遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~

ヘボラヤーナ・キョリンスキー

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第二章 迷宮都市の救世主たち ~ドキ!? 転生者だらけの迷宮都市では、奴隷ハーレムも最強チート無双も何でもアリの大運動会!? ~

2-127. ダンジョンキーパー、レイフィアス・ケラー(19)「ああ、行こう───けど……」

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 再び、あの大巨人の居た地下洞窟の空間へ。
 勿論精神だけ。まだ残っていた使い魔アラリンへと【憑依】をして、だ。
 辺りは既に戦闘は終わり、粘液とそれにより溶かされたであろう肉塊や骨の残り等が散らばり、少し離れた場所に怪我をしたり死んだらしい巨人達が集まり、休息や手当てをしている。
 その真ん中辺りにひときわ目立つのは、例の結晶に閉じこめられた女性の死体───曰わくザルコディナス三世により造られたおぞましい魔力溜まりマナプールと……それに寄り添うように横たえられた麦わらの巨人。
 
 その様を見ながらアラリンの身体で近付いて行くと、巨人への治療をしていたエルフの術師がこちらに気付き、目を細めてからエルフ語で、
「貴様がレイフとかいうダークエルフか?」
 と話しかけてくる。
 見る人が見れば【憑依】されてる使い魔とそうでない使い魔は区別が付く。この術師はそれだけの実力のある術師なのだろう。
 僕は糸を使い地面に「はい」と文字を書く。これは何かの時のために練習しておいた意志疎通の手段。
「私からも色々聞きたいことや言いたいことはあるが、まずはあの魔力溜まりマナプールを支配した貴様が、そこから情報を引き出すが良い」
 顎をしゃくり示す先───例の死の大巨人の頭部であり、人を核として造られた忌まわしい魔力溜まりマナプールへと視線が移る。
 
 改めて見るそれは、確かにおぞましく忌まわしいと言えるものだ。
 死霊術、強制的に術式と魔力を埋め込むことで人を生ける魔導具化する魔人ディモニウム……。確かにこの世界にもそういう“邪術”と呼ばれる忌まわしい魔術は多々ある。人は過ちを繰り返す。前世の世界で宗教、科学、医学の名の下に行われた様々な“邪悪な”実験や研究があったのと同様に、だ。
 人間を……死者を 魔力溜まりマナプールの核とする。今まで聞いたこともなければ本で読んだこともないその呪法の成果物は、確かに恐ろしくもあるのだが、同時に半透明の結晶の奥に閉じこめられた女性の姿、その在り様は……儚く幻想的で、美しくも思えた。
 
 先程までの半透明の結晶は、同時に青黒く染まってもいた。しかし今は虹色にうっすらと輝き、凄惨なこの現場の中で唯一鮮やかな色彩を放っている。
 その結晶に、僕はまるで壊れそうな宝物を扱うようにして触れる。厳密には僕が【憑依】している使い魔、大蜘蛛のアラリンの前脚が、だ。
 
 魔力……そして意識が広がって魔力溜まりマナプールを包み込むようにして繋がる。と同時に……周囲の景色が一変した。
 
 刺すように強い日差しに、乾いた風。日干しレンガに土壁の黄色い建物が立ち並び、ヤシや幾つかの常緑樹、そしてあれは……バラの低木? そういった植物が多くはないがまばらに生えている。
 涼やかな木陰と多種多様な花の香りに、香辛料や食べ物の匂い。
 その匂いに誘われて目を向けると色彩豊かな布が使われる賑やかな市場と人の群れ。
 服装の多くは簡素なチェニックで、その上にトーガのようなものを纏う者も居るし、強い日差しを防ぐためにかターバンやブルカみたいな布を被り、巻いた者も居る。
 活気があり、賑やかで猥雑。
 その最中へとぽつりと投げ出され、僕は困惑する。
 
 ここは……どこだ?
 
「クトリアだよ」
 
 心中のその声に応えるのは小さな少女の声。
 
「けど……そうね、40年以上は前。まだ私が子供だった頃の……ね」
 
 ナツメヤシの木陰に居るその少女は、この街中の風景にごく自然に溶け込みつつも、しかしただそこに在るだけで周囲の温度を変えるかに際立って異なる空気を身に纏っている。

 僕の視線はその少女へと注がれ、離せなくなる。
 子供らしいあどけない顔立ちは、瞬く間に成長し変わっていく。服装、髪、体格と、まるで早送りのアニメーションのように変化をしながら大人へと変わる。

「……君は」
「デジラエ。お友達はデジーって呼ぶの。貴女も───そう呼んで」
 
 少女と共に周りも変わる。
 色彩が褪せ、市場からは活気が失せ、家々の窓は閉ざされ、街中には処刑された生首が飾られる。
 
「───変わるのは“あっ”と言う間。
 『最近は何だかねえ』とか、『昔はこうじゃなかった』とか言ってるうちに、気が付けばこんな風になっている」
 
 お揃いの軍服を着た一団がある家の戸を乱暴に蹴り開ける。中から引きずり出された数人の家族。その中の、おそらくは父親らしき男が殴られ地面に打ち倒される。それを庇うように立ちはだかる少女───その顔立ちには見覚えがある。
 そうだ、そっくりそのまま同じではない。ではないが、卵形の輪郭に、鋭くつぶらな目は、ジャンヌのそれと同じで、そして今目の前にいる、既に12、3歳まで成長した少女とは全く同じ顔立ちだ。
 
 ぼろぼろに打ち据えられる父親と、殴り飛ばされ蹴り上げられても怯まぬ少女に、一団の隊長らしき大男がしゃがんで向き合い、何事かを話す。
 数度のやり取りで、少女は何事かを承諾し、立ち上がり家族へ二言三言告げてから一団と共にその場を立ち去る。
 それから───場面が変わる。
 
 続くのは過酷な訓練と戦いの日々。
 男女問わずに集められたまだ年若い少年少女達が、兵士として、或いは何らかの目的に合わせて血みどろの訓練をさせられる。
 ある時は倒れるまで走り込みをさせられ、あるときは一週間以上もの絶食。また武装させられ郊外へ連れて行かれ、魔獣の群れへとけしかけられての実戦訓練。
 何人もが再起不能の大怪我を負わさせられ、何人もが死ぬ。
 そして大怪我をした者の中からさらに選別された者は魔人ディモニウム化の実験台にさせられ、死者は死霊術の素材にされる。
 
 その中で彼女は生き抜き───そして成果を上げた。
 
 ───暗転。
 
 それは気紛れなのか元よりの計画か。
 訓練を生き抜き“卒業”したものの中から女性の数人は、表向きザルコディナス三世の寵妃として遇される。
 普段は一般の側室たちと変わらない。後宮での華やかな日々に、呼び出されての夜伽の相手。
 しかしデジラエを含む訓練済みの寵妃達───又の名を“災厄の美妃”達の本来の役割は、例えば諜報、例えば暗殺───。
 女性であることで周囲の油断を誘い、あるいは男どもを誘惑し、同時に恐るべき手腕で密命を果たす言わばシークレットエージェント。
 
 成人したデジラエはその一員として働き、ザルコディナス三世へと仕えていた。
 
 そのさなか───彼女は懐妊する。勿論それはザルコディナス三世の子だ。
 “災厄の美妃”達から生まれた子等は少なくはない。ただしその場合は他の夫人、側室の子等とは扱いも変わる。王位継承権は無く、産まれたときから影の部隊としてザルコディナス三世に忠誠を誓う者として育てられる。
 
「───その事が、私には耐えられなかった」
 
 目の前の女性、デジーが言う。
 信頼出来る渡り剣士の一人に秘密裏に娘のことを頼み、何か起きたときの安全を保証して貰う。同時に裏工作に荷担してザルコディナス三世の肥大していく野心を食い止めるべく画策する。
 その中の一環として、巨人族の伝承にある循環の試練について調べ、またリリブローマを頼り遺跡内部を調査するが───その際に裏切りが露呈して罰を受けることになる。
 
「リリブローマが……闇の術式を埋め込まれる実験台にさせられ、特に記憶を失い混乱するような処置をされたのも───私のせい。
 ザルコディナスは自分を裏切る者、意に反する者を決して許さなかったし、また過酷で残酷な処罰を課した。
 私を魔力溜まりマナプールの核にするのも、人間としては多すぎる魔力を利用しようということ以上に、そういう意図があったはず」
 
 僕は───言葉もなくそれを聞く……いや、見続けている。
 これは彼女の意識の中、彼女の記憶そのものだ。
 例えようもない苦しみの中、生きたまま魔力溜まりマナプールへと変貌させられて、彼女の人としての命は終わった。
 しかしそれから30年……文字通りに道具として、ザルコディナス三世に支配させられ続けていたのだ。
 そう───。
 
 パリン、と、まるでガラスが割れるかのような音と共に、周りに広がっていた風景が砕けながら崩れていく。
 突如として暗黒のさなかへと放り出される僕は、砕け散る風景がそのまま上空へ飛び去っていくかの錯覚と落下感。
 あらゆるもの、あらゆる記憶がこの手の指をすり抜け消え去るかの不安を感じ慌てて周りを見回すと、漆黒の中のデジラエに寄り添うように立つ巨体が見える。
 
「もう時間がないから、簡潔に言うね。
 私の孫───ジャンヌはザルコディナス三世に攫われた。
 お願い、あの娘を助けて、ザルコディナス三世に歪められた物事を正し───」
 
 消え去る意識の中、巨人とデジラエは手を取り合いながら遠い光の方へと向かい歩き出しているのが見える。
 長い間会えずにいた友と、ただ手をつなぎ歩くようにしながら……。
 
 ◆ ◇ ◆
 
 意識が戻ったときに、僕は再び僕自身の身体の中に居た。
 大蜘蛛アラリンではなく、ダンジョンハートの僕自身の身体に、だ。
 
「レ、レイちゃん、大丈夫なん? 痛いん? 苦しいん?」
 心配そうに顔を覗き込みつつ背中をさするアデリア。そこで初めて気づいたが、アラリンへと【憑依】し、さらには向こうでデジラエの記憶、意識とコンタクトしている間に、涙を流していたようだ。
 同じく気遣わしげなガンボンと、苛立ちつつも少しばかり遠慮がちなJB。
 けれども聞かずには居れないだろう問いかけより先に、僕からただ率直に告げる。
 
「“悪しき者”はザルコディナス三世だ。そして───ジャンヌはそいつに攫われた」
 
 それぞれに驚愕の表情。信じられるか? 普通なら……馬鹿げた妄想、ふざけた言い訳にしか聞こえない。
 
「───どこに行きゃ良いンだ?」
 逡巡なくそう聞いてくるJB。
「いや、何それ、そいつほんまけったくそ悪いやっちゃな! 絶対許せへんわ!」
 まるで街のチンピラに絡まれた、みたいな受け答えのアデリア。
「お、れも、助ける……!」
 帝国語だと言葉の句切りがおかしいガンボン。
 
 けど、問題はまさにJBの言うとおり。どこに行けば助けられる?
 それがまるで分からない。
 
 彼らにそれをどう返せるのか。考えていると今度は大きな揺れ……まるでこのダンジョンハートのある山そのものが揺らされているかの地響きと振動に、それぞれ慌てよろめき、また何かに捕まってそれを堪える。
 壁の強化は出来る最大限までしてあるし、ここが潰れるということはまず無いだろうと思うが、崩壊は全く別の形で現れた。
 
 まるで開きにくいクッキー缶の蓋を開けるように───僕らの居るダンジョンハートの上……天井がぱっかりと開けられて、突如として外気の寒さと日の光が注ぎ込まれる。
 
『───準備は整ったか、“挑みし者”よ───』
 
 その声……いや、思念の響きには覚えがある。遺跡内部の扉を開けたときの熱気の塊、それが形作った巨人のそれと同じ。
 畏怖、敬愛、感嘆……様々な感情が喚起され、けれども妙に落ち着いた感覚にも陥る深く響く思念の声。
 
「“大いなる巨人”───?」
 ガンボンのその呟きに、僕はその正体を知る。そうだ、確か原初の巨神がその肉体を失い山脈へと変わった際に残したとされる四人の子。
 霧、苔岩、灼熱───そして嵐雲の巨人。
 そしてこの現状……とてつもない暴風吹き荒れるこの有り様からすれば、これはその最後の一人、嵐雲の巨人、と言うことか。
 
『準備が整っておらずとも時間はない。“挑みし者”よ、そしてその同胞よ、今すぐにでも次の試練の地───いや、“悪しき者”の支配する場所へと向かって貰う……』
 つまり……ザルコディナス三世の根城へ……だ。
 
「分かった! 今すぐにでも連れてってくれ!」
 勝手にそう答えるJBだが、僕もその気持ちには変わらない。
 開いた天井の向こうに見えるのは、あれは多分嵐の霊鳥ルフ。ちょっとした小型旅客機……体長15メートルはする巨大が、嵐雲を身にまとった巨躯の脇に控えている。
 
「ああ、行こう───けど……」
 そう、先には進む。ジャンヌは助けるし、ザルコディナス三世の過ちは正す。けど……。
「ガンボン、君は残って」
 今この状況では、そう言わざるを得ない。
 
 
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