遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~

ヘボラヤーナ・キョリンスキー

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第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!

3-243. J.B.(138)A day in the life(日々のある日に)

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 突撃する魔狩人たちを横目に、俺はそのままトラブルのあったらしきレフレクトルの区画へと先に向かう。レフレクトルは遠目に何度か、最も近付いたときもボバーシオへ行く際の小舟の上で、ここまで入り込んだのは初めてだが、成る程確かにこりゃ市街地以上の廃墟っぷりだ。
 さらには近付けば近付くほどハッキリ分かるが、魔力汚染のひどさったらありゃしねぇ。
 俺は魔力汚染への耐性のある魔糸織りトーガを身に纏い、また、ザルコディナス三世との戦いの際、急ピッチでだが闇属性への魔力耐性をある程度つけた。あの糞苦い上吐き気と悪寒の止まらなくなる死目虫茶をしこたま飲んでな。
 だからレフレクトルの汚染地域に入っても、即座に行動不能になったりはしないが、とは言え気分はまるで良くねぇ。
 その嫌な気分を飲み込んで、汚染されてるせいでまるで効かない風の魔力察知を早々に諦め目視で探ると、かつて城門があった場所からほど近い辺りに動きがある。
 どうやら崩落が起きて、さらには戦闘も始まってるようだ。
 急降下で近付くと、まずは妙な木製の小さな札が連なって人型をしてるようなもんが“狂える半死人”の突撃からの爪を受けている。それを操っているのは多分カリーナ。その横合いから二股の剣を振るい“狂える半死人”を仕留めるのは……あー、クルス家の使用人だかなんだかでデジリーのお目付役……ミレイラか。
 いつもカリーナとタッグを組んでるティーシェは……ああ、倒れながらも素早く山刀で応戦。
 真ん中でうろうろしてんのはクルス家の長女、デジリー。あいつはガエル同様、こういうときには戦力にゃならねぇ。
 で、その横が“黎明の使徒”の女司祭で、その奥がダグマにエヴリンド。
 常ならエヴリンドはレイフのそばを離れることなんかありえねぇ。態度はいつも不機嫌そうで文句ばっか言ってるが、マジであいつの護衛任務への実直さは傍目にも感心するほどだ。で、そのエヴリンドの近くにレイフの姿はない。
 こりゃあ……あの妙な手紙通りの展開だってーことか?
 
 何にせよまあよろしくない状況なのは間違いねぇ。
 “狂える半死人”の相手は、もうヴェーナ領でやり過ぎたってぐらいやり過ぎてる。慣れたいことでもねぇが慣れ過ぎちまったそれを、まずは横一閃の【風の刃根】の先制で乱入開始。
 
「東周りの正門側から魔狩人の一団が援軍! 撤退の援護をすんぜ!」
 低空まで近寄ってそう大声で叫ぶと、
「JB!? けど、レイフが……!」
 とはカリーナ。なるほど、確かにレイフだけが行方不明……って状況か。
 だが……どうなんだ?
 あの手紙の内容、デュアン経由で俺、またリディアにも伝わっていたらしいし、どういう目論見なのか分からねぇがレイフとしちゃあ自分の無事、安全を確信した上での計画なんだろうが……それをここで俺が言って信用されるか? 特に……。
 
「指揮権を代行する! 全体、隊列を固持したままJBの先導のもと撤退!」
 
 と、大声で言うのはエヴリンド。一番説得が難しいだろうと思っていた相手が、真っ先に俺の言葉を受け入れるとは予想外だ。
 だがまあ、おかげで撤退はスムーズに進む。もちろんこの計画は、レイフからのあの謎の手紙の内容が正しく、今行方不明になっているレイフが無事である、との前提。そこがもし間違っていたら……と考えると冷や汗もの、どころじゃ済まないが、どうあれ今この状況をなんとかしなきゃならねぇ。
 “狂える半死人”の群れをいなしつつ、エヴリンドを中心に先へ進む。ほどなく現れた魔狩人達は進むルートの岩蟹を既に片付けていて、半数は調査チームの周りを囲んで、残り半数はしんがりで未だ追ってくる“狂える半死人”達へと応戦しつつ後退する。
 盾に山刀、または背に嘴の付いた手斧、といった武器が多いが、さすが魔狩人達はそれぞれの魔獣や“狂える半死人”なんかへの対処法を心得てる。痛みや恐れのない“狂える半死人”は、まずは足を潰して機動力を奪う。そうすれば、猪突猛進で生者を執拗に追う奴らは、這いながらのろのろと迫って来る。そこで頭へガツンと一発。実際には動く死体アンデッドではない“狂える半死人”は、魔力点か頭を潰されれば終わりだ。
 俺の【風の刃根】もまた、普段なら牽制の為広範囲にばら撒く事が多いが、こいつら相手なら一点集中で頭か膝を狙う。
 一発の威力の低い【風の刃根】だが、何発も同じところへ連打すれば膝も壊せる。ごくまれに居る重武装しているやつ以外なら、これで十分に機動力は奪える。
 
 正門付近まで移動した頃に、ちょいとした山のような巨体が地響き立ててやってくる。エヴリンド以外は初見、まあそうとう肝を冷やしただろうが、もちろんリディアの騎乗した片角の死爪竜だ。
 
「おぉ~っと、もう済んじまったか?」
 おちゃらけてそう言うリディアに、エヴリンドが小さく、
「……本当に来たか」
 とボソリ。
 ふん? そりゃまた、同じような感想だぜ。
 
 □ ■ □
 
 魔狩人たちは魔力汚染に耐性のある金色オオヤモリの皮をベースにした鎧を着ている。耐性があると言ってもまあ、レフレクトルくらいの高濃度汚染っぷりじゃあそんなに長時間は動けない。だがそのまま正門近辺の岩蟹や動く死体アンデッド、それに“狂える半死人”なんかの始末を続けた。中心には死爪竜に乗ったリディア。廃墟や地下に隠れてるような連中も、そいつが炙り出して仕留めていく。
 
 事情の分からないカリーナ達はレイフが行方不明なままなのを心配しているが、困ったことに俺にも詳しい説明は出来ない。
 とりあえず調査チームの面々を休ませ落ち着かせ、俺はエヴリンドと“込み入った”話。
 
「一番最初に手紙が来たのは50年ほど前だ」
「はぁ?」
 唐突なエヴリンドの言葉に、俺は文字通り大口を開けて驚く。
「最初は、全くどういう事か分からなかった。私はその頃は郷でレンジャー訓練をしていて、レイフはまだ生まれてもいない。全く知らない者から、まるで旧知のごとき内容の“手紙鳩”が届いたのだからな」
 手紙鳩は届ける相手の魔力を羊皮紙に付与しなきゃならない。つまり、送り主が届ける相手の魔力の込められた専用の魔導具を持ってなければ送れないワケだ。だから、全く見ず知らず、関わりの無い相手から届くのはまず有り得ない……という。
 
「そりゃつまり……過去に手紙が送られた……てことか?」
 そう聞くと、やはり相変わらずの渋い面のまま話を続ける。
「ああ。すっかり忘れていたその手紙の謎の答えが分かったのはつい先日だ。新しい手紙が届いてな」
 懐から取り出したそれには、俺が読んだデュアン宛てと似たような内容だがやや違う。ざっくりはじめの方を読んだだけでも、デュアン宛てよりも行方不明になる経緯が詳細だ。
 
「レフレクトル調査の前にこの手紙が来た。内容についてはレイフ自身含めて口外しないようにと念押しされてな。実際、レイフ自身こんな手紙の事など知らぬかに振る舞っているし、どうにも理解し難い状況だが、その答えも手紙にあった」
 
 行方不明になる詳細だけでなく、行方不明になってどうなったかの経緯。それが、
「まさに50年前の手紙が、今さっき地下への崩落に紛れて行方不明になったすぐ後に書いたものだ……とな」
「待て待て待て待て、そりゃ……つまり、レイフの奴は過去へと戻った……ってーのか?」
 タイムスリップだなんだって、そりゃ、SFじゃああるまいし、だ。
「そうらしい」
「あっさり言うなよ。んじゃあよ、その……50年前に戻っちまったレイフが50年前のアンタに手紙を出して、それからずーっと連絡なしで、丁度その過去への旅の始まりの時にまた連絡して来たのか? 50年間何してたんだ?」
 
「最初の手紙では、過去へと戻った事が分かっておらず、同じ時代で場所だけ転移をしてしまったと思っていたようだ。その後の経緯は、新しい手紙の続きにある」
 改めて読み続けると、その後の転移の繰り返しで、今現在との実時間の誤差はおよそ一年ちょいにまでなったらしい。つまり俺たちの知ってるレイフから多少の年をとった状態で今この世界のどこかに居て、そのレイフがデュアンやリディア、エヴリンド達へ手紙を送った……という事か。
 
「書いてある通り、デュアンらにも手紙を送り、お前とリディアと他数人ほどが援軍として来るだろう……というのが、まさに実現した」
 半信半疑ながらも、二通目の、新しく来た手紙に書かれてる事が実現し、その内容が事実であると思わざるを得なくなる。
 もちろんそれは予言とか予知とか言うもんじゃあねぇ。レイフ側からすれば既に起きた事実と、それに対して自分が行った事後の対応策だ。
 だから、そうならない可能性もあった。リディアが依頼を無視したかもしれない。俺が都合悪くレフレクトルまで来れなかったかもしれない。だからまあ、念を入れて何通りかの手紙に何パターンかの想定で書かれても居た。
 
「……だが結局よ、レイフの奴はいつ戻ってくるんだ? 少なくとも、手紙書いて寄越せるような状況では居るんだよな?」
 書かれてる内容が正しいなら、今は……今は? まあとにかく、過去に居るわけでもなきゃ、勝手に転移しちまう状況だのってワケでもねぇ。……いや、まあ「過去に居る」ってのも変な表現だがよ。
 
「ま、無事ってことが分かってんならまずまずだろ?」
 
 そこへそう言いながら顔出ししてくるのは魔狩人のリーダーのリディア。
 そうだ、コイツんとこに来たって言う手紙はどんな内容だったのか。
 そう聞こうかと口を開きかけたところ、先んじて問うのはエヴリンド。
「───まさか、お前がそうだとはな」
 だが、そいつは俺が聞こうとしたこととはまた別だ。と言うか、ちょっと何言ってっかよく分からねぇ。
「そりゃお互い様。長く生きてりゃしがらみも色々あらぁね。
 ま、アタシはウッドエルフの血はそう濃くないみたいだから、君らみたいな御長寿ってほどでも無いけどね」
「あ? そうなのか?」
 ウッドエルフ……と言やぁドゥカム……あと、例の“闇エルフ団”の頭領になっちまってたサッドとか言う奴が混血だってな話だが、リディアもそうだとは知らなかった。
「まぁ、ンな事よりかよ、アンタは何て手紙もらってんだよ?」
 話をそう戻して聞くと、
「“依頼”は今日、この日にレフレクトルでトラブルに遭ってるレイフ以外の調査隊メンバーの救出、または撤退の援護。それと、その後の調査での魔獣、不死者アンデッド、また“狂える半死人”等々の始末、対応。
 で、報酬は半分は既に届いててね」
 前金で……ではなく素材で、だが、
「岩鱗熊や雪狼に氷狼の毛皮、白首毛長竜の牙に角……もっとレアなのは闇の生霊や氷の生霊のエキス……。ふふふ、ここらじゃ絶対手に入らない魔獣、魔物素材が箱で送られて来たからね」
 ……っと、よく分からんが反応からすると相当貴重なもんのようだ。
「で、取りあえず半月はエヴリンド、君の指揮下で動ける魔狩人の一隊を派遣する。その後状況次第で契約更新……だね」
 とにかく、ここらにはない魔獣素材やらでリディア達を雇い入れての細々した指示はあるらしい。
 となると俺の方はというと、ここでやることはあんまりねぇ。
 俺は俺で、ルチアやポロ・ガロの絡みから、例の“人民の守護者ガーディアン・オブ・ソサエティ”とかの件を頼まれてはいるし、一応遺跡調査団の仕事もある。
 エヴリンドはここで指揮の代行をするらしいし、これ以上ごちゃごちゃ話すこともあんまねぇか。
 あとは……まあ、ここの連中にどう説明するか、だな。
 
 □ ■ □
 
 昼過ぎで既に休みの時間に、日差し除けの簡素な天幕に隠れながら、野営地に集まってる調査団へとエヴリンドからの説明。例の見張り台らしき場所にある、何やら魔力中継点マナ・ポータル端末っぽい装置で拡声しながらだ。
 かいつまんだ説明の中には時間移動については含めてない。シンプルに、偶発的な事故で転移してしまったが、きちんと生きていて問題はなく、ここでの調査作業はエヴリンドを代行として続けると言う事を告げる。
 それから、カリーナ他、現地に乗り込んだ調査達の面々、ガエル・クルスや狩人、王の守護者ガーディアン・オブ・キングスの代表なんかを本部天幕へと集めて細かい指示など。
 それを一旦解散させてから、改めて数人へ細か事情説明。
 
「……そりゃまた、えらい事になったのねェ~」
 調査隊面子の中でも特に魔術的な事柄への知識があるカリーナ、そして“黎明の使徒”の女司祭ミカがまずそう反応する。
 それに続き、何故かこの面子に加わっている“ブルの驚嘆すべき秘法店”のルーズが、周りを伺うようにキョロキョロしながら、
「そ、それって……その、あの場所でまた同じ事起きる……てこと?」
 と聞くと、
「ま~……多分、まず無いわねぇ~」
 とミカ。
「古い、使えなくなった転移門とかで、ごくたま~……に、転移してしまう事はあるらしいけど、本当にごくまれなの~」
「まあ一応、その区画を封鎖して結界とかやっときゃまず問題ないんじゃない? 後でまたキチンと封印する必要はあっかもだけど」
 二人ともあやふやな物言いながら、めったにあることではないとは保証してる。う~ん、この辺、デュアンやドゥカム辺りにも確認とっておきたいもんだな。
 
「とりあえず、暫くは私が指揮権をもって追加の調査と討伐任務を続ける。討伐、調査の護衛としては東地区の魔狩人たちにも加わってもらうから、今回のような状況にはならないだろう」
 改めて、レフレクトル内部まで侵入した調査隊面子へとそう宣言するエヴリンド。
「具体的には、デジリーとミレイラはある程度の安全が確保された区画にのみ入るようにし、その前段階では別の王の守護者ガーディアン・オブ・キングスや狩人の面子を加える。
 それと……」
 そこで再び、ルーズへと視線を向ける。
「レイフとしては、お前にはまた別の計画があるらしい」
 言われた本人はもとより、その場の全員が頭の上に疑問符を浮かべた。
 
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