 
「ガブ!ガブ!ズー!」
 
「王子!おぎょうぎよく、してください!」
 
「うっせー!ズー、ズー!」
 
「ジュンブライト!ルクトの言う事を聞きなさいっ!」
 
「・・・・・・はーい。」
 
「ん~、このカルボナーラっていうやつ、おいしいねっ。」
 
でしょでしょ?
 
「ところで、最近、孫が欲しくなってなぁ。」
 
キタ―!
 
「兄さん、そう思い始めたんだな。」
 
「あぁ。ジュンブライト、子供を作る気、あるのかい?」
 
「う~ん・・・・・・。」
 
さぁ、答えは・・・・・・。
 
「ない。」
 
えっ!?
 
「えっ!?」
 
さすがのヒアン様も、びっくりですっ!
 
「なんでだ!子供をつくらなければ、お前の跡継ぎだって、誰もおらんぞ!」
 
「・・・・・・別に。」
 
「沢尻エリカかっ!」
 
「真莉亜は16だしぃ。まだガキンチョだしぃ。子供をつくるのは、4年後・・・・・・かなぁ?」
 
「4年後!?そんなの、おそすぎる!はぁ、4年後だったら私は、生きているのかのう。」
 
「兄さん、落ち着いて。」
 
「ジュンブライト!」
 
私は、スッと立ち上がって、バン!とテーブルをたたいた。
 
「な―にマイペースぶってんのよぉ!子供はいつでもつくっていいんだよ!?それなのに、4年後だとぉ!?ふざけないで!いい?私の気持ちは、今すぐにでも子供をつくりたいの!4年後なんて、ありえなーい!4年後だったらあんたはいくつ?38だよ、38!もう、30代のおっちゃんの後半だよ!?わかる!?」
 
「ちょっと真莉亜、落ち着いて・・・・・・。」
 
「もうまてない!いくらなんでも、私は何回も言うからねっ!子供つくりたい!子供つくりたい!子供つくりたい!子供つくりたい!子供つくりたい!子供つくりたい!子供つくりたい!子供つくりたい!子供つくりたい!子供つくりた―・・・・・・。」
 
「あーもー!うっせぇんだよぉ!」
 
ジュンブライトの叫び声で、食卓がしーんと静まり返った。
 
「はぁ、はぁ、はぁ。わがままもほどほどにしろよな。そんなわがまま言っても、俺には勝てねぇんだよ!ああん?」
 
「お、王子・・・・・・。」
 
「ごちそう様。風呂入る。」
 
ジュンブライトは、怪獣のように、ドッスンドッスンと足音を立て、行っちゃった。
 
「そんなに子供をつくるのがいやなのかぁ。」
 
「養子でももらいましょう。」
 
「いや!ちゃんとした子供がいい!」
 
「真莉亜・・・・・・。」
 
「ちゃんと産んで、ちゃんと子供を育てたいの!ごちそう様でしたっ!」
 
私もドッスンドッスンと足音を立てながら行った。
 
「・・・・・・こまったわねぇ。」
 
「えぇ。」
 
「今日の真莉亜様、王子みたいです・・・・・・。」
 
 

 
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