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第1章

第五十話 「ガオンくん、ウルフ一郎さんとお留守番する」

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「ガオーン、今日はなにして遊ぶぅ?つみき?それとも、絵本?」

「う、う~!」

つみきだな。よし、これで遊ぼう!

「あい、あい!」

ガオーン、見てくれよぉ。
しかくいつみきとぉ、さんかくのつみきを合わせてぇ、ほらできた!ガオンのおうちでちゅよぉ~。

「ゔ!」

え~?なにが気にくわねぇんだよぉ。

「う、う!」

お、ハイハイしてる!あとをつかないと!

「う、う~!」

ん?なんだ?
げっ、ロンゲヤローのお城!
あれをつくれってのか!

「あい、あい!」

こりゃあ、難易度が高いが……ま、かわいい息子のためだしな。つくるとすっか!
俺様は、スマホで写真を撮って、つみきが入った箱を一箱バァーと出して、つみきを組み立てた。
よし!できた!
ガオーン、バカで自分勝手で超ーウゼー大王様の、お城でちゅよ~ん。

「う、う~!」

ガオンは喜んでいる。よかった。
グゥ~。
ゔぅ、そろそろ、昼飯にすっか。

「えい、えい!」

あー!ガオン!せっかくつくったお城を、壊すんじゃない!


                             ☆


えっとぉ、昼飯昼飯……今日は、焼きそばをつくろっ。
俺様は、キャベツを取った。
ん?なんだこれ。
お……おぉ!
こここここここここここここれは、ネルのメッセージ付き焼きそば!

『ウルフ一郎へ 今日のお昼ご飯、つくっておいたから、食べてねっ。愛してる♡愛しの妻ネルより』

(愛してる、愛してる、愛してる……。愛しの妻ネルより、愛しの妻ネルより、愛しの妻ネルより……。)

うっひょー!これは、食べずにはいられない!
チーン。
ズー。
ゔぅ、結婚して、よかったー。
俺様は、滝のように涙を流しながら、愛情たっぷりの焼きそばを食べた。


                                ☆


そして、夕方。
ガチャッ。

「ただいまぁ~。」

お帰り、ネル。

「ガオーン、いい子にちてまちたか~?」

「う、う~!」

「うふふ。」

ネルはガオンをだっこした。

「今日はお前に、おみやげを買って来たよーん。」

「う、う~!」

ネルが、大きな四角い箱を、パカッと開けると……。
ん?これ、くつじゃねぇか!

「あぁ。これから、歩けるようになる時期だろ?だから早めに、買っておこっかなぁ~?と思って。」

思いやりのネルもステキだぁ~♡

「う、う~!」

「ふっ、子供の成長が、だんだん、楽しみになってきたな。」

「あぁ。」

子供の成長って、早ぇーなぁ。
一生、見守っとくか。

「う、う~!」

「うふふふふ。」

「フハハハハハ!」
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