上 下
170 / 170
第1章

第六十六話 「新たなる未来へ!」

しおりを挟む
                  ー2ヵ月後ー

「お母しゃ~ん!」

ん?な~に?道華。

「あのね、道華ね、お花、摘んで来たの!」

うわぁ~。きれいなお花だね~。

「これ、お母しゃんにあげる~!」

えっ!?いいの!?

「うん!」

ありがと~、道華ぁ~!お母しゃん、うれし~い!

「えへへへへ。」


                            ☆


「ガオーン、あたしはぁ?」

「お母しゃん、お母しゃん。」

「ガオーン、俺様達は~?」

「おじしゃん、おじしゃん。」

「ガオーン、あたしは~?」

「ばーば、ばーば!」

「うわ~ん!あたしの孫が、あたしのこと、「ばーば」って!」

「母ちゃん、泣きすぎ。」

最近、ガオンはしゃべれるようになりました。

「ガオーン、俺様はぁ~?」

「ワンワン、ワンワン。」

「しくっ。俺様だけ、呼ばれてない……。しかも、「ワンワン」って……。」

ウルフ一郎、泣くな。
いつか、呼ばれる日が来るさ。

「あぁ。」


                              ☆


「デェー、デェー。」

ん?ガオン、なんて言ってるの?

「デェー、デェー。」

デェー?

「アハッ。ようやく、覚えたなぁ。お前の胸のサイズを言ってるんだよ。ガオーン、お母しゃんのぱいぱいはぁ~?」

「デェー、デェー!」

「きっさま~!子供に変なこと、教えるなぁ~!」

「あだーっ!」

ったくぅ、この、変態オオカミめ!次教えたら、ただじゃおかねぇぞ!

「ケツデカ、ケツデカ!」

ん?ガオン、今度はなに言ってんの?

「おぉ!それも、覚えてくれたなぁ!さっすが、俺様の息子だなぁ!」

「てんめぇ~!殴られんばわからんのかーっ!」

「ひぃ~!」

「ケツデカ、ケツデカ!」

ガオン、もうそれは言ったらだめ!

「う、う~!」


                            ☆


リリアさんは、女の子を出産しました。
名前はブロッサムちゃん。ネルさんが名付けたそーです。
名前の由来は、髪の毛の色と、目の色が、桜みたいだから。

「うふふ。ブロッサムー、ママでちゅよぉ~。」  

「ブロッサムぅ~、ただいまパパが、帰って来まちたよぉ~……。」

ドッシーン!

「うぇーん、うぇーん!」

「いてててて……。」

「もう!ブロッサムが泣き出したんじゃないの!」

「あ~、ごめ~ん!ブロッサム、リッちゃ~ん!」


                             ☆


「フッフフ~ン♪さーてと、寝よっか。」

「……ウルフ一郎。」

「あん?どーした、ネル。顔、赤くなってるし。」

「あのさ……。」

「……!」


                           ☆


ヴァンパイア界の朝。
今日も一日、頑張ろうと、住人達が起きて、お店を開けたり、ご飯を作ったり、子育てをしたり、新聞を配達している。

「こんな朝が、いつまで続くといいな。」

「うん。」

私達は、この国の未来を作るため、今日も見届ける。
今日のために、明日のために、明後日のために、この国を見届ける。

「そして、この国を守るため、支えていく。」

「それが、私達女王・大王の仕事。」

これからも、ジュンブライトと共に、ヴァンパイア界を築いていきます!
新たなる未来へ向かって!


              ★第1章完結!来週からは第2章が
                  始まりますっ!お楽しみに!★
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...