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第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!
3-20.マジュヌーン(精霊憑き)(20) -RUNNER
しおりを挟む納得が行かない、と食い下がるチーター野郎の言い分を、まるで取り合わずあくびをかみ殺すアティック。
何ともしまらない結末ながら、足羽の勝ちが決定する。
流れを良いように抜き出せば、瞬発力はあるが小回りの利かないチーター野郎の攻撃を、足羽がひらりひらりとかわし続けてスタミナを奪い、機を見てカウンターのあびせ蹴り。そしてその衝撃で脳しんとう気味になっていたチーター野郎に対して、とどめとばかりに、【飛行】の術からのボディプレス。
まあ、こうして事実を都合良くねじ曲げたねつ造記事が書かれるんだな。
最後の一組が決着すると、負けたもの達はそのまま追い返される。バテて寝ころんだままの足羽へと恨みがましい視線を送っていたチーター野郎も、諦めてすごすごと街の方へ戻って行った。まあ気持ちは分かる。あんなのに負けたとか悔しいわな。俺が言えた義理でもねえが。
で、この場に残るは11人の勝利者と、ヒジュルにアティック。
「並べ」
そうヒジュルに言われて、勝利者達は慌てて横一列。もちろん俺も、足羽もだ。
ヒジュルが勝利者達を一人一人嘗め回すように見……いや、嗅いで、それぞれに何かをぼそりと言う。
戦いへの寸評か、罵倒か、激励か。いや、激励ってのはあのキャラじゃあり得ねえか。何より言われた奴らの顔がそれを物語っている。
一人、一人と順番が過ぎ、ひやりとするような空気と共に俺の前へとやってくるヒジュル。
それから軽くふん、と匂いを嗅いでの一言は、
「怒りが足りん」
というもの。
言われても……うーむ、どういう意味だ?
「ほっほーい。それではここまでよなーう」
そうアティックが言い、ぴょんこと跳ねるように立ち上がると、奴はひょこひょこと鼻歌混じりに街の宿へと向かう。
見上げればもうかなりの範囲が赤紫に染まり、幾らかの星も見え隠れしている夕暮れ空。小腹も空いてきて丁度良い夕飯時だ。
俺も伸びをしてからその後を追おうかとして歩き出すと……、
「どこへ行く?」
とヒジュルの声。
「……あ、あー……いや、宿だけど?」
俺以外の連中も俺と同じくその声に足を止めて背後のヒジュルへと視線を向ける。
「聞いてなかったのか、脳みそが空っぽなのか?
戦う前に言ったはずだ。 勝った者を、“獅子の谷の野営地”に連れて行く、とな」
あー……そうだな、確かに言った。言っていた。
「そのまま走れ! 今すぐに向かうぞ!」
激を飛ばすようにそう叫ぶヒジュル。その声に反応し訳も分からず走り出す者、慌てて荷物を纏める者、驚きあたふたとする者様々だ。
俺はというと───アティックを見て口を開け閉め。
「お、おいアティック……!?」
「言ったなーう。わしはここまでなのだなーう。明日はボバーシオまで足を延ばして魚醤に魚の塩漬けを買って、旨い魚料理をたらふく食ってからクトリアに帰るのだなーう、なーう、なーーう」
とか言いながら右手をひらひら。
「へ? え? えーー!? ちょっと、えー? い、今からぁ?」
喚く足羽に「黙れ!」と叱責。それから「遅れずついてこい」と言ってから、ヒジュルはすぐさま走り出す。
「え、え? 真嶋、何、これ、ええ? どーすんの? 真嶋!? ええーー!?」
どーする? どーするも何も、こうなりゃもう……、
「やめてーなら好きにしろ!」
叫んで返し、俺はヒジュルの背を追いかけて走り出す。
幾つかの荷物は宿に置きっぱなしだが、元々俺は着の身着のまま。狩りなどで得た小金は全部腰のポーチにある。
いいぜ、やってやんよ。
とことんまで追いかけて、付き合ってやろうじゃねえか!
▼ △ ▼
補給所ナシ、休息ナシ、声援に中継車に舗装された道路もナシの夜のマラソン。
夜でも視界はそう悪くない猫獣人の目で地形を見て取り、鼻を使ってヒジュルの匂いを追う。
姿はとっくに見失っている。だが濃厚なまでの奴の匂いが、まるで映像のようにくっきりとその跡を残して居る。
走り、または歩き、まずはおそらく1時間ほど荒野砂漠での追跡を続け、それからしばしの小休止。
途中でむしり取っておいたサボテンの果実や、ときたま生えてるヤシの赤い実で腹を満たし水分補給をする。
ヤシの実の取り方を教えてくれたのは白猫だ。
「フフーン、アタシはネ、砂漠を旅をする部族で育ったノ。だから、砂漠の事は詳しいヨ?」
と、実に有り難い道連れだ。
「あ、あのさ、ね、真嶋、もっと、ね? もっと、ペース落として、よ、ね?」
なんとも息も絶え絶えでそう言う足羽に、
「お前に合わせなきゃなんねー理由はねえぞ」
と返すと、
「あのね!? 俺は、お前らと、違って、夜目も、効かねーし、匂いも、追えねーの!? 真嶋、見失ったら、俺、死ぬよ!?」
「じゃ、来なきゃ良かったろ」
そもそも手違いで対戦カードを組まれただけなンだから、負けたチーター野郎にゃ悪ィがそのまま宿に帰れば良かったんだ。
そう返されて一旦目を見開くも、
「……今っさら……遅い……じゃんかよっ……!」
と吐き出す。
「そうだな」
「そうだな……じゃっ……ねーっ……よッ!!」
結局こいつはまた、周りが一斉に走り出したのにただ釣られて、そのまま成り行きでついてきちまっただけなんだろうな。
文句を言いつつも、サボテンの実の汁をちゅーちゅーと吸い、ヤシの実をちまちまとかじる。
疲れて食欲は無いみたいだが、水分も栄養も猛烈に欲しているんだろう。
「アナタ、せっかく魔力循環出来たんだカラ、風を纏って走れば楽でショ?」
白猫がそう言うと、
「へ? 何それ? どうすんの?」
と足羽。
「詳しいことはシラナイ。でもアナタさっき、少しだけ【飛行】出来たヨネ? それと同ジだヨ。
風の動きヲ、上にじゃなくて、前へ向ける」
「前……に?」
さっきの【飛行】も、多分偶然だろうしな。いきなりその応用編に進むってのには無理があるだろうよ。
「アンタ魔法に詳しいみてえだけど、実際に何かしらの魔法が使えたりすンのか?
ふと気になってそう白猫に聞く。
「ううん、魔法は使えない。でも、魔力循環は出来るヨ。魔力循環出来ると、カラダが強くなるから、アナタも覚えなヨ!」
とのこと。詳しい話は後にして、なるほど良い話を聞いた。
休息に区切りをつけて、再び匂いを追う。
途中で別の候補者と合流したりすれ違ったり、休息してるところを通り過ぎたりもした。
数時間進み、少し休む。それを繰り返して朝になる。
「なァ……その、“獅子の谷の野営地”っての……どんくらい……遠いンだよ……?」
喘ぎつつもなんとか着いて来てた足羽が聞いてくるが、そんなもん俺も知らん。
その問いに答えるのは白猫で、
「正確にはシラナイけど、多分2日はかかるネ。一旦、野営する場所探すヨ」
と言う。
……それは俺も予想外だった。
砂漠での移動に詳しい白猫と行動出来て本当に助かったと実感したのはこの野営地探し。
サボテンが多数あり、やや奥まった窪みのある岩壁の近くへと腰を落ち着け、交代で寝る。
直射日光を避けて、日陰で寝たり何だり。後から来た連中も加わり、夕方近くまでは体力温存だ。
何せ日差しも強いし、砂からの反射熱もさらに凄い。日中に下手に動くと体力の消耗が激しくなる。
夕方からぼちぼちと移動を開始。足羽は匂いを追えないし夜目も効かないので、とにかく俺や白猫から離れないよう必死でついてくる。
ペースは昨日より落として安定させている。匂いはそうそう消えないし、こちらもある程度固まって動いているから迷わない。
足羽以外にもう一人、勝ち上がった候補者の中には南方人の女が居て、そいつも匂いで追えないから俺たちから離れないよう着いてきてる。
朝方まで移動を続け、やはり白猫に野営出来る場所を見繕ってもらい休息に入る。
さすがにサボテンやヤシの実だけでは体力も保たない。道中になんとか捕まえた蛇、ツノトカゲ、蠍なんかを調理もせずそのまま貪り食い腹を満たした。
二日目の野営地には、最後にあのブルドッグ男もやって来た。奴は体格が全体的に太く、手足も短い。走るのには最も向いていない体型だろう。
「遅ぇな」
そいつを見てそう呟くと、ほとんど息も出来ないくらいにへたり込みながらも唸ってくる。
その目の前に、捕まえておいたツノトカゲの裂いた半身と幾つかのヤシの実を投げて渡す。
「あと半時ばかし遅れてたら、食っちまってたとこだぞ」
ブルドッグ男はさらに唸り、それからぐむむ、と呻いて、
「ほ、施しなど、う……」
「じゃあ自分で食うわ」
「……ぅ有り難く頂こう!」
掴み取ってむしゃぶりつく。
あンだけバテバテになってたのによく即座に食えるな。感心するわ。
そして三日目。
全員が集団になり夜の砂漠を進む。
結局のところ集団で移動した方が楽だし助け合える。そもそも到着順にどうこうするとも言われてない。
移動中には特に話すこともないし何かを示し合わせたりすることも無いが、誰かが遠目にサボテンの実を見つけたり、獲物となる動物を見つけたりすると近いもの同士で自然と協力してそれらを穫りに行き、手に入れたものはそのとき必要そうにしているものへと分け与えた。
で、この日の一番の獲物は、糞みてーにデカい爬虫類の化け物だった。
目玉がギョロリとデカく、体格はだいたい例のブルドッグ男並み。つまりはちょっと小柄な人間並。全体的には乾いた土色だが脇腹から背にかけてそれこそファイヤーパターンのような赤と紺の紋様があり、腹の方は鮮やかなまでに真っ赤だ。
そいつが数体、砂の中からぐわっと立ち上がり真っ赤な腹を見せつけるようにしながらヒョコヒョコと、間抜けだがかなりの速度の二足歩行で走り寄る。
「火炎オオヤモリだ!」
誰かが叫ぶと同時に、先頭のデカいのが炎を口から吐き出して、数人の毛を焦がす。
火をつけられた奴は即座に転がりそれを消すが、そこへと踊りかかるように数体が突撃。
その火炎オオヤモリに正面から身体ごと突っ込むのはブルドッグ男。大口開けたまさにその口の中へと、伸ばしたぶっとい両腕を突っ込んだかと思うと力任せに引き裂いた。
その後ろから来るもう一体には、飛び上がった白猫が後頭部の上に跨がってから、手にした片刃の短刀で目玉を抉る。
先頭二体が立て続けにやられ、後続は左右に割れて襲いかかってくる。
右手の一体の鼻面に鋭いパンチを入れるのは唯一の南方人の女。見事に均整の取れたしなやかな長身に、渦巻く入れ墨をしたそいつは、まるで竜巻のように素早く鋭い。
だがこの化け物相手に人の拳じゃ打撃力不足。それじゃあと俺が下からスライディングのように砂の上を滑って、ナタでそいつらの足首を斬り裂いた。
危うく踏まれないように転がり反対側に抜けた頃には、他の奴らも次々に立ち向かっていく。
化け物火炎オオヤモリより数でも勝ってはいたものの、とは言え見事な連携での勝利だった。
そこで一旦休憩しつつ、怪我をした奴には応急措置。最初に火炎のカマシを浴びた四人もそんなたいした火傷はせず、他三人は軽傷。一人だけ足を捻った奴が居たが、歩けない程でもない。
「こいつを使え」
ブルドッグ男が解体した火炎オオヤモリの骨と皮と肉で、無理矢理ながら間に合わせのギプスを作って固定する。肉は腫れて熱をもった部位を冷やすためでもある。
全く戦いに参加してなかった足羽は当たり前に無傷。それでも空人という種族の中でも特別な者のみ持つという【魅了の目】とやらのおかげなのか、変に周りに気遣われてやがる。
俺は火炎オオヤモリ肉を相変わらず生のままかじり付こうとするが、それを見た白猫が、
「アナタ、魔力循環鍛えてないでショ? お腹壊すヨ」
と忠告。
「そうなのか?」
「魔力循環出来ないと、魔獣肉の魔力、毒にナルからネ」
むー、そりゃ厄介だな。
暫くの休憩の後に移動を再開。獲物の肉や皮には利用価値があるのである程度を手分けして運ぶ。
速度は怪我をした奴に合わせて、既に普通の歩行並。
やはりお互いに話すこともなくただ黙々と匂いを追って進み続ける。
空が白み始めた頃に、前方に赤い大きな岩山のようなものが見え始め、近付くに連れて大きな谷が開いて居るのが分かる。
荷物も増えて、歩き続けで全員かなりバテてはいるが、そこが目指す“獅子の谷の野営地”であろうことが分かると、それぞれの足に力がこもり出す。
出発してから約二日と半日。
俺たちは11人揃って“砂漠の咆哮”の新人訓練キャンプへと到着した。
▼ △ ▼
到着したこの谷は、入り口は広く、半円状に簡単な柵が作られ囲われている。その柵のある左右と、岩場の上へと設えられた階段の先とに物見櫓みたいなもんがあり、そこに見張りらしき奴らが居るのも見て取れる。
岩壁に沿うように幾つかのテントが貼られていて、やはりそこにも数人の人影が見えるが、遠目にもほとんどが獣人のようだ。
どこかからは飯を作ってるのだろう煙が立ち上っている。そろそろ朝飯の時間というところだ。
柵を越えて俺たちはまっすぐに進んで行く。
その先、柵に囲われた広場の真ん中に居るのは当然、あの黒い闇から抜け出したかのような傷だらけの猫獣人、ヒジュル。
ひっそりと目立たぬような佇まい。だがそれでも圧倒的な存在感を感じさせる。
「並べ」
静かだが有無を言わせぬその声に、疲れ果てていた俺たち全員が背筋を伸ばして横一列。
「───まずは良く来た……と、言っておこう、ヒヨッコ共。
貴様らは今ここで、戦士となる為の入り口に立った。
どこで生まれ、どこで育ち、今まで何をやってきたか。そんなものは知らんし、興味もない。
隊商の護衛? 部族の英雄? 裏切り者? 盗賊? クトリアの家畜?
どうでも良い。貴様らの今までのことなど、ここでは何の価値もない。
あるのは───これから貴様らが、何を学び、何を得て、何者になるか……ただそれだけだ。
ヒヨッコのままか、真の牙と爪を得た戦士となれるか。それは貴様ら次第だ」
新兵への心温まる訓辞。自由を愛する猫獣人という触れ込みからすると、かなり異質な感じはするぜ。
「ここに来るまでに、貴様らは一つ目の課題をクリアした。
それは仲間と共に行軍をすることだ。
“砂漠の咆哮”は軍隊じゃない。だが任務によっては数人でチームを組んで戦うこともある。
そのときに、いかにお互いを助け、協力して事に当たれるか。それが重要になる。
もし貴様らの中で、誰とも歩みを共にせず一人でここに来た者が居たら、そいつは砂漠に放り出されていただろう。
その点貴様らは───11人全員で揃ってここまで来た。
そこは誉めてやる」
この死のロングウォークにそんな意図があったとは知らなかったが、偶然にも今回は満点の結果になったらしい。
着いた頃に白み始めていた空は、既に雲一つない快晴の青空へと変わっている。
立っているだけでじりじりとした強い日差しが背中から頭頂部を焼いてくる。
「名など聞かん。名乗らせもしない。今の貴様らに名などはない。貴様らの名を覚えてやるのは、正式に入団が決まってからだ。
貴様等用のテントを教えておく。昼までは休め。
それから───みっちりとしごいてやろう。死にたくなるほどにな」
ヒジュルの傷だらけの黒い顔の中、ただ一ヶ所右の唇の端だけが、微かに愉快げに小さく上がった。
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