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第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!
3-14. マジュヌーン(精霊憑き)(14) -星と黒猫
しおりを挟むこうやって身体を動かすのは何日ぶりになるのか分からないが、俺はぶらぶらと地下道を歩き続けうろついて回った。
相変わらずのボロ着に、一応死んだ狩人から貰ったナタみてえなもんを持ってはいる。
地下道の中には、やはり同じようなボロ着を着たガリガリの奴らがそこかしこに居て、やはり無気力で陰気な目をして虚空を見つめていたり、或いは妙に血走った目で辺りをなめ回すように見たりもしていた。
時おり、悲鳴や嗚咽が耳に入り、また殴り、蹴り、喧嘩やそれ以上の暴力沙汰になっている場面もあったし、つい最近出来ただろう新鮮な死体も転がっていた。勿論、動き出さないやつだ。
その中を進んで行くものの、そういう荒んだ連中も俺の姿を見るや、こそこそと隠れて息を潜める。
明らかに殆どの連中は、俺のことを恐れ、警戒しているようだった。
テレンスが言っていた猫獣人という種族の特徴のことを思い出す。
曰わく、自由を愛し耳や鼻が鋭く、俊敏で身体能力に優れた狩人であり戦士。
その評判が一般的にも知られているってーんなら、そりゃあ出来れば近寄りたくないと思うのも当然か。
この世界一般における自分の立ち位置というのが明確に分かったが、まあどうでも良いことだな、とも思う。
こんな薄暗く汚らしい地下道ではあるが、実際に身体を動かして歩き続けていると、体温が上がりやや鬱屈した気持ちも晴れて来た。
精神的に参っていたのは事実だが、同時に身体的なものもそこには影響を与えている。
歩く、走るというようなかたちで身体を動かすことで、ある程度気持ちが上昇するのも事実だ。
とは言えそれですぐにでも前向きになれたりするもんじゃない。何も目的もなく行くあてもないままなのも変わりはしねえ。
ただそれでも俺は歩き続け、適当なところで見つけた市街地へと続く階段を上がって地上へ出る。
時刻はちょうど昼頃で、久しぶりの太陽の光が目を射すほどにまぶしかった。
市街地へと出ても、見た感じはそうたいして変わらなかった。
殆どが瓦礫の山。まともな建物は疎らにしかなく、やっぱりそういう廃墟に隠れるように人が居る。
ある程度状態の良い建物には、痩せこけたボロ着の連中よりか見た目も体格も良さげな奴らがたむろして居て、棒っきれやナイフみてーな武器を手ににらみを利かせている。
ま、要するに縄張り争いみてーなもんか。力で居場所を奪っていく。強い者、強い集団がより良いねぐらを確保して、弱い奴らはそれより居心地の悪い寝床へと追いやられる。
そう考えると、地下道に隠れてる連中なんかはその中でも最底辺……てなところか。
それらの中で、特にでかい面をしてのしてる集団が居た。その格好には見覚えがある。
お揃いの黒皮パンツに、整髪料で整えたみてーなトサカ頭。
地下で出会い、テレンス他の何人かと共に去って行った自警団みてえな連中だ。
たしか、ボスはパスクーレとか言う名前だ。
王国軍の動向を知るには、多分こいつらが一番ちょうど良い。近づいて行くと連中は露骨に警戒心を見せて身構える。
「パスクーレ居るか? 王国軍は今どうしてる?」
パスクーレの名を出したことであちらさんはごにょごにょと話し合う。何でこんな奴が知ってるのか? 友好的なのか敵対的なのか? 当然奴らにそれを判断する事は出来ないから、俺を監視しつつ当のパスクーレを呼び出してくる。
「てめぇ……あン時の猫獣人かよ。おい、言ったよな? さっさとクトリアから去って南の砂漠に戻りやがれってよ。
いいか、クトリアは俺たちクトリア人のモンだ。邪術士共のもんでも、王国軍のもんでも、おめーら獣人のもんでもねぇンだよ」
睨みつけ脅しつけてくるパスクーレは、痩せてはいるが他の連中に比べれば体格も良いし、身のこなしに姿勢、位置どりと、かなり戦い慣れている風ではある。
が。
「こんな廃墟の街になんざ住み着く気はねえよ。
だが小うるさい王国軍がどの辺をうろついてるかだけは気になるんでな。
アンタなら何か知ってるんじゃねぇか?」
ここにいる誰もが気付けないほどに静かに素早く、俺はパスクーレとの距離を詰めてそう返す。
俺の爪の射程圏内、だがパスクーレが腰にした棍棒を振るうには近すぎる。
「てッ……てめェ……」
反射的に後ろへ飛び退こうとするパスクーレの両手を取り、傍目には親愛の硬い握手をしながら、
「アンタだけが頼みなんだ、なあ、教えてくれよな?」
と頼み込む。クトリアでこういう握手がどういう意味かまでは分からないけどな。
「……王国軍は殆どがアルベウスかマクオランまで引いたよ。ここらにゃ一部を除いて残ってねえ。
それより面倒なのは、外に逃げてた臆病者共が戻って来てることの方だ。元傭兵だの元貴族だのほざいてる連中が、内城壁内にまで入り込んで縄張り争いで揉めてやがる。てめえも命が惜しきゃ、あっちの方にゃ近づかねえこったな」
この体勢の圧倒的不利を分かりつつも、手下の手前か堂々としたもんだ。確かにいっぱしの荒くれ共をまとめてるだけはあるな。
有益な情報を得た俺は、両手をぶんぶんと振りつつ、
「助かったぜ、ありがとうな!」
と大袈裟に返してから手を離し、くるりと踵を返した。
ナップルの奴が心配している王国軍とやらは取りあえず問題なさそうだ。だが、縄張り争いの抗争が始まっているとなれば、まあ戻って来てもロクなことにゃならんだろう。
となるとナップルの取るべき選択は……とまで考えて、いや、一体何を考えてンだ? と自嘲する。
確かにナップルには世話になった。いや……世話にしかなってねえか。何にせよ筋からすりゃあ、何かしら恩返ししなきゃなんねえ話だ。
だがそれはそれとして、今後のことはじゃあどうなんだ? ……となる。
かつての仲間と離れ、行く宛てもなくやるべき事もない俺の今後……。
何も思い浮かばない。
そう、何も浮かばねえんだ、俺には。
▼ △ ▼
「おらよ」
どさり、と石畳の床に落とすのは、例の中型犬くらいの大きさで、上下に鋭い出っ歯のある、生まれたてのパンダの赤ちゃんみてえな毛のない獣。一応首の骨を折って殺した二匹ほどで、まあナップルだけなら相当保つだろう。他にもサボテンの葉やら赤い果実やらも持っては来たが、果実はともかく葉っぱの方はどれが食えてどれが食えないのかよく分からないから、ひとまず目についたものを適当に袋に詰めて持ってきた。
「ふうん? これはどうしたの、猫?」
「文句あんのかよ。土産だ、土産。
あの糞不味いスープよかマシだろう?」
「ふんふん? 猫は変なこと言うのね。オオネズミスープはとても美味しいのに。
でも穴掘りネズミも美味しいから、今日はネズミネズミスープにするのね」
「……おい、止めろ。俺の分は自分でなんとかする」
今まで食ってたのがオオネズミスープだってのもショックだが、このパンダの赤ちゃんみてえなのが穴掘りネズミという名のネズミの一種だっつうのも衝撃だ。
まあでも食った限りじゃ穴掘りネズミの方が全然マシだったからな。それはそれで良しとしよう。
隠れ家の中にまだ残っていたものや、道中拾ってきたものなんかを利用して、この間の狩人の見よう見まねで穴掘りネズミを逆さに吊し、首の血管を切って血を金色の壺に溜める。
最初の頃はその金色の金属で出来た様々な道具や何かを見て、こりゃちょっとした一財産になるンじゃねえか? と思ったりもしたが、意外とこの地下遺跡のそこかしこに落ちている。こんだけあるってことは、俺たちの世界での金の価値と、この世界での金の価値ってのは全然違うのかもしれないし、まあそれ以上にこいつを売る相手が居ねえ。
結局、こうして普通に便利な道具として使うのが一番になる。
血を抜いて、苦労して火をおこして、最低限内蔵を取り除いて産毛を剃ったら、あとは串に刺して炙り焼きにする。
解体だの肉の下処理だのはさっぱり分からんし、狩人たちみたいに調味料もない。味も素っ気もない、ただ炙っただけの穴掘りネズミの肉は、この間食ったときより臭みが強く、いまいち旨くはない。それでも例の臭いスープ以外の久しぶりのタンパク質と脂の味は悪くはなかった。
生き血を飲んで、ただ炙っただけの肉を食い、締めにはサボテンの果実。
なかなか野蛮なけだものライフも身に付いてきてるなと薄笑いを浮かべてごろりと横になる。
この隠れ家近辺は、浅い階層の地下遺跡の中でも市街地からさらに離れた場所らしく、俺たち以外には誰も居ない。
市街地の中心部では、パスクーレの言うとおりに縄張り争いが起きてんだろうし、それはそれで危険な状況だろうが、言い換えれば、今ここでその縄張り争いから弾き出されれば、マトモな住処は得られない……てー事でもあるんだろう。
俺の横で、やはり血を飲んで炙り肉をかじり、そしてやっぱりあの臭いスープを満足そうに飲んでいるこの奇妙なチビにとって、それはどっちが良いもんだか分かりゃあしない。
「なあ、ナップル。王国軍とやらは今んとこもう市街地にゃ殆ど居ねーが、まあ色んな奴らが戻って来て縄張り争いで揉めてるみてーでよ。
今あっちに戻るのはちょっと危ないかもしんねえぞ。お前、どーすんだ?」
重要なのは、何よりもコイツ自身の意志だ。
そう聞くと、ナップルはやや考え込むようにして暫く宙を見つめてから、
「ウーン……。ナップルはやっぱり、戻らないといけないのね。
ここは結局、いくつかある小さな隠れ家の一つで、あまり大事なもののある隠れ家ではないのね。
一番の隠れ家には、魔法の守りもあるから誰かが勝手に入ってきたりもそう出来ないし、それに“相棒”として、その大事な隠れ家を守っていかないといけないと思うのね」
おそらく……いや、間違いなく死ぬか逃げるかしただろう、奴が言う“相棒”の邪術士。それを待ち続ける為にそこへと戻るというのは、間抜けでもあるが健気とも言える。
それを勧めるのも止めるのも───そりゃ、まあ出過ぎた口だ。
奴がそのつもりでいるなら、そうするべきだ。それに、こことは違って守りも強いってんなら、ちっとは安心は出来るだろう。
「なあ、お前、最初のときは汚ぇボロ布で顔を隠してたろ?
お前が何なのかよく知らねぇが、確かにその───まあ、愉快な面を丸出しにしてるよか、隠してた方がハッタリは効くかもしんねえよな」
コイツ自身に殴り合いでの戦闘能力は皆無臭いが、魔法の薬を作れるというのは多分かなりのスキルだ。それがあっても見た目で舐められたら、やっぱり損ではあるだろう。
「ナップルはコボルトなのね。それも凄く賢いコボルトなの。
でもニンゲンの殆どはコボルトを盗みを働く小狡いチビとしか思ってないのね。
確かにナップルはコボルトの洞窟でもひょろひょろチビと言われてたのね。けどナップルはとても賢いコボルトだったから、そんなのは気にしないのね。気にはしないけど……ちょっと面倒くさいのね」
コボルト、ってなのが何なのかは、真嶋櫂としてもこの世界の「家畜小屋」で生まれ育った猫獣人としても、いまいち良くは分からねえ。
ただコイツの言うとおりなら、こいつは元々の仲間の群れでは身体が弱いことで見下され、人間の社会では種族的な偏見で排除されてきた───そう言うことの様だ。
俺は少し考えてから、
「ただ隠すだけじゃなくて、例えば───そうだな、こう、怖そうなおどろおどろしい仮面とか兜とか、そういうのを被る……てのも、良いんじゃねえのか?
そうすりゃ、そんなに舐めらねえかもな」
と言う。いやまあ、正直そう巧く行くとも思えねえアイデアじゃああるけどもな。
そうして、飯を食い下らねえ話をしつつ人心地ついた頃に、何やら別の誰かの匂いが近付いて来た。
一つは……前に嗅いだことのある匂いだ。だがもう一つは……猫獣人……雄……壮年または老齢……。身体頑強で歩き方も速度も姿勢も隙がない。そしてその上、とんでもなく強烈なまでに発してくる“暴”の匂い……。
暗闇からひたりひたりと歩きつつやってきたそいつは、この隠れ家の扉もない入り口へと仁王立ちになり睥睨するかに俺を睨む。
黒い。全身が艶やかなほどの黒い短毛に覆われたそいつは、顔を含めて全身に古傷がある凶悪な面相。後頭部にかけて、まるでドレッドみたいなウェーブの強い黒く長い毛が生えているところが、さらにその不穏さを引き立てる。
あの時の───デスクロードラゴンとやらに睨まれたときよりも、遥かに身が縮こまるような感覚になる。
「コイツか……」
その、地の底から響くようなしわがれ声に、俺の身体は意図せず反応する。文字通りに臨戦態勢。毛が逆立ち、尻尾が緊張でピンと伸びる。
恐怖。まさに恐怖だ。
「なあ、言ったろ?
コイツはな、死爪竜とやりあって殺されたと思われてたが、なんとまあしぶとく生き延びてやがったんだぜ?
お前さんの言ってた条件に、かーなりピッタリなんじゃねえのか?」
そう横合いから口を出すのは……ああ、こいつは例の“イカれてない半死人”の奴だ。確かに改めてその顔を見れば、ナップルの言うとおりに火傷をしたみたいな顔ではある。
「……コイツが?」
そう、軽く小首を傾げるように動かしてから呟く。
恐らく右目は白濁していて既に見えていない。だが俺がそうであるように、猫獣人にとって片目が見えない程度のことは大した問題にはならない。
ただ小首を傾げる。その動作一つだけで、俺が頭の中で想定していた15通りの対応策が半分にまで減らされる。
視ている。目ではない、匂いでだ。匂いで俺のことを視て、匂いで俺を───値踏みしている。
「───弱者の匂いだ。希望を無くし、未来を見ず、過去に捕らわれた、弱者の匂いだ」
その暗闇の使者がそう吐き捨てるように言う。
「だが、臆病者の匂いではない」
その言葉を聞いたその瞬間、俺の意識はまた暗黒に飲まれた。
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