遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~

ヘボラヤーナ・キョリンスキー

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第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!

3-139.クトリア議会議長、レイフィアス・ケラー(66)「……あれ、バレてた?」

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 この族長との会見用の天幕の中、今残されているのは族長一族と呪術師長のザルケル。そして僕とエヴリンドの二人だけだ。
 理由はもちろん分からない。今現在、僕らはあくまで偶然若巫女様のジャミーを助けたイベンダーとその仲間たち……という立場でここにいる。
 決してクトリア評議会の議長としてここにいるわけじゃない。
 それなのになぜ僕、そしてエヴリンドだけをここに残し話をしようというのか。その内容はいったい何なのか───。
 
「───レイフ殿よ」
 まずは、重々しくもそう口を開くアーブラーマ・カブチャル・カーン。
「おめさんは闇の森ダークエルフ……。それに間違いはねえが?」
  
「はい、そうですが……」
 別に隠すこともないので素直にそう答える。
 
 それに続けて、
「どこの郷だ?」
 と短く聞いてくるが、やはり質問の真意をはかりかね、僕はとりあえず後ろに侍るエヴリンドへと目配せ……したところで彼の真意が分かるようになるわけじゃない。
 
「ケルアディード郷です」
 
 ここもまた正直にそう答える。
 すると、アーブラーマ・カブチャル・カーンは良く日に焼けた浅黒い顔をやや緩めて、
「おお、では、ナナイ殿を知っておるが!?」
 と笑いかけてくる。
 
 ……え~、そのパターン~……?
 
 ◇ ◆ ◇

「まずはレイフ殿よ。
 ここからの話は“秘する者”ヒドゥアの名において、外には漏らさぬものと約束してもらいたい」
 アーブラーマ・カブチャル・カーンは、まさに僕らダークエルフの流儀に従って、そう秘密の厳守を求めてくる。三美神が一柱、ヒドゥアの名を出されれば、僕らはその秘密をうかうかと漏らすワケにはいかない。
 つまりは、それだけの重大な話がこれからなされるのだろう。
 
「アルーク、アーロフ、ジャミー、ドーンタ、そしてミーミ。これは我が一族の根本にも関わる話だ」
 
 ミーミと言うのはアーブラーマ・カブチャル・カーンの長子で、呪術師長ザルケルの妻となった女性だ。父権社会のカーングンスでは、他の家の妻となった時点で厳密には族長の家族ではなくなる。今回はザルケルの妻として特別に同席しているが、発言権はないようだ。
 
 アーブラーマ・カブチャル・カーンの話は、およそ36年前、つまりは滅びの七日間からの大帝国シャーヴィー及びティフツデイル帝国、そしてクトリア王朝の崩壊の時期に遡る。
 
 シャーヴィーの崩壊は従軍し連れてこられた軍勢の大半を敗走させ、ティフツデイル帝国版図から東の地域に大混乱をももたらした。
 ここで大きな動きをした勢力にオークやケンタウロス達がいる。
 ティフツデイル帝国版図の東方には広大な平原が広がり、そこには半人半馬のケンタウロスや、丘陵地帯に住むハーフリング、そして沿岸部には人間の村々があった。
 シャーヴィー大帝国の軍勢は、主にその沿岸部を侵略しつつ西征を続けて来たが、それは北方山岳地帯のオークや、平原のケンタウロス相手の戦いは流石に分が悪かったからだ。
 その中で、山岳オークのいくつかの部族とケンタウロス達が、敗走するシャーヴィーの軍勢に襲いかかったのだ。
 
 これを卑劣、卑怯ととるかどうかは難しい所で、敗走軍は当然ながらも大遠征からはるか東の故郷へと戻る際、途上の村落や町を襲撃、略奪していく。
 占領支配されていた沿岸部の町々の中には反乱を起こし防衛に勤める町もあったが、中には敗走軍の徹底的な略奪で壊滅状態にまでなった町もあるという。
 それらの動きを、ある意味牽制し、また防いだのもオーク軍やケンタウロス達だ。
 
 彼らがどういう目論見で敗走するシャーヴィー達を追撃したのかは分からない。分からないが、沿岸部の町々の人間や、また幾つかのハーフリング郷等は、オークやケンタウロスの追撃により救われた、との考えを持ってもいると言う。
 
 で、この話がどうカーングンス達に繋がるかと言うと……。
 
「我等は、本物のカーングンスではねえのだ」
 
 アーブラーマ・カブチャル・カーンからの、衝撃的告白。
 驚いていないのは、族長の妻トリーアと、長老格の呪術師長ザルケル。それと……驚いてはいるらしいが反応がやや薄いのは、長兄のアーロフにザルケルの妻ミーミか。
 
「そ、それは一体、どういう事なんだ、親父殿!?」
 
 最も驚き慌てるのは次期族長とされる若君様のアルーク。
 まあそれも当然だろう。彼は次期族長としてカーングンス達を導いていく立場だし、何よりリカトリジオスとの同盟も、かつてのカーングンスの栄光を取り戻すためだと考えていたらしいのだから。
 
「我らは確がにある意味ではカーングンスだ。だが元々は、騎射でならした勇猛な部族のカーングンス達に破れ、その戦奴どなり大遠征に連れでごられだ小さな部族に過ぎながった」
 
 再び絶句するアルーク。
 族長、アーブラーマ・カブチャル・カーンの話は続く。
 
 カーングンス達も元々は東方の平原でシャーヴィー族と覇を争う敵対部族だったそうだ。騎射、そして平原での戦いにおいてはシャーヴィーを上回ったが、シャーヴィーは戦そのものよりも戦になる前の外交や策略という点で彼らに勝っていた。
 優れた武器をより多く、安く手に入れ、また、強大なカーングンスに対して周りの弱小部族たちを取り込み包囲網を敷き、大きな衝突にならない小競り合いを波状攻撃のように仕掛けて消耗させる。
 最終的には搦め手の末に族長の大カーンを破るのだが、そこでカーングンス達を戦奴とするのではなく、同朋として厚遇した。
 そこではまた族長の後継者争いをしていた二人の兄弟の内一人を取り込んだ策略もあったりするらしいのだが、何にせよ、シャーヴィーは平原最強の部族を取り込み、それによりさらなる覇業……西征への道筋ができた、というわけだ。
 
 その後の快進撃は知っての通り。
 騎射、騎馬突撃など、平地での野戦に強いカーングンス達と、外交、策略、そして城攻めなどに強いシャーヴィーは、方術に長けたシムルシュや、精強な歩兵を抱えた戦士の国ディシドゥーラ等を次々に支配下にし版図を広げていく。
 
 そして、アーブラーマの部族、カブチャダルムは、カーングンスがシャーヴィーに敗れ、併合されるより以前にカーングンス達の戦奴となった部族の末裔なのだと言う。
 
「我々も元がら騎馬を使う遊牧民だ。だがカーングンスには及ばず、敗れ、奴隷どされだ。
 外がら見れば我々もカーングンスの一員。しかしカーングンスの中においでは最下層の奴隷。戦では最も危険な役回りをさせられ、平時には荷運びに汚れ仕事の重労働……」
 
 その境遇に変化をもたらす一大転機が、滅びの七日間によるシャーヴィー大帝国の崩壊。
 
 ティフツデイル帝都へと攻め込んでいた最中に、地割れに嵐、そして大洪水と立て続けに起きた天変地異で、侵攻軍の主力、指揮官といった者たちは ほとんど海へと飲まれていった。
 神の采配かただの偶然か。最前線にいたアーブラーマ達カブチャダルムの部隊、部族は偶然にもその難を逃れたのだが、そこでアーブラーマ達は敗走するカーングンス本隊から抜け出すと言う大きな博打に出る。
 
 このまま戻ったところでどうせ奴隷の境遇は変わらない。むしろ敗走の責任を取らせるのなんのと言った口実でスケープゴートにされる可能性もあった。奴らが死に物狂いで逃げ出そうと言うなら、むしろここに残った方がまだマシだ。
 同じような考えを持っていた者たちは他にもいた。呪術師長ザルケル等もその一人で、シムルシュの方術師として連れられて来ていた戦奴達とも協力し、巨神の骨の東を周り南下して赤壁渓谷方面へと向かおうと言う計画、指針が建てられた。
 
 が。
 赤壁渓谷付近も決して安全とも言えなかった。
 元々クトリア近郊は魔力溜まりマナプールの歪みにより魔獣が多く、また、同様に壊滅状態になり邪術士に支配されたクトリアから逃れてきた者達の、例えば元クトリア正規軍の兵士のなんのが山賊化した集団なども跳梁跋扈していた。
 
「そこで、我等は闇の森でナナイ殿と出会った」
「……え~~……?」
 
 さてここで思い返してみよう。
 滅びの7日間の影響は闇の森にも及んでいた。魔獣が活性化したし、シャーヴィーの敗残兵のいくつかの部隊は、やはり同様に闇の森へと逃げ込み、その多くは呪いや魔獣により死んだり殺されたりしたのだが、それらがさらに動く死体アンデッドとして蘇って暴れたりもしていた。
 当時は実年齢として十歳ちょいの子供だった僕も、何やら大変なことが起きてるらしいなあとぼんやりと考えていたりもしたし、まだまだ若手だったエヴリンドや中堅レンジャーだったアランディ達も、よりベテランのレンジャーの指示で色々と動き回っていた。
 もちろん氏族長である僕の母ナナイも、当然、陣頭指揮をとって闇の森中を駆け回っていたはずだ。
 
「カーングンス本隊がら逃げ出すのは一づの賭げ。そしてその賭げに勝づだめには、本隊が決して追ってごねえであろう所へ逃げ込むべぎだど考えだ。
 ザルケルは闇の魔力に対する対処法をある程度心得でいだ。そんだがら我らは、まず闇の森へど入り込み、そごである程度の時を稼ぐべどいうごどになった」
 
 その目論見は甘かった……と、彼は言う。
 平原の遊牧民である彼らにとって森は元々不得意なフィールドだ。加えて、想像していた以上に濃い闇の魔力が彼らの体調を常に低下させ、苦しめ、弱らせていった。
 食料飲み水を手に入れるのもままならず、また凶暴凶悪な魔獣や動く死体アンデッドの群れに襲われ続ける日々。
 
 そこで……母、ナナイに助けられたのだと言う。
 
 冷酷なようだが、闇の森ダークエルフの不文律としては、闇の森へと不用意に入り込んだ者達のことを積極的には助けない。
 害意のない侵入者をわざわざ襲うこともしないが、彼らが呪いにより死ぬならば死ぬに任せ、魔獣に襲われ殺されるならば殺されるに任せる。
 そうすることで、闇の森が危険な場所であり不用意に立ち入るべきではないということを外の世界に知らしめる必要があるのだ……などと、例えばグレイシアス郷のジーンナ等は得々と述べるだろう。
 
 そしてそういう闇の森ダークエルフの不文律であるとか、ダークエルフらしい在り方、立ち振舞いだとかに果てしなく無頓着でいい加減なのが、僕の母ナナイだ。
 
 たまたま、偶然、通りすがりに、彼らと出会った母ナナイが、気まぐれに彼らを手助けしたという話は、あまりにも想像に難くない。
 
「……あの時の連中か」
 隣で小さくぼそりと呟くエヴリンド。その場で居合わせたのか、はたまた後から聞いたのかは分からないけれども、どうやら心当たりがあるらしい。
 
「ナナイ殿は様々な助力をしてぐれだ。薬や治癒術での癒し、食料や飲み水の確保……。のみならず、強い闇の魔力への抵抗力をづげる訓練法も教わったし、魔獣どの戦い方も教わった。それに、いぐづがの魔装具や魔法の武器も……。
 例えば、部族長の証どなるこの山刀もな、ナナイ殿がら頂いだもんだ」
 
 すらりと鞘から抜き放たれた、光り輝く鋼の山刀は、確かに僕らケルアディード郷のそれと同じだ。
 
「な~るほどなあ」
 そこで不意に長兄であるアーロフがそう感心したかに言う。

「親父殿の持づその部族長の証の山刀が、我々の部族のものどは意匠、作りが異なっどるごどが、ずっと不思議だったんだ。調べだ範囲ではエルフのものに近えどいうのもな。
 なるほど、元々ダークエルフ製どなれば、確がにそれも当だりめぇだな」
 
 調べた範囲、なんてさらりと言うけど、いやそれ、この辺りで簡単に調べられるものでもないでしょ。
 
「我等がなんとか態勢を立て直せるようになり、闇の森を出た後に、この赤壁渓谷までの道筋を示してくれたのも、また、カーングンスをそのまま名乗り続ければ良いとの助言をくれたのもナナイ殿だ」
 
 カーングンス遊牧騎兵の名は広く知れ渡って居た。そして戦奴とは言えその内部にいた彼らが、カーングンスの戦略や騎射技術に詳しいのも当然で、カーングンス本隊の多くが東方に逃げ、またその途上でケンタウロスや山岳オーク達の追撃を受けて壊滅したのも分かって居た。
 彼らがカーングンスを名乗るとしてもそれは嘘ではないし、またそう名乗る事で防げた災いは多かっただろう。
 
 何より……ものすごく軽い調子で、「だったらアンタらがカーングンス名乗っちまえよ」と言う母ナナイの姿は、まるで今見たかのように思い浮かぶ。
 
 ジャミーも衝撃を受けては居るし、最年少のドーンタ君なんか大口を開けたまま反応してない。
 が、やはり一番呆然としているのは次期族長のアルークだ。
 自分がこれから背負い、またかつての栄光を取り戻そうと考えていたカーングンスとしての存在意義が覆ってしまった。まさにちょっとしたアイデンティティクライシス。
 俯き、地に両手を着きながら震えてながら、
 
「親父殿……」
 
 絞り出すような声で吐き出す。
 
「ならば俺はこれから、一体何を誇りにして行けば良いのだ……!?」
「───知らん」
 
 ……て、えーーー!?
 それはさすがに……ないんじゃないの!?
 と、そう心の中で突っ込んでしまうが、
「アルーク、おめの中の誇れるものはおめの中にしかねえ。おめが作り出したもの、おめが得だもの、おめが打ち勝っだもの……。そごにしかねえのだ」
 と、アーブラーマ・カブチャル・カーンが続ける。
 
「兄上の武勇は我が部族の誰もが認める優れだものだ」
「おめが次期族長に選ばれだのは、単に俺が馬に乗れぬがらではねえ。おめには俺にはねえ、人を惹ぎ付げ率いる資質がある。それは俺には出来ぬ事だ」
 ジャミーとアーロフがそう続ける。
 
「前カーン、俺の親父は、カーングンスの戦奴ど言う境遇がら部族を救う為に命を賭げ、その行ぐ末を俺に託した。
 俺はその後を受げ継ぎ、闇の森でナナイ殿の助げを得で部族の立で直しを終えでがら、この赤壁渓谷へど移り、野営地を築いで家畜を増やし、我らがこの地で生ぎる道筋を立でだ。
 俺は、このどぢらも誇っぺぎ偉業だど思っている。
 アルーク、俺がおめに継がせだいのは、過去のカーングンスの威光ではねえ。俺の父、そして俺……新だなるカーングンス、カブチャダルム・カーングンスの三代目どして、この部族を繁栄させる役割だ」
 
 誇りとは───自らが生まれる前にあった過去の栄光ではなく、自らに連なる過去、そして今、未来に繋がるものの中にある───。
 
 アーブラーマ・カブチャル・カーンの伝えたい事、伝えるべきことは、つまりはそういう事なのだろう。
 そのことがアルークの心にどれだけ染みたか、それは今の僕には分からない。アルーク自身にももっと考える時間が必要だろうし、そうそう簡単に気持ちの心の切り替えがつくものでもないだろう。
 
 俯き、深くその言葉を反芻しているだろうアルーク。
 そこへ、しかし今度はその兄のアーロフが話を切り出す。
 
「親父殿。過去の話はこれでひとまず終わりでいいが?
 なら……こっから先は俺の話だ。未来、そしてクトリア評議会の議長、レフィアス・ケラー殿と、我等カーングンスとの交渉の時間だ」
 
 ……あれ、バレてた?
 
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