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第1章

第五十二話 「ハッラハラドッキドキのキャンプ!」

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こんにちは。春間真莉亜です。
今日はみんなで、キャンプに来ています。

「ゔぅ。」

「ん?どーしたの?ネル。具合悪そーな顔をして。」

「……せーりになった。」

「あらぁ。ナプキン、持って来てる?」

「あぁ。けど、捨てる箱がなくて、こまってるんだ。」

「仕方ないでしょ?山の中だから。ビニール袋に入れときなさい。」

「おう……。」

ネルさん、とても残念そうな顔をしてる。

「おい、テンパヤロー!さぼってねぇで、テントを張れっ。」

「だまれオオカミヤロー!俺はつかれてんの!だから働かなーい。」

「んだとぉ?」

ジュンブライト、わがままモードに入ってます。

「ニャニャニャーン♪」

「お姉ちゃん、お魚とれたら、焼き魚にしよっ。」

「お、いいねぇ、それ!」

「あと、塩をふって食べるとか!」

「ソラ、ナイスアイディーア!」

猫娘三人組は、猫顔になって、魚を釣っています。

「くおうら、お前ら!魚なんか釣ってないで、こっち手伝わんかい!」

「真莉亜~、一緒にバーベキューの準備しよ~。」

うん、わかった!
えっとぉ、お皿を14枚、出してっと!
よし、これでOK!

「お母さーん、電波が届かないよぉ。」

明日までがまんしなさい。

「いやだ!明日までまてないー!」

もう、足をじたばたさせて。幼稚園児かっ。
じゃあ、もう山に降りなさい。

「あ、やっぱりがまんするぅ!」

よし、それでいい。
トン、トン、トン。

「ウルフ一郎、これでいい?」

「ん?まだまだだぁ!肉の厚さをよーく見ろぉ!ほら、こんなにぺらっぺらじゃねぇか!この通りに切れっ。はい、もう一回っ!」

「あ、厚すぎるだろ、こりゃあ!」

「ウルフ一郎お兄様、ピーマンはこれでいいですか?」

「ん?」

ドキッ、ドキッ、ドキッ。

「よし、それでいい。続けろ。」

「やったぁですぅ~!」

「マドレーヌちゃんだけには優しいの!?」

ザッ、ザッ、ザッ。
ジュー、ジュー。

「あー!ちょっとまったぁ、ルクトぉ~!」

「はい?」

「はい?じゃねぇ!やきそばの具、ポロポロ落としすぎだろぉ!」

「だ、だって、よくあることですしぃ……。」

「よくあることじゃねぇ!これは、失敗につながってるんだ!ポロポロ落とさねぇように、ちゃんとひっくり返せぇ!ほら、こんな風に!」

「うわ、お上手ですねぇ。お厳しいながら、いいアドバイス、ありがとうございます。」

「テレサ~、お魚、釣って来たよぉ~。」

「みんなで焼いて食べよぉ~。」

「ちょっとまったぁ!」

「はぁ?」

ウルフ一郎さんは、クリスさん達が釣ってきた魚を、じーっと見つめた。

「これは、いら~ん!」

「え~!?」

「ちょっとぉ、なにすんのよぉ!せっかくあたし達が釣ってきた魚を、投げるなんて!」

「そうよそうよ!」

「そのお魚、ひくっ、私が釣った魚……。」

「さっき投げた魚は、食べられねぇの!食べたらお前ら、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ~!」

「えー?そんなぁ。」

ウルフ一郎さんの厳しい料理教室が終わって、私達はバーベキューをし始めましたぁ。
ん~、この肉、おいひ~!

「真莉亜ちゅわ~ん♡まだまだいっぱいあるから、たっくさん食べてね~ん♡」

ありがとうございますっ。

「おい、その肉、くれ。」

「俺にも~。」

「あ、ちょっとお前ら!勝手に取んなっ!」

「ネル、大丈夫?」

「あぁ。ちょっと、お腹痛い。」

「生理痛の薬、やろっか?」

「いい。ありがとう。」

そして、バーベキューが終わって、私達はテレサさんの前に集まった。

「みんな注目~。これから、夕飯のカレー作りの係を決めるよぉ~。まず、野菜を切る係は、真莉亜、紅葉、クリスね。」

「はいっ。」

「えぇ!」

「で、ごはん係は、ギロ、ジュンブライト。」

「おう!」

「テレサ先輩、まかせてくださいっ。」

「で、お肉を切る係は、マドレーヌちゃん、ルクトさんね。」

「はい!」

「おまかせください。」

「で、炒める係は、リリア、一人でまかせても、大丈夫かい?」

「えぇ。大丈夫よ。」

「よろしい。で、まきに火を付ける係は、道華、アキ、ソラ、あたしね。」

「うわ~い!」

「一緒だぁ~!」

「私、火を付けるの、こわ~い。」

「大丈夫。あたしがついてるからさ!最後、まきを拾ってくる係は……ネルと、ウルフ一郎ね。」

「はぁ!?」

「じゃあ、それぞれ準備し始めてぇ~。」

「ちょっとまったぁ、テレサ!」

「ん?どーしたんだい、ウルフ一郎。」

「なんでこのバカ女と、まきを拾いに行かなくちゃならねぇんだよ!」

「そうだそうだ!なんでこの変態オオカミと、まきを拾いに行かなくちゃならねぇんだよぉ!」

「そうだそうだぁ!」

「一緒にするの反対!」

「一緒にするの反対!」

「係を返ろ!」

「係を返ろ!」

二人とも、デモの反対運動団体にみたいになってる……。

「だーめ。ウルフ一郎は料理になると、すっごくうるさいし、ネルは体調が悪いから、決めたんだ。」

「そ、そんなぁ~。」

「さ、さっさと始めろ~。夕方になっちまうぞぉ~。」

「はーい。」


                                   ☆


ちっくしょ~。
なんでこいつと、まき拾いになるんだよぉ。
できれば、ジュンブライト様と、一緒にまき拾いたかったぁ~。

(くっそぉ~!なんでこいつと、まき拾いをしなきゃいけねぇんだよぉ!できれば、真莉亜ちゃんと一緒にまき拾いたかったぁ~。)

考えていることが、同じである。

「おい、クソ女。ちゃんと着いて来てるかぁ~?」

うっせぇ。お前に言われたくねぇ。

「んだとぉ?」

「やんのかオラァ!」

「……ここでけんかしたら、日が暮れっちまう。さっさと拾って、帰ろうぜ。」

おう。火を付けるちびっ子どもが、まちくたびれるからなぁ。
ん?おい、この木を切ったらどーだ?

「はぁ?お前、なに言ってんの?この木を切ったら、かごの中に入らねぇっつーの。」

やってみなきゃ、わかんねぇだろ?
でいりゃあー!
スパッ!
ふぅ。これでいい。

「お、おい!人のこと、考えて……。」

ドッシーン!
ウルフ一郎は、大きな木の下敷きになった。
お、おい!大丈夫か?

「大丈夫じゃねぇっつーの!バカか、お前はぁ!」

バカとは失礼だなぁ!

「あー、もう!さっさとこの木をどかせ!」

ちっ、えらそーに言いやがって!


                            ☆


あたし達は、まきを拾い始めた。

「これはいいかな?」

「ん?いいだろ。さ、かごの中に入れろ。」

おう。
あたしは、まきを、やつが背負っているかごの中に入れた。

「よし、これで全部か?」

あぁ。もう帰ろう。

「おう。」

と、あたし達が帰ろうとした、その時。
ポツ、ポツ、ポツ。
ん?雨か?

「あ、ほんとだ。雨だ。」

ザー、ザー!
うわ!ひどくなってきたぁ!

「あ、あそこのほら穴で、雨宿りしよーぜ!」

あぁ!
あたし達は、ほら穴を目指して走った。


                             ☆
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