遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~

ヘボラヤーナ・キョリンスキー

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第二章 迷宮都市の救世主たち ~ドキ!? 転生者だらけの迷宮都市では、奴隷ハーレムも最強チート無双も何でもアリの大運動会!? ~

2-86.追放者のオーク、ガンボン(46)「マジ、超怖いかもこの人たち……!?」

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「それがそいつの言い分か?」
「何言ってっか全然分っかんねー」
「舐めた事言ってねえでよ、アデリアちゃんどこ連れてったンだよてめー!?」
「何なのコイツ、めちゃくちゃ胡散臭いんだけど……」 
「まだ魔力に余裕あるけど……やる?」
「……」
 
 ヤバい。マジ、超怖いかもこの人たち……!?
 髭で疵顔スカーフェイス の強面おじさん、明らかにマフィアかギャング。握力強そう。
 色黒の美人さん、美人だけど何か微妙に目の焦点合ってない感じするしヤバい。
 顎と鼻のとがった黒人の人は既に臨戦態勢で殺る気満々だし。
 垂れ目で色白な女の人はクロスボウ構えたまんまだし。
 魔術師っぽい人、「やる?」って、ちょっと待って何を!?
 けど、一番怖いのは、一番最初に“飛んで”───そう、文字通りに“飛んで”来た黒人の人で……めっちゃ無言でめっちゃ睨んでる……!!
 
 怖い。チビる。いや数滴チビった。あ、また出そう。いや出た。ヤバい。
 
 滝のような脂汗を垂らしつつ、石畳の上でマジ正座。ぶっちゃけこのまま土下座に移行してもおかしくないし、それで解放されるならすぐにでも土下りたい。土下る、土下れば、土下るとき。そんな見事な活用で土下リミナルを実行したい。
 ワタクシ、今、正にそんな心境でェ~~~……あります。はい、はい、ええ、ええ、ええ、もうそれはそれは。
 隣で寝そべる聖獣にして巨地豚のタカギさんはまあ呑気なものだが、俺は完全なガクブルモードだ。
 
「まあお前らもそう睨むな。
 こいつはそうそう小器用に嘘をつけるような奴でもない。勇猛で誇り高きオーク戦士……てワケじゃあないが、腹芸の出来る奴でもないしな。
 いまいち要領を得ない話じゃああるが、知ってる限りの事としちゃあ事実なんだろう」
 
 そうとりなしてくれるのは、俺と同じく疾風戦団の一員で、闇の主討伐戦に参加した際に“戦乙女”クリスティナ、“チーフスカウト”サッド等と共に行方不明となり、その後を追い探し出すために俺がここ迷宮都市のあるクトリアにまで出向く原因となった一人、“魔装具使い”タルボット。ただし今は何故かイベンダーと名乗って居るらしい。何故かは知らないけど。
 
「それにこいつは、行方不明になっちまった俺と仲間を探すため、わざわざ闇の森くんだりから追ってきてくれたんだ。
 そういじめないでやってくれ」
 
 さらに、とだめ押しにそうフォローしてくれる、が……。
 ゴメン、タルボッ……イベンダー? 正直俺、あなたのことすっかり忘れてました、はい。
 いや、だって、ほら、ね?
 クリスティナの方が大事……あ、いや、いや、ほら、俺も一度死にかけーの蘇生したりーので前世の記憶蘇ったりして、ゴブリンロードのユリウスさんとの事とかあったり、色々、ね? 混乱してたり、ね?
 あるじゃなァ~い?
 あとぶっちゃけタルボットもサッドも、あんまり親しくも無かったし!?
 ね、ほら。仕方ないよね!?
 
 ……うん、ゴメン。そしてフォローありがとう。
 
「……クソ! まあオッサンがそう言うならよ。とりあえずはコイツのことはそれでも良いぜ。
 けどその……レイフとか言うダークエルフはどーなんだよ?」
 アゴ曲がりさんが身体を乗り出すようにして食い下がる。
 そうすると視界の中に焼け焦げた人間の死体らしきものが見切れて、またすげー怖い。何で? 何でここに焼死体あるの!?
 Why show-shi-tai!? so-ma-tou!?
 しかも体型がけっこうなおデブ。すげえ他人とは思えない。アレが目に入る度に「次はお前の番だ」と言われてるよーな気がしてくる。止めて焼豚は! タカギさんもだけど特に俺を!
 
 や、まあそれよりもそう、レイフだ。あ、いや、お亡くなりになってるおデブ仲間さんにはお悔やみを申し上げますが、とにかくレイフだ。
 レイフは、突然空……ではなく、上の方の階層へと繋がる精霊樹の枝の中の通路から転がり落ちてきた二人の少女と共に、ぶつかり転がってそのまま「一方通行の転送門」を潜り抜け次のステージへと行ってしまった。
 俺とタカギさんはこの“土の迷宮”というところに残されてしまい、落ちてきた二人のお仲間である彼らに囲まれてタマーキンがキュッとなるくらいビビらされている。
 でもそんなことはどうでも良い。レイフは無事なのか? 今は俺にとってもそれが心配だ。
 
 確かに、“生ける石イアン”の力や何かも加わり、使い魔も増えて、今のレイフは魔術師としてはかなり「すげーこと」出来るんだと思う。
 よく分かんないけど。
 けど身体が弱いのも脚が切断されて不慣れな義足を付けて不自由なのも変わらないし、何より気質。クールで冷静……な風ではあっても、元々の気性が優しく、決して戦闘や争いに向いた性格じゃない。
 今までは頑丈さと馬鹿力だけは誇れる俺がその不足をサポートしてたけど、魔法と使い魔、魔獣だけでその不足は補えるのか?
 それが、分からん!
 なのでどーすべきか、どうしたら良いのかも分からん。
 右も左も分からない迷宮都市クトリア。今居るのはその近郊の古代ドワーフ遺跡を改築して作られたというクトリア王朝期の廃虚らしい。何でも魔人ディモニウムと呼ばれる悪党どもの根城になっていたとかで、大規模な討伐隊が組まれて戦いになったその直後……だとか。
 そこでお亡くなりのおデブ仲間さんはその悪党だったのか、討伐隊の仲間だったのか。周りの態度からすると前者臭いけど、よく分からない。
 
 俺はクトリア近郊に来るのは初めてで、土地勘も縁もない。故郷のオーク城塞ははるか北東で、疾風戦団の基本的活動地域は現王国領近辺のみ。つまりタルボッ……イベンダー以外頼れる相手は居ない。
 ここから戦団へいったん戻る? それとも闇の森へ? 行けなくもないだろうけど、時間もかかるし道も知らない。

「……おい! 聞いてンのかテメェ!?」
 
 耳元でそう怒鳴られて意識を引き戻される。あ、聞いてませんでした。
 
「彼の言うとおりに古代ドワーフの知性ある魔術工芸品インテリジェンス・アーティファクトを使いこなしているダークエルフの術士だというのなら、その実力はシャーイダールに匹敵するかもしれない。
 人品人格も彼の言う通りであれば、アデリアやジャンヌに危害を加えるとも思えないが……」
 ローブを着た魔術師らしき男の人がそう言うけれど、本人自身あまり自分の言を信用し切れていないだろうことはありありと見える。
 
「ダークエルフの術士か……。全く、難儀な話だな」
 嘆息するギャングスターな髭の疵顔スカーフェイス
 そう言えば、と思い出すのはレイフから聞かされていた世の中のダークエルフへの風評のはなし。
「闇と炎に見入られ、“呪われた”エルフの末裔」というそれ。
 
 実際、王国内でもサッドを初めとしてウッドエルフ、ウッドエルフと人間の混血というのはそれなりに見かける。
 中には王国の市民権を持っているウッドエルフなんかも居る。
 けど少なくとも俺の知る限り、ダークエルフやその混血はほとんど人間社会で見かけられない。居てもだいたいは流民や裏社会よりのはみ出し者。
 何せ多種多様な者達が所属している疾風戦団にもダークエルフは居なかった。レイフの母でもあるケルアディード郷の氏族長……いや、“元”氏族長のナナイさんが設立に関わる重要メンバーだったにも関わらず、だ。
 それくらい、人間社会におけるダークエルフという存在は異質、異端であり、同時に胡散臭く不気味な存在とも見なされている。
 ホイホイと自由気ままに各地をうろつき回っていたというナナイさんがレアケースなのだ。
 
 なのでこの怖そうな人たちがレイフのことをいぶかしむのも分かる。
 ましてそのレイフの人柄を証明できるのは俺だけで、その俺の言葉を証明できるのはタル……イベンダーだけ。
 友達の友達がみな友達になれるかというとそりゃ難しい。
 むむむむ……だ。俺の帝国語レベルとコミュニケーションスキルで、そこを説得するのは難しい。難易度高すぎる。
 
「てかよー」
 そう俺が無い知恵捻り出そうとむむむむ唸っていると、怖い人たちの一人、ドワーフ合金製のでかめな戦鎚を杖代わりに寄りかかりつつ、妙にだるそうにしてた色黒美人さんが話を切り出す。
「コイツってマジでオークなん? 何かすげーちっせーし、全然強そうじゃねえぞ」
 ぐへ。
 いや、まあ、その……何一つ否定出来ないッッ……!!
 
 この世界でのオークという種族は、体格も良く頑強で筋骨隆々のザ・脳筋種族の代表格。一人のオーク戦士は三、四人の人間の戦士に匹敵する戦力だ、と言われているくらいだ。
「んー、まァ……」
 今までほぼ黙っていた、“飛んで”来た黒人の人が、腕組みしつつ顔を掻いて話を継ぐ。
「クランドロールのハーフオーク、“鉄槌頭”のネロスも、6、7ペスタ(2メートル前後)はあったしな。“狂乱の”グイドよりやや低いくらいだが、背だけじゃなく腕も脚も丸太みてーだったしよ。コイツとは……まあ、あんまり似てねーっちゃ似てねえ」
 ぐっ……!
「王国領に居た頃に何回かオーク戦士と関わったこともあるが……確かに顔立ち顔色と部分的には共通してるが、うむ……子どものオーク……なのか?」
 むぐぐぐっ……!! 髭の疵顔スカーフェイスギャングさんまでもがそう言う。
 
 いや、まあ正直俺の中に、「我こそ誇り高きオーク戦士也!」なんてな自意識もアイデンティティもないし、城塞での暮らししか知らなかった頃ならともかく、“追放者グラー・ノロッド”となり各地をさまよい戦団へと入り、さらには前世の記憶まで蘇った今に至っては、「オークらしからぬオーク」であるということそれ自体へのコンプレックスだのなんて全く無い。
 ただじゃあ何かというと……うーんむ。
 
 少し考え、それから俺はややゆっくりと、明瞭な帝国語でこう言った。

「人間、色々。オークも、色々。みんな、違って、みんな、良い」
 
 人間だって肌の色から髪や目の色、背の高さに手足の長さ、それぞれ違う。
 オークもダークエルフもそうだ。
 ナナイさんもマノンさんもガヤンさんも違う。アランディ隊長もセロンもデュアンも違う。
 ただそれだけのことだ。
 
 その単純な一言に、周りを囲むそれぞれが何だか妙なものを見る目を俺に向けて暫し沈黙。
 それからまず、“飛んで”来た黒人の人が大声で笑い、
「ククク……! 違ぇねえ、確かにコイツの言う通りだ!」
 と。
 髭疵顔スカーフェイスのギャングさんも続いて、
「フッ……。教えられたな。ああ、その通りだ」 
 と軽く笑みを浮かべ……てるけどやっぱまだちょっと怖い。
 それぞれ反応に温度差はありつつも、少なくともある種の緊張感が良い具合に抜けたようになる。
 
 その様子をやや目を丸くした顔で眺めていたタ……イベンダーが、
「ふぅむ? お前さん、暫く見ンうちに……ちと変わったな」
 腕組みしつつうんうんと頷く。
 
 うん、まあ、色々あったんです、ええ、ええ。死んだり、生き返ったり、また死にかけたり。ええ、ええ。
 
 ◆ ◆ ◆
 
 ここで少し前まで激しい戦闘があったというのは事実のようで、城塞の中庭のような場所には様々な人達がひしめいている。
 王国軍の軍装をした兵士達が捕虜らしき者を縄にしてひとまとめにしたり、物資や何かを運び出し纏めたりしているし、比較的軽装で弓矢や投げ槍などで武装した集団が、そこかしこで談笑し、また別の場所では怪我をした者達を治療したりもしてる。
 死体もあり、人のものもあれば魔獣や野獣のものもある。人の死体はおそらく敵味方で分けて置かれていて、魔獣野獣のそれは先程の軽装の集団の一部が集めて解体をしている。
 
「オッサン、とりあえずそいつのことはオッサンに任せるわ。
 俺達は色々他の連中と話さなきゃなんねえことがあるし、ここで待っててくれ」
 と、JBだと教えられた“飛んで”来た黒人の人がイベンダーへと告げ、ハコブという疵顔スカーフェイスの人らと相談する。
 それから彼らは二手に別れて別々の方向へと歩いていく。
 
 残されるのは俺と、タカギさんと、俺が次のステージへと持って行くつもりで纏めていた大量の荷物と、元タルボットで今はイベンダーと名を変えている魔装具使い。
 鈍い黄金色のドワーフ合金鎧を身に付けた姿は、戦団の中でも研究者及び魔鍛冶師としての裏方仕事の多かったタルボット改めイベンダー としては珍しく感じる。
 俺も基本は料理番、ときどき鍛冶師、そしてたまに長期遠征への荷物持ちとしての同行と、多くは裏方仕事だったので立場的にはやや近く、親交は深くはなくとも関わり合いはある方だった。
 
 何にせよ、知り合いも他に居ないし土地勘もない。右も左も分からンもんだし、とりあえずぼへーっと待つしかない。
 なので仕方なくぼへーっとした顔でぼへーっと辺りを眺めていると、再びタ……イベンダーが、
「ふぅ~~~む……。何だな、やはりお主、随分と変わったな」
 と、そう言ってくる。
 えー、そんなに変わったかなー? なーんて自分でも思うけど、他者ヒトが自分をどう見てるかってのばかりはそうそう分かるもんでもない。自分でどう思おうと、人から見て以前と“変わって”見えるのならば、きっとどこかしらは“変わって”居るんだろう。

「タル……イベンダー、も、変わった」
 逆に、俺からすれば「随分変わった」のはタ……イベンダーの方だ。名前や髭もそうだけど、前はこう……もうちょっと研究者的な面の方が強く、魔装具やら遺物やらのこと以外にはまるで興味無し、とでも言うかの態度だった……ような気がする。
 うん、まあ単に俺があんまりきちんと関わってなかったからかもしれないが。
 
「ま、俺も諸々“思い出して”な。色々と、思うところ、アリ……だ」
 なんてなこと言いつつ、何か微妙に遠い目をしてる。
「まあ、お互いその辺は一旦置くとして、だ」
 不意にそう話を切り替えて、今度は顔を近づけやや真剣な面もち。
 
「お前さんが“俺”を探しに来たんじゃないことぐらいこっちだって分かっとる。
 ああ、構わん構わん、別にそりゃあ良い。
 とにかく……だ。
 クリスティナの行方についてなんだが、ここに戻ってきたことで色々と“思い出せた”ンでな。
 そいつを今のうちに話しとこう」
 
 どくりとした心臓の音が、ひときわ大きくなって耳の奥へとこだました気がした。
 
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